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話題のクレープ屋で

17/10/20 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:32

快晴の休日。友梨は、テレビを観ながらゴロゴロしている旦那に言う。
「今日はこんなにいい天気なんだから一緒にどこかに出掛けたいなぁ」
「俺は家でのんびりしたいから、どこか出掛けたいなら一人で行ってこれば?」
出不精の旦那はいつもこんな返事だ。
付き合ってる頃みたいに一緒に出かけたいのに。
こんな時、友梨は決まって大学時代に片想いをしていた健太のことを思い出す。
今・・・

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蝶々が羽ばたくとき

17/10/20 コメント:0件 文月めぐ 閲覧数:28

「南、こっちの仕事手伝ってよ」
「南さん、次はこっちって言ってたよね!」
 教室の中では男子によるお化け屋敷の設置、廊下では女子が小道具を用意している。しかし、廊下の女子組では、問題が起こりつつあった。
 学校祭は明日に迫っているのに、まだまだ小道具の仕事は終わりそうにないのである。
「あっち、大丈夫かな」
 僕たち男子組が廊下に出ると、剛が小声でささやきかけてきた。・・・

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善は急げ

17/10/20 コメント:0件 とおのあゆ 閲覧数:31

善いことをした日は気分が良い。

小春日和の陽気の中で、宏樹は高揚した気分を抱えながら駅を横目に歩く。日の当たらないこの裏道も、今日ばかりは懐が温かく感じる。

今朝、眠い目をこすりながら宏樹がサラリーマンに溢れる駅の改札口を出ると、後ろからふと肩を叩かれた。
「これ、落としましたよ。」
振り返ったとたん、黒い長財布を差し出された。宏樹は反射的に受け取ったが、そ・・・

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赤いプラダ

17/10/20 コメント:0件 秋 ひのこ 閲覧数:43

「工藤様、この度はご愁傷様でございます」
 火葬場の職員が神妙な面持ちで深く頭を下げた。右手に骨壷、左手は5歳になる娘のナツとつなぎ、ケイコは目礼で返した。葬儀はせず火葬だけで母の死を弔ったのは、ケイコとナツのふたりだけだ。
 骨壷に納まる母はまだ若く、享年45。7年前、17で家を出て以来、顔を合わせたのは向こうから金をせびりに来る時のみ。
 アパートに戻ると、家の前で人相の悪い・・・

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残り物たちの夕暮れ

17/10/20 コメント:0件 けこぼ坂U介 閲覧数:31

 なぜか平日の日暮れ前にマントヒヒを眺めている。アホ面で、少しも動かない。時おり器用に鼻を穿っては、取り出した物を口に運んでいる。およそデートにふさわしくない光景を前に、隣の女は薄笑いを浮かべている。

「彼女がこっそり毒を盛ったなら、気づかないふりして飲んだと思いますよ。それは僕が悪かったってことだから」
言いながら、何でこんな話になったのかと考えた。婚活で、三回目のデートであ・・・

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「ねぇ貴方、そのお財布だいぶボロボロですけど、買い替えないのですか?」

17/10/19 コメント:0件 黒江 うさぎ 閲覧数:39

 この財布?…ちょっと思い入れのある財布でさ、捨てられないんだよね。
 …うん、確かに僕の趣味じゃ無いよ。
 …あー…えとー…ある女の子と同じ物…違う!その子に未練があるとかじゃないから!包丁を下ろして話を聞いて!お願い!
 …ぜぇ、ぜぇ…いったいどこからこんな力を出してるの?…愛故にか…そっか…。
 …うん、そんなに殺気を出さなくてもちゃんと理由を話すから…あまり面白い話・・・

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充電器

17/10/19 コメント:0件 和倉幸配 閲覧数:37

「よーし、充電完了。百パーセントっと」
 デートの帰り、駅へ向かう道すがら、ミカはそう言って「うーん」と背伸びをした。
「何だよそれ」
「こうやってタクと会うとさ、何か充電される感じがするんだよね」
「充電?」
「今週は仕事でも色々あってさ。電池切れ寸前だったんだ。だけど、もう大丈夫。タクのおかげでまた頑張れそう」
 ミカは両手でボクシングのような恰好をする。<・・・

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確信犯たち

17/10/19 コメント:0件 石田ゆき 閲覧数:40

「あっ」
「どうしました?」
「いつものあれ、在庫また切れてる……。牧瀬さん、申し訳ないけど明日の定休日……」
「いいですよ。ちょうど予定もないですし買い出し手伝いますよ、店長」
「ごめんね、せっかくの休みなのに申し訳ない…。僕一人で買いに行くにはあのお店は少し抵抗があって」
「でも売れ行きいいですもんね。付き合いますよ、一緒に行きましょう」
「ありがとうござい・・・

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花火とともに…

17/10/18 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:79

念願叶って、第一志望校に合格した和田麻美子。今日はいよいよ入学式。ドキドキしながら高校に行った。
麻美子は家が遠いので、高校まで、電車とバス通学。麻美子の席の斜め後ろにいた前田宏樹に声をかけられた。宏樹は坊主頭で野球をやりたいためにこの高校にしたそうだ。宏樹は決してイケメンではない、どちらかというと、いやはっきり言うとお笑い芸人よりひどいくらい崩れている。一方、麻美子は、女優のように整ってい・・・

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ばあちゃんの秘密のがま口

17/10/18 コメント:2件 みーすけ 閲覧数:72

 ばあちゃんのがま口財布には色々なものが詰まっている。切符にえんぴつ、あめちゃんに爪楊枝。
 ばあちゃんは何でもそのがま口にしまい込んでいる。きっとお金もたくさん入っているに違いない。
 ある日、僕はおこづかいをくすねようと、こっそりばあちゃんの部屋に忍び込んだ。ばあちゃんががま口を隠している場所はわかっている。
 僕ががま口を開けると、そこに妙なものが入っていた。もぞもぞと動く・・・

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車窓にて思うこと

17/10/18 コメント:0件  浅縹ろゐか 閲覧数:89

 昔、人間は車という乗り物で恋人とデートをするという風習があったらしい。

 「先生! そろそろ昼休みにした方が良いですよ!」
 元気な声が聞こえて、僕は現実世界へと意識を移行させる。小さい刷毛で丁寧に手元の物質を掃いていたところだった。この『鉄屑の墓場』と言われる遺跡群の、全容を明らかにしようとしている。これが僕の仕事だ。
「ああ、分かったよ。もう12時近いのかい?」

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fate

17/10/18 コメント:0件 リードマン 閲覧数:35

「ぐはっ! げっ! はああアアアア!」

こほっ、こほん。え〜ただいま、最愛の彼女とのデート中。舞台は日本の何処かです。
いきなりのお耳汚し失礼いたしました。先程の彼女からの鳩尾への一撃は大変私を苦しめました。
こんなデートをしているのは、恐らく私達二人ぐらいのモノでしょう。
テーマは“狩り”です。一方的です。泣きたくなってきました、いえ、見栄を張ってしまいましたね、・・・

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究極の娯楽

17/10/17 コメント:0件 リードマン 閲覧数:39

そんな、夢を視た。

いつの頃からだろう。私は自らの夢を自由に操作出来るようになっていた。
夢の中で、私は、それが自らの夢であると認識し、全てを知り、何でも出来る。
学生時代に戻って、青春をやり直したり、異世界に渡って、冒険をしたり、かつて愛した相手と再び出会ったり、新たな恋をしてみたりと、好き放題である。
私は昔から物語を創作するのが好きだった。幼き頃は自らの人形達・・・

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彼女の財布

17/10/17 コメント:0件 酒楽 閲覧数:33

 僕はとても平凡だ。容姿も良くも悪くもなく、務めている会社ももらっている給与も平々凡々である。そんな僕にも一つだけ平均以上のものがある。それは僕の交際している女性、つまりは彼女である。
 
彼女に出会ったのは僕の勤めている会社の取引先へ契約書を届けに行ったときのことだった。僕は段差に躓いてしまい、もっていた書類の束をあたり一帯にぶちまけてしまったのである。慌てて拾っていると、大丈夫です・・・

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ハッピーエッグエンド

17/10/17 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:15

 結局、ミーちゃんは卵を割ってしまったけどそれでいいと思った。
 あんなにも張り切って卵からヒヨコへ孵化させるんだと毎日ポケットに入れて温めていたけど・・・・・・無精卵なわけだし、私もそれ孵化しないよなんて子供の夢をぶち壊したくはなかったわけで、ミーちゃんの卵が割れて心底ホッとしていた。
 ミーちゃんのお母さんだって日に日につよく卵の中身から漏れ出る悪臭にハラハラしていて、ポケットの中・・・

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穿つ僕の心に返り咲く君

17/10/17 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:44

 寒空が広がる街並みにはたしかな喧噪があって一人歩く僕にはなによりの孤独が纏わりつく。
 僕は今日もひとりだった。
 横断歩道の向かいから来る君は楽しそうに僕の知らない男の腕に体を絡め歩いてくる。
 僕は必死に下を向くけれど一度瞳に張り付いたその光景はなかなか消えてはくれなかった。
 下を向いているつもりが彼女たちを見遣り追ってしまうのはどうしてなのかなんて、簡単な思考が残・・・

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誕生日

17/10/17 コメント:3件 土佐 千里 閲覧数:47

彼と付き合うようになって一年。
最初、私は彼には興味がなかった。
服装もだらしなく、洗濯もしない、定職もつかず、歯医者にもいかない、夜は安いカップ麺か豆腐の独り暮し、傘は無くしてばっかり、貯金ができない。誰が見てもダメ男である。
しかし、忘年会の鍋パーティーの帰り、彼と二人きりになり、家まで送ってくれた彼。
寒いからといって、コンビニでおでんを買ってくれる優しさ…いつもだら・・・

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伊達は君のもの

17/10/17 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:187

伊達くんに恋する私はある日、本屋さんで凄い本を見つけた。
その本のタイトルは【伊達は君のもの〜過ごし方次第で彼との距離がググッと近づく!】という本だった。こんな伊達くんを落とすための本が売られていることに私は驚いた。そしてこの本を買わなければ、違う誰かがこの本を買って伊達くんと付き合ってしまう恐れがあると考え、私はこの本をすぐに買った。
早速家に帰ってこの本を読み始める。そこにはいくつ・・・

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コーラとジャスミン茶

17/10/16 コメント:0件 ケイジロウ 閲覧数:46

 今日の学校もなんとなく終わっていく。杉山はげた箱でローファーに履き替えた。女子がキーキー騒いでいて、男子はワォーワォー騒いでいる。まるで繁殖期の動物たちのように騒いでいる。
 一方で杉山はこのままなんとなく帰り、なんとなく夕食を食べ、なんとなくテレビを見て、なんとなく寝るのだろう。そして、翌朝なんとなく学校にいく。いつも一人だ。この「なんとなく」はおそらく永遠に続くだろう、と破壊的に杉山は・・・

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季節の終わりに微笑みて

17/10/16 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:50

 肩を寄せ合いながら川沿いの道を歩いていると、空から枯れ葉が一葉舞い降りてきた。
「もうすっかりこんな季節なんですね」
 ひろげたふたつの掌のうえに枯葉はふわっと迷うように落ちてきて揺れた。
「今年は雪が見られるのかな」
 赤らんできた空を見上げながら老いた男はつぶやいた。隣の老いた女も一緒に空を眺めている。とぎれとぎれな飛行機雲が西の空へとのびている。その雲の道を進むかの・・・

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2070年のドライブデート

17/10/15 コメント:0件 与井杏汰 閲覧数:44

静かな山道をスマートビークルは快調に走っていた。
右側座席にタケシ、左側にはナオミが座っていた。
 「ねぇ、知ってた? 50年前はね、僕の席が運転席で君の席は助手席って呼んだらしいよ」
 「おじいちゃんに聞いたことある。人がビークルを運転してたんでしょ?」
 「そう。助手席ってことは運転を手伝ってたのかな?」
 「ビークル運転するのに2人って大変ね」
ナオミは笑・・・

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たじろぎのいやん

17/10/15 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:57

「いやん」
 はずかしさに、顔じゅうまっかになりながら楓は、風のいたずらに舞い上がるスカートを、あわてふためいておさえつけた。
「モンローみたいだ」
 そばからひやかす健介の肩を、「ひどい人ね」とぽんと叩くしぐさがまた、このうえなく初々しかった。
 明るい陽射しがふりそそぐ休日の公園はかれらのような恋人たちのたまり場だった。
 健介によりそいながら歩く楓は、ひらいたば・・・

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夕暮れの膝枕

17/10/15 コメント:0件 鞍多奥夜 閲覧数:46

 日が傾き空が茜色に染まる頃。
 ある遊園地の一角、大人が三人以上楽に座れる長椅子を、二人で占有している若い男女がいた。少女は椅子の端に腰掛けている。少年は椅子の上に横になり、頭を少女の膝に乗せている。俗に言う、膝枕というものだ。
 少女の手がやさしく少年の頭を撫でる。その少女は少年を見つめ笑顔を浮かべている。
 ふいに少年が目を開ける。突然の出来事に、少女はそのままの姿勢、その・・・

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再会

17/10/15 コメント:0件 鹿田守拙 閲覧数:42

電車を待って、電車に乗って、約束の時間に、約束の場所へ行きました。屋根が見えないほど高いビルに囲まれて、目が眩むほど商品が並んでいる商店が一軒一軒と並んでいて、道に迷うことを、ちょっと心配していました。赤信号が青信号に変わって、人込みに埋もれている私は、彼女が今どんな人になっているのかと思うと、胸がワクワクにしました。
こんな気持ちを持ちながら、いつの間か約束の場所に着きました。「おー、こっ・・・

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Suntrap

17/10/15 コメント:0件 文月めぐ 閲覧数:43

 あんなに大好きだった彼女に振られた。今でも鮮明に思い出される彼女の肌のぬくもり、さらさらの髪。だけど、俺の知らない間に他の男がいたなんて。いまだに信じられない。
 おとといまでは天国にいたように幸せな毎日だったはずなのに、今は人生のどん底に落ちたように暗い気持ちが充満している。俺、立ち直れるんだろうか。
 大学に行って彼女と鉢合わせ、なんてことになっても嫌だなあ。そう思うと気力はわか・・・

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桜の木の下で、あなたとデートを

17/10/15 コメント:0件 文月めぐ 閲覧数:135

 よく、ドラマや映画で耳にする「余命」という言葉。その言葉が、俺の目の前に突き出されるなんて、想像もしていなかった。医師が言った「余命一年」はどんな言葉よりも重く、俺と桜子の前に立ちはだかった。

 季節は春。桜子が入院している病室の窓からは、病院の隣にある公園の桜並木がきれいに見えた。俺たちは狭い病室で小さなお花見会を開いた。桜子でも食べられるように、お弁当箱に小さなおにぎりをいくつ・・・

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デートの相手

17/10/14 コメント:0件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:54

 ルームシェアの相手カナコが、部屋に入ってきた遊佐を、暗い顔で迎えた。
 遊佐はもちまえの勘の鋭さを発揮して、
「なにかあったのかしら」
「ゆさ、悪いとは思ったけど、胡桃丘さんのこと、あたし調べてみたの」
 遊佐は一瞬、眉をひそめた。がすぐ平静をよそおって、
「どうして調べたの」
 その問いかけに二種類の意味をくみとったカナコは、まずひとつめから切りだした。

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準備万端

17/10/14 コメント:0件 井川林檎 閲覧数:113

 はっと起きたら9時。
 約束は10時。駅前の赤尻猿のモニュメント前だ。

 占いによると、最もラッキーな時間と場所だ。
 (絶対遅れちゃ駄目)
 
 シャワーを浴びる。
 じゃーっと流しているうちに、地獄の業火のような高温になる。死ぬ。

 それで水浴びをした。
 肌寒い時期、正直辛い。けれどこれが愛。
 
 (あああっイケ・・・

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拾って得た幸福

17/10/14 コメント:5件 霜月秋介 閲覧数:246

 財布を拾った。かなり年季の入った、橙色のがま口財布だ。ショッピングモールの男性トイレの床に、それは落ちていた。周囲に人はいない。開いて中を見てみると、千円札が四枚ほど入っていた。俺はそれを、自分のバッグに隠した。
 好きなアイドルの写真集が、ショッピングモール内の書店で四千円で売っていた。当初は買うつもりなど無かったが、拾った財布から四千円を取り出し、購入した。
 勿論、罪悪感がまっ・・・

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三徳

17/10/14 コメント:0件 田中あらら 閲覧数:60

 この家に育った三枝子は、敷地の片隅に建つ土蔵にはなんども入ったことがある。入口の扉を開けると、色のあせた漆喰塗りの土間がある。土間の先は一段高くなっており、引き戸の手前にねずみ返しがついている。ねずみ返しは、板を斜めに差し込みオーバーハングさせ、ねずみが中に入れないようにしたものだ。重い漆喰の引き戸を開けると、さらに鉄格子の引き戸があり、丈夫な南京錠がかけられている。蔵が建てられた時から使ってい・・・

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黒猫である私は、幸せを運べはしないのだろうか。

17/10/13 コメント:0件 のあみっと二等兵 閲覧数:99


カタカタと窓枠を揺らすと、彼は目を覚ました。そしてゆっくり起き上がって窓を開けてくれる。私はその隙間から身体を滑らせて、彼の───次郎の膝上へ跳んだ。
「クロ、おはようさん」
ゴロゴロと喉を鳴らしてそれに応える。
布団から出ると、冷えたご飯の入った茶碗と、冷蔵庫から出したタッパー、そして小皿と箸を器用に持って小さなテーブルに置く。とてもゆっくりとしたその一連の動きを、おと・・・

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逃げる財布

17/10/13 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:67

 今日も(逃げる財布)を追いかけている男を見かけた。鎖に繋がれた財布は繁華街の大通りを西から東へ真っ直ぐに飛びはねながら逃げていた。逃げる財布をどうにか捕まえようとしてスーツ姿の若い男が汗をかきながら走っていた。
「待て、サイフ、逃げるな」
 財布には耳がないので男がいくら叫んでも聞こえるわけがない。ひたすら遠くへ遠くへと跳ねていく。
 逃げる財布は今年の夏から爆発的にヒットし始・・・

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冷えた味噌煮のおいしさたるや

17/10/12 コメント:0件 入江弥彦 閲覧数:248

 明美が新しい財布を飼ったと言っていた。
 派手な髪色をしているわけではないし、制服のスカートもきちんと膝丈だ。目立つ行動もなく優等生な明美だけれど、持ち物をコロコロと変える癖がある。同じグループに所属していない私の耳にも届くくらいだ。
「財布かえたんだって?」
 放課後にに彼女の席に向かうと、少し驚いたように髪を触ってから小さくうなずいた。
「うん、前のに飽きちゃって」<・・・

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ヒモの作り方

17/10/12 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:77

 昨夜未明に仲良くなった女の子と一夜を共にして、彼女の部屋のベットの上で目を覚ますと彼女はいなくなっていた。テーブルの上には『きのうは楽しかったね。ずっと仲良しでいられるといいね。気持ちよさそうに寝てたから、起こさないで仕事に行ってくるね。あっ、これでお昼食べて!!PS鍵はポストに入れといてください』と書かれたメモ用紙、この一室の鍵、そして千円札が重なって三枚置いてあった。昼食代として置いていった・・・

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好きって言ってッ

17/10/12 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:59

 木ノ下くんと付き合って早一年が過ぎてこれまでなにほどでもないくらい平穏にしてきたけど私は限界で、だって木ノ下くんが一度も私に好きだと言ってくれないから私、不安。結構、数抱かれてるからもしかしてセフレかしらんと疑うくらいに超・不安。私は会うたびに好きって言うのに木ノ下の野郎は俺もだよ、で片付ける。というか最近なんか、またそれかよって感じで無視かましてきやがって、それで、もうピークッ。
 今日・・・

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愛すべき愚か者たち

17/10/12 コメント:0件 向本果乃子 閲覧数:86

脱ぎ捨てた下着を拾いながら胸が苦しくなって二度と会わないと誓う。何度も破った誓い。抱き合ってる時は泣きたいくらい幸せなのに、やっぱりこんなに苦しくなる。だからもう絶対会わない。笙にそう言ったら鼻で笑うだろうな。
「何か飲む?」
「ビール」
冷蔵庫には彼が好きだという銘柄のビールがいつも冷えてる。そういうのが駄目なんだと笙は言う。だから全部自分で飲み干してしまおう。そしてもう買わな・・・

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拾ってきた財布

17/10/12 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:49

「財布を拾ってきた」と、仕事から帰って来るなり夫は言った。テーブルの上に置かれた財布は特徴のないありふれた二つ折りの黒い牛革の財布だった。使い古されていて革の張りもなく、擦り切れたような傷が無数についていた。
「駄目じゃないの。交番に届けなきゃ」
 怒ったような妻の声に肩をすくめた夫は財布を手にとって開いて中を見せると、ニヤッと笑った。
「あら、何も入っていないのね」
「コ・・・

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輝け黄金キラキラ風水サイフ

17/10/12 コメント:0件 ジェームズボンバークライシス 閲覧数:50

僕は貯金が好きだし、金運だってあげたい。
お金があれば、大好きな女の子に対して格好をつけれるし、モテそうだからとにかく欲しい。
僕自身はあまり物欲もないし、性欲は、0に等しい。
でも、僕の過剰な自己顕示欲と承認欲求は、底なしだ。
ああ、そのためなら何円でも払おうと言いたいところだが、僕は何処かの社長でもなければ役職があるわけじゃない、平社員だ。
ああ、この話したくてた・・・

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ゲーム理論でマドンナを射止めろ

17/10/12 コメント:0件 本宮晃樹 閲覧数:52

「わざわざこんなところまで人を呼びつけ」ぐるりと喫茶店チェーンの店内を手振りで示し、「俺の休日を浪費させた理由が!」憤懣やるかたないといったようすでかぶりを振った。「社内のマドンナにアタックすべきかどうかを相談するためとはね」
 恐縮するほかない。同僚がこんなにおっかないやつだったとは。「すまん」
「なあ、相談するまでもないってことくらいわかりそうなもんだけどな」
「どっちの意味・・・

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#連続殺人事件を解決したわず

17/10/11 コメント:0件 ちりぬるを 閲覧数:80

 朝早く関係者全員が広間に集められ、いよいよ名探偵による謎解きが始まった。
「今回の事件の鍵となるのはやはりこの密室でした」
 名探偵が手を後ろに組んでうろうろと歩きながら淡々と推理を述べていく。その様子を動画で撮影しながら私はにやけそうになるのを必死に堪えていた。名探偵は「今回の」と言った。一人目と二人目は密室内で刺殺され、三人目は全員にアリバイがある中殺されるという連続殺人だった。・・・

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やまとなでしこ

17/10/11 コメント:0件 キュー 閲覧数:53

「佳乃、ちょっと話がある。入るぞ」

「今晩はもうよしていただけない。明日の支度がありますから」

「そんなもの、話を聞きながらでもできるだろう」

「ご冗談でしょ。朝一に英学の小試験を控える身です。もういっぺんらっておきたいの。そうでなくても今日は誰かさんの連れていらしたお客のお相手を強いられて、ずいぶん無為に過ごしてしまったことだし」

「へらず・・・

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モグラと少年

17/10/11 コメント:0件 キュー 閲覧数:55




土の中からヒョッコリ

顔をのぞかせたモグラ

日光浴してみようかなんて

柄にもなく

そう 柄にもなく




はじめて浴びた8月の陽射しは

容赦なく烈しくて

目がつぶれたモグラ

のたうちまわる

ひとたまりもなく

そう ひと・・・

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母校

17/10/11 コメント:0件 瀧上ルーシー 閲覧数:132

 恋人の陽子とバイクに二人乗りして海まで出かけようとしていた。
 お喋りな彼女は俺の後ろに乗って、聞えるように怒鳴ったり耳元で囁いたりする。大好き、と耳元に愛情表現をされた。それくらいの言葉では驚かないが、身体の中心が温かくなったような気がした。
 冬にバイクに乗るのは寒い。俺も陽子もダウンジャケットに皮の手袋までした格好だ。
 海は陽子が好きな場所だ。夏になれば毎週のように泳ぎ・・・

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日日草ニチニチソウ

17/10/11 コメント:0件 桐生 舞都 閲覧数:60

「あのさ、私の名前って、颯人はやと君が付けたんだよね?」

晶里ひかりはこの日、植物園で六歳年上の彼氏とデートだ。
颯人は、ベンチに座って蝶々でも眺めていそうな、どこか不思議な人。
今なんか、植木鉢のお花畑を夢中になってカメラで撮るふわふわした姿がとても似合っている。
彼はレンズから目を離して晶里の方に向き直ると、にこにこして言った。

「半分正解。おばさ・・・

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罪と罰

17/10/10 コメント:1件  閲覧数:119

電車を降りた木下雄一は駅のホームで尻の辺りに違和感を覚えた。
ジーンズの尻ポケットに手をやると、知らない長財布が出てきた。
「え……なんで、どういうこと?」
考えても何も浮かばず、改札にいる駅員に渡すため歩き出す。
改札手前まで行くが足が止まる。渡す前に財布の中身を確認したい衝動に駆られた。
改札を出た先にある、トイレに走った。個室に入りドアの鍵を閉める。
雄一・・・

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中途半端

17/10/10 コメント:2件 W・アーム・スープレックス 閲覧数:87

 中途半端だった。
 なにが中途半端かというと、ぼくが空手をはじめたのがいまから半年前ということだ。
 会社勤めをして5年、同僚たちの彼女自慢恋人自慢をまわりにきいているうち、だんだんぼくの中にも、かれらにたいする羨望がわきおこってきた。じつは社内に、これはという女性がひとりいた。ながい黒髪、すらりとした体、ぼくより年下ときくが、年上といってもおかしくないおちつきぶりだった。
 ・・・

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がま口ざいふのがまちゃん

17/10/10 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:98

 きいちゃんは、五さい。
 きいちゃんは、誕生日のプレゼントに、がま口ざいふをもらいました。
 真っ赤ながま口ざいふです。
 きいちゃんは、そのおさいふに、「がまちゃん」という名前をつけました。
 保育園からかえると、いつもがまちゃんといっしょです。

 ある日、がまちゃんをポケットに入れて、おさんぽにでかけました。
 とちゅうで、かわいい子犬をみつけまし・・・

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いろどり花見弁当

17/10/10 コメント:0件 蒼樹里緒 閲覧数:78

 昔から、弁当ってものにはあまり馴染みがない。小中学校時代は給食があったし、弁当を持つのは遠足とか運動会とか社会科見学とかの行事の時くらいで。母さんが俺のために手作りしてくれたのは、小学校の頃までだった。
 色々あって親父や母さんとは会話らしい会話もほとんどしなかったせいで、食事の思い出といえば、実家よりも従妹一家とのほうがずっと多い。俺と従妹の弁当を作ってくれたのは、叔母さんだった。家同士・・・

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世界樹の塔と不死鳥の種

17/10/10 コメント:0件 リードマン 閲覧数:67

“狩人”
決まったカタチをもたない、無意識の塊。コレクター気質。最近のご馳走は“死者の吐息”。

私達の暮らす塔に、また奴らがやって来た。
“夢の旅人”とは永遠の生者である一方、数え切れぬ程の“死”を通過している死者でもある。
奴らにとっての格好の標的足りえるのだ。
今日この頃は恋人達の家族を招いてのお家デートの真っ最中である。
家主でもあり番人でもある私・・・

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無言の美しき石像の間

17/10/10 コメント:0件 リードマン 閲覧数:85

“ごめんね、もうあきてしまったの”

そう残して、彼女もまた石像に成り果てた。
ココは、私の持つ“財布”からのみ行ける場所。
“神々の座”。
そんな風にも呼ばれる場所。
ココより上には空しかなく、ココより下では全てが満ちている。

私は、もっとも古き、夢の旅人。
空から生まれ、いつか空へと帰るモノ。
人は何処から来て何処へ行くのか、その一・・・

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