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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

人風猫

コンテスト:第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】

カテゴリ: 登録日:17/06/19

入賞時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 入賞作品

 しおたれた顔つきの中年男が近よってきたかと思うと、いきなり若者の手首をつかんだ。  混みあった電車内でのできごとだった。腕を貫く激痛にその若者は、思わず悲鳴をあげそうになった。 「きみ、いまその女性の、あっ―――」  男性がそこまでいったとき、なぜか件の女性は、乗客にまぎれこむようにしながら向こうの車両に消えていった。 「まいい、きみ、次の駅でおりるんだ」  若者は、男の強い口調に、観...... 続きを読む

たまちゃんと老女

コンテスト:第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】

カテゴリ: 登録日:17/06/21

入賞時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 入賞作品

人間はいつも偉そうなのに、実は大したことない生き物だ。私たちは豊かな知能を活かして個々の存在を認め合って生きていると抜かしたことを言っている。そして俺たちみたいな猫や犬をペットとして飼って優越感に浸っているんだ。 「たまちゃん、ごはんの時間よ」 俺は今、老女の家で暮らしている。朝昼晩と毎日決まった時間に同じ飯が用意される生活を送っているが、元々野良猫だった俺は今の生活が嫌いだ。 「たまちゃん...... 続きを読む

パスタの茹で方、猫の飼い方

コンテスト:第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】

カテゴリ: 登録日:17/06/25

入賞時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 入賞作品

 昼食はパスタにしよう。そう決めて鍋いっぱいにお湯を沸かし麺を茹でてみたものの、出来上がったパスタには違和感があった。どうにも柔らかすぎて、歯ごたえがない。  妻の早紀がいつも作ってくれたパスタは、芯の部分は残っていて、きちんとアルデンテに仕上がっていた気がする。 「ゆで時間さえきちんと計ってあげれば、誰だってできるわよ」  早紀にはそうやって笑われそうだ。  うどんのようなパスタをすする...... 続きを読む

猫の部屋へ

コンテスト:第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】

カテゴリ: 登録日:17/07/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 入賞作品

三毛猫のメスだからミケコ、という安易な名前を付けられたうちの飼い猫は時々室内で行方不明になる。マンション5階の部屋から外に出さないようにしているのでどこかにはいるはずなのだが、ベットの下、テレビの裏など猫が入り込みそうな場所を一通り覗いてみてもどこにもいない。まあ、1時間もすればひょこっとまた現れるのでとくに心配もしていないのだが。 妻はそのプチ行方不明を「猫の部屋に行っちゃった」という。妻曰く...... 続きを読む

あるニャン事訴訟

コンテスト:第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】

カテゴリ: 登録日:17/07/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 入賞作品

 右手の甲に痛みと赤い筋が走った。――このバカ猫! 鬱憤が爆発し、私は即座にニャン事訴訟を起こした。K島ニャン裁M出張所はその場で受理してくれ、夕方からの審理が決まった。 「平成二十九年(ニャ)第22号。原告 七石ヒカリ、被告 七石ちー」  私は静かに原告席に座った。ちーはニャン護士に抱きかかえられ被告席へ。訴えられているのに呑気に欠伸、毛繕い。私が睨んでもどこ吹く風だ。ほどなく開廷が告げ...... 続きを読む

メッセージ・イン・ア・ボトル

コンテスト:第137回 時空モノガタリ文学賞 【 海 】

カテゴリ: 登録日:17/06/06

入賞時空モノガタリ文学賞 【 海 】 入賞作品

 はじめに僕の子供の頃の話をしようと思います。そう話し始めると生徒達は真剣な表情で僕を見上げました。普段の授業中もこのくらい集中してくれるとありがたいんですけど、僕が皮肉を言うと、早く教えて下さい、なんて言い出す始末です。  僕が生まれ育ったのは家も学校も遊び場も、生活の全てが海の近くの小さな島でした。幼い頃は本当に世界はこんな風に潮の香りしかしなくて、海の無い場所なんて存在しないものだと思い込...... 続きを読む

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