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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

512の夜

コンテスト:第123回 時空モノガタリ文学賞 【 クリスマス 】

カテゴリ: 登録日:16/12/03

入賞時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 入賞作品

 512は担当のN地区に到着すると、長年使いすっかり手に馴染んだ懐中時計をピタリと止めた。  闇に舞う雪が、宙に浮いたまま堕ちることを止める。明かりが灯る街から音が、動きが、臭いまでもが消える。512と、彼をのせた橇(そり)をひくトナカイの息遣いだけが、白く漂っている。 「さ、行くか」  512は最初の家へ手綱を切った。  12月25日午前0時、識別コードのついたサンタクロースたちは世...... 続きを読む

雪解けは灯滅と共に

コンテスト:第123回 時空モノガタリ文学賞 【 クリスマス 】

カテゴリ: 登録日:16/12/11

入賞時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 入賞作品

 十二月の冷たい雨が病室の窓を叩いていた。病院のベッドに横たわる父の姿は、暫く見ないうちに、しぼんで小さくなっていた。 「もう長くないから」  久しぶりにかかってきた実家からの電話の主は母だった。何もクリスマスに呼び出さなくても良いではないか。相変わらずの空気を読まない態度に、私は憤りを通り越して呆れ果てた。手短に見舞って帰ろう。そう思い、最小限の荷物と金を持って汽車に乗り込ん...... 続きを読む

おとうとの彼女

コンテスト:第123回 時空モノガタリ文学賞 【 クリスマス 】

カテゴリ: 登録日:16/12/16

入賞時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 入賞作品

「ナマイキだ!」  あたしは白い息を吐き散らしながら坂道をのぼっていた。 「今日は彼女とデートだから遅くなる? ふざけんな!」  まだ柔らかい雪をドスドス踏みつけて進む。ショートブーツの上から雪が入って踝のあたりが濡れているけれど、そんなことはどうでもいい。冷たさも感じない。 「家族を大切にしろっての!」  文句を言いながら勢いよく踏み出した足がツルンと滑り、あたしは慌てて両腕で箱を抱え...... 続きを読む

謝肉祭でも降誕祭でも無かった日のこと

コンテスト:第123回 時空モノガタリ文学賞 【 クリスマス 】

カテゴリ: 登録日:16/12/17

入賞時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 入賞作品

 十二月二四日の昼過ぎ。薄曇りの空が広がっていた。  トランクとバッグをお供に私は白い建物の中へと入っていく。入院手続きコーナーの長イスには、同じように大荷物の人々が数人腰掛けていた。  私はそっと下腹を撫でる。今は大人しくしてくれている、腹の中を宥めるように。  夏の終わり、妊娠中の妹の元を訪れ、丸く膨らんだ妹の腹を撫でたり、互いの近況報告で盛り上がる。そして、そろそろ帰ろうとした時だ...... 続きを読む

クリスマス・ニャロル

コンテスト:第123回 時空モノガタリ文学賞 【 クリスマス 】

カテゴリ: 登録日:16/12/17

入賞時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 入賞作品

 カイは助走をつけることなく軽やかにブロック塀に飛び乗った。背負いなれないリュックが不安定に揺れる。急に開けた視界に目を細め、しなやかに四肢を伸ばして夜空を仰ぐと、満天の星が瞬いていた。カイは鼻を動かし、キンと冷えた空気を吸い込んだ。  知る人は稀だが、日本において聖夜にサンタクロースの手助けをしているのは野良猫たちである。その昔、初めてサンタが日本に来た際、あまりの忙しさに「猫の手も借りた...... 続きを読む

消失のサンタ

コンテスト:第123回 時空モノガタリ文学賞 【 クリスマス 】

カテゴリ: 登録日:16/12/19

入賞時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 入賞作品

 昨夜見た夢の話だ。羽の生えた少女が現れて、まっすぐ私を指さし言った。  あなた、サンタクロースにおなりなさい、と。 「そういえば今日はクリスマスイブだっけ」  顔を洗いながら、鏡越しにカレンダーを確認する。社会人となり一人暮らしを始めてからというもの、すっかり行事というものに注意を払わなくなってしまっていた。 (なんであんな夢を見たんだろう。サンタなんて柄でもない)  首をひねりつ...... 続きを読む

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