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青苔さん

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投稿済みの記事一覧

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キラキラ星幻想曲

19/06/24 コメント:1件 青苔 閲覧数:66

 空を見上げるのが好きだった。
 幼い頃は祖父の膝の上で、空を見上げながら、よく昔話を聞かせてもらったものだ。そう遠くない、昔の話。祖父が子供だった頃の話。
 祖父は子供の頃、地球に住んでいた。
 地球というのは青い星で、水がたくさんあるから青いのだと、祖父は懐かしそうに空を見上げていた。空にはたくさんの星にまじって、祖父の住んでいた青い地球も見えていた。それは明るい水色に輝き、・・・

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ジューサーミキサー

19/05/20 コメント:0件 青苔 閲覧数:66

 そのレシピを発見した時、私は小躍りしたいほど喜んだ。
 どこで、どうやって、それを発見したのかについては誰にも話すまい。今この地球上で、その存在を知っている者は私一人だけなのだ。人の口に戸は立てられない。だから私は、私一人だけの秘密として胸にしまっておくつもりだ。
 私はそのレシピを実践するにあたって、何よりもまず、ジューサーミキサーを最初に用意しようと考えた。私には、これが第一の難・・・

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かぐや姫の帰還

19/04/15 コメント:0件 青苔 閲覧数:145

 その日、月では、誰も彼もが上を下への大騒ぎだった。

 特に月の女帝は、廊下を行ったり来たりしながら落ち着かない様子で、時々空を見上げては、そばを通る下働きの者をつかまえては、こまごまとした指示を与えていた。
 かぐや姫を地球に送り出してから、三年。母親である月の女帝だけでなく、月の住民たちもこぞってかぐや姫の帰りを待ちわびていた。
 あのかぐや姫が戻って来られるそうだ。・・・

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神の御技を賜りて

19/03/18 コメント:1件 青苔 閲覧数:116

「妊娠、されていますね」
 それが、僕がこの世界で初めて認識された瞬間だった。
 僕の母はその時、素直に、と言うべきか、無邪気に、と言うべきか、とにかく笑顔でその事実を喜んだらしい。そして、僕の存在を告げた医者は、マニュアル通りに次の言葉を続けた。
「まずは出生前診断が必要ですので、一週間後に来院してください」
「あの、……もし陽性だったら」
「その時は堕胎についての・・・

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シャボン玉、はじけた

19/02/18 コメント:1件 青苔 閲覧数:191

 シャボン玉が、昔から好きだった。
 きらきら、ふわふわしているところが好きだった。こことは違う世界のようで好きだった。
 だから、シャボン玉の液を作る時から、わくわくしていた。
 ガスコンロの前に踏み台を持ってきて、その上に登って、鍋でお湯を沸かす。沸騰したら火を止めて、きちんと火が消えたかどうか確認する。これはとても大切なことだ。
 それから、コンロの脇に置いてある容器・・・

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僕は棒高跳びの選手だった

19/01/21 コメント:1件 青苔 閲覧数:174

 呼吸を整え、左足を一歩前へ。何度かその場で足踏みをして、最適な位置とタイミングを計る。
 手に馴染んだ長いポールを両手で握りなおし、バランスを確かめる。走るのに邪魔にならないよう、ポールの先は斜め上に向いている。
 視線はまっすぐ前を見据える。他の何も目に入らないくらいに集中力を高める。
 そしてイメージする。空高く跳びあがる、自分自身の姿を。

 僕は棒高跳びの選・・・

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ヒルベルト・ホテル

18/12/24 コメント:1件 青苔 閲覧数:245

「……ここか」
 私は立ち止まって、目の前にある建物を見上げた。
 外観は巻貝のような形をしており、かなり大きい。だが、ここで間違いないはずだ。入り口の自動ドアの上部には、砂にまみれて読みにくくなっているが、確かに「ホテル」と書かれた看板が掛けられている。
 ホテルの周辺には何もない。ただ砂地だけが広がっている。時折風が砂を巻き上げるので、辺りの空気は妙に黄色っぽい。
 私・・・

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浮舟

18/11/19 コメント:0件 青苔 閲覧数:240

 私は昔、浮舟と呼ばれていた。

 本当の名前は知らない。
 いつからか私はここにいて、私のそばには姉さんがいた。
 姉さんは時々私に昔のことを話してくれる。あんたはこの遊郭の大門の前に捨てられていたのだ、そして私が面倒を見ることになったのだ、と。
 遊郭の中の子供にはたくさんの雑用があったけれども、その合間には子供同士でよく遊んでいた。でも私は、いつからかその遊びに・・・

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太陽が伝えてくれる

18/10/20 コメント:0件 青苔 閲覧数:274

 暗い夜道を歩いている。
 否、すでに夜ではない。もうすぐ夜明けがやって来る。しかし辺りはまだ闇の中だ。
 夜明け前の闇の中、坂道を歩いている。
 まだそれほどの傾斜は無い。ゆっくり登れば息が切れるほどでもない。しかしこの先に、もう少しきつい傾斜があることも知っている。
 坂道の両側には木々が生い茂っている。
 コナラやクヌギの類だろう。木の根元には雑草もたくさん生え・・・

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