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悠真さん

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投稿済みの記事一覧
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異能力窮鼠
19/01/06 コメント:1件 悠真 閲覧数:115
数十分前に死を覚悟したつもりだったが、いざ目前に迫ると、そんな覚悟は所詮形だけだったのだと、自分の生への執着心の強さを思い知らされるのだった。
事実、漫画みたいに突然特殊な力に目覚めて退屈な現実から抜け出したいと言う夢想を常々抱いていた。そしてそれは叶った。どういう経緯でそうなったのか、つい先刻のことなのでまだ俺の頭が追いつけていないが、とにかく俺は能力を手にした。他の能力者と戦うトーナ・・・
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ワンシーンの代役
19/01/04 コメント:2件 悠真 閲覧数:146
撮影は十秒にも満たない一瞬の着地シーン。映るのも腰より下の足元だけ。先輩の体調不良は心配だが、初めて本番の現場でスタントに臨める機会を得られた。後は俺がきっちりスタントを決めるのみ。
なのだが。
俺はすでに五回もその着地シーンの撮り直しをさせられていた。撮影のたびに建物の屋上に上がらなければならない。
監督は先輩のスタントにかなりの信頼を置いていたようで、突然代わりに現場・・・
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回収とそれに至る道筋の試行錯誤
19/01/03 コメント:1件 悠真 閲覧数:145
男は女を少しでも楽しませたい一心なのか、あれこれたわいもない話を繰り広げているが、女は「へえ」とか「ふうん」とたまに適当な相槌を挟むだけで、退屈しているのは明らかだった。
二人は森の中を歩いている。歩きながらできることなど会話以外にないのだからと、男は趣味のマラソンの話を続ける。いくら女の反応が悪いからといって、ここで口を止めては負けを認めたことになるとでも思っているのか。女にしてみれば・・・
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別れの夜
18/12/24 コメント:1件 悠真 閲覧数:78
夜になって目を覚ますと、正一が荷物整理をしていた。すでに家具は運び出されていて、それ以外の小物類をボストンバッグに詰めている最中のようだ。
「この部屋、出て行っちゃうの?」
私が起きて来たことに気づいた正一は「うん」と短く頷く。
否定を期待する一方で、もしかしてという不安もあった。私は「どうして?」と、そして正一の返事を待たずに「私と遊ぶの、嫌になったの?」と、半ば答えを強・・・
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母の病室
18/12/23 コメント:1件 悠真 閲覧数:98
5階の案内板を隅から隅まで確認した結果、その場に立ち尽くすしかなかった。
そもそも病院の館内に一人で立ち入ることが初めての経験だった。見ず知らずの場所、見ず知らずの人達。私が最も苦手とする環境だ。
それでも。
私は携帯電話を取り出して通話履歴を呼び出す。数十分前の母親との通話。内容はまだしっかり頭に残っていて、母の声で再生できる。
バイクとぶつかってして怪我をした・・・
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できない思春期にいる私
18/10/27 コメント:1件 悠真 閲覧数:232
放課後の帰り道、改札を出たところで「ゆっきー」と後ろから抱きつかれる。クラスメイトの愛菜だ。
「もう、やめてよ愛菜」と口では嫌がりながらも、それを振りほどこうとしないゆっきー。
私は愛菜が好きじゃない。そこまで仲良くなった覚えはないのに妙に馴れ馴れしい所が苦手だ。私と距離感が決定的に違う。
「一緒に帰ろ」という愛菜の提案に、ゆっきーは「いいよ」と頷いた。
私なら断るけ・・・
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下校中
18/10/14 コメント:0件 悠真 閲覧数:172
ランドセルを背負った女児が、一人で歩幅小さく歩いていた。
その後ろから徐行運転で黒い車が近づく。
「本庄ミミカちゃんだね」開けた窓に肘をかけるようにして、車から半身を出す形で男は女児に声をかけた。「お母さんから伝言があるんだ」
「え?」女児はまだ小学校低学年。目線は車内の男よりも下になるので、顔を上げなければならなかった。「お母さんから……?」
「そう」男は気の良さそう・・・
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カミカクシ
18/10/04 コメント:0件 悠真 閲覧数:202
先生の呆気に取られた顔を見て、私は内心ほくそ笑んだ。
今朝、始業のチャイムに重なる形で、遅刻になるかならないかくらいのタイミングで私は登校して来た。しかし教室には誰もいなかった。ほどなくして授業をするために先生が登場。だが教室には私しかいない。
まるで神隠しのような様相。
原因は、席に着いて正面を向いていれば自ずと目に映るその文字。
とりあえず、先生が教室にいるこ・・・
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メモfrom私inケース
18/09/30 コメント:1件 悠真 閲覧数:246
明日からの修学旅行に備えて私は準備していた。
とはいえ着替えなどの生活用品は母親が勝手に用意してくれたので、後は私が個人的に持って行きたい小物類を残すのみ。
イヤホンはいる。バスでの移動とか暇だし。机の上に置いてあるいつも使っているワイヤレスイヤホン。それに手をかけて、思い直して引っ込める。バス移動は長いし、修学旅行は一週間もある。ここは有線イヤホンのほうが安心かもしれない。ノー・・・
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着々と客を捌く店員。
「次のお客様、どうぞー」
呼ばれて前に出た客は注文カウンターのメニューの上で視線を泳がせる。
「この弾けるメロンソーダは何ですか?」客は尋ねた。
「何、とは?」
「他の店だとメロンソーダなんですけど、ここでは弾けるメロンソーダだったので」
「いえ、これはですね、その、他の店とは一味違うぞっていうのを、こう、名前でアピールしてるんです」<・・・