1. トップページ
  2. R・ヒラサワさんのページ

R・ヒラサワさん

過去の投稿作品の創作プロセスを公開しています。 【 R・ヒラサワの〜Novelist‘s brain〜 】 https://rhirasawanb.hatenablog.com/

出没地
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

0

新生物

19/05/24 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:77

「私にしてみれば、タチバナ君だって『新生物』の様なものだ」と、所長は心の中で思った。
 所長の居る研究所は、食品会社が百パーセント出資している子会社で、主に原料となる植物の研究をしており、品種改良による理想の苗を開発するのが目的だった。
 数名いる研究員の中で、一番若手のタチバナは、所長と親子ほど年齢が離れていて、その扱いに頭を悩ませていた。
 基本的に打たれ弱い。注意するにも気・・・

0

スミレ先輩

19/05/20 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:68

 入社二年目のカンナは、今でもスミレ先輩からアドバイスを受ける事が多い。
「ねえカンナちゃん。裁断機で紙を切るときは、一枚目を半分に折って印を付けておくと綺麗に切れるわよ」
「はい、スミレ先輩」
 スミレ先輩は入社八年目の事務員だが、男性並みに機械類に詳しい。女子力高めのナヨナヨした事務員を嫌い、男性社員からも一目置かれる存在だった。
「男の人って、結構このあたり気にする人・・・

0

マニュアル

19/04/17 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:115

 以下の手順は大まかに書かれています。状況に応じて各自、臨機応変にアレンジして下さい。

●素材をよく見て、どう料理するべきか熟考して下さい。
●切り口はどういう感じがいいか? 素材によって変えます。
●次にいためてみて下さい。軟化するかもしれません。
●次に十分間ぐらい置いてみます。
●見た目が赤くなったり、青くなったりした場合は良くありません。元に戻す方法を・・・

0

Recipe

19/04/15 コメント:2件 R・ヒラサワ 閲覧数:152

「新しい彼女が出来たんだ。だから、これで君を含めて五人って事になるね」
 タクミの言葉を聞いてもコトネは全く反応しなかった。それは人数が六人や七人に増えたところで、同じだったに違いない。会話の流れとしてコトネは一応聞いてみる。
「今度は何がいい人なの?」
「運動神経だよ。水泳に陸上に球技全般。何でも出来るみたいだ」
「ふうん。そうなんだ」
 聞いたところでコトネの心境・・・

0

帰れない

19/03/18 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:112

「両親はもう居ないの」
 初めてケンイチに会った時、ミサキはそう話した。
 本当の事は客であるケンイチには勿論の事、周囲の誰にも伝えていない。夜の世界に生きていれば不思議な事ではなかった。
 高校生の頃、ある時期を境に両親と不仲になり、卒業を待たずして家出した。
 ミサキが住んでいたのは、他人にプライベートが簡単に知れ渡る様な小さな町だった。
 家出する前には、『不良・・・

1

挨拶の品

19/02/19 コメント:4件 R・ヒラサワ 閲覧数:232

 半年ほど空いていた隣の部屋に、新しい住人がやって来たのは、日曜の午後の事だった。久々に私の部屋のチャイムが鳴ったのだ。
「ごめんください」
 ドアを開けて声の主を確かめてみると、それは二十代後半ぐらいと思しき綺麗な女性だった。
「すみません突然。私、隣に引越して来た者なんですが、ご挨拶にと」
「ああ、そうでしたか。それはご丁寧に」
 最近では引越しの挨拶も珍しくなっ・・・

2

GIFT

19/02/18 コメント:4件 R・ヒラサワ 閲覧数:215

 見覚えのある女の名で夫あての荷物が届いたのは、火曜日の夕方の事だった。アサミはその事が無ければ、今日が何の日か気付かなかった。夫であるタツヤの誕生日だ。
 結婚して九年目だった。お互い二度目で子供は居ない。日々を何となく過ごし、二人で出かける事も殆ど無くなった。それはタツヤが転職した事で、出費を抑える必要が出来たからだ。結婚して四年目の事だった。
 転職後、タツヤの仕事は順調だったが・・・

1

虹色

19/01/21 コメント:4件 R・ヒラサワ 閲覧数:263

 虹色をした球体はタケルの手からわずか数十センチの距離で、パッっと弾けて空へと消えた。
 カメラを構えたままのタケルは、モニターとナオミの顔を交互に見た。そしてナオミと目が合った。
「ねえ、タケル。やっぱ無理なんじゃない?」
「そんな事ないよ、絶対に出来る。いや、撮りたいんだ」
「だって、シャボン玉は飛んでるんだよ。で、私はここでじっとしてるの。だからタケルは動かなきゃいけ・・・

0

カメラがある時

19/01/05 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:209

 あの時カメラがあったらって、私は本当にそう思うんですよ。
 え、何の話かって? ああ、以前にこの辺りで起きた殺人事件の話ですよ。知りませんか? そうですか。じゃあ、お話して差し上げましょう。
 ある日、二人の男が喧嘩になって、その挙句に一人が殺されたんです。でも犯人は捕まらないまま、迷宮入りになって……。
 この事件は証拠が殆ど無かったそうです。とても人通りが少ない場所なんで、・・・

0

五点着地

18/12/24 コメント:2件 R・ヒラサワ 閲覧数:172

「先輩、それをマスターすれば本当に大丈夫なんですか?」
「ああ。絶対とは言えないけど、今のままじゃダメなのは間違いないね」
「そうですか......」
 戦隊ヒーローのメンバーであるトモヒロは、五人中の五番人気、四番目は紅一点のチカちゃんだった。
「アクションがイマイチな女子より人気がないの?」
 トモヒロの彼女が放った一言は、彼に大きなダメージを与えた。まるで怪人達・・・

1

超予測変換

18/11/22 コメント:2件 R・ヒラサワ 閲覧数:202

 最近はスマートフォンの性能も随分と良くなった。普及率もどんどん上がり、持たない人が少数派に追いやられるばかりだ。使えるアプリも増え続け、便利な世の中になったものだと思う。
 ワープロの様な文字編集専用のテキストエディタなどは、小説を書く人によく利用されるようだ。それらと連動する文字の変換機能も重要な性能で、特に『予測変換』などは入力がスムーズに行えるようになって便利である。
『超予測・・・

1

アイちゃん

18/10/22 コメント:2件 R・ヒラサワ 閲覧数:265

「アイちゃん」
 小学生ぐらいの女の子が声をかけてきたので、私はニッコリと微笑んだけど、その後は何もしなかった。そもそも『アイちゃん』は、私の本当の名前ではない。
 会社の人に同行して、コンパニオンの様な格好で笑顔を振りまきながら、パンフレットを配るのが私の主な仕事だ。
 これまで小さなイベント会場にしか行った事がなかったが、今日は国内でも有数の大きな展示会場に来ている。異業種の・・・

0

あなろぐ

18/09/24 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:250

「ヤマキ商店です。いつものパック、昨日の二倍で」
 エースフード最大の取引先である『ヤマキ商店』は、こだわりの商品作りで抜群の集客力を持ち、自社製や仕入れ商品全てを完売させる事で有名だった。その為、いつも製造開始の直前に注文が入る。今日はシンプルな注文だったが、駅近の店舗は販売数が倍になる事も珍しくはなかった。
 カナコが勤めるエースフードは、食用の素材をすり潰した『調理用ペースト』を・・・

2

ANSWER

18/08/20 コメント:2件 R・ヒラサワ 閲覧数:595

 アキコが二十歳ぐらいから知るショッピングセンターは、オープンから既に三十年は経つだろう。ここにはしばらく来なかったが、最近また利用するようになったのは、十年以上連れ添った夫と別れた事がきっかけだった。
 夫の浮気が原因で離婚してから半年。今年で五十歳になるアキコにとって、熟年離婚は簡単な事ではなかった。
 夫が提示した慰謝料によって、経済面の不安がある程度解消された事と、何より、自分・・・

0

片想い

18/07/23 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:410

 僕が通う高校で、同じクラスにいるミヅキは、教室の中でほぼ真ん中あたりに座っている。でも、その存在感で言うと、ずいぶん端っこの方にいるって感じの、ミヅキはそんなおとなしい女子だった。
 ちょっと地味で目立たない、何となく控えめな、そんなところがとてもいい。だから僕の中でミヅキは間違いなく、ど真ん中に居る存在だった。
 一方の僕はと言うと、存在感はミヅキとほぼ同じで、やっぱり端っこの方だ・・・

0

あとがき

18/07/01 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:510

―著者あとがき―  この作品は私にとって、実に三年ぶりの著書となるが、俗に言う『産みの苦しみ』を実感したのは今回が初めてであろう。振り返ると此処に至るまで、様々な出来事が我が身に降りかかってきていた。  まずは愛犬の家出に始まり、続いて妻の蒸発。挙句の果てには、住んでいたマンションを追い出される羽目にまでなった。 一時期、私はホームレスの状態になった。ホームレスと言っても、車の中で寝泊まりをして・・・

2

サクラ

18/06/25 コメント:4件 R・ヒラサワ 閲覧数:655

「サクラって言うと印象が悪いかもしれないけど、あれだって立派な演技なんだよ」  大事な出番の前、ユカの頭の中に芸能事務所の社長の声が響いた。  日曜日である今日、大型ショッピングモールのイベント会場の付近で、ユカはそっと待機していた。視線の先には『サクラ』の依頼主である餅屋の主人の姿があった。 「ウチの団子は旨いんだよ。ほれ、あんたも食べてみなよ」  餅屋の主人はユカに『サクラ』の依頼をした日、店・・・

0

ハロウィンの夜

18/06/25 コメント:0件 R・ヒラサワ 閲覧数:566

「すると、君もその男性が仮装をしていると思ったって事なのかな?」 「ええ、そうです」 「一目で分かる程のあぶら汗をかいていたというのに?」 「ですから、それも最近のメイクだったら簡単に出来る事なんで……」 「ハロウィンなんて、厄介なものが流行ってしまったものだな。年々参加する人数が増えてるそうだし、コスチュームやメイクもどんどんリアルになってきてるそうじゃないか」 ベテランの刑事は目撃者と名乗る連・・・

  1. 1
ログイン