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みゆみゆさん

「芥川賞を目指して小説を書きたい」と友人に話したところ、まずは2000字をコツコツ書いていくといいよと、「時空モノガタリ」を紹介してもらいました。コツコツやってみます。

出没地 おいしいワインが飲めるイタリアンレストラン
趣味 昔からの趣味は睡眠・読書・映画鑑賞 最近の趣味は茶道・ヨガ・美容
職業 酒屋
性別 女性
将来の夢 健康な一人暮らし
座右の銘 「人は人、自分は自分」

投稿済みの記事一覧

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それは九月の朝

18/09/09 コメント:4件 みゆみゆ 閲覧数:142

 ノートを開くと伏字の黒丸があちこち散りばめられた文章が現れる。それが私となみちゃんの交換日記の特徴。教師や生徒の名前といった固有名詞は勿論、感情を表す動詞や時には形容詞さえ伏字。仲良しの二人にしか分からないと言えば聞こえは良いが、お互いに分かっていない可能性もある。
 伏字だらけのそのノートがクラスメートにばれないよう、私たちはこっそりと渡し合っている。幸い二学期が始まった今でも一度も見咎・・・

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ハッチ

18/08/16 コメント:0件 みゆみゆ 閲覧数:101

 僕の名前はハッチ。コンパクトハッチバック車だからハッチだと、ユリちゃんが名付けてくれた。彼女は免許を取りたてだったからあちこちに傷も付いたけれど、そんなことは最初のうちだけだったし、ユリちゃんのお父さんはいつでもちゃんとディーラーさんに傷の修理を頼んでくれていたから、何の問題もなかった。
 ユリちゃんの通う大学やアルバイト先への往復のほか、いろんな場所へ僕らは出掛けていった。知らない田舎道・・・

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あとがきに込めたメッセージ

18/07/23 コメント:0件 みゆみゆ 閲覧数:101

 彼女はあとがきを読むのが好きだった。小説の余韻に浸りながら、その作者さんとの会話を楽しむようで好きだと話していた。読者カードに、小説の内容よりあとがきについて書いていることもしばしばあった。そうやって小説家との会話を弾ませる彼女の様子を傍らで見ていられることが、あの頃の僕にとって最大の幸福だった。
 読む本のほとんどを図書館で借りてくる僕と違い、彼女は新刊の単行本を一年に何冊も買うことがで・・・

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人生はコメディ

18/06/01 コメント:0件 みゆみゆ 閲覧数:472

 「あのね、これからはぼくが、お母さんを笑わせてあげるよ」おやつのホットケーキをもぐもぐしながら晴斗が言う。小学生になって、一度に二枚食べるようになった。「笑うとね、元気が出るんだって」
 「じゃあ、ママを元気にしてくれるの?」晴斗は「そうだよ」とうなずいてホットケーキを口に運ぶ。この時間に私の幸せが詰まっている。幼稚園で泥だんごを作っていた頃の顔を、学校での出来事を話す顔に重ねて見える成長・・・

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渓谷にて

18/05/24 コメント:0件 みゆみゆ 閲覧数:283

 お父さんは、吊り橋の真ん中まで歩いて下を見おろしました。干上がった川底の石は実際の大きさが計り知れないほど小さく見えて、お父さんは思わず半歩、後ずさりました。そして顔を上げると、みいちゃんが渓谷に浮かんでいたのです。
 紅葉の季節はとうに過ぎた寂しい山々を背景に、そこだけお花の咲いたような黄色いワンピース。背丈も髪の長さも、道の脇に停めた車ですやすやと眠る、三歳のみいちゃんそのままです。顔・・・

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捨てる

18/04/24 コメント:2件 みゆみゆ 閲覧数:336

 半分剥げたマニキュアをすっかり落とすと休日にやることはもうなくなって、電源の入っていないコタツでゴロリと横たわる。つるりとしたアルミ缶のゴミ箱が目の前にあって、よく見ると底のあたりには埃のかたまりがいくつか付いている。起き上がり、ゴミ袋を取り出して中を覗いてみると、内側の底にも細かい屑ゴミや埃がけっこうあったので、ウエットティッシュでそれらを拭き取り、空のゴミ箱を風呂場で洗った。
 タオル・・・

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