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マサフトさん

出没地
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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ルポルタージュ:紙面の白き盾

18/09/05 コメント:1件 マサフト 閲覧数:74

「伏せろおおーーー‼」

分隊長の怒号が飛ぶ。
私の目の前で整然と並ぶ、丸く白い盾を持った兵士たちが一斉に紙面に這いつくばった。盾を背中に構え、跪く彼らは守っているのだ。紙面に浮かぶ文字を。その文字をうかがい知ることは私にはできない。


先程の号令を飛ばした分隊長にお話を伺う。

ーーどんな文字を守っているのですか?
<・・・

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『星の界』を聴いてのあとがき、もとい感想

18/07/13 コメント:0件 マサフト 閲覧数:147

人智は果てなし 無窮の遠に 其の星の界 きはめも行かん

昔の人、具体的に何時代だとか何処そこの国だとかは無しにして、とにかく昔の人の想像力とは如何なものなのだろう。

星を眺め、角度を計り、目星目印にして現在位置や方角、距離を割り出す。それは解る、手筈は知らないもののその行為、目的は理解できる。
だが星座はどうだろう。勿論、先に述べた手順の前段階と・・・

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月と兎と走り幅跳び

18/05/20 コメント:0件 マサフト 閲覧数:189

「宇宙空間とか、重力が弱いところに長くいるとこつしょしょうしょうになるんだってー」

傍らで『宇宙での生活』という、ーー今後地球から出ることのないであろう我々一般市民には特に役に立たないであろうーー図説入りの本を読みながら、彼女は驚いていた。

「骨粗鬆症な」
「こつしょそうしょう」
「(もうええわ)骨がスカスカになるやつだっけ」
「そーそー。筋肉とか・・・

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父の背中

18/05/18 コメント:0件 マサフト 閲覧数:385

久しぶりに田舎に帰ると、昔のままの風景の中に混じって、記憶にない物が増えていたり、逆に懐かしいものが減っていたりする。

空き地が多く、寂れていた駅前は新興住宅地だとかができたためか大きく様変わりし、同じような形の新築の家がおもちゃのブロックのように立ち並んでいた。立方体の白い家は、窓のあるところの壁だけ黒く塗られているものだから、醤油をかけた豆腐のようだ。子供の頃の行きつけだ・・・

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矛の行方

18/03/18 コメント:0件 マサフト 閲覧数:293

息子を失ってからもう半年が経つ。わたしの両親は既に他界し、夫に先立たれたわたしにとって息子は唯一の家族だった。

この家は独りで暮らすには広すぎるが、今更引っ越す気にもなれず、さりとて出かける気も起きず、このところ引きこもりがちだ。このがらんどうの家がわたしの心情を嫌という程表している。

息子は交通事故で死んだが、事故を起こした相手もその事故で亡くなってしまった。息子・・・

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青白い炎

18/03/18 コメント:0件 マサフト 閲覧数:297

「仕方のないことだったんですよ。あなたは悪くない。そう、悪くないんですよ」

茂の母親は、諦めたような、絞り出すような声で呟いた。線香の匂いが鼻腔の奥を刺激する。

嘘だ。この人は嘘をついている。口ではそう言っているが、その目には青白い炎が滾っている。幽鬼のような、鬼火のような。

おれが茂を遊びに誘った。おれの車で出掛けた。おれが運転をした。茂は助・・・

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溺れた男

18/01/06 コメント:2件 マサフト 閲覧数:474

さて寝ようの布団に入ったものの、いかんせん寝付けないまま時間が過ぎたせいか、体が硬直してしまった。頑張っても指先すら動かない。これはまさか話に聞く金縛りというやつではないのかと思い、目を開けてみようとすると、不思議と瞼だけは動いた。 暗闇の中目を凝らすと、腹の上にぼんやりとしたものが乗っかっているではないか。腹の上に乗っかっておれの安眠を妨げるとは、不届きなやつだ。失礼じゃないか。えいと腹・・・

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あの頃と今頃

17/12/27 コメント:0件 マサフト 閲覧数:375

数年ぶりに高校時代の友人と再会し、繁華街で飲み交わしていたのだが、その友人が風俗にハマっているらしく、近くの風俗店に連れ込まれてしまった。酒の力は恐ろしい。最初は断ったが、酔った勢いと旧交を温めた嬉しさに浮かれてつい流されてしまった。
元々こういった店は居心地が悪いので苦手だった(入ったのは初めてだが)。性欲と金欲に塗れながらも、店と客の暗黙の了解といったヴェールで表面を取り繕った、・・・

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廃材置き場で見た夢

17/12/19 コメント:0件 マサフト 閲覧数:411

最初に覚えているのは、海の近くの駐車場。
まだ無垢だった頃の私は、海の近くでじっとしている毎日だった。波の音と、ウミネコの鳴き声。遠くにタンカーと巨大なガスタンクが見えたのを覚えている。その時の私は待つことが仕事だった。他にも仲間が大勢いたが、私を含めて皆無口だったので会話をしたことは無かった。
ある日作業服を着た男たちが私たちを連れて移動を始めた。無口な仲間たちは散り散りにな・・・

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盗賊の犬丸

17/11/15 コメント:0件 マサフト 閲覧数:380

「クソッ!やっちまった!焦って殺しちまった」
犬丸は焦っていた。彼は強盗を生業としている、いわゆる盗賊である。新月の夜半、反物屋に盗みに入ったものの偶然厠に行くため起きていた店の主人と出くわし、咄嗟に野太刀で切り掛かって殺してしまったのである。
「俺は盗みはしても殺しはしないのが信条だったと言うのに…。いや、見られた以上殺さなければならなかったのだ!俺は悪くない!あんな場にのこのこ・・・

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黒いコートの男

17/11/15 コメント:0件 マサフト 閲覧数:402

3日ほど前から妙なものを見るようになった。
その日は雨だった。よく行く喫茶店の窓際の席に座り、外の通りを眺めていたら、その妙なものが目に付いた。黒い傘を差し黒いトレンチコートを羽織り、黒いハットを深めに被った、恐らく男性。ズボンもブーツも手袋さえも全て黒尽くめの出で立ちである。物凄く目立つというのに、道行く人々の目には映っていないように見える。喫茶店の、同じく窓際にいる人達も同様に気付い・・・

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海老について思うこと

17/10/30 コメント:2件 マサフト 閲覧数:735

「海老が食べたい」 ふとそう思ったのは昼食の後だった。思えば好物の海老をもう長い事食べていない。今日の昼食も社員食堂で一番安いカレーライスだった。せめてシーフードカレーなら海老でも入っていたかもしれない。そんなメニューこの食堂にあるわけ無いが。 子供の頃、家族内でのお祝いには決まって海老があった。例えば尾頭付きの、車海老の塩焼き。例えば牡丹海老のお寿司。御節にも入っていたな。 独り立・・・

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夜の青空

17/09/14 コメント:0件 マサフト 閲覧数:449

「いつか見たい夢があるんだ」

この部屋に酒を飲みに来るのはこれで何度目だったろうか。木曜の夜はこの部屋に来るのが習慣になってしまった。もう半年ほど通っているか。薄暗い白熱球の明りが薄い影と濃い影を作る、古いアパートの一室。築何年だ。

「いつか見たい夢があるんだ」

相槌を打たなかったせいか彼は同じ台詞を言った。

「なんだい、夢って。夢見るような・・・

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