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紅茶愛好家さん

他所でも別名義にて活動中です。 作品書いては毎度家族に読んでもらってます。面白い作品が書きたいなあと試行錯誤中。作風は真面目なのからふざけたのまで色々書こうと思っています。

出没地 西日本
趣味 紅茶が好きです。 最近、科捜研の女とサザエさんにハマってます。
職業
性別 女性
将来の夢 長生き。これ大事。
座右の銘 温故知新

投稿済みの記事一覧

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謝罪会見

18/09/24 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:90

十月某日、○×食肉の食品偽装の謝罪会見が行われた。
大勢のマスコミとたかれるフラッシュ。まぶしい会場には○×食肉の上層部が計五人立っていた。
「まずは弊社の起こした行為により被害を被られた皆々様に心よりお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
マイクを持った代表取締役社長がマイクを降ろし頭を九十度下げる。他の幹部たちもそれに倣う。長い沈黙の後、失礼しますと言って○×社・・・

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伏字を愛した男

18/09/24 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:70

たまに会うじいちゃんはいつも優しかった。
小学生の夏休み、読書感想文の宿題で上手く書けず困っていると「英輔、そういう時は伏字を使うといいんだよ」と教えてくれた。
オレは教えられた通り原稿用紙を○○○で埋め尽くした。
先生には叱られたがオレは満足だった。だってじいちゃんは伏字も立派な文字だと教えてくれたから。それ以降ボクは人生の困った時に伏字を使うようになった。

中学・・・

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遺言

18/09/24 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:73

ある日、発明家のじいちゃんが死んだ。
とにかくユーモアがあり朗らかな人柄で人に好かれ、葬儀には生前のじいちゃんを慕う多くの人々が参列して別れを惜しんだ。
葬儀のあと、火葬場でじいちゃんが焼けるのを待っている最中、じいちゃんと同居していた和彦伯父さんがスーツの内側から一通の封筒を取り出した。なんとじいちゃんは財産がないにも関わらず遺言を残していた。皆、金もないくせにと笑ったがじいちゃんは・・・

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弁当

18/08/20 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:160

朝登校したオレは下駄箱を見てぎょっとした。弁当箱がどんと置かれていたのだ。周囲を確認しても誰もいない。大丈夫。そっと弁当箱に手を伸ばす。バンドに紙が挟まっていて可愛い字で『良かったら食べてください』とある。ほくそ笑みそっと鞄に仕舞うとそそくさと教室を目指した。
オレの通っている高校は男女共学ですなわちこれはオレに淡い恋心を抱く女子からの贈り物という可能性は十二分にある。自分で言うのも情けない・・・

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ご来店ありがとうございます

18/07/05 コメント:4件 紅茶愛好家 閲覧数:323

「えーと、生四つとライム酎ハイ、あとウーロン茶二つ」
「ライム酎ハイと……ウーロン茶二つですね」
 注文を取りながら若い女性店員が復唱する。飲み物を入力し終えたのを見て石丸准教授はメニューのページを繰った。背筋を伸ばし、注文を読み上げる。
「大皿特選ざんまい、中落ち、特選カルビ、牛モツセット、鳥軟骨の塩、福田屋サラダ、野菜盛り合わせ……とりあえずは、以上。で、良いかな?」
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ご近所さん回覧板ですよー!

18/06/20 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:427

 回覧板が戻ってこないのにはいくつか理由があった。
 共働きの夫婦が多いこと、日中は子供だけの家、留守を預かる耳の遠いおばあちゃん、足の不自由なおじいちゃん、そもそも回すことが嫌いな無精者……。種々の理由を差し引いても全周するのに二週間というのは遅すぎる。あまりに戻りが遅くて戻ってきたころには案件が溜まっており次の回覧板をすぐに回さなくてはならない。
 さてどうしたものかと班長浦本一は・・・

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現代帽子論

18/06/19 コメント:4件 紅茶愛好家 閲覧数:361

「今日も素敵なお召し物ですね」
 梅沢夫人は玄関に膝をつきながら、夫の被る『帽子』を褒めた。
「うむ、行ってくる」
 梅沢茂夫は靴べらで足を靴に滑り込ませるとドアノブをつかんだ。
 『帽子』を褒められたことで彼は上機嫌だった。
「行ってらっしゃいませ」
 夫人は両手を膝の上に重ねて軽やかに見送りをした。
 爽やかな春の出来事であった。

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He:

18/06/12 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:449

俺は今、肛門科にいる。
世紀の実験に万全の体制で臨むためである。
医者はオレの肛門を見るなり、
「いい肛門ですねえ」と言った。
「屁でアメリカまで飛ぼうと思うのですが大丈夫そうですか?」
急に医者の顔が険しくなる。
「難しいでしょうね。体重六五キロの人がアメリカまで飛行するには毎秒約五万発分の推力を出し続けなければならない。アメリカに辿り着く前にまず肛門が崩壊し・・・

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メール便おばちゃん浮遊する

18/05/27 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:281

奥村登代子はその時メール便配達に勤しんでいた。
一冊二十円の契約、サカキ運輸のメール便をバイクいっぱいに積み込み住宅街を駆け回る。今日は朝から日照りが強く日焼け防止のため長袖なのだがそれが余計に暑さを助長する。三丁目の南さんのポストに配達物を入れてバイクに戻り、持ってきていたペットボトルのスポーツ飲料をぐっと喉に流し込む。
「はあっ、生き返る」
額の汗を拭い空を見上げると飛行機が・・・

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世界ゴミ万国博覧会2018 in 東京

18/04/30 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:264

二〇一八年秋、世界ゴミ万国博覧会が東京で開催された。
開催初日、ゴミ処理施設に勤める義雄は胸を躍らせ家族と共にエントランスの行列に並んでいた。早めに来たのだが開場一時間前でも会場は超満員で世間の期待度が高いことが窺えた。一方、世間とは反対に義雄の家族の期待は低かった。ゴミなんか見てどうするんだとしきりに反対する長男と長女、それとは反対にやや乗り気の妻を伴ってやってきた。
季節が秋で良か・・・

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おにぎり金魚宇宙を泳ぐ

18/04/10 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:308

尊(たける)は真剣におにぎりを選んでいた。
パッケージを見て味の書いてあるシールの色と大きさをチェックする。そして気に入った橙の鮭と赤の梅干を各三個ずつ購入する。会計を済ませコンビニを出るとまっすぐ公園へと向かった。
昼下がりの公園では就学前の子供たちが賑やかに遊んでいた。ジャングルジムに登ったりブランコを取り合いしたり砂場でお山を作ったりしている。尊はベンチに腰掛け、袋を開けた。昼食・・・

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捨てる紙あれば拾う神あり

18/04/03 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:492

オレは嬉々としていた。
月に一度の不燃物の日がやってきた。部屋の中を見回すとごみになるはずだった本棚、ごみになるはずだったアンティーク調の椅子、ごみになるはずだった大きなごみ箱、生活はごみになるはずだった物で満たされている。左程汚れていないし十分使える物ばかりだ。ごみ貰いを始めたのは二年程前、きっかけは実家の母だった。
「捨てようとしてたの貰ってきちゃった」
使い古されたスライド・・・

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デッドオアアライブ in 都寿司

18/03/18 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:545

俺には今殺したいほど憎んでいる男がいる。
男は毎週金曜の夜八時、店へとやってくる。通称十番さん、カウンターの十番席のみを所望し、必ず寿司を握る俺の前へと居座る。ハンチング帽を被り高そうなストールを巻いてブランド物の時計を付け、安い回転寿司に舌鼓する初老の客だ。通を気取り手づかみで寿司を食べ、ネタの切り方が悪いとか握りが固くて口の中でほぐれないとかいろんなことを言ってくる。悪い人ではないと思う・・・

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隣の柿はまだ青い

18/03/18 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:500

柿本太蔵は庭の富有柿の木を見るのが好きだった。
今年もたくさん実った。脚立を使いハサミで丁寧に収穫していく。一人では食べきれずまたご近所に配る予定だ。八分目収穫し、作業を終える。残りは小鳥たちのものだ。ついばみに来るのを密かな楽しみにしている。実が減り涼しくなった木を見上げるとさえずりが聞こえた。
ビニール袋を提げ、まず隣の宮内さん、次に真向いの土井さん、と思い描く。喜ぶ顔を想像し、イ・・・

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佐倉タクシー回送中

18/03/05 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:427

金曜の夜、街にネオンが灯る頃、飲み屋街から少し離れた電車通りで一台の佐倉タクシーが停車していた。乗務員は立花勝五十四歳、勤続二十四年目になるベテランドライバーだ。立花はその時ラジオでプロ野球の中継を聞いていた。五回と三分の一でピッチャーが失点をし、ランナー一塁二塁で打席は四番、ドルフィンズがピンチを迎えた時だった。ドアをコンコンコンとノックする音がする。思わず聞き入っていた立花はドキリとして後方の・・・

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地球最後の報酬

18/02/09 コメント:2件 紅茶愛好家 閲覧数:688

世界の終わりは突然やってくる。西暦二XXX年、預言者ノストラダマスの予言した地球最後の日、巨大隕石の襲来に人々が慌てふためく中でそれでも僕は―― ――レジを打つ。 「いらっしゃいませー」 「らっしゃいませー」 気だるげな山彦挨拶をしていると店長が険しい顔でやって来た。 「笹倉君『らっしゃいませ』じゃないからね、『いらっしゃいませ』だから!」 「うぃーす」 「いらっしゃいませー」 「らっしゃいませ・・・

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月の夜に

18/01/19 コメント:2件 紅茶愛好家 閲覧数:1148

上弦の月が出ていた。 底冷えする寒さのなか、月明かりを頼りにキンと冷えた井戸水で野菜を洗う。木製の勝手口からは客の楽しそうな笑い声が漏れ聞こえてくる。 「光太、来るついでに紅さつきを持ってきてくれないか?」 勝手口が少し空き、店主銀次が声を掛けた。光太は振り向いて首を伸ばし「ハイ!」と返事をした。 光太は野菜と一緒に冷やされていた薩摩焼酎『紅さつき』を水から拾い上げタオルで水滴を拭った。カウンター・・・

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人魚-ningyo-

17/06/19 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:540

そのエメラルドグリーンに光る夢の中で僕は人魚を見た。五色に光る尾を持ち輝く真珠の装飾を纏っている。金貨の様に光る波打つ髪に覆われて顔色こそ見えないのだが口元はひどく美しい。白く華奢な手を伸ばし、僕の頬に触れそして微笑む。
「……しょう。また……う」
よく聞こえない。声が波音にかき消される。そこで僕はいつも目が覚める。起きると頬には彼女の余韻が残り、そっと耳を塞ぎ目を閉じると聞こえるのは・・・

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休日戦隊ヤスムンジャ―

17/06/05 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:627

「89円、156円、……89円……」
籠の中の最後の商品であるウメおにぎりをスキャンしようとした時にそれは鳴った。
ピピピピピと音を立て光る左手首の腕時計型通信装置、オレはサイドボタンを押しそれに応じた。
「こちらレッド!」
『新橋に怪人出現よ!』
オペレーターのサラの声が聞こえる。
「今すぐ向かう!」
着ていた制服の上着を放り投げ、全力で駆けだす。

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