1. トップページ
  2. 石衣あん子さんのページ

石衣あん子さん

執筆練習。 発信できるこの場をお借りして.. 美容師しながら、日々老化と日々妄想

出没地
趣味
職業
性別
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

0

夢のカフェテラス

16/12/11 コメント:0件 石衣あん子 閲覧数:631

クリスマスがゆっくりと落ちてきた。
薄明の底からおぼろげな青が顔を覗かせ、師走らしい寒さが体の芯を通り過ぎる。ひらひらと舞うように落ちてきたクリスマスに身を乗り出して掴まえた。今年もやって来たこの日に言い訳を探しながら..
活気付いた楽しい笑い声が響くクリスマスとはほど遠く、毎年静かにこの時が過ぎるのを待つ。
ただ今年は違う。差出人不明の味気ない茶封筒を手にした俺・・・

0

一粒のオリーブ

16/12/05 コメント:0件 石衣あん子 閲覧数:748

ただのサワダだった。どんな角度と距離からそれを確かめればいいか私なりに悩んだ。2つあるつむじからできたハート形の後頭部を。

一粒のマスカットを頭上に約10分が経とうとしている。いい加減声をかけようかと思うが後頭部が私を黙らせる。職場の後輩が馴れ馴れしく先輩である私を美術館に誘うなんて何を考えているのか。ただのマスカットじゃないか。鮮やかなグリーン色のマスカット。美しいが、ただの・・・

0

不憫な和

16/11/02 コメント:0件 石衣あん子 閲覧数:845

頬を濡らし苦虫を噛み潰したような口で拝むサト。私は歯を食いしばり前を見据える。「笑って」と言うだろう。この瞬間でさえきっとー

私とサトとマキは同じバスケ部だった。監督から信頼されていたマキは責任感が強く皆を勇気付けまとめた。最後の総体、一進一退の攻防が続く中ベンチの応援にも力が入り皆が一体化した。全力を出し切った私たちは互いを許し合い認めあえる仲間になれた。晴れ渡る青と白のコ・・・

0

おぼろげな標識

16/10/17 コメント:0件 石衣あん子 閲覧数:868

揺れる蜃気楼の中で太陽と汗が混じった獣の匂いを確かめる。
大きい体、少しだけ荒い鼻息と艶のある下唇に酔いしれた。
茶色い瞳とは対照的に青黒い髪がくるんくるんと遊びながら私の頬に触れる。
わ、くすぐったい。
「あっぷる!」くしゃみをひとつ。
「僕のりんごちゃん。眼鏡はかけない方が可愛いね」
私の眼鏡を外す5センチ目前のイケメン。

『根暗メガネ』と・・・

0

何もない日

16/10/14 コメント:0件 石衣あん子 閲覧数:865

『ありがとさよーなら』
紙の端切れに書かれた一行。そこから伝わる投げやりさに胸を撫で下ろした。
しがらみから解放され、自由を手に入れた俺には見える平和。まさか彼女から告げてくれるなんて。板チョコを煎餅のようにバリバリと食べ、遠くに輝く月明かりを確認する。
唯一心配なのは、2.3ヶ月後に誰が俺の髪の毛を切るのかということくらいだ。
新しい俺を鏡の中で確認する。血の気が引い・・・

  1. 1
ログイン