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國分さん

2週に1作、コンテスト作品投稿しますb

出没地 東京メトロ東西線沿線
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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博徒

16/02/09 コメント:0件 國分 閲覧数:905


 勝負師の早い朝は神棚に手を合わせるところからはじまる。
 榊の水を取りかえ毛払いを滑らせ、水、米、塩をそなえる。二礼二拍一礼。祝詞を奏上したのちに深々と頭を下げる。これを毎日欠かさない。
 神様にある日突然、人の大きな欲望を願ってしまってはただ驚かせてしまうだけだからだ。

 それから彼は近くのコンビニへと向かう。
 西には木星、天頂には火星、朝ぼらけの東に・・・

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看板娘

16/02/04 コメント:0件 國分 閲覧数:844


 冷たい北風は身をひそめ、うららかな陽光にだまされた梅の花が、一足早く恥ずかしがっていた。暦の上での春の知らせは、五歳の和樹にも陽気な形で届いていた。おませな少女、あかねのお茶屋にお呼ばれされたのである。
 あかねは狭山茶農園の娘であった。家は、東京へ抜ける国道沿いに小さな店を構えていた。大規模な露地栽培では北限に近い場所である。厳しい冬を越えた裏手の茶畑は、秩父の山並みよりも緑を保・・・

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乱舞

16/01/09 コメント:0件 國分 閲覧数:890


 凛とした抒情の紡ぎ。女はひたすらにそれをしたためていた。

 ふと手が止まった。言葉に詰まった。おぼろげに庭先を眺めると、再び筆を走らせた。春霞にぼやける樺桜が、表現の手がかりとなったのだ。女の着想は、自然の恵みであった。

 言葉の流れの糸口は、春風に乗る花びらのように気まぐれに現れるのであった。それに出くわし振り向けば、そこには美しい表現の花が咲き誇っていた。・・・

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迷画を求めて

16/01/03 コメント:3件 國分 閲覧数:1218

 失恋を求めているのは、私だけだろう。
 私が一方的に誰かに恋をして、相手の男がそれを断る。そう、まず、恋をしなければいけないのが、今の私には難しいところだ。
 なりふり構わず男に恋をしてはいけない。フラれる男を見抜かねばならない。それも、相当のショックが待っているであろう相手をだ。当然、なかなか見つからない。

 私は二年前、ひどい経験をした。と同時に花々しい名誉と劇的な・・・

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自覚

15/12/26 コメント:0件 國分 閲覧数:1043


 「あんた、お兄ちゃんになるのよ」

 母にそう言われたとき、五歳の翔太は素直に喜んだ。けれども母のお腹が日に日に大きくなるのを見るにつれ、いつしか期待とは裏腹の気持ちが入り混じっていた。お兄ちゃん、お兄ちゃん、と父にも母にも祖父母にもそう呼ばれ、得体の知れない言葉に純粋で小さな頭が悩まされた。実際、まだお兄ちゃんではなかったのだ。

 ――お兄ちゃんって何だろう?・・・

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