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ふたさん

今ほしいものはまず表現力、そしてきちんとしたプロットを立てられる計画性と、勢いを保持したまま最後まで書き続けられる頭の力。あと、しなやかな脚を持ったうるわしいおねえさまがほしいです。蹴り倒されたい。

出没地
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘 ジェントルマンな馬車馬であれ。

投稿済みの記事一覧

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いしださん

15/11/28 コメント:0件 ふた 閲覧数:982

 何年も前にテプラで作った名前シールは角の粘着がとれていて、すっかり弱々しくなった石田さんの手でも簡単に剥がすことができた。その部分だけ汚れのないロッカーを見つめ、石田さんは微笑む。
 ありがとな、と唇が動くのを見て、僕は慌てて目に力を入れた。ロッカーを羨ましく思う。
 だって、こんな簡単に。
 だって、この店に二十年以上も人生を捧げてきた石田さんが。
 だって、こんな理不・・・

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あんまりだ

15/09/20 コメント:0件 ふた 閲覧数:850

 たしかに、入ってみたいとは思った。個性ゆたかも度が過ぎるほどのメンバーに囲まれて、あわただしくも充実した毎日。季節のうつろいと共に、確実になにかが変わってゆく、光に満ちた世界。
 自分もあの一員になれたら、と。何度も妄想したし、本当に入れたらと願うこともあった。
 しかし、これは。
「あんまりだ」
 何度目かの嘆きをこぼす。見慣れた全身鏡から目を逸らして部屋を見回す。ああ・・・

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きらきらかがやく

15/09/20 コメント:0件 ふた 閲覧数:964

 椅子からずり落ちたまま、母親を見上げる。
 いったいいつから。音もなく背後にいて僕をびびらせた母親は、無表情で部屋中を見回していた。そうして、おもむろに口を開く。
「最近、ユキちゃんの様子がおかしいでしょう」
「おかしいって言い方は……、あ、そ、そうですね、はい」
 部屋中に飾られたアニメグッズを眺めている母親に僕はびびりつづける。
 ユキ。幼馴染みは、たしかに最近・・・

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まつり

15/08/23 コメント:2件 ふた 閲覧数:1006

 私は自分の名前が嫌いだ。そう訴えれば、親がくれたものに文句を言うんじゃないとたしなめられる。しかしどう捉えても、真剣に考えてつけたものとは思えない。
 名前は、まつり。生まれたのは、村の伝統的な祭りの日だった。

 祭りの当日には、誕生日だからという意味不明な理由で一番に鐘を撞かされる。面倒くさいことこの上ない。
 幼馴染みの草太は昔から、私の出生に関して勝手な想像をして・・・

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清掃業

15/07/11 コメント:0件 ふた 閲覧数:1056

「よく噛んでね」
 一緒に食事をすると、久子さんは決まってそう忠告する。うう、と返事をした私が、口いっぱいに含んでいたものをもぐもぐと咀嚼してみせると、久子さんは嬉しそうにする。白い肌に浮かび上がる真っ赤な唇が、左右にいささかの狂いもなく、耳の方へひっぱりあげられる。長い睫毛を連れた切れ長の目が、やさしくゆるむ。

 久子さんは私の七つ年上で、仕事では四年先輩だ。ちょうど後輩がほ・・・

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