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佐々々木さん

出没地
趣味 読書
職業
性別 男性
将来の夢 何も決まってません。
座右の銘 Whats the worst that can happen?

投稿済みの記事一覧

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馬鹿と煙は高いところへ上る

18/07/11 コメント:0件 佐々々木 閲覧数:336

「働くのってしんどいな」
 高校からの友人は、煙草の煙を吐き出しながらそう零した。顔をしかめて軽い調子で続く。
「こんなに仕事が辛いもんだとは思わなかった。大学時代に戻りたいよ」
 この春就職した彼とは違い、大学院へと進んだ僕はその気持ちがまだわからない。そんなことを言われても相槌を打つくらいしかできないんだけど、と内心困りながら、しばし間を置き、「そうなんだ」とだけ返した。

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永遠に覚ゆ

16/08/29 コメント:0件 佐々々木 閲覧数:1208

 覚えていますか?
 私とあなたの家は近所で、小さい頃からよく遊んでいましたね。私はとてもやんちゃで、あなたは大人しい子供でした。小学生2年生のとき夜遅くに、といっても21時頃でしたが、近くの神社で肝試しをしましたね。神社までの暗く長い階段は確かに不気味ではありましたが、大して怖いものとは思えませんでした。幽霊なんていないよ、と言う私に対して、とても怯えていたあなたを覚えています。家に帰った・・・

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きいたことは

15/07/15 コメント:0件 佐々々木 閲覧数:1041

「すいません、お姉さん」
 そう言われて呼び止められた。車に乗った男が窓から顔を出し、手を挙げている。辺りには街灯もまばらで薄暗く、顔ははっきり見えない。車のスピーカーが大音量で発しているロックだけが住宅街に響き渡っていた。
「駅まで行きたいのですが、道を教えてもらえませんか」
 落ち着いた丁寧な声に好感が持てた。残業終わりの疲れきったこの状態で、もしも乱雑な言葉で道を聞かれたな・・・

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手を伸ばせば

15/07/09 コメント:2件 佐々々木 閲覧数:952

 落ち込む人間の意味が分からない。落ち込んだところで事態がいい方向に向かうわけでも問題が解決するわけでもない。そんな暇があったら、行動すればいい。

 部屋の掃除をしていたら、昔、高校一年の冬から大学二年の夏にかけて書いていた日記を見つけた。その日記のあるページに記されていた言葉だ。高校三年の五月半ばのものらしい。これを書いていたのは、まだ自分が何らかの超越した存在に選ばれた人間なのだ・・・

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消えないもの、消えるもの

15/07/02 コメント:4件 佐々々木 閲覧数:2059

 放課後。教室にはほのかに赤みを帯びた日差しが窓ガラス越しに差し込んでいる。誰もいない教室は静かで、少なからず解放感を感じた。目を閉じると、木や金属、チョーク、紙、制汗剤などが混ざった独特の匂いがする。ソックス越しに感じる床の感触は固くひんやりとしていた。床の埃が気になり、穿いている白のソックスが汚れることには抵抗があったが、洗えばすぐ落ちるだろうと高をくくる。
 私は軽く絞った雑巾で自分の・・・

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サバンナ

15/06/19 コメント:1件 佐々々木 閲覧数:985

 動物にも心はあるのか。
 動物園を訪れるたびに、そんな疑問が頭をよぎる。柵に頬杖を突きながら5メートルほど下を見下ろすと、一匹の雄ライオンが今にもあくびをしそうな顔でごつごつとした岩の上に横たわっていた。そのライオンの他にもこの柵の内側には、一匹の雄ライオンと二匹の雌ライオンがいる。どのライオンも、岩、または多少茂っている草の上で寝転んでいた。
置かれた岩、生やされた草、植えられた木・・・

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15/06/12 コメント:1件 佐々々木 閲覧数:948

空が青かった。憎らしいほどの、快晴。その空を分断するように、山と空の境界線上から細く雲が伸びている。
 小さな駅の、せいぜい2、3人程度しか座れないであろうベンチが2つ置かれている小さな待合室。正面を向くと、ガラス越しに差し込む光がまぶしくて、目を逸らした。そこで2人で、時間を待っていた。
「200ってなんだろうね」
 何のことだ、と聞き返したかった。視線を辿って数秒後、理解する・・・

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