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夏木蛍さん

ゆるゆるゆらゆら。 見栄えのいいバッドエンドを。

出没地
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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聞きたくない恋愛話

15/09/24 コメント:1件 夏木蛍 閲覧数:1499






 「今日、お兄ちゃん熱で休んだの」


学校からの帰り道で結衣が口にしたその一言目に、俺はうんざりした。
…またお兄ちゃんの話か。
そう思ったから。


「こないだ結衣が熱出した時、お兄ちゃんがおかゆ作ってくれたんだぁ〜。
だから今日は結衣が作ってあげるんだよ」



結衣の兄貴は・・・

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浮ついた夏の日

15/08/23 コメント:1件 夏木蛍 閲覧数:1231




 「瞬くん、おまたせ」
今日は地元の花火大会の日。
楽しそうな子ども連れの家族や初々しいカップルが、海の方へと向かっていく。
「浴衣着てきたんだね」
最近は聞きなれた瞬くんの声に私は曖昧に返事をする。
瞬くんはいつもより少しラフな格好をして、気まずそうに視線を落とした。
「じゃあ、行こっかとりあえず」
手を差し出すこともなくすたすた・・・

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終電

15/05/16 コメント:0件 夏木蛍 閲覧数:1310

 
 耳障りな沈黙が始まって1時間が経った。

隣にいる由紀が何を考えているのか、俺はわからなかった。
こんな時になってまで、由紀と初めて会った時のことだとか初めてデートに行った場所だとか、そんなことばかりがぐるぐると頭の中を駆けずり回る。

 由紀とは付き合って二年になる。
半年前、高校三年の夏休み。由紀と図書館に行った帰りだった。
「私、大阪の大・・・

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明日になったら

15/05/04 コメント:0件 夏木蛍 閲覧数:1222

 「遼平くんっ!できた?」
俺の顔を覗き込むようにして、佐倉は笑った。
キッチンにたちこめるのは少しの熱気と甘い匂い。
「すごいよ遼平くん!今までで一番上手くできたねっ」
嬉しそうにはしゃぐ佐倉に俺は曖昧に返事をしながら目の前のチーズケーキを見つめた。
約一か月の間にどれだけの料理を作ってきたか、数えきれない。
今日だって、何が楽しくて男一人でケーキなんか焼かな・・・

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誘拐という名の、

15/04/26 コメント:2件 夏木蛍 閲覧数:1399


 古い旅館やホテルの明かりがぼんやりと届くその場所に、俺は何度目かもわからない溜め息を吐きだした。
観光客も寝静まる頃、細かい砂の上に座ってただ波の音を聞いていた。

 冬の夜の海が、俺は好きだった。

初めて来たのは一年ほど前のことだ。
その時も、凍えるような寒さの中で波の音を聞いた。
心の中にじわじわと入り込んで来るような心地良さに俺は呑み込ま・・・

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