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須磨 円さん

変な御話がすきです。

出没地 東京
趣味 中国語
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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『告白』

15/03/30 コメント:7件 須磨 円 閲覧数:1493

 初めて吐き気を覚えたのは、汗がにじむくらいの気候が続くようになったとある日だった。
 いつものように眠い目をこすり、つたない動きで制服を身に付けていく。朝ご飯を簡単に食べ、そしてワタシ―――サイトウユキコは、学校へ行く準備を終えた。
 自転車で、1km先のバス停まで向かおうという矢先だった。
 太陽の光が、ひどく脳内を揺らした。
 自転車を漕ぐ自分の足が鉛を付けたかのよう・・・

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四ツ葉のクローバー

15/03/06 コメント:4件 須磨 円 閲覧数:1560

 シロツメクサの握りつぶしてしまいそうな頼りない茎を何度も千切って、大きな原っぱのまん中に並べた。視界にぬくい光が差し、目をぱちぱちと瞬かせながら顔を上げると、遠くのところで一つの小さなシルエットは舞い踊っていた。まるで絵本の一ページのような光景に、自分もまた登場人物の一人として存在している事に、僕はとても気恥ずかしく、どこか懐かしく、おぉい!と、そのシルエットに向かって叫ぶ。白いワンピース、長い・・・

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置き去りの夏

15/02/27 コメント:2件 須磨 円 閲覧数:1380

「渋谷に行こうか、君と僕の住んでいるところの中間地点だよ」

 突然にそう言われて、うんともすんとも言えなかった。私の手の中にあるスマートフォンは、今にも私の手のひらを焼き尽くしてしまいそうなほどに熱さを伴っている。渋谷?、うん渋谷だよ、意味のない問答が繰り返される。私はか細い声で最後に問うた。何故今なの?
「今まで、会わないって言ったじゃない。会えないって、」
「うん、」・・・

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敗将とむすめ

15/02/23 コメント:2件 須磨 円 閲覧数:1313

 上手く気管に入らぬ空気にごほごほと噎せれば、肩が上下する事によって刀傷を受けた胸が激しく痛む。もしかしたら骨を何本かやられているのやもしれない。今すぐ腰を下ろして休んでしまいたいが、それは今は叶わぬし、確実に身を隠すことのできる場で無ければ、此の命はあっという間に消え去るだろう。
 某は、敗軍の将である。

 慶長20年、夏。
 見慣れた森林が、微々たる音一つ聞こえぬこの・・・

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なじみ

15/02/23 コメント:0件 須磨 円 閲覧数:1213

「うわ、呼び出しなんだけど」
 六つの目が、屋上の柵にもたれていた彼女のほうへ向けられる。ひとりは、紙パックのジュースをちゅーちゅーともてあそびながら首を傾げ、ひとりは、またかよと言いたげな表情で彼女を見つめた。その隣には、おかしそうに口を歪ませている人間がいる。
 三者三様の彼らをちらりと一瞥し、シオリは手の中に収まるスマートフォンの画面に目を落とした。そこには、“彼”からの言葉がつ・・・

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