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シンオカさん

文章修業をしています。 コメントの類が苦手です。語彙力が欲しいです。

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投稿済みの記事一覧

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うそつき

14/12/10 コメント:7件 シンオカ 閲覧数:2446

『月がきれいですね』、なんて、くっさい台詞だよね。ちょっとした悪戯心でわざと意地の悪い話題を振った僕に、君は細い眉をハの字にして、困った笑顔になった。
「確かにきざだとは思うけど、でも、文学的じゃない?」
 無闇に怒ったりしない温和な君は、やんわりとそう返してくる。放課後、僕らはふたり、こうして下校しながら話す。今日はたまたま授業で夏目漱石をやったから、いつか耳にした漱石の『I Lov・・・

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笑顔で『ごめんね』と彼は言った

14/12/05 コメント:3件 シンオカ 閲覧数:1202

 少し、かわいそうな話をしよう。
 小学生の女の子がいたんだけどね。その子は心臓がちょっと悪くって、色々特別扱いされてた。他の子はそれが面白くなくてさ、いつの間にか、その子、いじめられるようになっちゃったんだよね。やな話だよね。
 ある日の放課後、その子がトイレに行ったんだけど、他の子がさ、閉じ込めちゃったんだ、その子。本人たちは遊びのつもりで。たまたま図工の時間で使った頑丈で強力なテ・・・

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ハリボテテンシ

14/11/30 コメント:3件 シンオカ 閲覧数:1126

「絵に描かれる天使ってさ」
 ファストフード店のテーブルで、顔に幼さの残る少年が口を開いた。彼の向かいで、決して美味くはなさそうにハンバーガーをかじっていた青年が「ん?」と視線だけを上げる。
「なんで羽があるのかな」
「ひとがつけたからだろ」
 純朴な問いに、素っ気ない返答。少年は気にした様子はなく、ジュースのストローを指先でいじりながら問いを重ねる。
「じゃあなんで・・・

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Fish Story

14/11/10 コメント:3件 シンオカ 閲覧数:1219

 とある海沿いの宿屋にて、不思議な風体の旅人と晩の食事を共にした。
 分厚いマントで全身を覆った男だ。深くフードを被っていて、陰った表情は窺えない。自分もマントにフードの流れ者だから、ひとのことは言えないが。宿の部屋から食堂に行くところで一緒になって、彼が右足を踏み出すたびにかつかつと音がした。不思議に思って見てみると、長いマントから義足が覗いていた。ちらりと見えただけでも分かる、義足という・・・

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星は空、願いはどこ

14/10/25 コメント:4件 シンオカ 閲覧数:1607

 流れ星が流れている間に願いごとを三回唱えれば、それが叶う。そんなこと誰が言い出したんだろうと、口を尖らせたのはトモだった。
「だって一瞬じゃん。絶対無理じゃん。できるわけないじゃん」
 冷たく澄んだ満天の星空の下。夜空を見上げもせず、つまらなさそうにシューズの爪先で地面を叩きながらトモが言う。トモの冬休みの宿題で、冬の星を観察しようという課題があったから、こうして寒い夜に近所の公園に・・・

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秘密の話をあなたと

14/10/15 コメント:4件 シンオカ 閲覧数:2049

 この街の図書館が、イノルは大好きだ。
 学校が休みの日、イノルは開館時間の数分前には図書館に到着する。鞄を揺らして芝生を走り、図書館前で掃き掃除をしている司書さんに駆け寄る。司書さんは小柄なおばあさん。痩せた身体にエプロンをつけ、冬の朝のまっさらな雪そっくりの銀色の髪をきりりとお団子に結わえている。
「あら、アイノルドくん。おはようございます」
 声は穏やかで、皺を浮かべる表情・・・

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猫の手お箸の秘密の理由

14/10/10 コメント:5件 シンオカ 閲覧数:1269

 私のおばあちゃんは、ひとと違う世界を見ている。
 私が高校二年生のころ寝たきりになったおばあちゃんは、見えない誰かと談笑し、そこにない風景を懐かしげに眺めるようになった。いわゆる認知症だ。おばあちゃんの世界では、息子である私の父さんと、お嫁さんである母さんは十数年前の新婚さんのときの状態に、孫である私は小学生の状態に、それぞれなっていたらしい。ご近所さんや知り合い、平日のデイサービスのヘル・・・

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とけない雪

14/10/05 コメント:5件 シンオカ 閲覧数:1209

「旦那様、お薬を持って参りました」
 時間きっかりに、私は旦那様の寝室のドアをノックした。内側から「ああ、入りなさい」と許しが出るのを待ってから、ドアを開く。
「いつもいつも、時間厳守でご苦労なことだ。たまには少し遅れるくらいの方が、可愛げがあるというものだよ」
 ベッドに身を沈めた旦那様が、うっすら苦笑しながら言う。
「いや、こんな注文は君を困らせるだけか」
「はい・・・

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束縛落下

14/10/01 コメント:2件 シンオカ 閲覧数:1151

「な、幽霊マンションの噂、知ってるか?」
 大学の学食で友人がそんな話題を出したのは、僕がカレーライスのスプーンをちょうど口に運んだときだった。「幽霊マンション?」と、下品にならないよう咀嚼の後に聞き返す。
「そうそう。なんでも、女の幽霊が出るって」
 友人はうなずくと、カツ丼を豪快に一口。昼食時の話題としては明るくないが、どうせ男ふたりのテーブルだ。スプーンを動かしながら先を促・・・

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