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黒川かすみさん

出没地
趣味
職業 学生
性別
将来の夢 小説家
座右の銘 日進月歩

投稿済みの記事一覧

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届かぬ光へ

14/07/28 コメント:1件 黒川かすみ 閲覧数:1254


 魔法使いが、その老いた指で杖を一ふりした。
 すると、七色の光が【灰かぶり】の名で呼ばれる少女の体を包んだ。
 続いて、ひからびたカボチャと、地面を這っていたトカゲと、そして僕。それぞれに杖の先で触れた。

 事の起こりは数時間前。僕がネズミだったとき、魔法使いの魔法にかかる前。灰かぶりは泣いていた。
「私だって、舞踏会に行きたい。綺麗なネックレスをつけて、・・・

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二回目のプロポーズ

14/05/19 コメント:2件 黒川かすみ 閲覧数:1195

 
「結婚しようか」
 幼馴染みで私よりも10才近く年上の彼が、私に向かってそれを口にするのは二度目である。けれど今この状況においてそれはあまりにも唐突だった。たとえその、いわゆるプロポーズをしたのが、自分が何年も想いを寄せる相手であったとしても。
「え、は、あの」
 彼の運転する車の助手席で私はもぞもぞと座りなおした。さっきまで車の窓を叩いていた雨が今は止み、窓にはいくつ・・・

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鈍角三角形

14/02/15 コメント:2件 黒川かすみ 閲覧数:1622



 純子と透、そして私は、小学生のころから中学3年になった今までずっと一緒にいる。家もお互い近くで、登下校は必ず一緒だった。さすがに高校に入るとそれも難しくなるだろうけど、それでも幼なじみとして仲の良いままでいられると思う。ふたりは誰より私をわかってくれるし、私も彼らを誰よりわかっている。なにより一緒にいて疲れない。それは三人とも同じ気持ちだと、そう思っていた。
「俺……凪の・・・

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金の桜

14/01/31 コメント:1件 黒川かすみ 閲覧数:1281


 私は馬である。当然、名前など持っていない。
 さて、私は現在、非常に危機的な状況下にいる。追っ手がこちらまで迫ってきているだ。さらに私の左脚を見ていただきたい。感触からすると金属の何かが、私の脚にあるのだが、これはおそらく人間どもの仕掛けた罠だろうと思う。というか、こんな姑息な物を使うのは人間しかいない。傷のせいか、なんだか意識が朦朧としてきた。
 ……と、追っ手の足音が聴こ・・・

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幼き理想

14/01/13 コメント:0件 黒川かすみ 閲覧数:1296

「また会えて嬉しいよ。イアン、クレア」
 城下に桃色の花が咲き誇る国の王子、エドアルが微笑みながら言った。客間にあるソファに彼と向かい合って座る医師イアンも、彼と同じくらい微笑む。
「私もです、エド」
「陛下も以前よりお元気になられたようで何よりだわ」
師であるイアンの隣に腰掛けた私がそう言うと、エドは口もとをやわらげた。
「うん、そうなんだ。――よかったよ、本当に」・・・

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夢の夢

13/12/09 コメント:1件 黒川かすみ 閲覧数:1404


 夢を見た。
 学生の頃の夢だった。僕がまだ、この保育士という職業に淡い憧れを抱いていたころ。その夢を叶えるために何をすればいいのかすらわからなかったころの夢を。今、自分に何ができるのかということが、まったくわからなかったころの夢を。


 ずいぶんと懐かしい夢だったな。
 僕は昨晩に見た夢の内容を思い出しながら、大きな欠伸をした。珍しく鮮明に覚えている。僕の・・・

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たったひとつの

13/11/13 コメント:1件 黒川かすみ 閲覧数:1388

「もうやめよう。復讐なんて、虚しいだけだ」

 照明に照らされながら、マイクの下で若い俳優がそう言った。と同時に、現場の監督らしき男は立ち上がり、その近くにいたおそらく副監督がシーン終了を告げた。

 その場にいた俳優や女優、裏方仕事をしていた人間は口々にお疲れさまでした、などの声をかけあう。先ほど最後に台詞を言った若い俳優――葵もまた周りの者たちに挨拶をしつつ、自分の荷物・・・

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あこがれのまと

13/09/22 コメント:0件 黒川かすみ 閲覧数:1601


 わたしはしょうらい、おばあちゃんになりたいです。
 わたしは、おばあちゃんが大好きです。
 おばあちゃんと言っても、血がつながっているわけではなく、“ごきんじょさん”といういみの“おばあちゃん”です。

 わたしたちが朝、登校するとき。
 学校が終わって家へ帰るとき。
 ゴミを出しに行ったとき。
 友だちのところへ遊びに行くとき。

・・・

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