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郷田三郎さん

どうも、郷田三郎です。 (本名ではありませんが。。。) 細々と活動しています。 とりあえずちょっと外した話しを書きたいと考えています。 今のところ仕事が忙しいので、時々には投稿したいと考えています。

出没地 横浜駅
趣味 食べる事、読む事、歌う事。 と、書くこと。
職業 会社員
性別 男性
将来の夢 楽して暮らしたい
座右の銘 明日は明日の風が吹く

投稿済みの記事一覧

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素晴らしきケイタイ異時代

13/01/13 コメント:2件 郷田三郎 閲覧数:1693

 平日の昼時、私は空席の目立つ明るい電車を降り、駅の階段をゆっくりと上って行った。
 改札が近づく。私は胸ポケットからケイタイを取り出しゲートに翳した。
 無論ポケットに入れたままでもゲートは反応して開くはずだが、学生時代から二十年近く定期券を愛用してきた私としては、こうして何かアクションを取らないと落ち着かないのである。
 周りでは私の行動に違和感を憶えたのか、幾人かの乗客が一・・・

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福笑い

12/12/09 コメント:4件 郷田三郎 閲覧数:2055

 目隠しをされた手に「はい、目だよ」と渡された薄っぺらな紙片。僕は「え、どっちの目。右なの。左」と訊き返す。小学一年の君は「右だよ」と今にも吹き出しそうに笑いを堪えた声で答える。
 僕は訝しがりながらも受け取った紙片をここ、という位置に狙いを定めて置いてゆく。
 目隠しを取ると、どう見ても渡された順番がおかしいとしか思えない顔がそこに在った。
 右目の位置には口が。左目の位置には・・・

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きよしこの夜(2012)

12/11/22 コメント:7件 郷田三郎 閲覧数:1973

 クリスマスなんてキライだ。ハロウィンが終わった世間ではあちこちでイルミネーションが煌き、まるで世紀の大イベントでも始まるかのような勢いになる。私の職場でも若いコ達は何やら何が欲しいだの何処に行くだのとその計画に余念が無い。でも、私はと言うと今日が二十四日の夜だというのに会社で残業。もっとも仕事が無くても何の予定も無いのだけど……。学生時代の友達は半数が結婚し、残りの半分も楽しい予定があるのだろう・・・

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世界の片隅のコンビにで

12/09/23 コメント:4件 郷田三郎 閲覧数:1656

「いらっしゃいませ」僕が近所で唯一の商店であるコンビニのドアを開けると店員のお姉さんがにこやかに出迎えてくれる。
「こんにちは」僕はいつもの様に少しはにかみながら挨拶を返す。
「今日は生憎だけど冷凍食品のお弁当しか無いの。悪いけどそれを買っていってくれる?」お姉さんは申し分けなさそうに微笑んだ。
 冷凍だろうと乾燥だろうと構わない。どうせ世の中にはそれしか食べ物は無いのだから。僕・・・

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残り五秒

12/09/15 コメント:2件 郷田三郎 閲覧数:1506

 時計が止まった。
 その瞬間、場内のざわめきが一斉に僕の耳に入ってきた。しかし、すぐにゲームに集中すると必要な音以外は聞こえなくなる。
 相手のオフェンス・バイオレーションだ。二年生の田中のディフェンスが漸く機能しだしたのか、二十四秒ギリギリで放たれた三点シュートはバスケットリングに掠る事も無くエアボールになった。
 すかさずボールを拾った高木がのっそりとした小走りで審判に近寄・・・

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廃駅

12/09/09 コメント:5件 郷田三郎 閲覧数:2489

 目の前を轟音を伴って赤い電車が通り過ぎてゆく。
 運転手には寂れたホームの上、線路ぎりぎりまで前に出ている私など目に入らない様だ。
 風圧が私の頬を弄り髪を崩すが電車は速度を落す素振りさえ見せはしない――。

 その日は朝から酷く忙しい日だった。正確には前週末から忙しさは継続していて、週が明けて三日が過ぎた木曜になっても事態の収束がいつになるのか、私には想像がつかなかった・・・

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銀ちゃん

12/08/30 コメント:3件 郷田三郎 閲覧数:1570

 都会の夜は明るい。
 二十四時を過ぎているのに灯りのついている窓は数える気も起こさせない程に多いのだ。

 私は鉄製の外階段を出来るだけ音を立てずに昇り、突き当りまで行くと、ドアをカリカリと引っ掻いた。
 ノックはしない。
 ここは独身女性限定のアパートなので、真夜中にノックの音がしてはまずいのである。

 知美はまだ寝ていない筈だ。窓に灯りが・・・

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ともだち

12/08/18 コメント:6件 郷田三郎 閲覧数:1869

 眠れなかったので中学校のプールに忍び込んだ。
 中学校の周りは工場などが多い地区で夜中になると人通りは殆ど無い。
 夏休みに入っていたけれども、水泳部が毎日使っているので、浄化装置が効いていて水はキレイだ。僕は着ていたTシャツを脱いで飛び込んだ。水着は家から履いてきていた。
 夜のせいだろうか。水が冷たく感じる。時々行く公営プールなどは小学生が夜店のスーパーボール掬いの様にひし・・・

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見下ろす花火

12/07/28 コメント:4件 郷田三郎 閲覧数:1817

 香織さんが入院する病院へ日曜日に行くことは殆ど無い。彼女の両親が行くので僕の出る幕は無いのだ。
 長期入院で退屈している香織さんに本を届ける為、僕は大抵水曜日に行く。中学の部活が無いし図書館も夜七時まで開いている。返却ポストに本を落すのはあまり好きではないのだ。
 こうして日曜日に病院へ来たのは、水曜日に本を届けた際に花火大会の話題が出たからだ。
「去年も見えたよ。でもねぇピン・・・

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坂道

12/07/14 コメント:8件 郷田三郎 閲覧数:1941

 病院へ向かう長い坂道を、僕は自転車を押して上ってゆく。
 心臓の音が直接鼓膜に響く。呼吸が速過ぎて喉がガラガラと鳴った。汗が気持ち悪いし目に入って痛い。
 それでも僕は長い坂道を、自転車を押して上ってゆく。
 週に一度のこの辛いお使いを、僕はもう半年以上も続けている。バスで通っていたのも入れれば一年半ほどになる。中学に入って直ぐに始まった事で、僕は二年生になった。
 長い・・・

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