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魔女さん

魔女ワールドへ、ようこそ

出没地 スーパーのお菓子売り場
趣味 アウトドア。                                    ラジオ放送に耳を傾けつつ、お菓子をつまみながら本を読む。
職業
性別 女性
将来の夢 世界平和
座右の銘 一切は空也。 なせばなる なさねばならぬ なにごとも ならぬは人の なさぬなりけり 『笑』

投稿済みの記事一覧

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忍 び

12/09/07 コメント:0件 魔女 閲覧数:1626

 宇治川河畔、腰丈にまで伸びた葦の中で、楓は片膝立ちで待っていた。
 月はなく、星明かりだけの夜。
 虫の声が途絶えた。相手の動きを感じ取ろうと、息を殺す。
「楓、いるんだろ」
 低く抑えた声が届いた。楓は黙って立ち上がると、影に向かって歩み寄った。間合いを測って立ち止まり、闇夜に鍛えた目で相手を確かめる。自分と同じ装束で、長い髪を一つに束ねて、胸の前に垂らしている。楓は、・・・

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花火職人の女房になった、タマのおはなし

12/08/31 コメント:0件 魔女 閲覧数:1647

「あら、今・・・猫の鳴き声が」
 佐代はあたりを見回した。幸助はお社の床下を覗き込んで体を差し入れると、猫をつかみ出してきた。まだ生まれて間もない、やせた子猫だ。一匹だけでいるところを見ると、捨てられたのだろうか。
 幸助は仕事を終えると時々、親方のひとり娘の佐代と、近所の神社で逢瀬を楽しんでいた。花火師の鍵屋には、ふたりの花火職人が住み込みで働いている。
「かわいい、連れて帰り・・・

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勝者には月を与えよう

12/08/23 コメント:0件 魔女 閲覧数:1637

 恐竜が絶滅してから、数千万年の時が流れた。
 地球上には、新たな種属の出現が途絶えていた。
 そこで神々がキリマンジャロの山頂に集まって酒宴を開いた時に、満丸で美しくも妖しく輝く月を愛でながら、ある提案をしたのである。
 《最も多くの生き物を幸せに出来た種属を創造した神とその種属には、優勝者として月を与えよう。期限は二千万年》

 三十億年近く繁栄してきたバクテリア・・・

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神様からの贈り物

12/08/16 コメント:0件 魔女 閲覧数:1626

 水の中から空を見ていた。揺らめく水面でそれは、幻想的で不思議な世界を作り出している。ひとりだけの秘密にしておくのは、もったいない気がした。かといって、みんなに教える気はない。
 クラスの人気者の真奈ちゃんは、心密かに思いを寄せている子だ。夏休みのプール開放日の今日も来ていた。
 真奈ちゃんだけに教えてあげようと思い、水の中から、泳ぐのが好きな真奈ちゃんを捜した。すぐに分かる水着を着て・・・

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響け、高らかに!

12/08/09 コメント:0件 魔女 閲覧数:1767

♪ おもい〜こんだ〜らしれんのみ〜ち〜を〜ゆくが〜おとこの〜どこん〜じょ〜お〜 ………………………………


「ワシがぁ子供の頃のスーパーヒーローちゅうたらやな、巨人、大鵬、力道山、それから卵焼き、やな」
 なぜ卵焼きがスーパーヒーローなのかが分からないのだが、父の口癖だった。
 父は中学のクラブで野球を初めて、高校ではバッティング投手だったとか。
『巨人の星』・・・

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ある花火職人のものがたり【昇龍】

12/08/01 コメント:0件 魔女 閲覧数:2244

「おめぇら承知のはずだが、どっちが店を継ぐかがこれで決まる。贔屓の旦那衆にも集まってもらった。負けたとしても、どっちかが負ける訳なんだが、恨みっこはなし、だな。良太、おめぇからだ」
「へい。あっしは大輪の菊を咲かせやす」
 良太は打揚筒に尺玉を仕込み、導火線に火をつけるとその場を離れ、顔を上げた。
 大きな音と共に打ち上がった玉が割れると、多数の星が散らばり、その頃にはまだ珍しい・・・

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思いを乗せて

12/07/23 コメント:0件 魔女 閲覧数:1679

 部屋の壁にもたれさせて置かれている、ランドナー。
 それを見て、登紀子は何度溜息をついたことか。毎日毎日である。1年以上もの間である。いつかは処分しなければ・・・もらってくれる人はいるのだろうが、未だ手放せないでいる。乗り手のいない自転車。まだ一度も外を走っていない、自転車である。


「定年なったらなぁ、日本全国、ツーリングしよ、思てんねん」
 あと1年勤めれば定・・・

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占い蛸 恵比寿様

12/07/16 コメント:2件 魔女 閲覧数:1901

 日がな1日岩に張り付くようにして、ほとんど移動しないで暮らしている。
 ここは静かな海の底、と言いたいところだが、結構にぎやかである。低い、何かがうなっているような音が、絶えず響いているのだ。
 ここにはいろんな種類の貝やら海老やらが住んでいて、砂の中から這い出してきてうろつき回る時間帯がある。それを見つけると、腕を伸ばしてさっとつかむ。殻をひねるようにしてこじ開けて、身をおいしく頂・・・

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決して、忘れない

12/07/09 コメント:0件 魔女 閲覧数:1970

 その日の夜のニュースは、背筋を戦慄させ信じられない気持と、いつかは起こりうるであろうという予感が的中したおぞましさが入り混じっていた。なぜならそれ以前から、世界各地では墜落事故と、日本国内でも小さいといえるかどうかの事故が、頻繁に発生していたからである。

 1985年8月12日18時56分、日本航空123便は群馬県多野郡上野村高天原山系の名もなき尾根、それ以降通称となった御巣鷹の尾・・・

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