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デーオさん

コメディから純文学風など 別人じゃないかと思われるほど違う趣のもの 色々書いてます。

出没地 図書館 公園
趣味 もちろん読書 美術館に行く 無料コンサートを聴きに行く 低山を歩く
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘 いい加減(これは難しいのです)

投稿済みの記事一覧

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黒いあいつ

12/12/11 コメント:0件 デーオ 閲覧数:1570

【お】きたのは昼近くだった。外でクワン!クワン!という犬の鳴き声がする。ここはペット可マンションだから玄関の外で鳴いていても不思議じゃない。でも、なんだか不器用な鳴き方だ。どこの部屋の犬だろう。

「おい、何もあげていないのに(食わん!食わん)とは、どういうことだ」とつぶやいて、オレは布団にくるまったまま外の鳴き声の主がエサにそっぽを向いて「食わん!」と言っている想像をする。
<・・・

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クリスマス・イヴ

12/11/15 コメント:2件 デーオ 閲覧数:1795

クリスマス・イヴの午後、電車の中、4,5歳ぐらいの少女が父親と思われる男と一緒に入ってきて座席を探した。あいにく席は塞がっていたが、中年の女性が立ち上がって「どうぞ」と席を譲った。
「あ、すみません」男が礼を言う。女性は「いいえぇ、どうせ次の駅で降りますから」と言った。
父親が娘に「座る?」と聞くと少女は頷いて座った。
父親が「ありがとうは?」と少女を見ながら言うと、少女は「あり・・・

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モノクロ画面

12/10/07 コメント:0件 デーオ 閲覧数:1433

私はあまり人が通った形跡のない傾斜のある細い山道を歩いていた。誰も歩いていなかったし人の声も聞こえてこない。奥の院という案内標識と矢印を確認してからずいぶん時間が経っている。どこかで道を間違えたのだろうか。こりゃあ戻ったほうがいいかなと思い始めた頃、道がなだらかになって道幅も少し広くなった。見通しがよくなりそれが見えた。木々に囲まれて普通の神社を縮尺4分の1にしたような小さな神社が。

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駅 〜ユキ〜

12/09/03 コメント:1件 デーオ 閲覧数:1570

大勢の勤め帰りの人達が川の流れのように改札口に向かっている。私もその流れの一部だった。改札口から出ると、流れは滝壺のように一部が停滞しやがて流れは四散して行く。パチンコ店を目指し歩き始めた私の斜め前を、少し肩を揺らしながら歩く癖があった見覚えのある姿が目についた。私は思わず立ち止まり、その姿が駅に向かって行くのを見ていた。

人の流れに押され、私はバス停の側に押しやられた。「ユキ!」と・・・

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戦国野球(縮小版)

12/08/30 コメント:0件 デーオ 閲覧数:1674

先攻【伊達】チーム、後攻【織田】チームの試合が始まった。1回は両チーム三者凡退。2回はチームの顔といえる4番から始まる。伊達チームの片倉は体力気力ともリーグを代表する打者だ。滝川が力を込めて投げた球は片倉の顔面に向かって行った。ああっと固唾を飲む観客、しかし片倉は少しだけ頭を後ろに移動させ、目の前ギリギリに過ぎて行く球を何事もなかったように見送った。片倉は狙った球をじっと待つ。スリーボールツースト・・・

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格闘料理ショー

12/08/25 コメント:4件 デーオ 閲覧数:1678

【格闘料理ショー】という新番組が始まった。課題の料理をしながら自分のブースから相手のブースにいる対戦相手の料理人に対して妨害をすることが許されるのである。食材を投げつけてもいいし、包丁を投げつけてもいい。ただし、包丁や器具は数の制限を設けている。そして揚げ物は、沸騰した油の中に物を投げつけられると火事になる恐れがあるので禁止事項になっている。

当然防具は必要になる。その選択は料理人に・・・

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春眠

12/08/20 コメント:0件 デーオ 閲覧数:1367

男は飼い猫マリーの声に半覚醒の状況から少しずつ周りの状況を確認し始めた。夜明け間近なのだろう半端な光が窓から入り、部屋をグレーゾーンにしている。春眠暁を覚えずとは誰が言ったことばだったろうとまだぼーっとした頭で考えてみる。すぐに、考えるまでもなくそもそも知らないのだったと、再び眠りに入ろうとした。

「にゃあああ〜」
マリーが鳴く。
「まだ、早いじゃないか」
男はそう・・・

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娘と

12/08/05 コメント:0件 デーオ 閲覧数:1659

市民プールばかりじゃつまらないと娘が言うので、流れるプールやウォータースライダーのあるレインボープールという所に行くために乗った電車の中。
「お母さんどうして一緒にこなかったのかなあ」
小学三年生の娘が、少しも残念そうに見えない口調で言った。
オレは、昨晩妻が念のためにと言って着てみた水着姿を思い出した。「まさか!」と自分で驚くほど妻は肥えていたのだった。自分の体型に対する無邪気・・・

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向日葵

12/07/30 コメント:2件 デーオ 閲覧数:1818

 学校は夏休みに入っていた。二人部屋だった病室の一人が退院し、私は一人でぼーっと窓から見える青い空、桜の樹とその影の濃さから暑さを想像していた。入院したのは、高校野球県大会決勝でホームにスライディングした時、キャッチャーのブロックをかいくぐり、ホームベースをタッチに行った腕が倒れ込んだキャッチャーの下になり骨折したのだった。

 トントンと軽く戸を叩く音。病室なのでナースが出入りしやす・・・

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O投手のこと

12/07/25 コメント:4件 デーオ 閲覧数:1719

その年、O投手の大きく曲り落ちるカーブを武器に無名に近い県立高が甲子園に登場した。私の通っている高校の隣町の高校だった。私の高校は県北大会どまりだったが、O投手を擁する県立H高校は、順調に星を重ね、ついに甲子園出場を決めたのだ。もちろん初出場だった。O投手に引っ張られるように、H高校打線も頑張ったのは他でもない。新聞に大きくとりあげられるO投手は堂々と大きく見えた。

甲子園での結果は・・・

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妻と観る花火

12/07/16 コメント:4件 デーオ 閲覧数:1918

腹に響く打ち上げのズンッ!という音、すぐに上空で花火の花が広がるばばばばっという音。見上げる視界いっぱいに広がる動きのある色たち。わき上がる歓声!

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花火はできるだけ打ち上げ場所に近い方が迫力があっていいね。と、妻と意見が合って、まだ日差しのあるうちから会場に向かった。国営昭和記念公園の目の前にある西立川駅はもう大混雑だった。駅・・・

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ランキング

12/07/11 コメント:2件 デーオ 閲覧数:1927

今日は自ファミリー、転ファミリー、車ファミリーと3つのファミリーに集まってもらいました。テーマはランキングです。世の中には色々なランキングがありますね。売り上げランキングなんかは分かりやすいですね。人気ランキングというものもあって、これはどういう人がどういう基準で選ぶかが問題になります。あ、もう討論が始まっているようです。

車体:そもそもランキングってのは数で決めるもんだからよ、自さ・・・

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おじさんでゴメン

12/07/10 コメント:2件 デーオ 閲覧数:1951

自転車には盗難がつきまとう。長年自転車に乗っているので、何回も盗難にあっている。盗まれて数日後、自分で駅の近くで発見したこともあるが、たいていは出てこない。最近もサイクリングに出かけた公園で、置いたはずの場所になく、何度も範囲を広げて探したが見つからなかった。この自転車はもう6年間乗っていて、チェーンンがギシギシ鳴り、うるさいので買い換えようと思っていたので、あまり惜しいとは思わなかった。何しろ、・・・

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あっちゃん

12/07/03 コメント:2件 デーオ 閲覧数:2071

お盆休みに生まれ故郷に帰った時に、母が「あっちゃんが群馬の人と結婚したんだって」と教えてくれた。全く寝耳に水という感じだった。あっちゃんというのはオレより2つ下の女の子で、オレの妹の友達だった。オレは密かに恋をしていたのだと思う。

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夏休みのある日、あっちゃんが妹のところに遊びに来ているのを知らずに涼しい居間にに入ったことがあっ・・・

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動き出した歯車

12/06/11 コメント:2件 デーオ 閲覧数:1969

時間が無い。オレは佳奈の手を引いて駅の階段を急いで降りていた。中ほどまで降りた時、佳奈がアッと小さく言って足を止めた。つないだ手を引っ張る形でオレは足を止めた。通勤時間ではなかったので人混みに押されることはなかったのは幸いだった。

佳奈が降りてきた階段の上の方を見ている。オレもその視線をたどった。脱げてしまった佳奈の靴が横になっている。一瞬シンデレラのシーンが頭に浮かんだが、オレはす・・・

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そう思ったのです

12/05/03 コメント:2件 デーオ 閲覧数:2484

 紅葉には少し早かったのですが、庭園にあるモミジは綺麗に色づいており、あたしは思わず「わぁ!」と声をあげてしまいました。
 あのひとがあたしを見る視線を感じながら、あたしは精一杯の笑顔をつくったのでございます。なにしろ、久しぶりの外出でありましたさかい、もう病気のことなど忘れておりました。

 池にかかる橋をゆっくりと渡っておりますと、池畔の黄色い色と赤い色。そして水面に映る少し・・・

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ふられた女にふる雨は

12/04/21 コメント:2件 デーオ 閲覧数:2694

 いまいましい雨だ。意地でも止むまいとでも思っているように、降り続ける。
 この雨が振られた私に優しく涙をさそう筈、本当は泣いてしまうシチュエーションなのに、悔しさがいつまでもおさまらない。

「ごめん! あなたとずうっと付き合って行く自信が無いんです。ボクにはもったいなさ過ぎます。あなたなら、ボクよりずうっといい男が見つかりますよ」

 ボクだってぇ、あの顔で、あの・・・

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