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密家 圭さん

読んで下さる皆様ありがとうございます。 耽美派の綺麗な文体で幻想的なファンタジーを書けるようになりたいです。 ツイッターをやっているのですが友達が増えず放置気味なので、皆様どうぞ適当な気持ちで遊びに来てください。

出没地
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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ヨハンの贈り物

16/12/16 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:478

もうすぐクリスマスなので、ヨハンはツリーの準備を始めました。もみの木は庭に植えてあったので、それを柊やりんごの実で飾りつけました。夢中になっていたので、お母さんが帰ってくる頃には、飾りつけがすっかり出来上がっていました。
「まあ。一人でこんなに飾りつけをしたのね。きっとサンタさんから素敵なプレゼントが貰えるわ。」
お母さんは微笑み、ヨハンの小さなおでこにキスしながら言いました。・・・

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いつか、捨てる日が来るまで

16/11/09 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:639

同棲中に浮気されてただ出ていくなんて、惨めすぎる。だからせめて捨て台詞だけは美しくしたいと思った5分前。目の前の鏡を見て、呆然とした。
‥‥‥洋画の綺麗なヒロインみたいには出来なかった。真っ赤なルージュで鏡に書いた「別れましょう」の文字は、心霊番組の怨霊が吐く呪いの言葉みたいになってしまった。
失敗作が薄紅色になって排水溝へ流れていくのを眺めながら、何が駄目だったのか、これ・・・

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半分濁して誤魔化して

16/07/24 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:793

「先程、濁音規制法案が可決されました」
画質の低い映像の中、当時のアナウンサーがきびきびとした声で伝えた。2XXX年には、「っ」は詰まるような感じを与え、受け手を萎縮させる言葉だとして、促音規制法が施行されました。それに続き、濁った音が汚く、受け手に不快感を与えるとして、2XYY年は濁音規制法案が可決されました。
「ぽ、ぴぷぽぽぺ、ぺーぱーぱ、ぱぷぽんぴぺーぽーぺぴぱー」
・・・

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爺さん

15/03/23 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:1050

「皆年取れば、起きたくなくても自然と目が覚めるようになるんだぞー。だーから今ぐらい頑張って早起きしろー。」
昨日、朝型勉強推しの平山が生物のテスト解説後にそう言っていたが。今日は土曜日、現在五時半。そうか、平山の考え方でいくと、俺は爺さんになってしまったのか。
 よっこらしょ、なんてわざとらしく言って起き上がると、どこかの関節からぽきりと小さな音が鳴った。……これは本当に老化・・・

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紅差し

13/12/04 コメント:4件 密家 圭 閲覧数:1147

 ついに今日が来た。長年心から愛しあった女と、私はとうとう結婚する。
 私の愛する静さんは旧家の生まれでありながら、春に咲く野花のように素朴な顔で微笑む。彼女の飾り気のない姿や態度にどうしようもない美しさを感じるのと同時に、私は内面でありがたくも思っていた。生まれ育ちが平民である私にとって、身分など気にせず話しかけてくる彼女の気さくさは救いであったのだ。彼女の素直な心は幼・・・

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罪と罰とを同じ鍋で混ぜよ

13/11/11 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:1149

「止めろ! 復讐なんて虚しいだけだ!」
 つけっ放しのテレビから、大袈裟に抑揚をつけた声が響いた。徐ろに目を向けると、トサカのように髪を立てた細身の青年が、黒服の悪役らしき人物に語りかけていた。
「お前に何が分かる!」
逆上した悪役の俳優が、手から閃光を発して主人公の若手俳優を攻撃した。
 リモコンが見つかり、そこで電源を切った。何も知らない初対面の第三・・・

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いつか、星空をこえて

12/07/16 コメント:2件 密家 圭 閲覧数:1674

ーー自転車にのれなくたって、困らないよ……!
 寝返りをうつと、青あざが痛んだ。たくさん転んだのに、自転車に乗れるようにはならなかった。
もう練習なんかしたくないなぁ……
 暗くて見えないけれど、窓の外にある自転車へ目を向ける。すると、自転車のある辺りに、ぼんやりとした影のようなものがあった。
誰かいる……!
ベッドから飛び起きて見ていると、影がひ・・・

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恋の寿命は

12/06/04 コメント:2件 密家 圭 閲覧数:2197

  三年で別れる恋人、四年で離婚する夫婦の割合は高いらしい。大学で心理学を学び始めたときにこのデータを知った。つまり恋の寿命なんてもって三、四年で、「愛しい」なんて感情はいずれ消えてしまうんだ。だから、別れ話をしてあれほど怒られる謂われなんて俺にはないはずだ。むしろ、五ヶ月も続いたことを褒めて欲しい。
まだ冷たいアイスコーヒーを口にし、数分前にいた女のことを思い出す。「 ・・・

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花かんざしを君に

12/05/17 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:1947

「桜が、咲いたのですね」
春のにおいがします、と女は上品に目尻を下げて微笑んだ。枕もとの花かんざしへと色の白い手を伸ばし、以前よりも弱々しくなった声で彼女は言う。
「見れそうにないですね」
桜は散るのが早いから、と小さな声で言う。
「また咲くよ。来年、病が治ってから見れば良い」
姿勢良く座す男が励ますが、彼の顔からは胸中の複雑な気持ちが見てとれた。女の死期がすぐ・・・

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八重桜の雨が降る

12/04/20 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:2416

  一向に止む気配のない雨は、風も加わってますますひどくなっていた。傘で前が見えないので、自然に目線が足元へと下がる。お気に入りのスニーカーに泥がはねていて、憂鬱さが増した。
「この道も早く舗装すればいいのに」
 ぬかるんだ土のせいでぐちゃぐちゃと足音が立つのが嫌で、思わずそうぼやいた。
 小学生のころ、私たちはこのあたりを「こんこん山」と呼んでいた。小高い丘・・・

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泳げこいのぼりくん

12/04/03 コメント:1件 密家 圭 閲覧数:2246

 子供の発想は、自由で真っ直ぐだ。考えすぎる僕ら大人には、理解し難い程に。

「ほんとうに泳いでたんだよ、こいのぼり! 」

  優斗は興奮気味の大きな声を出し、窓の外を指差した。今年で六歳になったばかりの、まだ幼い息子の言うことだ。おそらく青空にはためいている様が、泳いでいるように見えたのだろう。一生懸命な言葉からそう推し量ったのか、妻は曖昧・・・

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ベタすぎて逆にこわい

12/03/22 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:2318

何故だ。何でなんだ。
「で、何もしてないのにエンジン壊れてさ。やっぱあそこやべーわ」
 やばいのはあんただ。なんで、何で自分から心霊スポットなんかに行くんだ。ジョッキを片手に自慢げな様子で話す悠斗に、右頬が引きつるのが分かった。
「ねえ、次どうする? カラオケ? 」
 溶けかけの氷をストローでからからと回しながら、里香が二次会の場所を尋ねる。
「俺・・・

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ある冬の夜

12/03/06 コメント:0件 密家 圭 閲覧数:3237

こちらに来るとき、親戚の誰かが「東京の冬は寒い」と言っていた。たしか、田舎の冬は雪のようにふわりとしたところがあるが、都会の冬はアスファルトのような無機質な寒さだ。そんな内容だった。使い捨てカイロを両手でこすりながら、確かにそうかもしれないと思った。そんな夜だからこそ、人々は誰かを求めるのかもしれない。この鋭い寒さを耐えられない人たちが、様々な形で惹かれあう。ここはきっとそういうところだ。

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