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悲劇と喜劇のシーソーゲーム

18/06/23 コメント:2件 待井小雨 閲覧数:301

『人生が幸せなものかどうかは、それまでに笑った回数で決まるわ』
 妻のイヴがそう言うので、僕は彼女を笑わせる為に色々なことをした。
 何でもない日に花を贈るのは当たり前で、時には大道芸人を連れて帰宅したり自分がピエロになって玉乗りをすることもあった。「怪我をするわ!」と慌てる妻に「大丈夫さ」と笑ってみせて、それで玉から転げ落ちてしまった時の彼女の叫び声は今でも忘れられない。
「ふ・・・

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オーガニック

18/06/22 コメント:0件 柳瀬 閲覧数:144

「皆さま、オーガニック社へようこそ。
私はオーガニック社で主任をやっています。安之丞と申します。
本日皆さんにこのビデオをご覧いただければ、当社の素晴らしい理念をご理解頂く事が出来ます。
それでは皆さま、VTRスタートです。」
私たちの命は地球という生態系があって生まれています。
自然の生態系がもたらす恵みを私たちが頂いているのです。
人間のエゴを捨て地球環境を・・・

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神様への誓い

18/06/22 コメント:0件 柳瀬 閲覧数:216

「お母さん、もうダメみたい。」
飾りけも何もない真っ白な病室で、4人の子供達が、末期癌で今にも息を引き取りそうな母親の言葉に耳を澄ましている。
「タケシ、アキラ、アユム。
好き嫌いしないでいっぱい食べて大きくなること。
お風呂には毎日ちゃんと入ること。
それと、夜更かししないでいっぱい寝ること。
それから信頼できる友達を沢山作りなさい。
最後にお兄ちゃんの・・・

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パール

18/06/22 コメント:0件 柳瀬 閲覧数:206

世界中で10万種以上、地球上の生命で昆虫に次ぐ種類の多さを誇っている軟体動物、貝。
貝の魅力は、ときに人の人生までを変えてしまいます。
海岸には今このときも、美しい貝が浜辺に打ち上がっています。
そう思うと、海に行きたくなる思いは子どものころから今まで変わっていません。
僕は教室から海が見渡せる学校に通っていました。
放課後にはいつも裸足のままで海に駆け出し遊んでいま・・・

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奥手なみちこの遠まわしな奮闘

18/06/22 コメント:0件 秋 ひのこ 閲覧数:193

 こんにちは、みちこです。
 最近の悩みは、44歳になるオットが臭いだしたことです。
 これは家庭の一大事、ひいては社会(オットの生活範囲内)の一大事でありますので、妻である私がオットに真実を告げなければなりません。

 専業主婦の私に、夫は毎日家に帰ってくるたびに「今日は何したの」と聞きます。
 結婚生活10年目。
 これが何より嫌いな質問だということを未だに・・・

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鼻男カジモド氏の調律

18/06/21 コメント:0件 猫春雨 閲覧数:269

 カジモド氏は、自身のマクワウリのように大きく特徴的な鼻をこう揶揄されたことがある。
「君の鼻だったら音だって嗅ぎ取れるんじゃないかい」
「音だって!」
 思わずカジモド氏は叫んでいた。
 怒ったわけじゃない。
 むしろ天啓のように受け取ったのだ。
「音色があるのなら、鼻で嗅ぎ取れる音臭があってもおかしくないはずだ」
 それはとても素敵な考えのように思え、・・・

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ミラクルさん

18/06/21 コメント:0件 きのみ 閲覧数:240

ミラクルさんは言う。
「私の名前はミラクルです。
 私の仕事はミラクルを発見し、伝えること。
 趣味は何がミラクルなのか考えることです。」

ミラクルさんの周りではいつもミラクルが起こります。
でも実はミラクルが起こっているわけでは無いのですが、
ミラクルさんはミラクルなので、
ミラクルでないこともミラクルだと考えます。
なので、どんなことが起・・・

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ご近所さん回覧板ですよー!

18/06/20 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:369

 回覧板が戻ってこないのにはいくつか理由があった。
 共働きの夫婦が多いこと、日中は子供だけの家、留守を預かる耳の遠いおばあちゃん、足の不自由なおじいちゃん、そもそも回すことが嫌いな無精者……。種々の理由を差し引いても全周するのに二週間というのは遅すぎる。あまりに戻りが遅くて戻ってきたころには案件が溜まっており次の回覧板をすぐに回さなくてはならない。
 さてどうしたものかと班長浦本一は・・・

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言葉にせずとも

18/06/20 コメント:0件 飛鳥かおり 閲覧数:376

 月に一度の行事の日が今月もやってきた。芸人がやってくるのだ。毎日ひたすら単純作業をこなすだけのつまらない日常に変化をもたらすただ一つの行事でありながら、その実とても楽しめるものではない。笑えば処罰という監視体制のなか聞かされるお笑いなど精神修行以外の何物でもない。
「並べ」
 雨と汗の匂いが漂う体育館。俺たちは機械的に並べられたパイプ椅子に番号順に着席させられ、後ろで手を組んだ状態で・・・

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わたしの小説

18/06/20 コメント:0件 カンブリア 閲覧数:484

 自分は小説の主人公であるが、いったいわたしの小説はどのような小説なのであろうか。
 たとえばヒーロー小説であれば、現在自分は単なるしがないサラリーマンであるけれども、おそらくある日、ふとした事件がきっかけで、内にひそむ力を目覚めさせ、大活躍して名声をほしいままにし美女とイチャイチャしたり、あるいは世を忍び闇に潜んで悪を倒したりしつつ美女とイチャイチャするであろう。
 もしくは最近はや・・・

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おじさんの勝手な話

18/06/20 コメント:0件 きのみ 閲覧数:291

「人生なんて嘘みたいな事ばかりでできている。
そういうもんだ。」

そうなのか。
嘘みたいなことばかりとは、
一体どういうことなのだろう。
本当はあるのか。
というか本当ってなんだろう。

うーん、よくわからない。
よくわからないけれど、
そう言っているのだから、
きっとそういうことなのだろう。

信じる根拠は特に・・・

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無人島で最初にやること

18/06/20 コメント:0件 ちほ 閲覧数:239

リンブルグ領主館で少し話しができないかと、領主のユキヤに誘われた。彼は、僕の親友である。いつでも何か手伝いたいと思っていたので、頼られて嬉しいくらいだ。
領主館の居間に案内された。
「あれぇ、お父さんだぁ!」
 先客がいた。僕の息子のウォルターだ。小さな体は、草色のソファに埋もれそうになっている。あたたかいココアの甘やかな香りが、少し湿り気味の空気にさらさらと溶け・・・

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春告げの捨て身

18/06/20 コメント:0件 君形チトモ 閲覧数:224

「君は今日一日、この家から出られない」
「はい?」
 残業から帰宅してうっかりテーブルで寝て、ハッと起きたのがさっき。髪をオリーブグリーンに染めた地味な服の美青年が、私の部屋と外を繋ぐドアの前に立ちふさがっていた。知らない人だ。家にあげた覚えもない。
「……あなた誰です、警察呼びますよ」
 手探りでスマホと武器になりそうなものをさがす。あれ、テーブルに置いたはずのスマホがな・・・

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時間の流れと感情の流れ

18/06/19 コメント:0件 黒井ぎちょー 閲覧数:223

「あなたの事がとても好きよ」



































「あなた馬鹿じゃないの」・・・

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アオすぎる彼

18/06/19 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:359

 透き通るようなアオい空。
 この空を眺める度に、別れを告げられたはずの彼のことを思い出してしまう。
 あの時の彼は言った。
――僕は、空が嫌いなんだ、と。
 なぜか、その言葉だけが私の心に今も棲みついている。


 彼と出会ったのは、今日とは真逆。車軸のような雨が降る夕刻だった。
 私は屋根のあるバス停で、いつ来るかわからないバスをベンチに座りなが・・・

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現代帽子論

18/06/19 コメント:4件 紅茶愛好家 閲覧数:311

「今日も素敵なお召し物ですね」
 梅沢夫人は玄関に膝をつきながら、夫の被る『帽子』を褒めた。
「うむ、行ってくる」
 梅沢茂夫は靴べらで足を靴に滑り込ませるとドアノブをつかんだ。
 『帽子』を褒められたことで彼は上機嫌だった。
「行ってらっしゃいませ」
 夫人は両手を膝の上に重ねて軽やかに見送りをした。
 爽やかな春の出来事であった。

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人生設計図

18/06/19 コメント:0件 undoodnu 閲覧数:353

 平日の昼下がりの公園で、ベンチに座っている一人の男性がいた。年の頃、40か50くらいか。スーツ姿のため、外回りの仕事をしているのだろうか? どうも覇気を感じられない。ちょっと気になり、余計なお世話かもしれないが声を掛けてみた。
「ご休憩中ですか?」
「いえ、商売中ですよ」
 男性は答えた。商売中……? 一体、何の商売をしているというのだろうか? 気になってさらに聞いてみることに・・・

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体外臓器

18/06/19 コメント:0件 黒井ぎちょー 閲覧数:269

 俺の記憶の初めの頃には、既に親父は眼鏡を掛けていた。
 視力がとても悪かった親父の眼鏡は、とても分厚く、重かった。その為、親父はしょっちゅうずり落ちる眼鏡を直す羽目になった。
 親父は良く本を読んだ。休日には一日中本をひたすら読む。種類は問わない。
 子どもの俺にはとても退屈な親父だった。話しかけても「あー」だとか「うん」だとか、生返事。本から視線を逸らす事はなかった。
・・・

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ラプラスの小説家

18/06/18 コメント:0件 いっき 閲覧数:186

*プロローグ*

 そのコンピュータ『ラプラスの小説家』は、瞬間、瞬間における全ての力学的状態を知ることができ、かつそれらのデータを解析できるシステムを保有していた。『ラプラスの悪魔』と呼ばれる概念を保有する装置……それは、未来の全てのものを知ることができた。
 その能力を以って『ラプラスの小説家』により創作された小説は、この世で起こるであろう全てのことを予言するものだった。

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晩夏のホーム

18/06/18 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:283

 乗り継ぎ駅のホームに辿り着くと、人もまばらになっていた。夜の九時を過ぎビジネスマンも塾帰りの中学生も疲れた顔でホームに佇んでいた。時折、暑さの残る乾いた風が人の間を縫いながら吹いていた。
 ふと見ると、どこか懐かしい長椅子が置いてあった。電車通学の中学時代に、こんな感じの椅子に座っては本を読んでいた。今では、酔っ払い対策で一人掛けの椅子ばかりになったと思っていた。
 長椅子に座り込む・・・

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きおくのーと

18/06/18 コメント:2件 上村夏樹 閲覧数:255

 健一は小学校に通えないの。
 今までそう言われてきたけど、今日こそ通えない理由を聞いてみようと思う。
 台所からニンジンを刻む包丁の音が聞こえてくる。規則正しいリズムのするほうへ向かうと、カレーのいい香りがした。
「あら。健一、どうかしたの? カレーだから、つまみ食いはできないわよ?」
 夕飯の支度をしていたお母さんは、ちらりと僕を見た。
「……お母さん。どうして僕・・・

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18/06/18 コメント:0件 くまなか 閲覧数:184

 江戸からほど遠い辻に旋風が走る。暴れん坊として名高い一之助がじゃらんじゃらんと八尺に及ぶ錫杖を鳴らしている。修験どころか修羅の道を行き、身の丈七尺余、でっぷりとした褌一丁。ひん剥くような濁った眼、傷痕あらわな赤銅色の肌に栗色に縮れた蓬髪と髭、錫杖を握る手も毛に覆われ……鬼だ。
うら若いおんなは皆店や、老婆に手を伸ばされて屋内へ逃げた。刀を下げた武士すらもその場を後にした。
 伍介だけ・・・

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だから、僕は走り続ける

18/06/18 コメント:0件 かわ珠 閲覧数:216

 神様なんて、いない。
 それが、誰よりも神様から才能を与えられた彼の口癖だった。
 彼は陸上短距離競技の選手として圧倒的に優れていた。同世代の選手の中でも、彼がずば抜けた才能を持っていたのは、一目瞭然だった。
 そんな彼が神様なんていない、と断言するのは、その競技人生が怪我との戦いでもあったからだろう。
 彼は選手生命の危機に瀕する大怪我を二度負っている。
 一度目・・・

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暴衛主義

18/06/18 コメント:0件 syo-tan 閲覧数:224

人を殺す事は、なぜしてはいけない事なのか。
この問いに対して、なぜしてはいけないか、論理的にかつ簡潔に小学1年生でも即座に理解出来るほど明快な答えを持っている人が世の中に何人居るだろうか。
自分がされて嫌だから。
では、自殺志願者が人を殺す事は人を喜ばせる事になるのか。
法律で、そう決まっているから。
法律でなぜそう決めたのか?問いがループする。

大人は・・・

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雪華模様

18/06/18 コメント:2件 ちほ 閲覧数:217

  ……まだ降り続きそうだな。リンブルグは、ほんとうによく雪が降る。でも、僕は自分の名に「ユキ」が付いているせいか、雪が何だか親しく思えるときがあるよ。若い頃は、リンブルグに医者がいないため、空中都市ユースチス・レイまで、飛行能力のある雪鈴豚の橇で吹雪の中を駆けることもあったものだ。
父は、『生まれた子が女だったら、ユキヤを後継者に。男だったら、ユキヤの首を切る』
と、妻の・・・

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憧れの軍帽

18/06/18 コメント:0件 syo-tan 閲覧数:250

「俺、自衛隊入る!」
この時期になると毎年このセリフを言い出す友達が居る。
今年27歳。
応募出来るのは今年が最後だ。
いつもは「そうか頑張れ」と軽く流すのだが、なぜ昨年は応募しなかったのか今年は聞いてみる事にした。
だって、今年が最後だから。
「自衛隊って、登山用のシューズとかリュックとか自分で用意しなきゃならないから色々金がかかるんだ。」
どうやら自衛・・・

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笑えないコメディアン

18/06/18 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:399

世界で最も有名なコメディアンが言っていた。「コメディアンは決して笑ってはいけない」と。人を笑かすのに自分が笑っていたら卑怯だという意味だろう。ただ今の時代、誘い笑いができないコメディアンはなかなか芽が出ない。 「ユージくんってさ、どうして笑わないの?」 僕の夢は世界中の人々が笑ってくれるコメディアンになることだ。ただ僕自身が笑うことができない悩みを抱えている。僕以外のすべての人が笑ってくれたら…な・・・

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心にコメディを

18/06/17 コメント:0件 うたかた 閲覧数:156

 人口減少とともに労働力不足が加速する日本。その不足を補う目的で人工知能を搭載したアンドロイドがいくつもの企業から製品化され、発売されている。しかし、ある企業が開発したアンドロイドは人の心をほぼ完全に再現した機能を搭載し、その扱いについて政府でも議論が行われ始めている。  そのアンドロイドが突然、僕の部屋の前に倒れていたのだ……。  僕は一人暮らしをしている学生だ。今日は休日であるから近くのコン・・・

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我慢そしてガマン

18/06/17 コメント:0件 KOUICHI YOSHIOKA 閲覧数:237

「なんて長い行列なんだ、おい」
「トイレまで渋滞しているのかよ」
 夏の盆休みに兄弟そろって実家に帰省している途中だった。高速道路にあるパーキングエリアに車をとめて、トイレに行こうとして降りてみれば、道路だけでなくトイレまで渋滞していた。
 炎天下の午後二時、まだ二十代の若さとはいえ列に並ぶのは辛い。しかし並ばなければトイレにはいけない。いかなければ洩れてしまう。次のパーキングエ・・・

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ちょび髭おじさん

18/06/16 コメント:0件 一青アラン 閲覧数:240

「ママ、いってらっしゃい」
大好きなパンダのぬいぐるみを両腕に抱えた4歳の娘が保育施設の下駄箱が並ぶ出入り口で、私にお見送りの言葉を投げかける。
「行って来るね」
私は、二つに結わいたおさげ髪を揺らしながら保育士のお姉さんの手に引かれ施設の中へと進んで行く娘の後ろ姿を確認した後、自転車に股乗りし立ち漕ぎで職場に向かう。
先週梅雨入り宣言された雲空の中、私は超高速で自転車を跳・・・

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つまらない日常の中に

18/06/16 コメント:1件 文月めぐ 閲覧数:322

 マンションの一室に戻ると、飼っている猫のあらたが出迎えてくれた。社会人三年目で彼女なしの一人暮らし。俺の心を癒してくれるのはあらただけだ。その彼の瞳が「お腹空いた」と語っているのはいつものこと。
「はいはい、ちょっと待ってろよ」
 俺はコンロ下の収納スペースを開け、猫缶を取り出そうとして気がついた。ストックが、ない。
 これは大変だ。仕事帰りに寄ったスーパーで自分の夕飯の食材は・・・

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友達のインターネットの検索履歴

18/06/12 コメント:2件 忍者の佐藤 閲覧数:451

 俺が同じ大学で一人暮らしをしている橋本の下宿先へ行った時の事だ。急に橋本が

 「ちょっと用事で出てくる」

 と言って外へ出て行ってしまった。

 暇だなあ、と思って部屋を見渡していた俺の目はデスクトップPCで止まった。

 あいつは普段、ネットで何を調べているのだろう? 

 気になった俺は一抹の罪悪感を感じながらも検索履歴を古い方・・・

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話はそれからだ

18/06/12 コメント:0件  閲覧数:452

 促され分娩室に入ろうとした瞬間、廊下を挟んだ向いのドアごしに聞こえてきたのは分娩中と思しき妊婦の耳をつんざくような絶叫。
 もう殺してぇえええええ、切ってくださあさあああーーい、いいいいいいいああああああ。
 そ、そんなか。思わずへたり込んで座ってしまったピンク色のソファの端をつかんだ指の爪がウレタンに食い込む。
 傍らでは駆けつけた実母が、看護師さんに「あの、大丈夫かしら。あ・・・

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He:

18/06/12 コメント:0件 紅茶愛好家 閲覧数:405

俺は今、肛門科にいる。
世紀の実験に万全の体制で臨むためである。
医者はオレの肛門を見るなり、
「いい肛門ですねえ」と言った。
「屁でアメリカまで飛ぼうと思うのですが大丈夫そうですか?」
急に医者の顔が険しくなる。
「難しいでしょうね。体重六五キロの人がアメリカまで飛行するには毎秒約五万発分の推力を出し続けなければならない。アメリカに辿り着く前にまず肛門が崩壊し・・・

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コミュニケーション

18/06/11 コメント:0件 undoodnu 閲覧数:300

 宇宙人が地球に降り立った。目的は、地球人の調査である。
 宇宙人の間では、テレパスの能力が進化しており、口頭でコミュニケーションを取ることは一切なくなっていた。
 今回、地球に来た目的は、宇宙人の間で失われた口頭でのコミュニケーションとはどういったものなのかを調査することだった。
 事前に調査した結果、芸能人という職種の人間達がいるらしい。この人間達は、口頭でのコミュニケーショ・・・

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裁判官、大阪魂を擁護す

18/06/10 コメント:0件 本宮晃樹 閲覧数:287

 付箋が大量に貼りつけられた書類が、どすんと重厚な木の机に叩きつけられた。年若い検察官は不動の姿勢をとり、高らかに宣言する。
「被告人日下部真琴は大阪府の住民であるにもかかわらず、被害者のボケを公然の場で見過ごすという許されざる違反を犯しました。早速証拠調べに入りたいと思いますが?」
 裁判官は重々しく宣言した。「検察側は証拠を提出してください」
 法廷の歴史あるデスクに携帯端末・・・

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傘がない

18/06/09 コメント:2件 つつい つつ 閲覧数:422

 雨が降ってきたので、傘を買いに行こうかと外に出たけど、外は大雨で数メートル歩いただけでびしょぬれになったから家に引き返した。いつもこうだ。
 次の日も大雨だったけど、仕事だったから仕方なしに出かけた。コンビニに着く頃には案の定スーツもびしょぬれで、おまけに一番近いコンビニで傘は売り切れていた。
 そのまま傘もなしに駅にたどり着くとスーツどころかパンツまでずぶぬれなのがわかった。周りの・・・

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18/06/09 コメント:0件 はやかわ 閲覧数:302

 俺は周りの景色から断絶された。光は見えない。暗闇の中をさまよっているわけでもない。ただ理性的にしかも強靭な理性によって生きている。それは過剰な自意識とも言える。
「ねえ、この間さ、同僚と話をしたんだけど、凄く冷たくされたの」
 女友達が俺にそう問いかけてきて、俺は、内心これはコメディかと思いながら目の前の女を眺めていた。俺の心はただ固く閉ざされていた。そしてその後に女が何かを言っても・・・

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りんごの君

18/06/08 コメント:0件 広田杜 閲覧数:261

「本当に出るんだってよ」
友人が息巻いて僕を誘ったのは、元病院の廃墟だった。友人は無類のオカルト好きで、「出る」と噂の場所を探してきては、ビデオカメラと懐中電灯を持って探索に行く。一人で行けば良いものを、「俺の背中を任せられるのはお前しかいない」と僕のことを連れて行く。腕っぷしは弱く、以前使われなくなった学校に不法侵入して、その場にたむろしていた不良少年にカツアゲされる羽目になった友人の華奢・・・

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この上ない理想の夫

18/06/08 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:269

「男の人のトレンチコート姿が好き。私、ケンジント○のロングトレンチコートが好きなのよねー。あれ、着てる人がいい。」 と、40オーバーの姉は言う。 「バー○リーじゃないとダメなの?」 「出来たらバー○リーがいいなあ。」 「25万はすると思うよ。」と言うと、 「もう!現実的なことを言わないでよ!」 と、怒られた。 「はよ、現実的に考え始めないと、今年四十五でしょうが。」 姉は15歳年が離れている私に言・・・

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お前の生霊を飛ばしてくるな!

18/06/08 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:256

「百合子、おーまーえーなー!」 お昼休みにお弁当を食べてると隣のクラスの元カレ、相馬が怒って教室に入って来た。 「なによ!なんか用?」 私と相馬は幼馴染なので別れた後も、なんとなくは友達関係が続いていた。 「飛ばしてくんなよ!」 「は?なにをよ?」 「生霊だよ!お前毎晩、生霊になって俺の枕元に立ってるんだよ。自覚あんのか?」 「自覚はないけど。生霊くらいでガタガタ言わないでよ。ちっちゃい男ね!」 ・・・

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ひよことたまごとニワトリとうずらの関係性

18/06/07 コメント:0件 ちほ 閲覧数:222

  リンブルグ村の古着屋『クスクス』の裏から続く細い道を通った先に、育てたキノコが全て薬に使えるように変化する神の地『果て』がある。どう開拓しようかとユキヤが頭を捻らせていると、森の方から小さな男の子がトコトコ歩いてくる。パブ『ロビン』の店主・ピートの息子ウォルターだ。幼い子どもが、こんな場所にひとりでやってくるとは、どういうことだろう。
  逃げ出したひよこを追いかけていたら、・・・

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笑って

18/06/06 コメント:4件 向本果乃子 閲覧数:485

「おつかれサマーバケーション!」
 サッカー部の練習を終えて汗だくの俺の前に立つ繭。突然口をとがらせて親指を立て肩をすくめると、縄跳びネタが人気の芸人の動きを始めた。俺の後ろにいた1年が爆笑する。
「柏木先輩、そんなキャラでしたっけ?」
 繭は後輩がいたことに気づいていなかったらしく、顔を真っ赤にして俯いた。
 いつからか俺の前でダジャレを言ったり芸人の真似をしたりするよう・・・

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ヴァンパイア

18/06/05 コメント:0件 はやかわ 閲覧数:272

 僕の側にいるのは一人の恋人だ。彼女は吸血鬼だった。人の血を吸う事でしか生きることができない。そして僕は彼女の秘密を抱えながらそっと生きている。
「ねえ」
 彼女の名前は玲奈と言った。見た目は至って普通の人間。しかし、彼女の八重歯は人の血を吸うことができる。
「ねえ、聞いてる?」
 彼女は僕に問いかける。
「聞いてるよ」
 僕はその美しさに魅了されていた。なぜだ・・・

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チェーン彼女

18/06/04 コメント:2件 浅月庵 閲覧数:496

 付き合った当初は優しくて愛嬌があって、髪の生えたミシュランマンみたいだなって思ってたけど、どうやら彼女は短距離走が得意な子のようだった。

 付き合って三ヶ月くらいで本性を現し、ソファに寝転がって煎餅を齧りながらケツを掻くような女になり下がってしまい、もう煎餅のボリボリ音だかケツのボリボリ音だかわかんなくてボリボリする。いや、イライラする。

 しかも自分のことをお姫様と・・・

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18/06/04 コメント:0件 六井 象 閲覧数:334

 アルバイトをしている喫茶店に、朝から妙な4人組が来て、コーヒー1杯で夜まで居座り続けていた。
 コーヒーを飲んだり煙草を吸ったりする時以外はずっと額を付き合わせて、何かを話し合っているのだが、その結論がなかなか出ないらしい。
 とうとう閉店の時間になってしまったのでそのことを告げに行くと、4人組のうちの1人が突然私を指さし、「もう、この人に決めてもらおう」とやけになったような調子で言・・・

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地獄と炎

18/06/04 コメント:0件 六井 象 閲覧数:273

 拷問ポイントが貯まったので、お前を焼く業火の色を選べます、と地獄の鬼に言われたが、周りの罪人たちから浮きたくなくて、結局プレーンを選んでしまった。
 本当はレモンイエローが良かったのに。

 地獄に落ちても、結局僕は何も変わらなかった。・・・

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ヌード

18/06/04 コメント:0件 六井 象 閲覧数:241

 裏通りで何だか晴れ晴れとした様子のガイコツとすれ違った。
 ガイコツのやってきた方へ歩いていくと、女の髪や皮や指輪が無造作に突っ込まれたゴミ箱を前に、コンビニのアルバイトが呆然としていた。・・・

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ノストラダムス症候群

18/06/03 コメント:0件 いっき 閲覧数:307

「IQ300……」  ある日、サイトのIQテストをすると凄まじい数字が出た。 『あなたは天才を超えた超天才です。全てのことを予測することができるあなた程の天才は、あなた以外存在しないでしょう』  ここまでのコメントが書かれていた。 (凄い!俺は天才を超えた超天才だったのか!)  俺は胸を弾ませた。 (俺は無敵だ。全てのことを予測することができるのだから。それでは、手始めに……女だ!桜桃男子の俺だ・・・

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駆け落ちの賭けをしようか

18/06/03 コメント:2件 腹時計 閲覧数:339

 彼はそのとき高二で、高橋はその担任だった。残暑厳しい秋の日の放課後、束ねていないカーテンが波打つ教室で、彼は爆弾発言を投下した。

「先生、ぼくと駆け落ちしてください」

 高橋はしばらくその意味がつかめず呆然とした後、激しく咳き込み、息苦しさに身体をくの字に曲げる。なんだか胃がむかむかするのは、きっと気のせいではない。元凶の発言をかましてくれた生徒は、無表情のまま、冷め・・・

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