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  2. 第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

今回のテーマは【ゴミ】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2018/06/04

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は3作品とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2018/04/02〜2018/04/30
投稿数 93 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数 3
総評 『ユートピア』 ゴミに囲まれた世界なのに「ユートピア」と名付けられたのは皮肉に見えて、実は大人達の希望が込められたものだったのですね。一方、子供の「僕」の、外界への好奇心やゴミに囲まれた街への不安感も分かる気がしました。自然にあふれた世界を求めるのはやはり人間の本能的なのかもしれません。 『ゴミの声が聴こえる』 継野さんの風変りなやさしさが素敵だとおもいます。「ゴミ」だと自分を思いながら生きていくのはつらいことですが、継野さんのような繊細なやさしさを持つ友人に救われることもあるのでしょう。安住の場所を見つけた「ゴミ」たちの安堵感が伝わってくるようでした。 『さいはてランド』 切れてしまった人間関係の孤独の中で、「さいはてランド」に行きついた人々の相互関係の在り方に希望を感じました。「きっと、みんな自分が捨てたものの行き先を知らないんだ」という一文は特に印象的です。ゴミを処理する行為は、きっと彼ら自身の内面的整理や癒しでもあるのでしょう。近未来のような無機質な光景描写によるSF的世界観が印象に残りました。 『捨てられるほど、軽い』 「理想的に整頓された世の中」からの無言の圧力に押しつぶされそうになっていた主人公が、不確かなこの世界の中にあって、子供との繋がりという、主人公にとっては確かなものを見出していく姿勢に共感しました。一つ一つの表現が生活者としてのリアリティがあり、とりわけ「ゴミ箱に入りきらないこの身体」という表現や、水道水の件には個人的にはっとさせられました。 『夢芸人の芝居』  打ち寄せられた貝殻から紡がれる芝居という設定がユニークで、作品全体を通して海の匂いや潮騒のざわめきが伝わってくるようでした。人生は過ぎ去ってみれば蜃気楼のように実態のないものかもしれません。しかし生きていくための方便としてであっても、人はやはり夢や希望という物語を必要とするのだと思います。夢は喜びと引き換えに失意ももたらしますが、希望を与える物語へと変容する可能性をも秘めているのかもしれないと考えさせられます。 『綺麗な国』 全体的に寓話的なストーリーですね。現地のスリたちや食べ物をゴミのように捨てる『綺麗な国』の人々は、不要な過去への未練を捨てることの大切さを教えてくれたのかもしれませんね。貧しく汚い景色が、ラストで「鮮やかで美しく、正常なもの」に変化するのは、この世界は見方によって変わるということを示唆しているかのようでした。 『つま先から段々ゴミになっていく少女』 自分を徹底的に否定し徐々にゴミ化していく少女の孤独と不安が熱量をもって書かれていて胸に迫りました。自己認識によって身体さえも変わるということはある意味真実であるような気がします。先輩の自己否定の苦しみと恐怖と、「僕」の大切な人を失いたくないという切実な想いの交錯が繊細で力があって、やはりうまいなあとおもいます。人間としての記憶が抹消される寸前に、光が見えるラストシーンは特に良かったです。相互理解や思いの共有によって人は救われるのかもしれません。

入賞した作品

2

つぼみ

18/04/30 コメント:2件 宮下 倖

 仕事帰りのいつもの路地にいつもの公園、いつもの早足をふと緩めて私はゆっくり夜空を仰いだ。立ち止まり大きく首を廻らせるが月は見えず、星がやけに瞬いているように感じられる。
 私は静かに息を吸い深々と吐きだした。すとん、と何かが落ちた気がする。
 私の気もちの中の何かが……と考えて「いやいや」と振り返った。本当に何かの気配がしたのだ。
 公園の中に目を凝らすとジャングルジムのそばに・・・

7

朝の時間

18/04/30 コメント:6件 野々小花

 いつも、私は決まって朝六時に目が覚める。起きる必要もないのに目が覚める。何もすることがないから、しばらくパジャマ姿のままで布団の上に寝転がっている。ぼんやりと天井を眺めていると、窓の外から朝の音が聞こえてくる。車やバイクが通り過ぎていく音。私の部屋は二階にある。橙色のカーテンを開けて、道路に面した小さな窓を覗くと、中年の女性二人が家庭ゴミを抱えたまま立ち話をしていた。軽やかな女性ふたりの話声が耳・・・

4

手放す、心得

18/04/23 コメント:2件 秋 ひのこ

 真新しいくまのぬいぐるみを胸に押しつけ、仏頂面した子供の隣で、小奇麗な女性が支配人に深く頭を下げた。支配人がにっこり笑い、ふたりを見送る。
 私はそれを、従業員用の扉の隙間から覗き見る。
「一件落着」
 背後で野太い声がして、私は飛び上がった。
 ホテル『やすうら』清掃チーフの高根さんだ。勤続22年の自称「永遠の25歳」。
「いい勉強になったでしょ。ああいうののため・・・

5

街のヒーロー

18/04/16 コメント:2件 秋 ひのこ

 ぼくの父は、大きなトラックでゴミを集めるのが仕事です。
 社長ですがそっせんして現場で働き、街をきれいにするヒーローなのです。

 小学5年の春。あの作文をクラス皆の前で誇らしげに読み上げたアイツは、その日からいじめの対象となった。
 
 *

 店を出ると、薄いカーディガン越しの肩に冷えてけぶった空気が触れた。
 午前5時半。闇を浄化するように空・・・

最終選考作品

1

ユートピア

18/04/30 コメント:0件 みや

今日も朝から沢山のゴミの山を積み込んだ大きなトラックが何台も僕の住む街にやって来た。ガーガーとうるさい音を立てながら、トラックは町中にゴミの袋を捨てていき、家の窓からそれを眺めながら僕は溜息を零した。 「ほら、授業が始まる時間よ。早くパソコンの前に座りなさい」 六歳の僕はパソコンの前に座って電源をオンにする。画面の向こうで先生が皆さんおはようございますと挨拶をし、今日は教科書の三十八ページからで・・・

2

ゴミの声が聴こえる人

18/04/30 コメント:2件 そらの珊瑚

 継野さんは、ちょっと変わってる。  毎食ゆで卵、それも茹で時間13分の固茹での卵を食べる。朝はトーストと一緒に。大学へ行く時は、ポケットにひとつしのばせて。夜は夕食のあとのデザートとして。調子よければ深夜のお酒のつまみとして。エトセトラ。  理由は、卵は完全栄養食でおまけに安くて美味しいから、だそうだ。それは認めよう。だけど毎日じゃ飽きないのか? 普通は飽きるものだと思う。そう、味覚からして継・・・

3

さいはてランド

18/04/30 コメント:4件 入江弥彦

 本日もご乗車ありがとうございます。  私の認識が間違っていなければ、きっとこの言葉は人間に向けて発するはずだったものなのだろう。ということは、今は私一人に向けたものだということになる。 「こんなにたくさん乗ってるのに、私だけになんて」  ちょっと贅沢かも。と続く言葉に反応する人は誰もいなかった。 「このバスは、さいはてランド行きです」  感じのいい女性の声が、一つしかない行先を告げる。  がたが・・・

4

捨てられるほど、軽い

18/04/12 コメント:5件 冬垣ひなた

「あんた態度悪いね、ちょっとぐらい笑えよ」  なかなか注文を聞きに来なかったウェイトレスの私に、サラリーマンの男が針のような言葉を投げつける。  昼のランチタイムに入り、家族連れの殺到したファミレスは、大勢の客でごった返していた。スタッフがてんてこ舞いの最中に訪れたために、苛立つ男の心中を推し量る時間もなく、私は表情筋を動かして対応する。 「申し訳ございません」  今までに何百回も繰り返した業務的・・・

2

夢芸人の芝居

18/04/11 コメント:4件 Fujiki

 村の老人たちは毎朝、日の出前に浜に出る。夜の間に打ち上げられた夢を拾うためである。かつては誰かの胸を焦がしたに違いない、苦渋の果てに捨てられた夢の数々。何日にもわたって波に洗われているため、元の持ち主が残した未練はもう消えている。老人たちは軍手をはめた手で夢をひょいひょいと拾い上げて魚籠に入れていく。  この浜に夢が漂着するようになった原因は先の戦争である。艦砲射撃の烈火を浴びて海岸の地形が崩れ・・・

1

綺麗な国

18/04/07 コメント:0件 井川林檎

 「綺麗な国」という国に旅立って以来、婚約中の彼は、行方知れずになった。  彼は今も生きているかもしれない。最悪、命を落としているのかもしれないが、それならば遺体を見なくては気が済まない。  彼の両親は泣きながら、もう息子は諦めてくれと言った。  うちの親も泣きながら、頼むから他の相手を探してくれと言った。  ついにわたしは、一人で件の国に行ってみることにした。  その国は、飛行機を五回乗り・・・

6

つま先から段々ゴミになっていく少女

18/04/02 コメント:6件 クナリ

 高校一年の秋、ある月曜日の放課後。  一人暮らしをしている僕の部屋に、吹奏楽部の一年先輩である桂木アキ先輩がやってきた。  僕らは特別仲良くなかったので、「なぜうちへ来たのですか」と聞いた。 「私、つま先から段々ゴミになっていっているの。今は膝くらいまで」 「はあ」 「今週中には頭頂部までゴミになると思われる」  この人は、そんなに変わった人ではなかったはずなのだが。 「普段無表情な君でも、そん・・・

投稿済みの記事一覧

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Spilling out of hand

18/05/11 コメント:0件 清野勝寛

 そう、酷く雑多だった。馬鹿みたいに大声を上げ、自らの足で立つことも出来ず、誰かに支えてもらうことが当たり前だと思っているおめでたい奴等。そんな連中が、間もなく最終電車が到着する駅のホームに蔓延っている。  俺も、こんな醜く愚かに溢れるゴミ共と同じ「人間」であるのかと考えると、生きているのが馬鹿らしく思えてくる。蛍光灯が明滅するその下で、奴らを蔑む言葉を飲み下し考える。どうして奴等はあんなにも雑多・・・

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ゴミ

18/04/30 コメント:0件 重一

またSがいつもの喫茶店へ呼び出した。なぜいつもなにかあると俺を呼ぶんだ?
「やあやあKよ」「お前さあ人待たせるなよこういう時は」「ごめんごめん。向かってる途中、足場がないくらいゴミが散乱してる道があってさあ。ありゃカラスだよ、迷惑だねえ」
俺は椅子に寄りかかり腕組をし、いかにもな雰囲気を醸し出しSに言う。
「迷惑してるのは俺もだよ。お前、あれだろ、また会社辞めたんだろ」

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大勢の人々から打ち捨てられた少年の話

18/04/30 コメント:0件 糸白澪子

 ママへ  お元気ですか。僕はもうずいぶん前から立つことができません。これまでお庭に遊びに出たときはいつもママのためにお花を摘んでいたのに、それももうできなくなってしまいました。ごめんなさい。ママ、いつになったら会えますか。早くママに会いたいです。  今朝、僕はスプーン3杯、スープを飲むことができました。最近は何を食べてもすぐにお腹が痛くなって、頭がくわんくわん音を立てて、しまいには吐き出してしま・・・

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ロングタイム

18/04/30 コメント:0件 mokugyo

長い間、毎日のよう小さな灯台を建てている男がいた。
男がなぜ灯台を建てているのか誰も知らない。男も、自身がやろうとしていることをよく分かっていない。

見すぼらしい姿をした男は、町外れの灯台男と呼ばれていた。

ある日、市役所の職員が灯台男に向かってこう言った。

「あなたはなぜ誰も必要としていない灯台を建てているのか?非常に邪魔だ。こんな灯台はゴミだ。早・・・

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捨てられない男たち

18/04/30 コメント:0件 重一

 恋人と別れた元井は部屋で一人、今後の生き方について考えていた。 「やっぱり恋愛が長続きしないのって、この思い出たちのせいなのかなあ」  ダンボールに詰まった元恋人たちの写真、プレゼント、手紙。元井は歴代の物を全てとっておいていた。 「そうだよなあ。なんか、気持ち、油汚れ的な感じで残っちゃってるんだよなあ。捨ててないってことはさあ。心機一転、恋人の思い出をゴミとして処分しよう。という口説き文句にや・・・

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小さな赤い花

18/04/30 コメント:0件 nekoneko

 雨音が聞こえて来た。寝入り端の僕は、まだ半分うつらうつらしていたがその急に降り出した雨は僕を目覚めさせるのには十分過ぎる程の音だった。雨音はゴーと唸る程の音で、言い換えれば滝の流れ落ちる様な激しい音に似て居なくもなかった。幸い、風は吹いてはいない様だったが、雨の勢いは微かにだが部屋全体を揺らす程でもあった。完全に覚め切った僕は、しばらく雨音に耳を傾けて見た。雨音は時折強弱を交えながらも激しく降り・・・

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掃き溜めの貴きもの

18/04/30 コメント:0件 PURIN

硬い大地が足底に触れる。無事に地上に降り立てたようだ。

今の時期のこの気候は、この世界で生きる者達にとってはひどく寒いだろう。



目的のものがあるであろう場所へ向けて一歩踏み出す。



離れたところから人々が争う声が響いてくる。

過日取り壊した像の代わりに、誰の像を立てるかで揉めているのだ。

揉めている・・・

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理想の朝

18/04/30 コメント:1件 冬垣ひなた

「新入社員の研修、どうだった? 八木沢」 「可も不可もなくと言った所か。今どきの奴は、当たり障りがなくて何を考えているのか分からないよ」  午後の勤務時間が近づき、談笑の輪が自然に解かれていく。換気の悪い喫煙室の中には儀式のように煙が充満していた。部屋を出る前に、八木沢は窓の隙間を全開する。  空気が通るようになった窓から、近隣のオフィスビル街が見える。あそこは、もっと良い生地のスーツを着た人間が・・・

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世界ゴミ万国博覧会2018 in 東京

18/04/30 コメント:0件 紅茶愛好家

二〇一八年秋、世界ゴミ万国博覧会が東京で開催された。
開催初日、ゴミ処理施設に勤める義雄は胸を躍らせ家族と共にエントランスの行列に並んでいた。早めに来たのだが開場一時間前でも会場は超満員で世間の期待度が高いことが窺えた。一方、世間とは反対に義雄の家族の期待は低かった。ゴミなんか見てどうするんだとしきりに反対する長男と長女、それとは反対にやや乗り気の妻を伴ってやってきた。
季節が秋で良か・・・

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エンドレスドリーム

18/04/30 コメント:0件 むねすけ

 映写士にぶら下げられて拘束椅子に座らされる。スクリーンに何も映らなかった場合ゴミとして廃棄されるのだが、その際の逃亡を懸念してのことらしい。そんな心配をしなくても、僕ら夢魂はゴミになることを恐れてはいないのだけど。
「そんなことないよ、僕はやだよ」
「アサだけだよ、そんなこと言うの」
「そうだよ、ここがそんなに好きなの? 変わってるな」
 僕ら夢魂の中で、一人、アサだけが・・・

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その思いにどうこたえる

18/04/30 コメント:0件 kanza

 賑やかな居酒屋の中で、このテーブルだけが異質な空間になっている。向いの席に座る莉子とは従妹どうしなのだが、少ない会話と重い空気で別れ話でもしているカップルとでも思われているのかもしれない。
 突然携帯に着信があり、飲まないかと誘われたのが昼休みのことである。それから嫌な胸騒ぎは続いていた。久しぶりに東京にでて来たから誘ったのだというが……俺は大学進学とともに地元を離れ、その後も東京の企・・・

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有効活用

18/04/30 コメント:1件 柳川穂太郎


 ゴミを拾った。そいつは確かに息をしている。

 昨今のペットブームとやらは末恐ろしいものがある。テレビはそいつらの可愛いところばかりに着目し、癒し効果だの飼いやすいだの家庭に彩が持てるだのと利点ばかり宣うせいで、肝心の欠点に目を向けてから家に連れ帰る者はうんと少ない。
 曲がりなりにも生命を預かり家族の一員となるのに、一時の欲に乗せられて気軽に買って帰って飼うのである。・・・

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燃えない人

18/04/30 コメント:0件 黄間友香

これは僕が葬式屋さんに聞いた質問だ。ご焼香の話。
「人によって燃え方ってちがうもんなんですか?」
「ちがうとすれば、どんな方がよく燃えるのですか?」
葬儀屋さんはニコッと笑って言った。
「そうですねぇ、違うといえば少し違います」
「例えば不慮の事故で亡くなられてしまった方はよく燃えますね。まだ生きたいというエネルギーが有り余っておいでなのでしょう。逆にお年を召した方だ・・・

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命の捨て場

18/04/30 コメント:0件 黒江 うさぎ

「こんにちは。  ここは命の捨て場ですか?」 「こんにちは。  はい。ここが命の捨て場です。  ここで待っていればそのうち収集車が来て、焼却場に連れて行ってくれます」 「収集車が来るのはいつ頃でしょう?」 「さぁ。  前に来たのは三日前、その前は四日前、その前は三年前ですから、いつ来るかは分かりません」 「そうですか…。  ではここで暫く待たせて貰いましょう」 「そうですか」 「…」 「…」 「…・・・

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日替わりじいちゃん

18/04/29 コメント:0件 待井小雨

 幼い頃に両親を亡くした私は、ずっとじいちゃんと二人暮らしをしていた。大病もせずに健康そのものだったじいちゃんは、ある日ぽっくりと亡くなってしまった。
 葬儀を終えてちゃぶ台に突っ伏して泣いていると『泣くんじゃない』と声がした。
『孫娘が気がかりでこの世を去り損ねたわい』
 ちゃぶ台から聞こえてきたのはじいちゃんの声だった。じいちゃんは家の中の物に憑りついて、この世に居残ってしま・・・

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青は藍より出でて藍よりゴミゴミ

18/04/30 コメント:0件 小高まあな

「はっはっは! 地球をゴミだらけにしてやる!」
 ゴミの力が集まって生まれた怪物集団ゴミダラケー。その戦闘員アキカンダーは空き缶を、道行く人々や建物にぶつけていく。
「待て!」
 それを制止する声。アキカンダーが振り向いた先には、赤・青・黄。それぞれの色の全身スーツと仮面を身にまとい、ポーズを決める三人組。
「ゴミはゴミ箱に! リサイクル戦隊トラッシャー!」
「でたな・・・

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呪いの人形

18/04/29 コメント:0件 林一

 テレビ番組の制作会社に勤めている私は、現在担当している心霊番組に使えるネタを探すため、青森に住む工藤という男の家を訪れていた。
「初めまして。番組ADの吉川と申します」
「わざわざこんな遠くまでありがとうございます」
「いえいえ。では早速なんですが工藤さん、お手紙に書いてあった例の人形について詳しくお話しいただけますか?」
「半年前に同居していた母が亡くなりまして。それで・・・

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ご主人の流儀

18/04/29 コメント:0件 まきのでら

 ウチの近所に物を溜め込む体質の男が住んでいる。
 いわゆるゴミ屋敷のご主人というヤツで、町内会でも度々問題になっていた。
 しかしその種の人間らしい偏屈者なので、触らぬ神に祟りなし、と誰も文句を言えないのが現状だ。
 ご主人にとっては溜め込んでいるのはあくまで必要な物でゴミなどではないのである。
 
 その証拠となる出来事がこの間、あった。
 
 学生が・・・

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ゴミは色になる

18/04/29 コメント:0件 笹岡 拓也

いつもくだらない会話を繰り広げる高校生の僕たち。そんな中、ものすごく真剣な表情を浮かべて島田が
「ゴミって色になるんだぜ?」
と言った。僕たちは馬鹿らしい話だと聞き流したら、再度島田が
「ゴミって色なんだよ」
と必死に言ってきた。僕たちは二度も同じことを言ってくる島田を無視することはできないので、鈴木が代表して問い掛ける。
「どんな話だ?」
すると島田はとても嬉・・・

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追いかけっこ

18/04/29 コメント:0件 むねすけ

 月曜日、道の斜めに見える公園前に僕が集まる。いや、僕がなれない僕の仲間が集まる。僕の仲間以外の人はそれらをゴミ、と呼んだ。明日は第一月曜日。大型のゴミの日。
「悟、今日も行くぞ」
 僕はゴミの仲間になって、回収車に終わりの外まで連れていってもらいたいと願ってる。願い事の連続だけが僕を悪夢の擦過傷からダレイクト逃亡させてくれるけど、兄さんがそれを許さない。僕をゴミにしてくれない。

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赤いダイアモンドの季節

18/04/29 コメント:0件 ねこ丸

「生まれ変わったらゴミになりたい、そして人類を捨ててやる」
 と、ミチが言う。
 ゴミは捨てられる方でしょ、と普通なら返すだろうけど、私は、何それイヤだよ、私も捨てられんの? と笑うだけ。だって、わかるから。
「マコのことは捨てないよ、だってあんたは人類に入らないもん。あんまん? それかシュークリーム?」
「何だとお」
 たわいなくじゃれ合うひと時でさえ、背後に視線を・・・

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あいのおのこし

18/04/29 コメント:0件 井伊心呑

 不自然に空いたベットの半分、シーツを抱いて涙を流したってだから何だってことくらいは解ってる。ああ、染み付いたオードトワレが塩辛い水に上書きされてしまうというのに、どうしてここには私しかいないんだろう。朝ごはんの匂いがするわけでも、作る意味もなくしてしまった。最初からこうするつもりだったなら別に、もっと気軽に、ゴミ箱に捨てる包み紙みたいに軽い愛だけ与えてくれたら良かったのになんで、なにが愛をこんな・・・

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主婦の達人

18/04/29 コメント:2件 腹時計

「離婚して。心当たりはあるでしょう?」
 
 夫の顔は見物だった。ああ、これだけでなんだか胸がすっとする。ぽかんと口を開き、瞬きを繰り返したあと、ようやく私の言ったことを理解して顔を真っ白にした。
「な、なんで、え、俺、え、なに、え、え?」
 私はテーブルに肘をついて夫にほほえみかけた。イタリア製の丸みを帯びたテーブル。クリーム色の大理石が心地よい冷たさを伝えてくれる。私が・・・

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シューカツのゴミ

18/04/28 コメント:0件 腹時計

 トイレの汚物入れにしわのついたストッキングを突っ込んだ。これで何度目だろうか。
 鞄に入れておいた予備のストッキングを取り出してたぐり寄せる。つま先を片方入れて慎重に伸ばしていく。膝の辺りまで到達すると、もう片方の足にもストッキングをかぶせていく。あとは両足を少しずつ交互に引き上げていけば、不透明な足ができあがる。
 インターンシップを受けていた半年前はこの作業でさっそく伝線させるこ・・・

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HOME

18/04/28 コメント:0件 つつい つつ

 ここで働く現場の作業員はみな暗い目をしている。管理をしている本社の人間はみな冷たい目をしている。ただ、僕だけはここが好きだから、ここが温かいから、そんな目をしていると思う。
 毎朝七時半に食堂に行く。朝食は和食でも洋食でもフルーツでもシリアルでも、なんでも揃っているし、どれを食べても、どれだけ食べてもタダだ。僕はだいたいご飯にお味噌汁と卵焼きにおひたしなんかを食べる。同じ第五ブロックで働く・・・

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みーんなゴミ

18/04/28 コメント:0件 光石七


今日、同じクラスのアクタ君がゴミ置き場に捨てられてた。
ゴミ袋の口から頭だけ出して、わんわん泣いてた。
「ゴミのくせに、うっさいなあ」
ぼくはアクタ君をけとばした。
だって、アクタ君はクラスのゴミだもん。
ぼくらのクラスが球技大会やリレーでビリだったのは、アクタ君のせいだもん。
アクタ君はトロくて、いつもみんなをイライラさせる。
よかった、これでク・・・

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処分場のブルドーザ

18/04/28 コメント:0件 いっき

 俺はゴミ処分場のブルドーザ。もう二十年近くも使われている古株だ。  仕事は言わずと知れている。人間どもの出したゴミをこの処分場に埋めるのだ。  ゴミと言っても再利用やリサイクルできるような幸福なゴミ達はこんなところにはやって来ない。来るのは人間達の処理のしようもない、どうしようもないゴミばかりなのだ。  俺はいつも聞かされる。そのゴミ達の無念の声を。 「俺はまだこの世に作られた任務を全うしてい・・・

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見ろ、ゴミが人のようだ!

18/04/27 コメント:0件 若早称平

 それを最初に発見したのはこのゴミ処理場で集積されたゴミを焼却炉に移す作業を担当していた高山だ。彼はここでバイトをしながら映画監督を目指し勉強中だった。昨夜も遅くまで課題である自主映画の編集作業を行っていて、その疲れから幻覚が見えたのではないかと両目をゴシゴシと擦ってみたが、目の前の光景は変わらなかった。
 しばらく呆然と立ち尽くしたあとで、ようやく上司に連絡するに思い至った高山は目を逸らさ・・・

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完璧に分別する男

18/04/25 コメント:1件 辻坂奈

 戸建て3LDKの僕の家は、半分がゴミ箱でできている。
 ゴミ箱というと語弊がある。正しくは分別用のゴミ箱が幅をとっている≠セ。
「明日は月曜日だから『超薄型プラ』の日……まだ溜まってないな」
 僕はゴミ箱の中身を確認して独りごちた。
 ここのところ毎年ゴミの分別が数種類ずつ追加されている。先月は「厚型プラ」が「有色」と「無色」に細分化された。
 この二つに関しては・・・

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会社という生命体

18/04/25 コメント:0件 飛鳥かおり

アラームの音が鳴る。
私は布団から手を伸ばし、目を瞑ったまま手探りで目覚まし時計のスヌーズを切った。
心に鞭を打ち、布団から出たくないと訴えるもう一人の自分をバッサリと切り捨てる。
今日は火曜日、普通ゴミの日だ。私はパジャマのまま上着だけを羽織り、ファスナーを一番上まで上げた。夕べのうちにまとめてあったゴミ袋をベランダから持ってきて、つっかけに足を入れる。玄関のドアを開けるとひん・・・

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ニックネーム:『ゴミさん』

18/04/25 コメント:0件 アラウンド君

「ゴミさんって、覚えてる? 」
 美穂がドリンクバーから持ってきた野菜ジュースを飲みながら聞いてきた。
「ゴミさんって誰だっけ? 」
 私は、アイスコーヒーにミルクを入れながら、美穂を見た。美穂は高校の同級生の一人。大学生になった今も、暇があるときは、ファミレスに集合して、しゃべったりしている。今も、大学やバイトなどの、たわいも無い話をダラダラとしているところだった。
「私・・・

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オアシス

18/04/24 コメント:0件 路地裏

真面目な人間ほど馬鹿を見るというが、正しく今の俺に相応しい言葉だ。

10年前、俺は黒づくめの男達にこのゴミ溜めへ連れて来られた。

「君にしか出来ないんだ」
「君に期待している」
「君が必要なんだ」

そんな言葉を並べられ、若かった俺はすっかり気持ち良くなってしまった。俺は何でもやった。周囲が嫌がる事も進んでやった。目の前に積まれたゴミ・・・

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咲かない彼女

18/04/24 コメント:4件 入江弥彦

 今、彼女はなんと言っただろうか。
 うるさい鼓動を服の上から押さえつけて、もう一度行ってくれとジェスチャーで示す。言葉が上手く出なかった。
「種を植えたのよ、トオルくん」
 キリコはそんな僕の様子を予想通りだとでもいうように、ゆっくりと口角をあげた。この作り物みたいに綺麗な笑顔に僕は惚れたはずなのに、今は何よりも憎らしく思える。
「……いつ」
 絞り出された声がかろ・・・

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ゴミの再利用

18/04/24 コメント:4件 泡沫恋歌

人からクズと呼ばれるのと、ゴミと呼ばれるのと、どっちがマシか考えたことありますか?
クズとは人の役に立たない低レベルな人間のこと。
ゴミとは不要な人間のことだけど、周りを巻き込んで禍を招く、確実に迷惑な存在である。しかも汚い、不衛生、悪臭など自己主張までする。
そして世の中にはゴミみたいな人間が一定数存在している。

わたしは毎日、父が死ぬことを願っていた。
物・・・

2

捨てる

18/04/24 コメント:2件 みゆみゆ

 半分剥げたマニキュアをすっかり落とすと休日にやることはもうなくなって、電源の入っていないコタツでゴロリと横たわる。つるりとしたアルミ缶のゴミ箱が目の前にあって、よく見ると底のあたりには埃のかたまりがいくつか付いている。起き上がり、ゴミ袋を取り出して中を覗いてみると、内側の底にも細かい屑ゴミや埃がけっこうあったので、ウエットティッシュでそれらを拭き取り、空のゴミ箱を風呂場で洗った。
 タオル・・・

0

ゴミ箱に入りたい

18/04/23 コメント:0件 鎌太郎




 ――夏の日差しの中で、ワタシは呆然と座り込んでいる。
 近所の公園。夏休みも始まったという事もあってか、学生服を着た同年代の人達や、家族連れだって目にとまる。
 そんな中、ワタシは1人でベンチに座り込んでいる。
 ……そんな虚しさを忘れる為に、横に置いてあった、温くなったスポーツ飲料を煽る。軽くなっていく手の中の重みが、その分だけ自分の体に溶け込んでいく・・・

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捨てられたゴミは、化け物に拾われる

18/04/23 コメント:0件 鎌太郎



「このゴミ野郎が!!」
 薄暗い路地裏の中、その怒声と共にオレの額に銃口が押し付けられる。
 冷たいとは思わなかった。茹だるような夏の中では、人を殺す道具だってその冷徹さを失うというものだ。
 しかし、その硬さだけは、容赦がないくらいそれが本物だと証明している。

 ――ああ、そしてその言葉は紛れもない事実。

 オレはゴミ野郎だ。社会のク・・・

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天の塵から地の塵へ

18/04/23 コメント:0件 鎌太郎



 ――それに天蓋が掛かるようになったのは、ボクが生まれた頃辺りからだったそうだ。
 地球に『未踏の地』というものが存在しなくなった時、人類の興味の矛先は、そらも向こう側、つまりは『宇宙』に向かっていった。
 それもまぁ、しょうがない話だろう。
 人類全体の特徴は『進歩し続ける事』だ。何万年という時間をかけて進歩し続けてきた人類は、何万年と続けてきたが故に、歩みを止・・・

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ゴミ捨て場ランデブー

18/04/23 コメント:0件 かわ珠

 週に一度、僕は彼女と出会う。
 それはべつに、織姫と彦星のようにロマンティックな逢瀬ではない。
 週に一度の資源ゴミを出す日。その朝に、必ず彼女と出会うのだ。
 きっと、同じマンションの住人なのだろう。けれども、彼女がどの部屋に住んでいるのかまではわからないし、名前さえも知らない。顔をあわせても声を掛けたりはしない。ただ、お互いに小さく会釈を交わすだけ。わかるのは、彼女が近所の・・・

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粗大ゴミでないだけマシか

18/04/22 コメント:0件 下北沢エンデ

土曜日は資源ごみの収集日だ。毎週ではなく隔週なのでダンボールや古紙はかなり溜まる。溜まったそれらを集積所まで持って行くだけでなく、家の中で散乱しないようにまとめて邪魔にならない場所へ置いておくのも、自分の仕事だ。
妻と二人の娘に任命された責任と名誉のある仕事。そう思わねばやっていられない。なぜならこれをやらなければ私自身が「ゴミ」扱いされるのだから。確かに私はふだん家のことなんてほとんどしな・・・

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ゴミ交換所

18/04/21 コメント:1件 いっき

 いつも通りの朝。私はいつものゴミ置場へゴミを捨てに行った。  ここら一帯の住人達がゴミを捨てるゴミ置場だったのだが……その日はどういう訳か、状況が異なっていた。  『ゴミ交換所』との立て看板とともに、その管理人らしき者が椅子に座っていたのだ。 「あの……邪魔なのだが」  私はゴミ置場の入口で、まるで通せんぼをするかのように座っている彼を退かそうとした。  しかし…… 「どれと交換されますか?」 ・・・

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ごみに埋もれる、A子と、部屋と、そして

18/04/21 コメント:2件 アシタバ

 A子の親友という地位は鼻が高い。
 桜の花のような美貌と向日葵のような明るさを兼ね備えたA子は学生時代でも、働きだしてからも、常に大勢の人間に愛されてきた。もちろん、わたしも美しいA子が大好きで、さらに自分はA子の幼馴染で特別な存在だという周囲への優越感も非常に心地よかった。A子はわたしの人生に彩りをくれる。
 なのに、最近どうしたことだろうか? 
 A子は突然、人が変わってし・・・

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明日は変わろう

18/04/21 コメント:0件 桜野

ある日、私はゴミを見かけた。
その翌日もその次の日も、毎日のように見かけるゴミ。
「ほんと、イヤになる」
この言葉は、毎日見るゴミにイヤになったのではない。
毎日毎日ゴミを目にしてもなにもしない自分に言った言葉だ。

目を背け、何も見なかったようにその横を通りすぎる人。
あるいは、気づいていながら避けて通る人もいる。

人も一緒で、この地面に落・・・

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ヒーローは引退しました

18/04/21 コメント:0件 りんりんりえ

 公園の真ん中にある噴水が壊れて、辺り一面がびしょ濡れになった。
 噴水の壊れ方は漫画みたいにど派手で、急にぱかーんと真ん中から割れたと思えば、四方八方へ水が噴き出した。ひび割れた塗装と砕けたコンクリートの欠片は散らばるし、水は止まんないし、周りに敷かれている砂はどんどん泥になっていく。誰も直しに来ない。だった噴水が壊れたのを見たのは、ぼんやりベンチに座ってアイスを食べていた僕だけ。こんな雨・・・

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僕と彼女のはなし

18/04/20 コメント:0件 松本エムザ

「肩にゴミがついてますよ」
 職場のコピー室。隣りのコピー機で作業をしていた女子社員に声をかけた。
「糸くずかな? ほら、右肩の辺りに」
「えっ?」
 意外なほどに目を見開き、驚いて振り向いた顔に見覚えがあった。確か営業三課に配属された同期のコだ。
「あ、ありがとう」
 そそくさとコピーを終えた書類の束を抱えて、彼女は立ち去ってしまった。何か気に障る事を言ってし・・・

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薄暗い集積場にて

18/04/20 コメント:0件 虹子

 月曜日。燃えるゴミの日。  ごみ出しにでると、集積場にはすでに、ごみ袋がひとつ置かれていた。  その透明のごみ袋は昨夜降った雨で濡れている。夜のうちに出されたのだろうか。  冬の早朝、住宅地はまだ眠りの中にいるようにひっそりとしている。点滅する街灯の下、薄暗い集積場には私しかいない。  自分の持っていたごみを置き、何気なく隣にあるごみ袋を見ると、その中に、ぼんやり明るい薄だいだい色が見えた。  ・・・

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キミを救うために〜ゴミになったボク〜

18/04/20 コメント:0件 笹岡 拓也

きっとボクは今、キミに振り向いてもらわなかったら、幸せにすることはできない。だからボクはキミの腕にしがみ付いた。
「頼む!ボクを見てほしい!」
ただキミはボクの声が届かない。いや存在すら気付いていない。ボクはキミにとって空気でしかないんだ。
「ボクのことを知ってほしい!空気じゃなきゃゴミでもカスでもなんでもいい!」
「あれ?こんなところにゴミがある」
ボクが強く願った・・・

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なつの雪

18/04/20 コメント:0件 吉岡 幸一

 待ち合わせの時間より一時間も早く来てしまった俊治は、無人駅の待合室に入って座ると肩掛け鞄から取り出した読みかけの岩波文庫を開いて読みはじめた。
 川端康成の「雪国」を読んでいたが、文字が頭に入ることはなく、扉のない入口から流れ込んでくる初夏の生暖かい風を浴びながら、ぼんやりと頁を眺めるだけだった。
 無人駅なので売店はなかったが、外に錆びた自動販売機が一台あったので、そこで冷たい緑茶・・・

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君に続く道

18/04/20 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗

「あなた、ガレージのバイクなんだけど…」

あぁ、女房という生き物は、どうしてこうも同じ事を何度も言うのだろうか。
バイクの買い取り業者のCMを見る度に、せっつかれる俺の気持ちにもなってほしいものだ。


「分かってるよ。捨ててほしいんだろ?」

「あっても乗らないじゃないの。」


子供がいる人が持つ趣味じゃない、事故を起こして死・・・

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ゴミの日のおばあちゃん

18/04/19 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 たかくんは、小学一年生。
 ランドセルをせおって、毎朝学校に行きます。
 通学路の途中に、ゴミステーションがあります。月曜日と木曜日の朝は、ゴミをすてにくるおじさんやおばさんとすれちがいます。
 たかくんは、ゴミの日が好きなんです。
 ゴミぶくろを重たそうにもって歩いてくるおばあちゃんが、いつもたかくんをみると、にこっとわらって、
「行っておかえり。」
と言っ・・・

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ゴミ屋敷の幽霊女

18/04/17 コメント:0件 向本果乃子

 長い坂の下にその家はある。
 古い木造家屋で、幽霊が住むゴミ屋敷と呼ばれている。
「どうせ高校行く金ないんだろ」
「教科書なんていらねーよな」
 奴等は僕の通学鞄を幽霊が住むゴミ屋敷の庭に放り込み、笑いながら軽やかに学校に向かって坂を駆け上がって行った。
 僕は去り際に蹴られた尻をさすりながら、低い垣根越しに中を覗く。
 庭には雑多なものが置かれている。蓋の取・・・

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ユメひろい

18/04/15 コメント:0件 浅月庵

 今日も俺は都会の雑踏に溶け込みながら、かなりイラついている。その理由の一つとして、数日前から俺のことを尾行しているストーカーがいるからだ。

 ーーそして、この日とうとう俺は我慢の限界を迎えたのだ。
「お前一体、なんなんだよ!」
 ストーカーは小学生くらいの子どもだった。そんなガキに感情剥き出しとは、なんとも大人げない話だ。
「お兄ちゃん、自分の心臓の辺りを見てみて・・・

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ゴミ自動回収社会

18/04/15 コメント:0件 比些志


ゴミ自動回収システムが設置された。道ばたや公園に落ちたゴミが自動的にゴミ箱やゴミ処理場に回収されるようになった。吸い殻もジュースの缶、御菓子の空箱、スーパーのレジ袋や産業廃棄物などの不法投棄にいたるまでひとりでに気がついたら消えてしまうのだ。おかげで道路や川や公園もまたたくまにきれいになった。ボクの住む街はどんどんきれいになってゆく。

社会の貧困が進み、数十年前から都会のゴミ・・・

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ゴミ拾う老人

18/04/15 コメント:0件 吉岡 幸一

 毎日、老人はゴミ拾いをしていた。はじめは自分の家の周りだけだったのが、そのうち隣の家の前、そのまた隣の家の前、近所の一区画と広がり、時間も午前中だけから朝から夕方までと伸びていった。
 高齢なので粗大ごみのような重い物は拾うことができなかったが、煙草の吸殻や空き缶、風に飛ばされたチラシやガムなど、持ち運べるゴミはすべて拾っていた。
「お爺さん、町をきれいにするのは良いことですけど、お・・・

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過去の言動はゴミとして捨てることはできないのだ

18/04/14 コメント:3件 文月めぐ

 人生の中で後悔していること、誰にでも一つはあるだろう。私も、もちろんある。しかし、一番大きな後悔と言えば、やはり小学一年生のあの出来事だ。
 小学校に入り、すぐに仲良くなった友達の京子ちゃん、真央ちゃん、彩ちゃんとはいつも一緒にいた。
 私たちはおとなしい子どもたちの集団だった。真央ちゃんは絵が得意。彩ちゃんはピアノ、京子ちゃんは読書が好きだった。私は書道を習っていて、自慢できること・・・

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私の宝物

18/04/14 コメント:0件 うめ

私は普通の人間ではなかった。普通の人間がゴミだと思うものを私はゴミとは思えなかった。街行く人が捨てて行くそれらを私は美しい、と思ってしまう人間だった。逆に普通の人間が綺麗だ、と思うものを綺麗だとは思えなかった。何もかもが普通の人間とは違っていたのだ。何故か、はわからない。気がついた時にはそうなっていた。そんな私が普通の人間たちと一緒に暮らすなんてことはもちろんできなかった。私はずっと一人で生きてい・・・

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ある日のゴミ捨て

18/04/13 コメント:0件 横井雀

「ツギの角をヒダリです」
 携帯端末型のナビから流れてくる電子音声に従って十字路を左に曲がる。時間が遅いせいか、それとも繁華街や住宅地から少し離れた場所というせいか。どちらにせよ他の通行人は見かけない。ただシャッターが閉まった商店と、等間隔に続く街灯、それに集まる羽虫の群れが見られるだけだ。
 もし通行人がいれば、二十代も後半に差し掛かった女性がこんな寂しい場所を歩いて何をしているのか・・・

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ゴミにまつわるストーリー

18/04/11 コメント:0件 小峰綾子

「柏木さーん、来たよ。朝から悪いね」
朝7時、ルイさんがゲートの前に立っている柏木さんに声をかけ、軽トラを横付けする。
「今月は発掘作業が活発だね。あ、エミちゃん、おはよう」
「おはようございまーす」
私は「リサイクルマートZ」のアルバイト、ルイさんは店長だ。柏木さんは、廃棄物回収会社を運営している社長さん。私たちは定期的にこの廃棄物一時集積所に来て、店で売れそうなものを「・・・

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屍体なんかいませんよ

18/04/10 コメント:0件 雲鳴遊乃実

 南部戦闘区域に広がる霧の中の植物園には掘り出し物があると噂されていた。実際に足を運んでみると、果たせるかな、木々の合間にいくつものロボット兵士が寝転んでいた。
「このあたりは市街地からも離れているからな。手つかずだぜ」
 ゴミ収集車を降りるとパートナーは舌舐めずりをした。肉を前にした犬と同じだ。大袈裟だが気持ちはわかる。政府からの支援もあり、ゴミと化したロボット兵士の回収は結構な収益・・・

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おにぎり金魚宇宙を泳ぐ

18/04/10 コメント:0件 紅茶愛好家

尊(たける)は真剣におにぎりを選んでいた。
パッケージを見て味の書いてあるシールの色と大きさをチェックする。そして気に入った橙の鮭と赤の梅干を各三個ずつ購入する。会計を済ませコンビニを出るとまっすぐ公園へと向かった。
昼下がりの公園では就学前の子供たちが賑やかに遊んでいた。ジャングルジムに登ったりブランコを取り合いしたり砂場でお山を作ったりしている。尊はベンチに腰掛け、袋を開けた。昼食・・・

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18/04/10 コメント:0件 花咲寧

 私は、この世に生まれてこないほうがよかった。
 物心ついたころには両親から既に虐待を受けていて、親戚には罵声を浴びせられていた。小学校に上がれば苛められ、先生は見て見ぬ振り。理不尽だけど、生まれた時から続いている日常。
 何で学校に来てるの? 何で生きてるの?
 そんなの行く場所がないから。まだ生きていたい。生きていれば、いつかきっといいことがあるって信じてるから。

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投書、ある障害児を持つ母親の手記

18/04/08 コメント:0件 キップル

「障害者はゴミ。生きてる価値がない。」

 こんなネット上の書き込みを見て胸が痛くなった。私には重度の自閉と行動障害を持つ小学六年生の息子がいる。名前は碧依。我が息子ながらとんでもないトラブルメーカーだ。

 碧依はとにかくジッとしていることが苦手だ。起きてる間はほんの一秒だって止まったら死んでしまうかのように動き続けている。何でも気になる物があると、一目散に駆けて行って手・・・

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いろり

18/04/08 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 現金輸送車から奪いとった一億円をもって五人が、車を乗りすてて山にはいり、かねてからめぼしをつけていた廃屋にたどりついたときには、すでに雪がふりだしていた。練りに練った計画が見事功を奏して現金を手にした達成感に、かれらはどっぷりと満足感に浸っていた。
 うかれすぎるかれらにリーダーの渋谷が、抑揚のきいたバリトンでいった。
「今晩は、ここですごすんだ。そのぶんの食糧は用意してある」

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007

18/04/07 コメント:0件 ポテトチップス

 人の良さそうな人に見えた。頭は禿げ上がってはいるが口角が常に上がっているので、恵比寿天のような印象を感じさせた。
 矢鍋光二は応接ソファーの下座に座り、上座に座る田崎洋一から面接を受けていた。株式会社美々産業は、大田区蒲田に所在する産業ゴミを収集運搬する会社で、矢鍋は知人の紹介でこうして面接を受けていた。
「ふーん、47歳か。トラックの運転の経験はあるのね」田崎は、履歴書に目を落とし・・・

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ゴミ問題

18/04/07 コメント:0件 蹴沢缶九郎

家庭や会社から出たゴミは基地に集められ、そこから数百を数える無人ロケットに積まれ、太陽へと打ち込まれる。
人類はゴミの処理を地球から太陽に移した。

「全く住みやすい世の中になった。空気や水が綺麗になった」

「じゃんじゃん物を作れ。ゴミは太陽に捨てればいいんだ」

人類は長く頭を痛めた問題から解放された。ゴミの分別は不用となり、地球の環境問題は改善。良い・・・

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ゴミ拾いとチューリップ祭り

18/04/07 コメント:0件 吉岡 幸一

 今年も河川敷では恒例のチューリップ祭りが開かれていた。
 十年前から市が主催している祭りで、河川敷には十万本もの色とりどりのチューリップがいまを盛りと花を咲かせていた。
 焼きそばにたこ焼き、焼き鳥などの屋台もあれば、一列に並べられた白いテントのなかでは、福祉施設の関係者が作ったパンや手作り弁当が売られ、観光協会のパンフレットや商工会のチラシなども並べられている。
 休みの日に・・・

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ゴミ捨て場の女

18/04/06 コメント:0件 佐々木嘘

「ねぇ。お姉さんは捨てられた人間なの?捨てられたお人形なの?」 「……ど、どっちだと思う…?」 全くもってひどい雨の日だった。その日、「気持ち悪っ、別れよ」と強制的に縁を切られ、ご丁寧に45L透明ゴミ袋と一緒にアパートのゴミ捨て場に押し込めて鍵まで閉められ、二重の意味で男に捨てられてしまったのだ。 回収後に出された燃えるごみと曜日を無視して置かれてるプラごみ資源ごみに囲まれてまるで動物園の狂った・・・

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ゴミの自覚

18/04/06 コメント:0件 黒みりん

 コツン コツン ・ ・ ・
 私は前へ、前へと、石を蹴り飛ばす。子供の時からの癖で、なぜか私は石を見ると蹴らずにはいられなかった。小さい石や大きい石、形の良い石、形の悪い石。いろいろな石があるけれど、私にとってはどれも同じ石で、特にこだわりは無かった。
 昔からこれが好きだったせいか、私が蹴った石はまっすぐに飛んでいく。いつも狙って蹴っているというわけでもないのだけれど。
 私・・・

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熟れた実の味

18/04/06 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな)

お嬢さん、よく来たねえ。 あたしが浩の祖母のタキだよ。 今は、浩の唯一の肉親さ。 なーんにもないが、今日はゆっくりしていくといい。 え? 「浩と一緒になる話がしたい」って? お嬢さん、あんた、案外、気が短いねえ。 まあ、その話はおいおいするとして、とりあえずはお茶でもお飲み。 少しおちつくといいさ。 浩、お嬢さんに村を案内しておあげ。 あたしはここで待っているからね。 おや、もう帰って来たの・・・

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「ゴミ」から「キミ」に

18/04/06 コメント:0件 れいぃ

 捨てに行きたい。
 でも、捨てられない。
 アリシュエルはゴミ袋を前に途方に暮れている。
 中味は、彼女の出した魔法廃棄物だ。魔物の脱皮によりできた皮、ロウソク、枯れた薬草、魔術に使う縄や貝殻や石、供え物の腐ったの。
「どうしたものかなぁ」
 いつもなら、魔法廃棄物処理場に出しに行くのだが、困ったことにゴミ袋の中味はごそごそうごめいているのだ。
 魔法に失敗し・・・

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ごみ取り踊る

18/04/06 コメント:0件 葉月三十


 最近つかみ食べを覚えた妹は、バリバリと幼児用せんべいを床に撒き散らす。
「あらあら、亜季は……舞、お掃除頼める?」
「任せて、お母さん」
 私は妹よりもだいぶお姉ちゃんだから、こうやってお掃除を頼まれることも少なくない。
 散らばった食べかすを掃いて集めて吸いとって。
 あれあれ? もう、お母さんったら。あっちの床にほこりがたまっているじゃない。仕方ないなあ・・・

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姥捨て山

18/04/05 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな)

私は「ゴミ」だから、仕方がなかったのさ。 「お母さん、この道を進んで。川を渡って、いいね。」 私は79歳だった。 「仕方ない、私はもう働けない、ゴミみたいなもんさ。」 息子は、「ごめん。」としか言わない。」 村の誰かに言われたんだろ。 あんなゴミ、生かせておくなって。」 「山神山の山道に辿りつくのは困難だが、先には、夢のような土地が広がっている。」 優しい息子は私を可能性のある山神山の入口まで連・・・

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卒業式

18/04/05 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな)

パパ。 そんなに私とママの事が嫌いですか? 「PTA」って不倫相手を見つける新しい出会いの場なの? パパ、瞬くんの事、 もう私より可愛いのね。 私は瞬くんに負けたの、 そして、ママは瞬君のママに負けたの。 私の渚っていう名前、 パパがつけてくれたんだよね。 相原って言う名字、 私とママはね、まだ使ってるの。 ママはね、 結婚前の名前だった「小林」に戻りたいって、今もしょっちゅう言っているんだよ。 ・・・

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ごみ溜めのお姫様

18/04/04 コメント:0件 

あなたはごみ溜めから生まれたの、と朱理さんは言った。
だからあなたは私の子どもなんかじゃない。寄らないで、汚らわしい。ごみはごみらしくしてなさい。それが朱理さんの口癖だった。
「あかりさん」
お母さん、と呼ぶとぶたれるので、朱理さんと呼んでいる。何度も呼ぶとぶたれるので、本当に必要な時だけ話しかけるようにしている。
「…なに」
携帯に視線を落としたままぞんざいに返事を・・・

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四次元ゴミ箱

18/04/04 コメント:0件 若早称平

 多分きっかけは先日の落雷だ。実際雷くらいのエネルギーでこんなことが起こるわけがないのはごりごりの私立文系の俺でもわかることだが、他に思い当たるふしがないのだから仕方ない。レンタルしてきたDVDを観ながら飲み干したビールの缶をゴミ箱に放り投げると、缶は音もなく吸い込まれた。


 大学進学で上京し、一人暮らしを始めた時に買ったなんの変哲もない我が家のゴミ箱はある日突然ブラックホー・・・

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金の一点

18/04/04 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 次の一手を打ちおえた丸角五段は、おもわずにやりと笑った。
 若き天才棋士、将棋界のスーパーコンピーターとよばれる彼にとって、それはあるまじきことといえた。
 これまで何人もの先輩棋士たちが彼の、どのような状況にあっても能面のように無表情なポーカーフェイスのまえに、はたしてこちらの手の優劣がよめないまま、あえなく敗北の憂き目にあってきた。
 その彼が、ほくそえむとは。
 将・・・

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ゴミ国

18/04/03 コメント:0件 いっき

 誕生したばかりのその国は、自国の成立のため、ゴミを周辺の国から譲り受けることを始めた。ゴミを受け取ってそれをビジネスとする……所謂、『ゴミビジネス』を始めたのだ。  そのため、周辺諸国からは『ゴミ国』との異名で呼ばれることとなった。  ゴミ国は、飲食業の盛んな国から大量の残飯を譲り受けて、国民の食料とした。  そして畜産業の盛んな国からは、大量の畜糞を譲り受けて堆積して肥料とし、それを農業の盛・・・

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捨てる紙あれば拾う神あり

18/04/03 コメント:0件 紅茶愛好家

オレは嬉々としていた。
月に一度の不燃物の日がやってきた。部屋の中を見回すとごみになるはずだった本棚、ごみになるはずだったアンティーク調の椅子、ごみになるはずだった大きなごみ箱、生活はごみになるはずだった物で満たされている。左程汚れていないし十分使える物ばかりだ。ごみ貰いを始めたのは二年程前、きっかけは実家の母だった。
「捨てようとしてたの貰ってきちゃった」
使い古されたスライド・・・

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崇高な声

18/04/02 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 なんてすばらしい世界なんだ。  そのすばらしさは、感嘆符をいくつならべてもまだまだ足りないぐらいだった。  長期にわたる宇宙空間の飛行に、ほとほとうんざりしていた惑星調査隊の面々は、宇宙船からおりたち眼前にひろがるそれはうつくしい地上の光景をまのあたりにして、感動のあまり言葉をなくした。  ゆたかな緑の丘、青々と水をたたえる湖、ふきつけるさわやかな風、人間が生きてゆくうえに必要な大気にみちた温暖・・・

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なごり雪

18/04/02 コメント:0件 風宮 雅俊

 春が来た。待ち遠しかった春が来た。ついに春が来た。
 春の日差しを受け、真っ直ぐに切り立つ雪の壁が滝の様に融けている。始めて勝利したこの喜び。長かった戦いの日々がここに終焉する。
「頑張った。俺」
「耐え抜いた。俺」
「これで、冬鬱とはおさらばだ」
 頬を伝う涙が陽の光に輝いていた。
 毎年の雪かき。戦いでしかなかった。雪かきをしても、気が付くとうず高く積もっ・・・

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ゴミ置き場

18/04/02 コメント:0件 風宮 雅俊

 今日も休み、世間は朝から騒がしい。子供たちは賑やかに学校に通っていく。大人たちは眠そうな顔で駅に向かっている。どちらの姿も自分にとっては昔の話だ。今は悠悠自適の年金暮らし・・・・のはずだった。厚生年金とは別の企業年金がある大手に入社したのに、企業戦士危うきに近づかずで無事に定年まで辿り着いたのに。
 定年日、妻は置手紙一つで通帳と印鑑を持って友達とクルージングに出掛けてしまった。半年は戻っ・・・

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空き缶投げはスポーツです

18/04/02 コメント:0件 蒼樹里緒

『五味市空き缶投げ選手権大会』、ついに本日、決勝戦が開幕です! 五味中央区立五味第三中学校校庭から、生中継でお伝えしております。
 試合開始前に、ルールをご説明いたしましょう。
 アルミ缶用・スチール缶用の大型回収ボックスに、出場選手が指定の位置から空き缶を投げ込んでいきます。制限時間三分以内に、最も多くの空き缶を投げ込んだ選手が優勝です。
 小中学生部門・高校大学生部門・社会人・・・

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