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第119回 時空モノガタリ文学賞 【 お笑い 】

今回のテーマは【お笑い】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2016/11/21

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2016/09/26〜2016/10/24
投稿数 67 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評 今回はただの笑いではなく、「お笑い」であるところに難しさがあったと思います。そもそも効果的なネタを考えること自体が難しいことなのでしょうが、それに加えテンポの良さ・ビジュアル面など、笑いの各要素を文字で表現するとなると、さらにハードルが高かったかもしれません。その点で入賞作の「怪獣VSお笑い芸人…」は、その「寒さ」をオチにうまく繋げると言う逆転の発想が素晴らしかったと思います。他にはコントや漫才そのものよりも、別のところに比重を置いた作品が説得力を持ちやすかったと思います。入賞作の「ドーナツを覗いたら…」はドーナツの穴という哲学的な命題をミックスしながらも、抽象的になりすぎることないところが良かったですね。最終選考作品の「あいことば」「マッチョビーンの綻び緩び」は、関西にスポットを当てていたのが目立っていました。「あいことば」は笑いのセンスが溶け込んだ大阪人の日常が生き生きと描かれ、「マッチョビーン…」は関西人のジレンマがよく出ていたと思います。両方とも関西の作者だとしたら、そうした点では有利に働いたかもしれませんね。他に気になったとしては(これは今テーマに限ったことではないのですが)、内容を盛り込みすぎてしまったために焦点がぼやけてしまったもの、抽象的すぎてリアリティが薄いものなどが、ちらほら見受けられたことですね。しかしほとんどの場合欠点と同時に良い面もありますので、その点を意識してもらえるとぐっと良くなると思います。今後に期待したいと思います。

入賞した作品

5

泣き笑いの窓際

16/10/24 コメント:2件 宮下 倖

 背中でガタガタと抗議するランドセルをものともせずに走って帰ってきたアツシは、家の玄関を開ける前に須藤さんの家を振り返った。
 あ、今日も笑ってる。
 須藤さんちのおじいちゃんは、たいてい道路に面した窓際に座って外を見ている。そしていつも笑っている。それはもうにこにこと楽しそうに。その笑顔を見ると、アツシも何だか嬉しい気もちになる。
 けれどアツシの母は言うのだ。須藤さんのおじい・・・

6

ドーナツを覗いたら何が見える

16/10/20 コメント:7件 奈尚

「なあツナ。ドーナツって穴を残したまま食えるかな」
「はあ? なんだよ、急に」
 ぽかんとする俺をよそに、ウドはまじめな顔でドーナツをほおばった。
「問答だよ。なぞなぞ。穴って事は、そこには何もないんだろう? ないものは食えるはずがない。なのにドーナツがなくなると、その穴までなくなっちまう。穴を残して、ドーナツだけ食う方法はあるだろうか」
「馬鹿か。そんな事できるわけねえだ・・・

最終選考作品

4

恋は錯覚

16/10/23 コメント:4件 そらの珊瑚

 まさか相方に恋するなんて思いもしなかった。

「で、どうするつもりなんや?」

 師匠がソファの向こうでファァと紫煙を吐いた。
 弟子に、お笑いの相談ではなく、恋の相談をされて、困っているように見える。

「それがわからないから相談しているんです」

 俺とコンビを組んでいる相方(女)は、ブスと呼ばれる部類に属す。
 俺はお笑い芸人の中・・・

1

サンポと木村さんと、ご主人(たち)

16/10/21 コメント:0件 秋 ひのこ

 隣で、強烈な臭いを放つ白くびろびろしたものをかじりながら、ご主人が涙を流さんばかりにケタケタ笑っている。
 『笑いはスマイルとちゃうで』というステッカーが貼られた薄いテレビで、人間が「にょにょにょにょきーん」とか「わんこにお水をワンコップ」とか言うたびに、テレビからもご主人からも笑いが生まれる。
 酒とびろびろと笑い。ご主人の至福のひとときを、私は邪魔するでも積極的に共有するでもなく・・・

3

マッチョ・ビーンの綻び緩び

16/10/19 コメント:4件 野々小花

 仕事から帰宅すると、響子はすぐにテレビのスイッチを入れた。
 毎週見ているお笑い番組「今と昔をエヘヘと笑う」が、ちょうど始まる時間なのだ。
 オープニングから、番組は賑やかに進んでいく。
 カラフルなセットを背景に、ボケて、ツッコんで、笑いが起こる。演者は楽しそうだ。観覧席の笑い声も聞こえてくる。
 だけど、響子は笑わない。笑うために見ていないし、そもそも、お笑いのことは・・・

2

江戸蕎麦屋漫談

16/10/15 コメント:3件 日向 葵

 時は江戸、とある藩の城下町に大層弁の立つ旅の芸人がいた。名を小助と言う。小助は町から町へと己の口一つで渡り歩き、行く先々で笑いの花を咲かせていた。そんな彼であったが、いささか金にがめつい節があり、モノを買う際には、その流暢な口でもって値切る事は日常茶飯事。時には人から金品を騙し取ることもあった。
 いつものように町でひと仕事終えた小助は、客の一人に尋ねた。
「この辺りで美味い蕎麦屋・・・

5

あいことば

16/10/14 コメント:4件 糸白澪子

ここ、大阪といえば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。多分、1位タイで「お笑い」と「たこ焼き」が挙がるだろう。
正直言うけどな、「お笑い」が挙がんのは日本におけるお笑い芸人の二大事務所がある所為やで。地元民はそんなに日常からお笑いしてないから。あと、あたし、たこ焼きよりイカ焼きの方が好きやし。あ、イカの姿焼きちゃうで。それとは別個であんのよ。まあ、ググってみて。
さて、ちょっと話が逸れ・・・

8

誰よりも笑われた男

16/10/14 コメント:10件 あずみの白馬

「人口80万人の街に地下鉄!? そんなの作って赤字になったらどうするんです? 熊でも乗せる気ですか?」

 1965年のある日、運輸省と札幌市交通局との間で、札幌市に地下鉄を通す計画を話し合う会議がもたれていた。
 その席で、運輸省の役人が意地悪な質問を札幌市交通局にぶつけてきたのだ。
 室内には嫌味な笑い声が響いてくる。だが交通局長、大刀豊は臆する事なくこう切り返した。<・・・

3

一人の客

16/10/06 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

『たまさか演芸場』の舞台にたったお笑い芸人丸本四角は、ステージ上から客席にむかって今夜も、得意の話芸をはじめた。20分のもち時間を機関銃のようにとめどもなく喋り続けるのが彼の真骨頂だった。そのなかにお笑いネタがこれでもかというぐらいはさみこまれていて、そこには考えぬいた笑いのエッセンスがもりこまれていた。
ステージの客席は、およそ30席、お笑いを心から愛す寄せ芸人たちがここで自慢のネタ芸を披・・・

投稿済みの記事一覧

3

ラフ&ピース〜大阪すっぴん姉妹〜

16/10/24 コメント:5件 冬垣ひなた

「あんた、しょうもない。なんでそんなこと言うんや?」
「最近暑いやろ?うちわがめっちゃ好きやねん」
「その心は?」
「うちは一番、センスない!」
 リビングの椅子に立ち、ふたりぼっちで肩を並べた小さなあたしたちは、お笑い界のてっぺんにいると本気で信じてたんや。
 神様が、意地悪だったとは思わない。
 ピン芸人になった妹の彩は、大阪のTVに出るとちょっとしたお茶の・・・

4

女道化師クローネ

16/10/24 コメント:8件 泡沫恋歌

 マルシア国の王女フローラは、九歳のお誕生日に父王から珍しい贈り物を貰った。それは宝石ではなく、ドレスやペットでもない、小さな女の子の道化師だった。
 その少女は顔に滑稽な化粧を施し、道化の衣装を着て、どこから見て一人前の道化師だ。名前はクローネという、この子の父親も道化師だったが、戦火に巻き込まれて命を落とし、少女は孤児になった。
 そして、フローラ姫も母親を病気で亡くしてから、毎日・・・

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笑い

16/10/24 コメント:0件 タック

中学校以来の同窓会では変わった顔も多かったが、彼の素性は面影のあったために想起するのは容易なことだった。
およそ二十年ぶりの再会にも表面に彼の陽気さの失われていないことに僕は学生時代を回顧し、周囲と歓談しつつ、彼の様子を右斜め前に眺めていた。
経年による離別に、同窓会の面子は三割ほど欠けていた。
そのために座敷には彼の大音声が響き、特に交友のなかった僕の注意を自然に引きつけていた・・・

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見込まれた男

16/10/24 コメント:0件 むねすけ

 昭和の伝説的人気漫才コンビ、秋風茄子太・芋太の秋風茄子太には現在、一人の新入りの弟子がいる。御年七十八にして、二十歳の弟子をとったと話題になった。弟子につけた芸名は彼のそれまでの弟子たちの名前とは趣を異にする。
「秋風ありた?なんでまた」と、その名を聞いたものは誰もが尋ねる。
「なんでもね、彼の手の肌触りがね、まるで有田焼のそれだなってんで、秋風ありただそうで」と、説明を受けた芸能通・・・

1

福、来たれ

16/10/24 コメント:0件 にぽっくめいきんぐ

 わらい袋。

 それは、笑いを溜めておくための袋。

 大坂には吉本の劇場があって、木戸銭(入場券)は今やプラチナチケットと化していた。
 ダフ屋に転売ヤーも蔓延しており、その入手は非常に困難と言われている。

 学生時代の友達や職場の先輩後輩を巻き込んで、ファンクラブに入ってもらって(会費は僕持ち)、熾烈なチケット争奪戦を僕は運良く勝ち抜いた。
・・・

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お笑い同好会入部の顛末

16/10/24 コメント:0件 むねすけ

 美和子が桃丘女子高等学校普通科に入学して二週間。入学祝に伯父さんからもらったデパート商品券二万円も使いきった頃。先日体育館での部活動発表会も終わり、登校時のかしましい勧誘合戦もそろそろ落ち着いてきていた。
「さあってそろそろかしらね」
 美和子はスカートに一本の安全ピンを付けている。裾の長さを調節するためではない、自分にとっての大事な瞬間に痛みを混ぜて記憶するためである。今日、入部が・・・

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僕のお客さん

16/10/24 コメント:0件 東屋千歳

 高校を卒業してお笑いの世界へ飛び込んだ僕。
 少し人とは笑いのツボが違ったけれど、新しい風を巻き起こすべく猪突猛進した。

 あれから二十年。
 鳴かず飛ばずではあるが、アルバイトをしながら細々と芸人の仕事を続けていた。
 三十八歳になった僕は、付き合って七年になる彼女が妊娠したのをきっかけに結婚。一児の父となっていた。
 さすがにこの歳になるとこのままお笑い・・・

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黒い冗談

16/10/23 コメント:0件 OSM

 深夜零時、無料動画共有サイトで動画を視聴していると、スマホに着信があった。非通知だ。こんな時間に誰からだろうと訝しく思ったが、とにもかくにも電話に出ると、
「宮内庁の者ですが」
 と成人男性の声。宮内庁に知り合いはいないので、はあ、と答えると、
「陛下がお待ちです。至急、皇居まで来てください」
 とのお達し。猫ちゃん面白動画を視聴している最中だったが、陛下のご命令に逆らう・・・

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お笑いと汚穢

16/10/23 コメント:0件 OSM

 先生。
 K子先生。
 中学卒業後の進路、漸く定まりました。
 僕、お笑い芸人になります。
 先生。
 僕がお笑いの才能があると自覚したのは、一週間前の昼休み時間、クラスメイトのS原とH山とT崎に女子トイレに呼び出され、丸裸にされ、嫌というほど殴る蹴るされた後のことでした。
 S原はおもむろに床にしゃがんだかと思うと、パンツを足首まで下ろし、放尿を開始しました・・・

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ワライタケ

16/10/23 コメント:0件 かつ丼

きょうは俺の教えている学習塾の全国統一テストがあったんだが、とんでもないミスをやってしまって、塾長からコテンパンに叱責を受けて落ち込んでしまった。俺は意外と叩かれ強いんだが、今日のは完全に自分の不注意なんで自己嫌悪に陥ったとでもいうのかな。テストは一教科六十分なんだが、五十分で止めの指示を出してしまったんだ。生徒からは抗議もなかったけど、他の教室がまだテストをやっていたのでミスが分かった。俺は塾に・・・

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本質

16/10/23 コメント:0件 タック

――自分の笑い声はどこから出ているのか、と徹平は考える瞬間が増えていた。
演者、スタッフ、観客。番組の収録はつつがなく進行し、誰も損をしない笑いが今日もスタジオを温かく包みこんでいた。つまらないわけではない。無意味でもなかった。――それでも、と徹平は顔の筋肉を笑みに固定しつつ、半ば自動的にその時も考えていた。芸暦十八年目にして、湧き出でるように表出した、それは思いだった。

■<・・・

1

わらうひと

16/10/22 コメント:2件 待井小雨

 妻の病室で寝入ってしまった。その眠りの中で夢を見る。

 夢には奇妙な面を被った人物が佇んでいた。ひょっとことおかめを組み合わせたような、滑稽な面だ。
「君は何か、芸人のようなものなのか」
 つい、声をかけてしまった。面の人物は軽妙な声音で「そうですとも」と答えた。
「私は言うなれば、お笑い芸人のようなものですよ。あなたを笑わせるためにやってきました」
 妙な・・・

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ひょうすべ

16/10/22 コメント:0件 みんなのきのこむし


 深夜、帰宅途中の青年が細い路地を曲がると、そのすぐ前を小柄な男が背中を丸めて、ひょこひょこと歩いていた。
 青年は多少の怪しさと煩わしさを感じながら、男に触れないぎりぎりの間隔で追い抜いて、先に行こうとする。
 男はその直前で振り返り、顔を露わにして青年を見上げた。
 小柄な男はつるっぱげで額に横皺の二、三本寄った平目顔、幅広く薄い眉をして細い目と大きな口が笑っているよ・・・

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お後がよろしいようで

16/10/21 コメント:0件 若早称平

 三日遅れのクリスマスパーティーだった。と言っても彼の家でいつもよりも少し豪華な食事をし、ケーキを食べるというだけのものだが。
 私はテーブルの上を軽く片付け、コーヒーを入れようとキッチンに立った。ソファーに座りテレビを観る彼の後ろ姿をぼんやりと眺めながらその小さな幸せを噛み締めていた。
 テレビでは年末恒例のお笑い番組をやっていた。時々彼の笑い声が聞こえる。コーヒー豆をミルしながらテ・・・

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明けない夜

16/10/21 コメント:0件 かめかめ

「能天気に騒ぎやがって」
 くわえていたタバコをコンクリートの床に投げ捨て靴で踏みしだきながら、ケニーは気だるげにテレビを眺める。テレビの中では数人のお笑い芸人が笑えないコントを繰り広げていた。未来人が現代にやってきて色んなものを古美術だと言って珍重する。例えば、トイレの便器やウイスキーの瓶などだ。一昔前の陳腐なお笑いだ。未来人など銀色のぴったりした服を着た外見で、数十年前のSF映画のようだ・・・

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星に願いを

16/10/20 コメント:0件 RN

「純君なに見てるの?」
洋子がそう言いながらベランダに出て来たので、僕は急いで煙草の火を消した。
「ほら、空を見てごらん。ニュースでやってただろう?」
「ん?なになに」
彼女は僕の横にきて空を見上げる。雲一つない快晴の夜空。僕らの住んでいる町は都心からかなり離れた片田舎であるため、星が綺麗に見える。
「東の方の星空。よーく見てて。」
僕がそう言うと、彼女は真剣な・・・

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メロン顔(大喜利)

16/10/20 コメント:0件 トム

 大学のゼミが終わると、僕の家で鍋をすることになった。
近くのスーパーで鍋の食材と、デザート用にいくつか果物を購入し、狭く散らかった一人暮らしの自宅に向かったのだった。
 楽しく鍋を囲みながら男女4人どうでもいい話で盛り上がっていたのだが、食後の果物を食べ終えたころ、「自分を果物に例えるとなんだろう」というさらにどうでもいい話になっていた。
「俺は間違いなくパイナップルだな」

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笑いの種類

16/10/19 コメント:0件 RN

ツーっと涙が頬を伝い流れ落ちる。
涙の雫は僕の足もとにポタポタ落ちていき、ほんの小さな水たまりを作っていた。

眠らない街新宿。
その街で僕は一人ぽつんと立って泣いている。人々の喧騒と明るい街の光が僕の孤独感を一層つよくしている気がした。

「あのおっさんこんなところで泣いてるよ。」
「うわー。キモ。」

周りから見たら僕は明らかに浮いているし・・・

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serious

16/10/19 コメント:0件 新木しおり

「前髪が禿げてきた」
 テーブルの向かいに座る相方が深刻そうな顔つきで言う。話があるからと家に来てみれば、なんだ、そんな話か。相方の言葉に、俺は笑った。
「笑い事じゃないよ……」
 相方は頭を抱えて溜め息を吐く。額を見ると、なるほど確かに前髪の生え際が後退しているようにも思える。
「おまえのツッコミが強すぎるんだ。もうちょっと加減してくれ」
 それは懇願するような声だ・・・

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どこかの行列

16/10/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎

私は行列に並んでいる。その行列が一体何の行列で、どこまで続いているのかを私は知らない。「行列があったら並びたくなる」というのが群衆心理らしく、私もご多分に漏れず行列に加わった。行列があり、気になったから並ぶ。行列に加わる利用などはその程度で良いのだ。

だが、やはり行列の正体を知らないのも気持ち悪く、私は前に並んでいる人物に聞いてみた。

「すいません、これは何の行列ですか・・・

2

頑固者

16/10/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎

「もう食べなくていいよ。お代はいらないから帰ってくれ」

ラーメン屋の店主は、まだラーメンを食べている女性客に冷たく言い放った。女性客は何故といった表情で店主を見返す。

「あのね、香水臭いんだよ。それじゃあ俺が作ったラーメンの薫りが楽しめないだろ? 他のお客さんにも迷惑だから、お代はいらないから悪いんだけど帰ってよ。もう二度と来なくていいから」

他の席の客達・・・

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【ボロローン山田】

16/10/18 コメント:0件 吉岡 幸一

 村民センターの小ホールで開催される「お笑い秋祭り」のトリを飾るのがボロローン山田であった。
 村の出身者で東京のテレビにも出たことのある唯一の有名人が山田だった。テレビといっても深夜のバラエティ番組に三十秒ほど出たにすぎない。
 番組が終わった後、プロデューサーからは「最高だった」と、もみ手をされながらすり寄られたが、山田は馬鹿にされたようにしか思えなかった。それ以降いくらテレビ局か・・・

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優しい装置

16/10/18 コメント:0件 蹴沢缶九郎

あるバイクメーカーから最新のバイクが発売された。そのバイクは危険を察知すると、瞬時に車体の半径一メートルをバリアが囲み、乗り手とバイクを守る、バリア発生装置を搭載していた。

そんな最新のバイクに乗ってツーリングを楽しんでいる一人の男がいる。
男は高速道路をスピードを出して走っていた。男は自身の運転技術を過信しており、何よりもバイクを過信していた。

「俺のバイクは万・・・

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芝浜式治療法

16/10/17 コメント:0件 比些志

クマオは、人もいいし仕事もできるが、底なしの酒好きだ。ゆうべも浴びるほど酒を飲んだ。だれとどこで飲んだのかも覚えていないほど酔っ払い、おかげで今朝は二日酔いで目覚し時計が十回以上鳴っても起きようとしない。妻は業を煮やして、クマオの掛け布団をはがしとった。
「うるせえなあ、オレはねむいんだ………」
さらにさんざん言い訳してズル休みをしようとするクマオを、妻はなだめすかして東京の芝浦に・・・

2

笑顔ポイント

16/10/16 コメント:0件 空蝉

きっかけは日付が変わる頃に届いた、一通のメールだった。
差し出し人の欄は文字化けしていたが、内容はかろうじて読めるものとなっていた。

『お笑いが好きな、そこのあなた!
笑顔ポイントを溜めて、自分の価値を上げませんか?』

テレビでよく漫才やコントを見ているし、クラスではひょうきんなキャラで通っている俺は、寝るところだったのも忘れて、そのメールに見入った。

0

おもしろい私

16/10/15 コメント:0件 つつい つつ

 日曜日のお昼、私は自分の中ではオシャレめな服でお笑いライブが行われている劇場に入った。だいたい月に一回のペースで来ている。なにもない私の唯一の趣味だ。今日もたくさんの芸人さん達が漫才やコントで私を笑わしてくれる。私はいっぱい笑いながら感心する。なんでこんなにうまくしゃべれるのだろう。なんでこんなに会話だけで人を笑わせることが出来るんだろう。私もこんな風におしゃべりできるセンスがあったら、どんなに・・・

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人生で一番面白かったことって大体ちょっとくだらない

16/10/15 コメント:0件 杏花


少女A

「一番面白かったこと……?そうですねえ」

約2分の間のあと、一瞬目を見開き口元が緩み始める。

「私この前友人としゃぶしゃぶ行って、馬鹿みたいに食べたんですよ。そんでまあ、かき氷とか綿あめとか、甘いものも置いてあるようなお店だったんで、口直しにそっち食べながら駄弁ってたんですよ」

ここで、一瞬思い出し笑いが入る。

・・・

0

笑いに生きる道

16/10/15 コメント:0件 雀次郎

「将来の夢はお笑い芸人です」
そんなのが許されるのは小学生までだった
「僕の話で日本中の人を、世界中の人々を笑わせて幸せにしたいです」
それを戯言と嘲笑われるのは小学生からだった


物心ついた頃から運動音痴で根暗、とにかくどこでも馴染めなかった
何もできない自分が嫌で嫌で仕方なくて、小学生の頃には既に教室の隅に居ることすら居た堪れなくなっていた
下・・・

0

笑っていますか?

16/10/13 コメント:0件 本宮晃樹

 終始ぎすぎすしている職場から命からがら脱出し、ふらつきながら薄汚いくそったれビルをあとにした。ストレスが臨界に達している。営業なのにもかかわらず誰も電話に出ない、以前より明らかに仕事量は増えているのに業績は下降線を辿る、ライバル会社どもはこぞって料金を下げ続けて業界全体を自滅へと導く。いったいなにに救いを求めればよいのか?
 こういうときはもちろん、ムードオルガンの出番だ(当たり前だがこれ・・・

1

インコは笑いが止まらない

16/10/12 コメント:0件 たっくん

 激務明けの反動からか暇を持て余す休日の昼下がり。喋るインコを譲り受けたという後輩の家へお邪魔することになった。
 喋るインコなんてテレビやネットの動画でも見かけるし、別に物珍しくもなんともないのだが、一体後輩が何を覚えさせているのかが気になるのだ。きっとろくでもない事を吹き込んでいるに違いない。

 後輩の家は小奇麗なワンルームのアパートだ。家具付きのマンスリー物件らしく、一人・・・

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超魔術

16/10/10 コメント:0件 長月五郎

 えー、お笑いを一席申し上げます。 
 一昔前ですと、手品と申しまして、持っていたステッキが一瞬で花束に変わる、何も入っていない帽子からウサギが出てくる、まあそれだけで観客はオオッとどよめいたものでございますが、最近のマジックは空中を歩いて見せたり、手がガラスを突き抜けてしまったり、あるいは未来予測をして、それがピタリと当たってしまったりと、このマジシャンは本当に超能力者とか宇宙人じゃないの・・・

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サクラは笑い、芸人は泣く

16/10/10 コメント:0件 るうね

「もしもし、え、ゆうかい? 俺は、ゆう、なんて名前じゃありませんけど」
 わっはっはっはっは!!!
 俺のネタに、おやっさんは大声で笑う。
 その笑い声に、俺は悲しくなる。
 まただ。
 また、サクラの笑いだ。
 俺ではおやっさんを本当には笑わせられない――。


 俺とおやっさんが出会ったのは、二十年以上も前。
 まだ、俺が芸人として無・・・

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コンビ解消

16/10/09 コメント:0件 Fujiki

 進学のため島を出て一人暮らしをはじめた時、内心ほっとしたのを憶えている。認めたくはなかったけれど、一番の理由は毎日兄の顔を見なくてすむことだった。
 兄が嫌いなわけではない。ずっと兄の収入に頼って生活してきたし、高校三年生になってからの一年間はアルバイトを辞めて受験勉強に専念するのを許してくれたわけだから、むしろ感謝しているくらいだ。ただ、僕と兄には似ている部分がほとんどなかった。十歳年が・・・

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涙の止め方を忘れた女-お笑い-

16/10/06 コメント:0件 蒼樹里緒

 あるところに、涙の止め方を忘れた女がいた。女は、嬉しいときも悲しいときも悔しいときも、ひたすらに泣き続けていた。
 ある日、女は広い公園の前を通りかかった。屋外に設けられた舞台やその周りから、歓声や拍手、笑い声が大きな波となって打ち寄せてくる。観客らしい集団の後ろに、女もまざった。舞台上では、若者たちが入れ代わり立ち代わり、漫才やコントを繰り広げているようだ。
 近くの観客に、女は尋・・・

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結婚しよう

16/10/05 コメント:0件 かわ珠

「ねえ、結婚しよう……」
 と、言われたら、普通の女性はどう思うのだろう。
 まあ、嬉しい。とか、なんだよこいつ、気持ち悪い。とか、その言葉は嬉しいけれども、今はちょっと……等々。多分、色々な反応があるだろう。
 私の場合、この言葉に対する反応は「またか」だ。
 なぜなら、彼のこの言葉には続きがあるからだ。
「……ってさ、めちゃくちゃ面白いよな」
 が、彼の場合・・・

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最期のツッコミ

16/10/05 コメント:0件 ポテトチップス

 佐川が病室に入ると、堀内がベッドの上で目を閉じていたが、物音に気づいて目を開いた。
「調子はどう?」佐川が聞いた。
 ゲッソリとやせ細り目の下に濃いクマができている堀内が、生気を失った顔に無理やり笑顔をつくり、
「調子はいいよ」と言った。
 会うたびに病状が悪くなっていく堀内をみるたびに、佐川は悲しい気持ちになる。コンビ結成20年のベテランお笑いコンビだったが、受賞歴はと・・・

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オチのない日常

16/10/05 コメント:0件 j d sh n g y

「四コマ漫画」

1「四コマかあ」充は原稿を前にため息をついた。
2「ネタネタネタ…」アイデアを掘る。
3「オチオチオチ…」散らかり放題の部屋で。
4「お笑いを仕事にする人は偉大だな」つぶやく充の部屋は沈黙に満ちていた。

「チャリ」

1 夏美は自転車で高校へ通学している。
2 坂道をハァハァ立ちこぎで上がった。
3下り坂は鼻歌ま・・・

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【笑わせ人】

16/10/05 コメント:0件 吉岡 幸一

 夜の幕が降りてくる
 重い空の下に濡れた枯れ葉の友と共に
 傷ついていても自由な猫の群れが
 割れた椅子のうえに座って欠伸する
 舞台に泳ぐ笑わせ人は
 増えていく星を数えながら涙ふき
 幸せな笑いとはほど遠い笑いを想う
 汗をかき、髪を振り乱し、手をたたく
 あなたは笑ってくれましたか
 猫の観客に語りかけ、風のささやきを聴く
 コン・・・

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GUILTY

16/10/05 コメント:0件 白取よしひと


辿り彷徨い。どこをどう巡ったか憶えていない。舞台の袖を暗く覆う幕。僕はその陰で出番を待っていた。先行の男は客受けが良いのか次第に笑いを獲り勢いに乗っている。
「良いですか。出番が来る直前にお題を差し上げます。あなたはお客さんにそれをアピールして下さい」

傍らに寄り添う案内人と呼ばれる老紳士は淡々と語る。また歓声が沸き起こった。随分受けている。僕は鼓動が高鳴り脇の下が汗・・・

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私の気持ちを理解して

16/10/04 コメント:0件 宮瀬晶汰

「あなた、何を考えてるの?」
 人の姿がまばらになってきた夜十時の公園で、俺はそんな事を言われていた。
「私が何に怒ってるか、分かってる?」
「ああ、もちろんだとも。この前のデートをすっぽかしたことだろ?あれならもう何度も……」
「違うわよ!」
 彼女は、いきなり金切り声を上げる。
「そんな昔のことで怒ってるって、本気で思ってるの?」
 今怒ってるのも過去・・・

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神代の爆弾

16/10/02 コメント:0件 浅月庵

 ◇
 養成所時代からずっと一緒だった室井がこの世界を諦めて地元に戻るというので、僕たちのコンビは解散した。約五年間の命だった。

 ーー数日前から僕はピン芸人。
 喫茶店で一人ネタについて悩んでいると、目の前の椅子へ勝手に腰を下ろす男が現れた。
「うわ、びっくりした!」
「うわ、びっくりした!じゃねーよ。リアクション寒すぎ」
 男は苦笑いを浮かべる。こい・・・

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天賦の才を持つ男

16/10/01 コメント:0件 アシタバ

 その日、いつものように通学のためバス停に並んでいた。
 そしたら赤ちゃんを抱きかかえたお母さんが隣にやってきて、赤ちゃんが「びゃー」と泣き始めてしまった。お母さんが一生懸命あやすのだけれど泣き声がおさまる様子は微塵もない。隣でやり過ごそうとしていたら赤ちゃんの泣き顔が目に入った。
 すると、僕の心のなかで何かのスイッチがカチリと入る音がした。
 おもむろに両手で顔を覆う。そして・・・

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もっと笑え

16/10/01 コメント:0件 みや

「新しい転校生を紹介します」

担任の教師と一緒に教室に入って来た新しい転校生を見て、ある小学校の三年四組の生徒達は皆ギョッとした。その姿はガリガリで、まるでガイコツの様だったからだ。ひそひそ、くすくす、教室に静かな笑いが込み上げる。名前は、と担任の教師が言いかけると、三年四組のリーダー格の男子生徒がガイコツみたいにガリガリだから名前はガイコツで良いじゃん、と言い放ち教室中に大きな笑い・・・

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神は夢と欲を天秤にかけ笑う

16/09/30 コメント:0件 空蝉

新聞紙で塞いだ、建てつけの悪い窓の隙間。
ギイギイと音を立てて軋む床に、ヒビと傷だらけの壁。
そんな絵に描いたようなボロいアパートの一室で、僕はノートとにらめっこをしていた。

「ネタ、何か浮かんだかー?」

カップラーメンの汁を飲み干しながら、相方の中島が気の抜けた声を投げかける。
僕が静かに首を横に振ると、中嶋は深いため息を吐いた。
僕と中島は、・・・

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お通夜の席で

16/09/28 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

お通夜の席でのことだった。ながいあいだ病でふせっていた友人が、この秋の終わりに家族たちにみまもられながら息をひきとった。
その彼が横たわる棺を前に、みんなは厳粛な面持で向いあっていた。ひとり、故人の姪がつれている物心もつかない子供が、あたりをはばからない声をはりあげて笑っているのがかえって人々の悲しみを誘った。母親が叱りつけると、子供は、そんな母親が面白いとみえ、ふたたびげらげらと笑い出すの・・・

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ゲラ役の男は今日も笑う

16/09/28 コメント:0件 しーた

 彼の仕事は笑うことだった。お笑いのラジオで、テレビで、彼は笑った。出演者たちの話がつまらなくても、番組の内容が陳腐でも、それを少しでも面白く見せるために、彼は笑った。人前に姿を出すことも目立つこももなく、常に裏方に徹しながら、必要に応じてゲラゲラと笑った。心の底から楽しそうに、面白そうに、幸せそうに、悩みなんてないかのように、ただただ笑った。
 ある時、付き合っていた婚約者が昏睡状態に陥っ・・・

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showmans & swordsmans ――井上源三郎

16/09/27 コメント:5件 クナリ

 井上源三郎は、新撰組の六番隊組長である。
 局長の近藤、副局長の土方、一番隊組長の沖田らとは天然理心流の一派として、多摩から京都まで苦楽を共にしてきた仲だった。
 彼らよりも大分年上で、好々爺然とした性格から組の中でも親しまれており、剣の腕は一流とは行かなかったようなのだが、人望はとにかく厚かった。

 ある年、夏の手前の時分である。
 井上は六番隊の数名と共に京の・・・

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甘夏とはっさくとドリアンの違い

16/09/27 コメント:0件 るうね

「はいどうもどうも」

「こんにちはー、甘夏です」

「みかんです」

「二人合わせて」

『甘夏みかんです』

「さあ、始まってしまいましたけれども」

「そうですね」

「最近、困ったことがあるんですよ」

「ほうほう、なんですか」

「この漫才でなにをしゃべろうかな、ってね」
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笑えない店

16/09/27 コメント:0件 海見みみみ

「決まった時間笑わなかったら、何でも願いの叶うお店って知ってる?」
 高校の昼休み。女友達の翼がそんな事を言い出した。
「胡散臭い話だな。時間以内に笑ったらどうなるんだ?」
「魂を抜かれるんだとか。あくまでウワサだけどね」
 そう語る翼の目は、どこか期待に満ちている。
「もしかしてその店に行ってみたいのか?」
「さすがリョウちん、話がわかる!」
 翼はノリ・・・

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クラウンの涙

16/09/26 コメント:0件 かわ珠

 クラウンとピエロは違う。ピエロなんて、ジャグリングに失敗して、大玉の上から転げて、観客から笑われる。そう、ピエロは観客を笑わせるのではなく、観客に笑われるのだ。
 対して、僕は誇り高きクラウンだ。白のメイクに赤い鼻。目の周りにも派手な色があしらわれている。多少おどけたりもするけれども、ジャグリングを完璧にこなし、大玉を乗りこなし、観客から拍手喝采を浴びる。この歓声を聞けば、僕の言うことを信・・・

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LOL

16/09/26 コメント:0件 水面 光

「母さんがカレーを残らず食べた」滅多に笑わない私が笑ったのはあの言葉を──いや、正確に言うと言葉ではなく、感覚と言ったほうがいい──この皺なし矮小脳で実際に感じたとき以外を挙げるのが非常に困難だった話をしよう。別に私は笑いたくないから笑わないんじゃない。笑えることがこの世界に何一つないからだ。腹を抱えて大笑いしたことが生まれてこのかた一回もない。笑ったら笑ったでそれをよく思わないやつらがたいてい居・・・

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雲とおひさま

16/09/26 コメント:2件 こぐまじゅんこ

わたがしみたいな雲が

らららん

うたいながら 空をおおう

かぜが ピューっと ふいたとたん

どこからか

にこにこえがおの おひさまが

はーい わたしの出番よ と

ふわふわ

くもさん さようなら! キラキラまぶしくわらってる

きぼうに満ちたおひさまにゃ

たまらん・・・

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爆笑のち、涙

16/09/26 コメント:0件 海見みみみ

 高校の文化祭でやった俺達の漫才は、まさに最高の出来だった。
「こう言ってやったんですよ。『それ、一杯ください』って」
「結局食べるんかい!」
 俺が相方の六彦にツッコミを入れる。

 ドッカン!

 そんな表現なぴったりなぐらい、俺達の漫才は観客にウケていた。

 舞台裏で俺は六彦とハイタッチをした。
「最高の舞台だったな」
「あ・・・

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ここは僕の死に場所じゃない

16/09/26 コメント:0件 ポテトチップス

 マコチ師匠が楽屋でタバコをふかしている横で、テリ&チキの2人は漫才をしているが、マコチ師匠は機嫌でも悪いのか、人差し指でテーブルをコツコツと叩いていた。
「おい、こら! 黙れ! 耳障りなんだよ」
 テリ&チキの2人は押し黙って、師匠に頭をさげた。
「師匠! いまの僕らの漫才、何がいけなかったのでしょうか?」
「何がいけないじゃなくて、うるさいんだよ」
「師匠! お言・・・

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ハナミズキの季節

16/09/26 コメント:4件 葵 ひとみ

 ここは宮本武蔵誕生の地

岡山県美作市――

私は聴覚カウンセラー霧崎真弥(きりさきまや)、

もともとは私が勤めていた会社からの不当解雇が原因で

鬱病に罹患(りかん)してしまったのだが、

クリニックで処方して頂いた、抗うつ剤のルボックスと

頓服薬の軽い安定剤レキソタンと睡眠薬のサイレースを服用しながら、

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新興宗教お笑い教――黙示録の使徒たち――

16/09/26 コメント:4件 葵 ひとみ

 小生、マタタビニャンキチはこの冬に黒い噂の絶えない

上九錦蛇村(かみくにしきへびむら)にある、

謎の新興宗教団体お笑い教の総本部へフィールドワークへいってきた。

秋に、たまたま、宗教系のコミュニティーサイトで知り合った

東京都在住のハンドルネーム香成(かせい)君という大学生の青年が、

このお笑い教の入門編アストラル・ミュージッ・・・

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飛行機にのりたがらない母

16/09/26 コメント:0件 葵 ひとみ

 私は、倉敷市に在住しながら、東京のMen`s雑誌の女性編集長もこなしている

金澤愛弓(かなざわあゆみ)、28歳、普段は地元の総合病院で診療放射線技師をしながら、

編集長もこなしている。


私の専業主婦の母、由美子は6月21日の太陽の日――夏至の日に生まれた――

それゆえか?

母にはゆきたい場所が地球で二つある、
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最高の漫才

16/09/26 コメント:0件 海見みみみ

「どうもー! 秀一&秀一です! それってただのピン芸人やん!」
 俺が病室で漫才を始めると、妹の悠子は目を輝かせながら拍手をした。
「この前、友達とケンカの話になったんですよ」
 悠子が食い入るように集中して漫才を見る。少しでも多く笑わせたくて、俺は自慢のネタを披露した。
「そしたら友達『あの幼稚園児とはいい勝負できるかも』って。そこは普通に勝てよ!」
 狙ったタイミ・・・

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