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第107回 時空モノガタリ文学賞 【 色彩 】

今回のテーマは【色彩】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2016/06/06

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。ナット

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2016/04/11〜2016/05/09
投稿数 67 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

7

秘しても色あふるる世界

16/05/09 コメント:6件 宮下 倖

 
 「お似合いですよ」と絶妙な曲線で口角を上げた店員に僕は苦笑した。袖を通したジャケットの襟元を直しながら妻を振り返る。目線だけで「どうだ?」と問うと、彼女は小首をかしげた。

「うーん、いいんじゃないかな」

 艶やかに彩られた妻の唇をちらりと見やり、僕はまた苦笑した。あまり有用な意見はもらえないようだ。生地もそこそこ、値段もそこそこ、ベーシックなデザインで色はグ・・・

6

識者≒愚者≒敗者の連立思考

16/04/17 コメント:9件 クナリ

 目が覚めると、俺はコンクリート製の立方体の部屋の中にいた。
 五メートル四方程度の部屋の中には家具はなく、鉄製のドアが一つある。
 ドアの脇には、十個ほどのボタンが横一列に並んでいた。全て異なった色で塗られている。ドアを開けるボタンだろうか。
 俺は、床を見て悲鳴を上げた。そこには、うつ伏せの人間がいたのだ。成人男性らしいが、無地のTシャツと短パンという格好で何者なのか分からな・・・

4

太陽の色は? 海の色は?

16/04/15 コメント:10件 犬飼根古太

 太陽は赤。
 海は青。
 浜は黄。
 ――幼稚園児の息子が「おっきな花丸をもらった!」と喜びながら見せてくれた画用紙に描かれていたのはそんな絵だった。
 十二色のクレヨンで幼稚園児の息子が、写実的な絵が描けるなどとは思っていない。
 妻からはよく親馬鹿だのとからかわれるが、その程度の常識は弁えている。
 それでも――
(仮にも、画家の息子としてこの色彩感・・・

最終選考作品

16

夜のモノガタリ

16/05/08 コメント:10件 石蕗亮

陽が沈む
緋を纏った金が西の向こうへ行くと
東の向こうから蒼い夜の帳が降りてくる
夜はいつも恐る恐るやってくる
何故なら夜はとても臆病だから
臆病すぎて自己主張をしない
だから誰も本当の夜を知らない
誰にも知られないのは可哀想だから
ボクは夜について語ろうと思う

日中
陽を遮ると影ができる
夜は地球の影だと思う?
ちが・・・

4

エリートスター

16/05/06 コメント:2件 希咲 海

 ぼくが目覚めた時、同じ青い帽子を被り、同じ顔をした彼らは口を閉ざしたまま無表情で一点を見つめていた。その中の一人であるぼくもきっと同じ顔をしているのだろう。ぼくも彼らを真似するように同じ方向を向く。しかし口を閉ざすことはできても、これから何が行われるのか? を想像すると不安の表情は隠せなかった。そしてぼくが眠る前のことを少し思い出し、そっと瞳を閉じる。

 『――俺は必ずS級に入って・・・

3

お弁当は赤、黄、緑、茶

16/05/05 コメント:4件 OSM

 専業主婦のHはまず、弁当箱の半分に白いご飯を詰めた。そして、残り半分に詰めるおかずはなににしようかと考え始めた。
 Hが弁当を作るにあたって最重要視するのは、彩りだ。見た目をカラフルにすれば、少々手抜きをしても見破られないし、同色のおかずばかりにならないよう心懸けることで、必然に栄養バランスもよくなる。カラフルと言っても、そう多くの色を用意する必要はない。赤、黄、緑、茶。最低でもこの四色を・・・

8

チノイロ

16/04/25 コメント:4件 デヴォン黒桃

 ――ギャアギャアと、アタシは只、ギャアギャアと泣いていた。


 白い灯りの方へ進む。母のお腹から飛び出した、ソコがアタシの生きる世界だった。父と母が創り上げた、壮大な愛の結晶のアタシ。母は、涙と汗に塗れながらにアタシを産んで呉れた。


 薄紫の、小さな身体を叩かれて、産声を上げた肺に空気が送られる。ソレはもう小さな、小さな手脚を、頭を、全身を、ジタバタと動・・・

6

自動販売機の上のカラス

16/04/24 コメント:6件 吉岡 幸一

 いつのころからか真っ赤な自動販売機の上にカラスがいるものだから、誰も飲み物を買えなくなっていた。
 大学の購買棟の横にある自動販売機には他所では買うことができない炭酸入り缶コーヒーが売っていたので、一部の学生からはまずいと言われながらもよく買われていた。
 普通のコーラや緑茶やオレンジジュースなども売られてはいたが、それらは購買棟の中でも買うことができるので、カラスの存在に困っていた・・・

5

はるくんとクレヨン

16/04/24 コメント:4件 こぐまじゅんこ

 はるくんは、二さいです。
 お絵かきが、だいすきです。
 がようしに、きいろのクレヨンで、ビューっと、せんをひきます。
 あかいクレヨンで、くるくるまるをかきます。
 あおいクレヨンを、しゅっしゅっしゅっと、うごかします。
 みどりのクレヨンは、トントントンと、たたきました。
「みて、みて。」
 はるくんは、おかあさんをよびます。
 はるくんの絵を・・・

5

失くし物

16/04/16 コメント:4件 ナカヤマ

色が見えなくなった。

正確に言えば、おそらく色の三原色、赤、青、黄、が見えなくなってしまったのだろう。まるでモノクロの動画を見せられているようだった。
それは突然だった。いつものように残業をこなし、帰り道の途中にあるスーパーで半額になった弁当を買った。玄関の扉を開け、靴を脱ぎながら返事の返ってこない暗いダイニングへただいまと呟いた。
おや、と思ったのは温めた弁当を食べなが・・・

投稿済みの記事一覧

1

私の塗り絵

16/05/09 コメント:0件 汐月夜空

 お気に入りのデパートの最上階に大きな本屋がある。私は取り立てて本を読むタイプの人間ではないのだが、それでもデパートに用事がある際には、何かしらこの本屋に寄ることを常としている。
 そんな私が今日、目に留めたもの、それが『大人の塗り絵』シリーズだ。幾何学模様から生物まで、精緻で美しい線画が描かれている表紙が気になって、思わず手に取りページを開いたが、モノクロの世界が白い紙の上に所狭しと並んで・・・

6

妻色嫌避

16/05/09 コメント:6件 泡沫恋歌

 僕たち夫婦は結婚して三年になる。妻は美人でスタイルも良い、きれい好きで毎日掃除を丁寧にするので家の中に塵ひとつ落ちていない、料理も得意でいつも美味しい料理を作ってくれる。
 まったく文句のつけようのない理想の妻なのだが、ただひとつ色彩の趣味だけが合わない。
 我が家は新築一戸建て住宅だが、家のインテリアはすべて妻の趣味で統一されている。
白を基調としたドアや家具などに、淡いパス・・・

0

三色の虹

16/05/09 コメント:0件 高橋螢参郎

 僕は昔から、嘘をつくのがたまらなく嫌だった。親にそう躾けられたという以上に、生まれつき性に合っていなかった。
 そうやってありもしない嘘をつく事に一体何の意味があるのか。
 よく嘘をつくクラスメイトに問い詰めて泣かせた事もあった。別に糾弾しているつもりはなく、ただただ純粋な興味として聞いたつもりだったのだけど、そうとは伝わる筈もなく。それで何故か僕が意地悪なやつだと怒られる破目になっ・・・

6

薔薇窓

16/05/09 コメント:7件 冬垣ひなた

「神は光あれといわれ、光ができたわ」
 聖書の創世記を口ずさむ涼やかな少女の声。
 祈りを捧げていたアンナは、薄暗い教会の入り口を振り返った。
 まず少女の姿より、採光の良い南の扉の上にある巨大な薔薇窓が目に入る。
 天空の青、若草の緑、熟れた苺の赤、向日葵の黄、ミルクの乳白色……。あらゆる色の硝子が職人の細かい手仕事によって、透き通る絵画に仕上げられ、まるで幾多の花びらが・・・

3

隣室声のする、季節は春。

16/05/09 コメント:0件 むねすけ

雨が降ると小学校帰りの少年少女が雨宿りと一休みに、廊下で魔法瓶の中の氷をカラコロさせている。

夕方になると時々、馬鹿盛りの中学生が自転車のまま廊下を通行していく。
「ばぁか、にけつだと、頭擦るんだって、このボロアパート」
と、
そこに住む住人への配慮など欠片もない。
そのような、人を切る刀が諸刃では、若い頃は血が足りないのだと、
わかっていてもムっとはす・・・

4

春らんまん

16/05/09 コメント:5件 冬垣ひなた

 夕陽がまだ落ちず、見慣れた風景を金色に染め上げている頃、幸一は家路についた。
 くたびれた自転車の前篭に、小さな買い物袋を乗せて。
 通い慣れた坂道を、2つの銀輪は錆びついた音を立てながら、幸一を乗せて上って行く。あと、もう何回だろう。定年間近の幸一は、数えようとしてやめた。


「ただいま」
「お帰り、おじいちゃん」
 自宅に帰ると居間の座卓に、近くに・・・

5

悲劇の色彩

16/05/09 コメント:3件 霜月秋介

 アヤコは迷っている。明日のデートに来ていく服をどうするか今、物凄く迷っている。
 もうすぐ時計は深夜零時をまわる。明日のデートに備えて睡眠をとらなければならない。そんなことはわかっている。しかし、着ていく服が決まらないうちは眠れない。
 それもそのはず。明日は憧れの坂本先輩との初デートだ。明日アヤコが着ていく服で、今後の運命が左右される。重要なのは第一印象。着ていく服で、彼氏からみた・・・

0

コノロクノモ星人

16/05/09 コメント:0件 林一

 太平洋のど真ん中に、一機の小型ロケットが墜落した。
 回収されたそのロケットの中に宇宙人はおらず、代わりに真っ黒な箱が一つ置かれていた。その箱を開けると、中にはノートパソコンのような機械が入っており、それを開いた瞬間、モニタ―から音とモノクロの映像が流れ出した。
 そこには、人間の少年のような顔をした宇宙人が顔面アップで映されており、約1分間、甲高い声で何かを話し続けていた。

8

What a beautiful world,but...

16/05/09 コメント:7件 光石七

 フウの目を治したい――。それは僕が願ったことで、何よりフウ自身が望んでいたことだった。手術は成功した、はずだった。目の包帯が取れた日、フウは初めての光の刺激に戸惑いつつも、もうじきこの世界のあらゆるものの色形をはっきり捉えることができるんだと、期待に胸を膨らませていた。だが、その三日後……。僕にはわからない。何故フウがあんなことになってしまったのか。

 僕がフウと初めて出会ったのは・・・

4

タイムストップ・ハウマッチ?

16/05/09 コメント:0件 むねすけ

色彩のすべてが抜け落ちた世界に、
迷いこんだと思ったら、
なんてことはない、
これに乗り遅れたらクビがすっ飛びかねない新幹線のぞみ号が、
まだ階段を数段残して扉が閉まったのだった。
あぁ、
フワフワする内腑をなんとか皮膚内に押しとどめて、
火事場にリミッター外して100メートール8秒台の全力疾走でやってきたのに。

あぁ、
色彩のない世界・・・

0

見えない色

16/05/08 コメント:0件 ココ


その日は一年に一度のお祭りだった。

道沿いに立ち並んだ様々な屋台。

至るところで奏でられている音楽。

心待ちにしていた人々は、皆が子どものように歌い、踊る。

私はその雰囲気を楽しみながら、ガイドブックを片手に歩いていた。

やがて少しの疲れを感じ、身近のベンチに座ってひと休みする。

遠目でぼんやりと、お祭りの・・・

1

君がいて、僕がいた時間

16/05/08 コメント:0件 柊木

 1年が終わる頃。冬の厳しい寒さも和らぎ暖かい風を運んでくる。この街に多く咲く桜はまだ蕾だけれどあと一ヵ月もすれば鮮やかな色を見せてくれるはず。

久しぶりに訪れた故郷。離れてもう何年になるのだろう。帰ってこようと思ったのはほんの思い付きで何かをしようとは考えてない。特に行く当てもなくただ歩いているだけだけれど、気づいたことがある。
いや、この街に着いた時から思っていてはいたけれ・・・

0

また会える日まで

16/05/08 コメント:0件 そがし

 気がついたらそこは雲の上だった。青い空と白い雲がどこまでも広がっている。  
 千尋は、小さな赤い何かが遥か遠くからこちらへ向かってきていることに気がついた。
 その正体はいたるところがぼろぼろのおんぼろ車だった。運転しているのは若い男一人だった。
「やあ、やっと見つけた」
 千尋は男に促されるまま車に乗り込んだ。
「千尋ちゃんだね?歳はいくつ?」
「十歳…こ・・・

1

東京オリンピック

16/05/08 コメント:0件 イルカ



 近所の田中さん宅の玄関前に人が集まっている。何だろうと思って、おばさんに話しを聞くと、新聞広告のクイズに応募したカラーテレビが当たり、電気屋さんが来て屋根にアンテナを設置しているそうだ。
田中さんは、十月に開催される東京オリンピックの開会式を見ようと近所の人に声をかけた。まさかカラーテレビで見られるなんて、想像もしていなかった。


開会式前日は大雨だった・・・

15

インビジブル・カラー

16/05/08 コメント:4件 石蕗亮

 「君は異常者じゃない。至って普通の健常者ですよ。」
長い長い地獄から私を救ってくれた言葉だった。

 死のうと思った。
17歳で人生を終わらせるのは早計だと大抵の人は言うだろう。
でも私はもうこれ以上耐えられなかった。
人から異端だと蔑まされることに。
親ですら私の言うことを信じてくれなかった。
嘘をついているわけではない。
本当のことを話さ・・・

0

好きな色を教えてください

16/05/07 コメント:0件 ねこち

 「好きな色を教えてください!」

 肩を震わせ、うつむきながら。勇気を振り絞ったって感じの彼女の質問に、俺は正直拍子抜けした。

 期待してたんだ。話があるから、放課後、屋上に来てほしいって、こっそり耳打ちされた時。
 『友達』よりは親密。だけど決して『恋人』じゃない。そんな、あいまいな関係がズルズル続いて、もう半年。
 ようやく二人の仲が進むんだって。手を繋・・・

2

IKKYU -The Tonchi Master-

16/05/06 コメント:2件 にぽっくめいきんぐ

「屏風絵の虎を退治してみせよ」
 上座の足利義満は金屏風を指し言い放った。
 下座の小坊主は一休宗純。幼少時の名を周建と言う。

 義満が京都室町に建立した花の御所。金屏風を挟み、義満と一休は対峙した。
 一休は座禅を組み、目を閉じ考えた。目を見開くと立ち上がり、義満に告げる。
「では、虎を出してください」
「なんじゃと?」
 義満は驚いて身を乗り出・・・

0

白黒の世界

16/05/06 コメント:0件 窓際

自由な世界。
子供の頃は、未来について考えることが楽しくて仕方がなかった。
何にも縛られず、自分の生きたいように生きられる、
もちろん不安もあったが、期待のほうがはるかに大きかった。

現実はそうはいかなかった。
年齢を重ねるとともに自分を縛る鎖は多くなっていった。
結局自分に残された道は普通に大学を出て、普通の会社に入ることだった。
道が決まってい・・・

1

あおい

16/05/05 コメント:0件 らんか


 昔見た顔だった。頬の一番高いところに散らばるそばかす。その上にオレンジのチーク。目元は何色にも染めず、好印象。なのに唇が薄いピンクのグロスでごてごてと鈍く光っていて、気分が悪かった。
 青いふかふかのシート、暖かい木製の四人掛けの席。窓の外、遠く足下に広がる知らない海。ねえ、どこまで行くの。そばかすの彼女はぱさぱさの茶色くてみつあみなお下げに手を伸ばして、首を傾げた。顔は見たことが・・・

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ビー玉、落ちた

16/05/03 コメント:0件 いのり

ツヨシは足とサンダルの隙間に入り込んでくる小さな石ころに舌打ちした。
辺りでは溢れるほどの人、人、人。今日は年に一度の夏祭りで、周りには夏休み中の子どもたちや家族連れ、はしゃぐ若者たちでいっぱいだった。
ツヨシは人波をかき分けてずんずん進む。焦る気持ちを抑えつつ、冷静を装った。でも目の先に現れたその人を見て胸が弾んだ。
すらりと短パンから伸ばした小麦色の足が印象的な、活発少女ユウ・・・

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イエローナイフのオーロラ

16/05/03 コメント:0件 seika

「・・・なんとかしなくちゃならないなぁ・・・。」
ドイツ文学者戸舞賛歌は文学談義仲間で南大沢大学文学部ドイツ文学科教授の中野肛作に打ち明けた。
「実は、ウチの娘が最近本など読まないような連中と付き合い始めては変な格好するようになったんだ・・・。」
「・・・それは早めに芽を摘んでおかないとなりませんな・・・。」
中野肛作は戸舞賛歌にそう進言した。
最近戸舞賛歌の娘の香織・・・

3

御堂筋線・赤色の謎

16/05/02 コメント:4件 あずみの白馬

「大阪の地下鉄御堂筋線の赤はね、血の色なのよ……」
 長野県中部にある、安曇野(あずみの)高校の放課後。新聞部の副部長、1年生の白井康永(しらい・やすなが)は、クラスメイトから聞いたと言う噂を、部長である2年生の西崎みはる(にしざき・―)にまことしやかに話した。

「で、その噂話がどうしたわけ?」
 みはるはあまり興味が無いと言った様子で聞き返す。

「だからさ・・・

0

ドイツ文学者は色彩の無い空がお好き

16/05/02 コメント:0件 seika

「自分さえ良ければいいって言うのが文学者っていう生き物だからね・・・。」
香織はいつものように憎しみを込めて香りの父親、戸舞賛歌を罵った。
「香織、もう辞めてよ、もう誰もあなたを縛る人は居ないじゃない、もうあなたの好きなように生きていっていいのよ。」
と香織の母親詩織は娘をたしなめた。
「あたしがあの文学者の先生とやらにめちゃくちゃにされた人生はどうなるのよ。」
「・・・・

2

ラップ男

16/05/01 コメント:0件 Fujiki

 五月のある晴れた午後、近所の公園の溜め池でスケッチをしていたらラップ男に出会った。ラップ男は常にラップを口ずさんでいるので一目ですぐに分かる。私は鉛筆を持った手を休め、通りすがりの人々に歌いかけるラップ男を観察した。色褪せた虹色のTシャツを着た彼は、ひょろ長い体格をしていて周りより頭一つ抜きん出て見える。日に焼けた顔は年齢が分かりにくいが、少なくとも三十は越えているだろう。
「……惰性で生・・・

7

群青

16/05/01 コメント:2件 依織

 目が覚めたときには僕の世界は、ひどく冷たく歪んでいたんだ。

 何度だって響いていた君を呼ぶ声が消えた頃には、一人取り残されてた。

 窓の外には群青の空。夜が明けるまで、ずっとそばにいた。

 サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…って何度も叫んだ。お別れの言葉を。
 答える声はもう、ない。

 もう会えないね。
 そんな言葉がいつまでだって・・・

0

Eye love color

16/05/01 コメント:0件 みや

恋愛の駆け引きに於いて重要な事は相手の気持ちを読み取る事であるが、それは相手の瞳を見れば一目瞭然である ー20世紀の有名な哲学者の名言ー

21世紀の現代に於いて恋愛に臆病な若者が多く、その原因は何かと考えるとそれはやはり”振られる事の恐怖”が往々にして考えられる事は明白な事象である。
誰しも勇気を出し・・・

2

ツユクサのワンピース

16/05/01 コメント:0件 安藤みつき

今日も私は、夫の病室にいる。
カーテンを閉めているせいか薄暗く、白で統一された病室が灰色に感じる。
まるで、草花が枯れた色のない冬のようだ。
「カーテン開けてもいい?」
「景色なんて見ても面白くないだろ」
ぶっきら棒な夫の言葉を無視してカーテンを開けた。
窓からはどんよりとした曇り空、道沿いに植えられた葉っぱの無い木、寒さで体を縮ませながらバスを待つ女性が見えた・・・

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センチメンタルカラー

16/04/30 コメント:0件 吉岡 幸一

この世は色彩に溢れていると言っていた君が
僕の前から姿を消してすべての色彩が涙の内側に流れて行った
淡い桃色の春の季節が終わり、濃い群青色の季節へと変わろうとしていた時
別れの言葉もなしに君はまるで初めから存在していなかったように消えていった
想い出は幻、幻は甘美な夢、悲しみの雨は白く空へ登っていく


今日も楽しかったね、とデートの帰りに手を振る君は花が・・・

0

まだ知らない特別な色

16/04/30 コメント:0件 恵本とわも

翔太は知っていた。
母が毎朝、眠気と格闘しているということを。
もちろん、母は格闘しているところを自分に知られたくないだろう、と思い、気づかないふりをしてきた。
だが、三年間こっそりと見物してきた母の格闘も、ようやく今日で終わる。

翔太は、いつものようにキッチン近くのドアの陰に隠れ、そこから様子をうかがっていた。
こんなに近くで毎朝見てきたというのに、母は一度・・・

0

津波のさかな

16/04/29 コメント:0件 黒みりん

 私は生まれた。海が荒れ狂い、多くの人々が嘆き悲しむ中で私は生まれた。どうして私は生まれたのだろう?どうして津波は多くの人の命を奪ったのだろう?私は考えた。自分のことについて、他の人たちのことについて考えた。私は知りたかったのだ。自分がなぜここにいるのか分からなかったから。
 あの光景は今でも目に焼き付いて離れない。
 赤い服を着た少年。青い服を着た母親。黄色い服を着た老人。あの日、私・・・

1

蜜柑の花咲く

16/04/29 コメント:1件 かめかめ

「こら!何をしとる!」
 泰三の怒鳴り声にびくっと身をすくめ、女の子は手に持っていた蜜柑の小枝を取り落とした。泰三が一歩近づくと、目を見開き泰三を見ていた隣家の女の子はぴゅうっと家に駆け戻った。
「ああ、なんてことをしてくれるんだ」
 泰三はコンクリートの上に落ちて散った小さな小さな白い蜜柑の花びらを一枚ずつ丁寧に拾う。玄関先の蜜柑の根元に花びらと小枝を埋めると力が抜けたようにし・・・

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フルーツ・ドロップ

16/04/26 コメント:0件 j d sh n g y

・水間艿㮈(にな)は、フルーツドロップを一つ口にほおばった。
・口の中に、パインの香りが広がる。
・カットされたパインの食感を思い出しながら、艿㮈はゆっくりと舌の上で溶けていくドロップを味わった。
・次に手のひらに転がったドロップはメロン味だった。
・ドロップを人差し指と親指ではさみ、レンズのようにのぞき込む。
・・・

1

七色の着物を着た女

16/04/24 コメント:0件 yoshiki

 長いなだらかな坂道があってその先に鉄の橋があります。かなり高い橋です。昔からその橋は別名自殺橋と言われています。下に川があるのではなく下は線路です。
 で、その橋を渡ったところに、なんとも派手な衣装を着た女の人が時々立っているのです。だからわたしはそこを通りたくないのですが、その橋を渡らないと家に帰れないのです。
 それにしても時々出会うその女の人の風体が尋常ではないのです。奇抜の上・・・

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神の見えざる掌のうえで

16/04/23 コメント:0件 alone

「色彩学の第一人者である先生だからこそお尋ねします。こちらは何色でしょうか」
アダムと名乗った男はスーツの内から何かを取り出し、テーブル中央に置いた。
コトリッという確かな重みのある響きが届く。しかしアダムが手を退いた後、そこには何も在りはしなかった。
「これは禅問答か何かか」
「いいえ。しかし宗教という点では通じるものがあるやもしれません」
アダムは真面目な声音をも・・・

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咲かない向日葵

16/04/21 コメント:0件 ポテトチップス

「ただいま」
「お帰りなさい」
留美は、玄関で雅人のニット帽と肩に積もった雪を手で払いのけた。
雅人は紙袋を留美に渡し、コートを脱いで雪を振り落した。
「魚の缶詰だけ?」
「うん」
「いくらしたの?」
「5個で5000円」
留美は大きくため息を吐いた。
「薬は?」
「取り寄せるまで、1ヵ月待ちだって。でも、ちゃんと申し込んできたさ」

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彼の色に染まる世界

16/04/20 コメント:0件 しーた

 その夜は、不思議と寝付けない夜だった。老人は寝静まった村の人々に気を遣うようにひっそりと布団から起き上がると、微かに月明かりの差し込む窓から夜空を見上げた。吸い込まれそうな満月に目を奪われ、そのまま静かに時が過ぎる。
 どのくらい経ったのだろう。静寂は、扉をノックする音に遮られた。
 こんな時間に誰だろうか。
 扉を開けると、そこには見慣れない着物に身を包む一人の少女が立ってい・・・

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ホンモノ・ニセモノ

16/04/20 コメント:0件 haty

 「お前になぞなぞを出す」
そいつは急になぞなぞを僕に仕掛けた。
「ククク、言っておくが俺のなぞなぞは難しいぞ?」
かなりこれから出すそのなぞなぞに自信があるようだ。
「さっさと出せと?なめやがって」
すいませんね、元からこんな顔なんで。
「ではいくぞ!」
そいつは自慢のなぞなぞを出した。
「色は色でも本物でない色は?」
ふーん、そんな問題でい・・・

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シロかクロか

16/04/20 コメント:2件 たんぽぽ3085

津崎は神妙な顔つきで席についた。会社の帰りに入った居酒屋だ。
一人でもよく来る、ぼくには馴染みの店だ。
今夜、デザイナーの津崎を誘ったことには理由がある。
昼間、彼女がミスをして、ぼくは久しぶりに大声をあげて叱りつけた。
落ち込んだまま捨て置けば、萎縮して次の仕事にも影響する。
反省してくれればそれでいい。前向きになってもらうためのフォローのつもりだった。
・・・

0

色彩回帰

16/04/19 コメント:0件 yoshiki

「色についてなんですけど……」
 たどたどしい口調で紺野君が質問した時、私はちょっと驚いた。と言うのも紺野君は極端に無口な少年でそれまで私は紺野君の声をほとんど聞いたことがないくらいだった。逆に私が紺野君に話しかけても煮え切らない返事しか返ってこない事が多かったから、少しばかり嬉しくなった。
「色についてって、どんな事?」
 私はなんでも聞いてという表情で紺野君に聞き直したと思う・・・

1

私にしつこく聞いてくる

16/04/19 コメント:2件 素元安積

「ねぇねぇ、パンツ何色?」
 アイツは私に聞いてくる。この質問、何度めだろうか。そろそろ折れてくれないかな。
「ねぇ、何色?」
 うるさいなぁ。何でそんなに私のパンツの色が気になるんだ。他のヤツでも良いだろうに。他のヤツに聞かんかい。
 そもそも、コイツが私にこの質問をしたのは一昨日のことだった。何気なく聞かれたので、私も何気なく断った。それからと言うものの、コイツはしつこ・・・

3

おもちゃ

16/04/17 コメント:2件 つつい つつ

 私の目に映る世界は灰色だった。一流会社で働き、美人の妻や可愛い娘、それに友人や知人もたくさんおり幸せなはずだった。端から見ると私は順風満帆でバラ色の生活を送っているように思えただろう。しかし実際見えているのは、くすんで薄汚れているだけのつまらない光景。周りにあるもの全ては無意味で色もなく私に必要のないものばかりだった。
 私はそんな中、周りに悟られないよう仕事熱心な男を、ユーモアのわかる友・・・

1

CAMPUS

16/04/17 コメント:2件 てっか薪

今私に見えている色。
今彼に見えている色。

もしかしたら、私にしか見えない色があるかもしれない。
もしかしたら、私にだけ見ることができない色があるかもしれない。

私は目を瞑っても同じ色しかみえないの

アナタが英語を話せるのも、少し大げさなリアクションも、トマトが嫌いなのも、
ぜんぶぜんぶ、アナタのキャンパスが携えているの。
何度も何・・・

2

『失恋の風景』

16/04/17 コメント:2件 じゅんこ


 今日は本当によく晴れていた。
 だから余計に、悲しみの準備をすることを忘れてしまっていた。
 笑ってきき返すことも涙を流すこともできず、ただ今まで当たり前に行っていた呼吸の方法を模索する私の前で、彼は何でもないように携帯を操作している。
「どうして?」
 理由を聞く意味も効果もないことは承知の上で、そうすることでしか彼の目を見れない自分に驚いた。
「お前は悪・・・

1

ふわふわパステル

16/04/17 コメント:2件 夏子

「ねえ、私って何色?」
同じクラスで隣の席の笹崎志乃は顔は可愛いが天然すぎる不思議ちゃんと言われ恋愛対象には見れないと専ら噂の女子だ。
今日も朝から俺の机の前に仁王立ちしバンっと音を立て机に両手を叩きつけた。この突拍子もない行動にまたクラスは騒然とする。
隣の席の相島君、可哀そうなどというヒソヒソ声が聞こえてくる。しかし笹崎はそんなこと気にもしない。
「ねえ、私って何色って・・・

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モノクロセカイ

16/04/17 コメント:1件 夏子

ある朝目覚めたら、世界から色が消えていた。音も無くて、色も無い。僕以外の人間はどこにもいなくてただ白黒な世界が広がっていた。
――世界が終わっていた。



特に僕は慌てる訳でもなくいろいろなものに触れた。テレビを点けても白黒で、何か食べようと思って火を点けても白と黒以外の色はどこにもなかった。
あれ?火って何色だっけ?僕の名前はなんだっけ?

熱く・・・

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色のない彼女

16/04/16 コメント:2件 守谷一郎

「私ね、世界がモノトーンにしか見えないの」
アンナはふっと僕の描いた絵から顔を上げ、栗色の瞳を細めながらそう言った。彼女の言葉は詩的な比喩表現だと思ったけれど、どうやらそうではなかったらしい。
「私の目って、白と黒しかわからないの。昔からね。そういう病気なんだって。だから、絵画って嘘っぽく見えちゃって、ちょっと苦手」
ごめんなさい、悲しそうな顔をしてアンナはたぶんそんなことを言っ・・・

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1/500のクオリア

16/04/16 コメント:2件 泉 鳴巳

「私、宇宙飛行士になりたかったの」
 右手に持った用紙に目を落とした彼女は、物憂げに呟いた。
 放課後の教室。開け放たれた窓からは橙色の陽が射し、秋の気配を纏った風が彼女の長い黒髪を揺らした。

 僕の手には彼女に手渡した用紙と同じ、進路希望調査票の束がある。学級委員なんて面倒な役割を押し付けられた僕は、期限を過ぎてもまだ調査票が出ていないこのクラスメイトに提出を催促したの・・・

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ストレス戦隊ストレンジャー

16/04/16 コメント:6件 霜月秋介

 町では近頃、犯罪が増加している。町を歩く人々は殆どが怪訝な表情をしている。みな、なにかしらのストレスを抱えているのだ。ストレスが人を犯罪行為へと導いたのだ。
 こうもストレスを抱える人間が増えた人間は、最近町に現れたあの五人組の仕業だろう。『ストレス戦隊ストレンジャー』と呼ばれる謎の集団である。

 まず一人目のストレスブルー。彼は青いスーツに身を包み、「重たい本より電子書籍」・・・

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Blue Bird

16/04/15 コメント:0件 ぜな

 青色の夢を見た。何もかもが青だった。
 海だとか空だとかそんな区別がつくような青色じゃなくて、ただの青色が広がった空間にいた。じっと一点を見つめていると、自分の目も青色に侵されてしまうのではないかと思うほど鮮やかな青だった。その青色からふわりと何かの形に一つだけ切り取られ、浮かび上がる。それは、鳥の形をしていた。青い鳥だ。幸せを呼ぶ鳥だ。
 僕はその青い鳥を追いかけたが、周りの青色と・・・

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HTML

16/04/15 コメント:2件 六連 みどり

「……#ffffff」
「は、い?」
 昼休憩に、大学の食堂で蕎麦をすすっている時だった。
 突然、白井文乃の前にボサボサ頭の男が現れ、白井を見るなり暗号のようなものを呟いたのだ。
 言葉の意味が理解できず、白井は聞き返すが、男は口を閉ざし、マジマジと白井を見つめる。
「なにか、用ですか?」
「……いや」
「そんなに、見られると気が散るのですが」
「・・・

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色とりどりの肝試し。

16/04/14 コメント:0件 れいぃ

 かき氷にかけるシロップのような、原色に色づいた水がペットボトル何本分も用意されている。今日は、肝試しの日だ。村の子どもたちはこの水を口に含み、何を見てもひとこともしゃべらないで再びこの広場へ帰ってくる。途中で声を出して水をこぼしてしまったら失格だ。次の年まで、「意気地なし」と呼ばれる覚悟をしなくてはならない。
 陽代鳥は、背筋が霜柱になりそうなほど緊張していた。
 意気地なしの臆病者・・・

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陰影

16/04/14 コメント:0件 瑠真

 花柄の十二単に身を包んだ姫君が、屋敷の中庭を回り込んだ渡り廊下、侍女たちを引き連れて足早に進んでゆくシーンである。
 散りゆく桜の花びらから、女たちの黒髪を掠める軒先まで映像は一気に流れたーー
 カチンコの甲高いカットと共に、嘘のような空間の弛緩がスタジオを包む。カメラの後方、腕組みのまま腰かけていた監督は、かすかに口元を綻ばせ、事務的に頷くーーひと先ず納得の行く、仕上がりであった。・・・

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モノトーンの人々

16/04/13 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

町はすべて、白と黒と灰色でできていた。月の世界に色はない。ゆきかう人々もまた、すべてモノトーンでふちどられ、そのために誰もが、どこか石膏でできた像のような印象を湛えてみえた。
兎山から帰ってきたムン太は、なんども砂埃をはたき落としてから、ルナ子がいる酒場をたずねた。
まだ髪の毛が砂にまみれて、年よりふけてみえるのがおかしいのか、ルナ子が笑いながら彼におしぼりをわたした。
ムン太は・・・

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三味線と万華鏡

16/04/12 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

由香はきょうも、家の離れにすんでいるキヌ婆ちゃんの部屋に遊びにいった。いつもは手ぶらでいくのが、きょうにかぎって彼女は、短い筒のようなものをもっていた。それは母親が買ってくれた万華鏡だった。近所のスーパーで働く母親が昨日、めずらしく一人娘の由香におみやげを買ってきてくれた。「はい、お誕生日、おめでとう」それを聞いて由香もはじめて、自分が六歳になったことに気づいたのだった。
うまれてはじめて万・・・

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二次の虹

16/04/12 コメント:2件 にぽっくめいきんぐ

青紫
水青青紫
緑水水青青紫
黄緑緑水水青紫
橙黄黄緑緑水青紫
赤橙橙黄黄緑水青紫
..赤赤橙黄黄緑水青紫
.....赤橙橙黄緑水青紫
........赤橙黄緑水青紫
.........赤橙黄緑水青紫
..........赤橙黄緑水青紫
..........赤橙黄緑水青紫
...........赤橙黄緑水青紫
.....・・・

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二週間のアルバイト

16/04/12 コメント:0件 いたる

俺は二週間過ごせば50万円貰えるアルバイトとしてこの部屋にいる。8畳くらいの広さだろうか、新居のような綺麗な真っ白な部屋だ。ここから出る事や何かを持ちこむ事は禁止、位でトイレや風呂、着替えなどは部屋にあってこれで50万貰えるとは中々良いバイトなんじゃないだろうか。変な所と言えば出された食事をしっかり食べなければバイトは打ち切りという規約くらいか。


二日目
一つ不満を上げ・・・

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京都大空襲

16/04/11 コメント:0件 笛地静恵

 出征の前夜。いきなり。くちびるを吸われました。わたくしのからだを、もとめてきました。痛みはありましたが、それ以上に喜びの方が、大きかったのです。わたくしは、十五歳になったばかりでした。ふたりとも、けして口には出しませんが、これが、この世でのさいごの契りとなるかもしれないと、思っておりました。燃えました。
 彼は、戦場に出ていきました。古い貴族の家系です。庭の桜が散り始めていました。
・・・

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