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  2. 第106回 時空モノガタリ文学賞 【 ねこ 】

第106回 時空モノガタリ文学賞 【 ねこ 】

今回のテーマは【ねこ】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2016/05/23

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。メモリアルカプセル

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2016/03/28〜2016/04/25
投稿数 74 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

3

猫の姓名判断に関するささやかな伝説

16/04/09 コメント:2件 末永 DADA

遠い昔、砂漠に真ん中にあったとある王国での話。
ある日、女王が宮殿に迷いこんだ猫を見つけた。水晶のような青い目と黒曜石のようにきらきらと黒光りする毛並をもった、世界に並ぶものがないほど美しい猫だった。
女王は猫の両脇をかかえて顔の前まで抱き上げた。猫はミャーオと言って女王の鼻の頭をなめた。女王は猫に頬ずりした。
女王は猫を大変気に入り、宮殿で飼うことにした。女王と猫はいつも一緒に・・・

6

寸劇:スカートの中の猫

16/04/02 コメント:9件 クナリ

・登場人物:先輩(男)、後輩A(女)、後輩B(女)

開幕

(放課後の文芸部室、先輩が一人で本を読んでいる)
(足音のSE、引き戸を開くSE)
(後輩A登場)
 先輩、お疲れ様です。
「おう」
 先輩、私、そこで猫を拾いまして。迷い猫みたいなんですが。
「へえ。どこにいるんだ?」
 ここです。
「いねえじゃん」
 スカ・・・

11

野良猫のルドルフ

16/03/29 コメント:11件 泉 鳴巳

 おれは猫だ。名前もちゃんとある。

 名はルドルフ。濡れたような艶のある毛並みが自慢の黒猫だ。
 この名前はハヅキさんという人間が付けたんだ。なんでも人間の読み物からとったそうだ。おれは名前なんて何でも良いのだけれど、しかしルドルフという響きはなんだか気に入ってもいた。

 おれは野良猫として生まれ、自分の力だけで生きてきた。野良として中堅の域に達していたおれだが、・・・

8

猫の就活

16/03/28 コメント:6件 夏川

 街にはスーツを着た若者が手帳片手に忙しなく歩き回っている。就活だ。
 しかし就活に勤しんでいるのはなにも人間だけではない。
 俺はスッと立ち上がり、ニャーと一声鳴いて気合を入れる。目指すは大豪邸で三食昼寝付き! 輝かしい未来に向けて足を一歩踏み出した。


 向かったのは高級住宅街。俺はあるお屋敷から出てきたマダムに目を付けた。

『お忙しいとこ失礼いた・・・

最終選考作品

5

キトンブルーの雨〜とある猫のお話〜

16/04/25 コメント:8件 冬垣ひなた

 君が家にやってきたのは、梅雨のさなか。
 知人が言うには、君は打ちつける雨の中たった一匹、夜の道路脇で鳴いていたそうだ。拾われた、それだけで奇跡だった。飼ってくれ。そう言われ渡された君は小さく震えていて、よろよろと立つのが精いっぱいの子猫でした。
 目を開けたばかりの子猫は全て、青みがかった曇り空をかさねたキトンブルーという色彩を経て、それぞれの目の色になって行く。
 君の目は・・・

5

鈴の音

16/04/25 コメント:6件 そらの珊瑚

 朝、アパートの玄関を出たら隣室に住む女の子と鉢合わせした。
「おはよーリオちゃん。早いね」
「アルバイト早番なんです。タダさん、出勤ですか?」
「うん」
 駅まで約十分の道を一緒に歩く。
「そういえば、アパート三か月後には退去して下さいって手紙来てて、びっくりです」
 歩きながらリオちゃんは、背中まで垂らした長い髪をくるくると丸め頭頂部でお団子にし、バレッタ・・・

14

ラ・シャルール・ドゥ・ノアール ―黒の温もり―

16/04/25 コメント:14件 光石七

 本当の理由は誰にも言わないし、言えない。強いて言うなら、悪いのは私だということ。誰のせいでもない、私が弱かっただけ。
 抗うつ剤なんて、飲んでも飲まなくても一緒だ。私が本当は何に絶望していて、心の奥底で何を思っているのか、私はあえて誰にも伝えない。
「私なんかが生まれてきたのが間違いだった」
「生まれてくるんじゃなかった」
「なんで私を生んだの?」
生み育ててくれた・・・

4

ワシはネットアイドルである

16/04/21 コメント:5件 犬飼根古太

 『吾輩は猫である』で一世を風靡した猫界のオピニオンリーダーがいらっしゃったが、ワシはもうそれは古いと思う。何も内容についてどうこういうのではない。媒体が問題なのだ。
 猫界でも若猫の活字離れは深刻で、かつては胡座をかく一家の大黒柱の膝の上で、それとなく新聞を一緒に読んでいたものだが、最近の猫はもっぱらテレビにばかり感心を示している。
 まぁ、気持ちはわかる。テレビ、面白いもんな。かく・・・

2

呼ぶ声がきこえる

16/03/30 コメント:4件 ちほ

 もうすぐ八十歳の松じいは、一人暮らしだった。
 ある夕暮れ時、窓越しに一匹の仔猫がおろおろしているのが見えた。仔猫は、雪のように白かった。屋根から鴉が狙っている。彼女は「みぃみぃ」とか細い声で鳴いていた。襲いかかってくる鴉に怯えていた。松じいは、これを放っておくことはできなかった。サッと飛び出すと、履いていた青いサンダルを手にして鴉に向けて振り回す。
「コレはおれのだ! 何処へでも行・・・

投稿済みの記事一覧

0

猫猫奇聞 未来はどっちだ

16/04/26 コメント:0件 森氏蛙夢吐

猫の前には、一組の男女が立っていた。
猫は、やっと終焉を迎える時が来たのを感じた。長い時を営々と目的完遂のために、引き継がれて今日に至ったのだ。目的を指示されたのは、遥か昔の仲間だった。

いまから、数百年前、地球は荒れていた。世界の指導者に頼っていては、歪みのない世界平和の構築は困難になっていた。また、兵器産業などは裏で相手国やテロ組織などにも兵器を販売していた。平和や・・・

8

化け猫語り

16/04/25 コメント:13件 泡沫恋歌

のう、おまいさま。
そないに怖がらなくとも、とって食べたりはせぬぞ。
わしは長い間、この祠に封印されておったのでなあ、少々人恋しいというか……誰かと話がしたいんじゃ。
そもそもわしが何者かって?
見てのとおり。猫じゃよ。
化け猫じゃと……それはずいぶんな申しようじゃな。
身の丈は六尺(182センチ)ほど、かれこれ三百年は生きておるかのう。
不老不死? いや・・・

2

白くて黄色い猫、二匹

16/04/25 コメント:1件 ねこち

 母が死んだ。
 享年三十九歳。

 俺がその訃報を聞いたのは五月にしてはやけに蒸し暑い、日曜日の昼前だった。大学生活と同時にはじまった一人暮らしにも慣れて、ランチでも作ってみるかと気まぐれを起こした時だった。
 スマホが鳴った。自宅からだった。相手は名前も知らない母の友人で、号泣しながら母の死を告げてきた。
 バスルームで死後二日。病死だった。

 財布・・・

1

交代

16/04/25 コメント:0件 むねすけ

「まぁ待ちなさい」

いよいよ、残すは椅子を蹴っ飛ばすだけのところで。
飼い猫のボウルドリンが言ったのだ。

「死ぬのは、待ちなさい。交代しましょう。
もう人間でいるのが嫌になったのでございましょう。
死んでしまってはそれまで、交代もできません。
ご存知ないかもしれないが、転生なんて嘘事なのですからね。
人間の想像力の世界ですからね、死んだら真・・・

1

猫と義眼とビールとソラ

16/04/25 コメント:0件 むねすけ

「猫の調子はどう?」

ビール工場の夜勤バイトで、
私とソラちゃんは知り合った。
私は臆病者で、ついぞ二輪車になんか縁がない人生の安全路を這いずり歩いているが。
ソラちゃんは慎重さの鎖を噛み砕いて、人生の危険路を笑って走り回っている。
「私の愛車は阪急電車だもん」
ひきつった笑顔で私がそう言ったとき、
てっきり、私から離れていくと思ったのに。
・・・

1

黒猫の一存

16/04/25 コメント:0件 宮下 倖

 
 夜空を切り取ったような艶やかな毛並みの黒猫が我が家に迷い込んできたのは、急逝した夫の四十九日の朝だった。 

 お経をあげてもらうだけの簡素な法要の準備だったけれど、それなりに早朝から忙しい。あれこれと家の中を片づけていたとき、茶の間の座布団の上に黒い塊を見つけた。一度行き過ぎた廊下を二、三歩戻り首を伸ばすと、塊は「にゃあ」と鳴く。「猫?」と呟き、私は箒を持ったままぽかんと・・・

2

おくりねこ

16/04/25 コメント:2件 たま

 目覚めはいつも気分が良くて、私が日記を綴るのは朝のことだった。
 日記にはきのうの出来事はもちろんのこと、その日の予定を書き込むこともあったけれど、今朝は一行も書くことができなかった。まるで二日酔いの朝みたいに気分が悪くて、きのうの出来事も、きょうの予定も、なにひとつ思い出せなかったのだ。

 リビングの小さなテーブルを囲んで妻と朝食をとる。
「おっ、もうこんな時間か……・・・

2

兄のインコと私のネコ

16/04/25 コメント:2件 犬飼根古太

 隣の市で起きた痛ましい殺人事件を知り、思い出したことがある。
 五年前の当時、私は小学校六年生、そして兄は大学受験を控えた高校三年生だった。
 およそテストの点数以外には興味を示さなくなっていた兄がある日、ペットを欲しいと両親に頼んだ。
 勉強に根を詰めすぎているのではないかと兄の様子を心配していた両親は、すぐにこの提案に賛成した。
 週末にはペットショップで購入されたイ・・・

0

もふもふ恐怖

16/04/25 コメント:0件 タック

――こんな話もあるんだ。聞いてくれる?
この前の夜、ひとりで、ホラーを見てた時の話なんだけど。

「……」

――わたし、怖いのは苦手だけど、その日はなぜか無性にホラーが見たくてね。借りてきたんだ、レンタルビデオで。
映画じゃなくて、一般人のビデオを集めた、シリーズの投稿もの。
それをね、見てたんだよ。光も音もなるべく遮断した部屋で、ひとりでね。
<・・・

0

ねこの宿命

16/04/25 コメント:0件 ケイジロウ

 夕方5時45分、ブルーの作業着姿のおじさんがレジ袋を片手にいつも通りやってきた。この近くの工場で働いているのだろうか、いつも同じ時間に同じ格好で登場する。おじさんはベンチの右端に座り、真ん中にレジ袋を置いた。おじさんは夕日に背中を向け、キラキラと輝く川の流れを見つめている。川辺にはアオサギが一匹ぼけーっと突っ立っているが、おじさんはそれに興味を示すこともなく、タバコに火をつけた。
 僕は「・・・

1

猫鍋と海

16/04/25 コメント:1件 日向夏のまち

 今日も空が青いです。ぽかぽか陽気が過ごしやすい、平和な世界です。
 ご主人。
 鍋の中で寝返れば、がらんじゃらんと首の鈴がなります。ご主人、僕は今の同居人が、あまり好きになれません。
 同居人の大っきな手が、僕の頭を、わしりわしりと撫でた気がします。
「ニケ、いってきます」
 そうですか。
 まるで、遠い場所での事のようです。
 こうしてうとうとしている・・・

2

猫の本質

16/04/24 コメント:0件 橘 聰

 「猫の言葉、売ります」。ぶらっと入った裏路地の一角、そんな看板がひっそりと出ていた。猫専門のペットショップのようで、猫が入ったケージがいくつも置いてあり、「マイケル」やら「ゆうき」と名前らしき文字が書かれたプレートが添えられている。しかし、「ごはん」や「いとくず」というのは、名前としていかがなものだろう。
「猫をお探しで?」
 店主と思しき男性が話しかけてきた。一見、ごく一般的な中年・・・

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犬猫物語

16/04/23 コメント:0件 そがし

 会社の飲み会の席で彼女からメールが届いた。
『今日部屋泊まるわ』
 音信不通だった彼女からの二ヶ月ぶりのメールは、これ以上にないシンプルな文体だった。自由奔放な猫のような彼女らしくて思わず笑ってしまった。
 皆に断りを入れて早々に退散する僕を皆はそれぞれの温度で見送ってくれた。

 彼女は写真家だ。仕事で世界中を旅して回っており、どこで何をしているのか全くわからない・・・

1

猫の墓場

16/04/24 コメント:2件 Fujiki

 雨上がりの森は湿り気を含んでむせかえるようだった。足を踏み出す度に苔に覆われたぬかるみの中に沈んでいきそうになる。中身の詰まったリュックサックがマヤの両肩に食い込んだ。
 しばらく歩くと、手前の木の枝に白いビニール袋がぶら下がっているのが見えた。薄暗い森の中でビニールの白さは格段目を引いた。固く縛った口の部分にはハエが何匹もたかっている。袋の中身は黒々として、濁った水に浸っているようだった・・・

12

縁(えにし)

16/04/24 コメント:2件 石蕗亮

 「私の人生、本当に良縁の無いものだったわ。あったのは悪縁ばかり。」
桜の木の下で女はそう呟いた。

 煌々とした満月の下で桜が静かに散り始めていた。
風もなく穏やかな春の夜。闇に淡く滲むように桜は咲乱れていた。
闇を映した桜は白く、提灯の灯りを映した桜は仄明るい紅を帯びていた。
丑密時になってもまだ花見酒を楽しんでいる人が公園には残っていた。
そんな桜の・・・

3

「ねこ」との一夜

16/04/24 コメント:4件 あずみの白馬

――午前2時・東名高速牧之原SA

 深夜のサービスエリアは、コンビニぐらいしかやっていないが、仮眠を取るトラックでそこそこの賑わいを見せている。

 俺はその駐車場にトラックを止めた。御多分に漏れず俺も仮眠するのだが……

「おじさん、ここで寝るの?」
「ああ、狭いけど我慢してくれ」
 姉ちゃんが俺のトラックの仮眠スペースに入る。20歳ぐらいの学生・・・

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灰色猫を召喚する方法

16/04/23 コメント:0件 いのり

「読書に欠かせないものといえば?」と聞かれれば、私は迷わずこう答える。「猫だ」と。
喉を潤す飲料でもなく、体を預けるソファでもなく、気分を落ち着かせる音楽でもない。
必要なのは小さな鼓動を響かせてくれる温もりと、気まぐれなちょっかい。それだけあればいい。


仕事へ行く前に、通り道の公園へ足を運ぶ。
そこは市立図書館と隣り合わせの少し大きめの公園で、私は天気のい・・・

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笑う猫は夕焼け色

16/04/23 コメント:0件 いのり

それはリビングでテレビを観ているときに聞こえた。
たしか番組では動物ハプニング映像が流れていた。雪の中ではしゃぐ犬が、足元を滑らせて撮影カメラに激突するシーン。
「ぐふふっ」
確かにそう聞こえたのだ。
親父のような、変な笑い声が。
(え?)
思わずまわりを見渡した。
キッチンではお母さんが夕食後の後片付けをしているし、お父さんはまだ会社から帰ってきていない・・・

1

ぼく、ハムスターなんです……。

16/04/21 コメント:3件 ちほ

 わたし、オリガと呼ばれていてね、雌猫なんだけど子どもはいないわ。でも、昨日のお昼に仔猫が我が家にやってきたの。えーと、確か名前を『ハムスター』と言ってたわ。ちっちゃくて可愛くて……きっとわたしの生き別れの子だと思うの! 子どもはまだ一度も産んだことないけど。そんなちっぽけなことなんかどうでもいいの。大切なのは、ハムスターがわたしの子どもだということね。だから、夜中にケージから逃げ出したハムスタ・・・

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この柔らかい時間の内側で

16/04/20 コメント:0件 吉岡幸一

 滑り台の下で雨宿りをしながら虎猫が欠伸をしている。薄曇りの空からは細い糸のような雨が降ってくる。もれた太陽の光を受けて雨粒が七色にきらめいている。もうじき雨は止むだろう。誰もいない公園は時の流れを忘れさせる。
 痩せ細った虎猫は雨の先にあるパン屋を見つめている。公園を出て、道を渡ればそこに赤い庇の小さなパン屋がある。
 おなか空いたな、とつぶやく声は雨の底に染み込んでいく。
 ・・・

1

ネコロブッダ

16/04/20 コメント:0件 デネブ

2年前、彼女がいなくなった。
だからと言って特別悲しかった訳じゃなくて『仕方がない』
彼女がいなくなったのは、納得のいかない事があったから…そう思っていた。

16歳の春、僕は都内の公立高校で彼女と出会い、恋をした。
最初に話しかけたのは意外にも彼女の方からだった。

付き合い始めたのは、高校2年の秋。
あれから6年以上経つのに、今でもあの日の事をハ・・・

1

混ざるなミミよ

16/04/19 コメント:0件 割り箸

朝起きると、ネコミミが生えていた。
いつもの人間の耳は普通に横に生えてあるのに、さらにネコのミミが頭部に生え揃って並んでいる。それも、フワフワな白いネコの代物だ。
これは最悪だ。

しかしこうなった以上、これと付き合っていくしかない。
午前中は気が動転していた。引っ張ってみたり指でほじくりかえしたりと無駄な抵抗を繰り返していたが、午後になって落ち着いてみると、案外使え・・・

2

野良猫の正体

16/04/17 コメント:2件 夏子

いつも通り待ち合わせをしていつも通りお別れをした。次の予定は決めなかった。少し前までは次のデートが楽しみで次はどこに行こう、いつ会おう、そんなことばかり話していたのに。みんなには倦怠期だと言われるがもうそんなものではないとわかっている。もう2年も付き合っているのだ。そろそろ別れようと言われる気がしていた。またねと手を振って振りむいた瞬間、けたたましいクラクションと同時にあなたとの思い出ばかりが脳裏・・・

0

猫猫奇聞

16/04/17 コメント:0件 森氏蛙夢吐

この話は俺が田舎町の古い一軒家に身を寄せていた頃の話である。
俺に食事を運んできてくれるのは、この家の子供だ。
まだ幼いので、原っぱでは年長の子供の下で遊んでもらっている。
そして、家族の話を聞いていると、どうも成績も芳しくないようだった。
少年はカズちゃんと呼ばれたり、怒気を込めて、母親がカズオッと呼ばれていることもある。
ああ、また何かやらかしたんだと思うが、そ・・・

1

我が御主人の日常

16/04/17 コメント:2件 FRIDAY

 我らが偉大なる先達は奇妙奇天烈な人間に囲まれ大層面白おかしく生き井戸の底にて大往生を果たしたそうだが、どうやら私の御主人はそれほど社交的な人間ではないようで、「わんるーむ」なる空間にて静かに暮らしている。そのことに不満はないのだが、どうやら御主人は酒の類が得意ではないようで、近頃びーるなるものに滾々と興味の湧き出て尽きない私としてはそれを舐める機会がないのが残念ではある。
 何でも人間の間・・・

3

猫サミット

16/04/16 コメント:3件 キャプリス

「ただいまより猫サミットを開会します」
 我が輩が大きな声で宣言した。闇に覆われた深夜の広場には各国代表、随行者、そのほかこの会議を傍聴しようとする猫たちであふれかえっていた。
「今年のサミットで最も大きな議題は『いかにして猫類と人類の共存共栄をはかるか』であります」
 カナダ代表のタキシードスタンが大きくうなずいた。彼は野良猫から身を起こしハリファックスの市長を足がかりに首相に・・・

9

猫税

16/04/15 コメント:12件 にぽっくめいきんぐ

 猫税が導入されることになった。
「猫1匹あたりいくら」で毎年支払が必要だ。

 発議されたこの法案に対し、強い反発が市民から巻き起こった。
 国会前では座り込みが行われ、大規模なデモも発生。
 しかし、法案審議もそこそこに、あっさり可決。翌年4月1日から、通称「猫税法」が施行された。

 気になる猫税の使い道だが、主に猫の福利厚生の財源と称して、プールさ・・・

2

おさかな一匹

16/04/14 コメント:0件 依織

 おさかな一匹から始まった恋でした。

 あの時の私は本当に腹ぺこで、遠い空に吸い込まれてしまいそうで。ふっと空気に混じったいい匂いに誘われて、気がついた時にはあの窓辺にいたのです。

 私に気付いて、君は笑って。差し出されたのはおさかな一匹。慌てて食べる私を見ては、君は笑っていましたね。

 たくさん話を聞きました。

 行きたい場所や、見たいもの・・・

0

幸福泥棒

16/04/13 コメント:0件 守谷一郎

「黒猫が横切ると不幸になる」というのはつまり、おれが拾うべきはずだった目の前の幸せをそいつがくわえて逃げていくからではないか、と鈴をならしながら我が物顔で道を渡る黒猫を見てそう思った。
上司に怒られ、財布を落とし、愛しの同僚には彼氏がいた。
とにもかくにもこれ以上奪われてはならないと仕事帰りのスーツ姿そのままで、首元を鳴らして挑発してくるそいつの後を追い、迷路みたいな路地裏の隙間へ入っ・・・

0

なきたくなったらこっちにおいで

16/04/13 コメント:0件 高木・E・慎哉

ひらがなばかりで漢字でないタイトル。

もっと、僕は小説家としてレベルアップするだろうか?

いや、しなければならない。

ねこのミューを見ながら、僕は一人誓った。

小説家は難しい。

中々思う通りにいかない。

どこの業界でもそうかもしれないが、厳しいし人間関係は難しい。

ねこの業界はどうですか?

2

猫が顔を洗うと雨が降る

16/04/12 コメント:1件 ナカヤマ



ネコノミクス、という言葉を聞いたことがあるだろうか。
昨今の日本では猫による経済回復効果がすさまじいことから、安倍政権が掲げた経済回復政策、アベノミクスをもじって作られた言葉だ。
猫は、その見た目の愛らしさだけではなく、毎日散歩に連れて行かなくても良い、ということなどから今この日本には一種の猫ブームがきている、ということだそうだ。

仕事の休みをもらって久し・・・

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四季の配達員

16/04/12 コメント:0件 恵本とわも

風が、音もなく春を運んできた。
「桜が届いたわ」
起き抜けに窓辺に近づいて、ハナミは満足げに微笑んだ。窓辺には桜の枝が置かれていた。
「枝を折ったのかしら? 悪い子ね」
そう言いながらも、ハナミは桜に向かって手を伸ばした。甘い香りがする。

窓から差し込む日差しが強くなったと思うと、もう夏が来たようだった。窓辺には、みずみずしい若葉がついた枝が届いていた・・・

3

猫の小旅行

16/04/12 コメント:2件 犬飼根古太

 この猫の後をついて行こうかしら。
 早乙女里美がそんな突拍子もない子供っぽい考えに取り憑かれたのには理由がある。全部で三つ。
 一つ目は、気持ちのいい晴天だったこと。空の隅々まで蒼い輝きが満ちている。
 二つ目は、正月久しぶりに実家に帰ったものの、どうにも居心地が悪かったためだ。
 そして三つ目の理由。
 これが一番大事なことなのだが、その猫は昔飼っていた黒猫にソッ・・・

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おかえり、クロや。

16/04/11 コメント:0件 依織

 ライラックの茂みを風が抜けていく。薄紅色の花が揺れ、微かに甘い香りが広がる。

 足音と、自分を迎え入れる懐かしい声が耳に届く。

 夜色の毛並みが不吉だと、石を投げられたのはもうずいぶんと昔のこと。真っ黒い柵を乗り越えて、逃げ込んだ先が彼女の庭だった。

 魔女と呼ばれた彼女の元で、古参の使い魔である烏と暮らした。

 反抗心で逃げ出して、人に追・・・

3

概念ねこ

16/04/10 コメント:5件 alone

正面から歩いてくる女性はとても美人で、両肩に一匹ずつ『ねこ』を乗せていた。
左肩にいるのは“みりょく”で、右肩にいるのは“じしん”だ。
二匹とも僕が持っていないもので、自然と視線を落としてしまう。
すれ違いざま、“みりょく”の尻尾が首筋を撫でた。
思わず立ち止まり、振り返る。だが、彼女どころか、二匹すら僕のことなんて見ていなかった。
「にゃあ」
ねこの声がした。・・・

0

Y県の壁

16/04/10 コメント:0件 ポテトチップス

「Y県を壁で遮って隔離します」


田中総理の命令により、Y県は他県と接する県境に、高さ10メートルの分厚い壁が永遠と、わずか1日で完成した。これにより、Y県民はこの遮断壁の中でしか行動できない自由を奪われた。
「光浦知事、我々は日本国民に見捨てられたんですよ!」Y県庁知事秘書の柿生が言った。
光浦は知事室の椅子に座りながら、湯呑の冷めたお茶を一口飲んだ。
「も・・・

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脱ぎすてた春の空は遠く霞んで

16/04/10 コメント:0件 かめかめ

 もうどこにも逃げ場はない。冬用のセーラー服を着て、まっ白い花を棺に入れる。美夜は呼吸をやめた祖母の顔をきつく睨みつけた。
「うそつき」
 誰にも聞こえない声で小さく小さく祖母をなじった。
 家族そろって火葬場で祖母が骨に変わるのを待つ。
「やれやれ。やっと肩の荷が下りたよ」
 父が朗らかに言う。
「こう言っちゃ悪いけどさ、寝たきりになってまで長生きされて、けっ・・・

1

福猫

16/04/09 コメント:2件 yoshiki

 コウジの家は貧乏だった。父親はリストラに遭い現在失業中だし、母は急な病で働けず、兄弟は多いときている。 コウジは食べ盛りの中学三年生。下に四人。上に二人の七人兄弟である。とにかくコウジは貧乏から逃れたいと思った。
 ――このままじゃ進学もできないじゃないか。なんとか裕福になる方法はないものか。コウジは日夜それを考え続けていた。
 ある日コウジは夢を見た。そして夢の中で神様に会った。そ・・・

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音楽家アランと愉快な猫バンド達

16/04/08 コメント:0件 イルカ

 窓の空は、黒い雲でおおわれ光をさえぎっていた。ご主人様のアランの心の様に思われた。職業は音楽家だ。まだ音楽家としては食べてはいけない。
 アランはピアノを弾きながら作曲をしている。コンクールに応募する為だ。もし入賞すれば、音楽ホールで曲がオーケストラによって演奏され、音楽家として認められるのだ。
 猫のチェロに声をかけた。
「どうだい、この曲を弾いてくれないか」と楽譜をチェロに・・・

5

ぼくとニャーさん

16/04/07 コメント:2件 こぐまじゅんこ

 ぼくは、けんと。今、二さい。ほいくえんのももぐみさんだ。
 ほいくえんは、やさしい先生がいて、とてもたのしい。
 でも、朝、おかあさんが仕事に行くまえに、ほいくえんに行くのは、いやなんだよなぁ。
 もっと、おかあさんと、いっしょにいたいし、おかあさんに「バイバイ」しなくちゃいけないなんて、やっぱり、いやだ。
 だから、ぼくは、(ほいくえんに行かない)って、きめた。
・・・

1

ブサイク。

16/04/05 コメント:0件 れいぃ

 飼いたくなければ、飼わなくたっていい。
 ぜんぶ、自己責任だ。誰も褒めてくれないし、守ってももらえない。
 それでも摩耶は、後戻りできないスタートのラインを、思い切り後ろに蹴とばして、飛んだ。
 里親募集サイト「猫飼いさんち」に登録し、夜な夜な、恋人でも探すかのように、運命の猫を探し求めた。希望は、白にオッドアイの子。理想を言えば二歳以下で、できれば♂がいい。去勢手術も終わって・・・

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猫の幸せと人の幸せ

16/04/05 コメント:0件 てんとう虫

その黒猫とあったのは会社員の母親が同僚に半ば押しつけられて箱に入れられ渡されました。
「なにこれ?食べ物? 」
顔は笑いながらもじっと様子窺う態度でした。
慎重に中味を見ると子猫が入ってました。
「黒猫だ!、魔女の宅急便のジジみたいかわいい。」
と一目惚れしてしまいました。
ギュト抱きしめ顔見ると金色の瞳でじっとみてくる。
「うちにはちこがいるのに。2匹も・・・

1

天国の白い猫と黒い猫

16/04/05 コメント:0件 yoshiki

 ――長い階段だった。段の幅が広くきれいに整えられた階段だった。
 目を開けると男はそこにいた。男は死んだのだ。長年刑務所に入っていてやっと刑期を終えたのだが、風邪をこじらせ、それだけのことで肺炎になって逝ってしまった。
 若いころの男は相当の悪人で闇取引から人殺しまで犯してきたが、中年から晩年にかけては好きな女性が出来たのをきっかけに、その罪を反省し、罪の償いに半生をささげてきた。<・・・

2

四重人格

16/04/04 コメント:0件 末永 DADA

「送った写真は朝霧の立ち込めるリオン空港。リオンにはほかにも地元の郵便局員が何年もかけて造った岩の要塞があって隠れた観光名所になっています」
フランスに住むPalからメールが来た。Palとはハンドルネーム。本名は知らない。私は写真の礼とフランスへの憧れを書き綴ったメールを返す。
オーストラリアに住むgooからメール。前回花火の写真を送った礼が書いてあり、日本では花火が見られることをうら・・・

3

間違った人生

16/04/03 コメント:2件 つつい つつ

 夜の八時になった。もう夕食も食べたしテレビを見てもつまんないし、スマホのゲームにも飽きた。かといってLINEするような友達もいない。仕方ないから、いつものようにぶらりと出かける。
 コンビニを越えて本来なら人通りの少ない工場跡の空き地に行く。中学生の女子ひとりでこんな寂しい道歩いたら危ないんだけど今日も賑わっていたので安心だった。町内会長やらPTAやら、近所のおじさん、おばさん連中が集まり・・・

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客の来ないレストラン

16/04/03 コメント:0件 みや

今日も誰も来なかったな…皆んな殺られちまったか…と店主は溜息混じりに店内をぐるりと見渡した。誰も座らなくなったテーブルにはうっすらと埃が積もり、誰も使わなくなった鍋は錆びつき始めていた。

少し前までは店内は常連客で溢れ返っていて、それぞれが持ち寄った獲物の自慢で皆んな盛り上がっていた。今日は俺の獲物が一番大きいぞ、いや俺の獲物の方が新鮮だ。マスター、今日はイタリア風で。俺は煮付けにし・・・

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黒猫のクロ

16/04/03 コメント:2件 イルカ

                黒ねこのクロ


 僕は猫のクロ、農家で飼われています。毎朝のことです。
 おばさんは、大きな卵をたくさん産んでくれた鶏のココを見て、あんたは偉いね。これで朝食を食べられるとココを褒めています。
牛のカウの乳を搾り、あんたは、偉いね。これで、美味しいミルクが飲めるしチーズが食べられると褒めています。
 犬のドクを見てあんたは偉いね・・・

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ウツロナルソラハカラノソラ

16/04/02 コメント:7件 クナリ

 よく、人から誤解される。
 私の言葉はいつも思わぬ解釈をされ、思わぬ伝播をし、気がつけば嫌われている。
 そうして、十八年間生きて来た。

 小学生の時は、中学生になれば大丈夫だと思っていた。
 中学生になると、高校へ行って環境が変わればきっと改善されると信じようとした。
 高校に入って最初のクラスの自己紹介で、全員が特技を言わされたことがあった。私は正直に、・・・

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ハイドとシーク

16/04/02 コメント:0件 一ノ瀬 冬霞

僕には双子の妹がいる――



朝日が暗闇を照らせば、僕の目の前にはいつものように彼女がいる。

それはごく自然な光景でそれが当たり前だと思っていたから、もし誰かにいつから一緒にいるのかと問われても僕は答えることが出来ないだろう。

だから産みの親が亡くなって僕と彼女が各々新しい主人に引き取られてしまった時は、それまでの当たり前をぐちゃぐちゃに壊され・・・

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桜の木のしたには

16/04/02 コメント:0件 あすにゃん

 桜の木のしたには
 おじいちゃんが、進行性胃がんで死んだ。
 死ぬ間際に言ったのは、「犯人は、猫だ」ということだった。
 病気に犯人などいるわけもなく、広也はそれを忘れていた。
 昔おじいちゃんは、事故を起こしたことがある。なにか動物とぶつかったらしく、大きなへこみが自動車の横についていた。でも、病気とは関係ない、はずだった。
 しかし、一通のメールが広也のところへ・・・

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猫、春を駆ける

16/04/01 コメント:2件 霜月秋旻

 私は冬が嫌いだ。冬の厳しい寒さは我々の生命を脅かす。冬は我々の行動が制限される。冬ほど退屈な季節は無いだろう。だから待つしかないのだ。コタツと呼ばれる文明の利器で暖を取りながら、ミカンという名の果実を頬張り、毛玉をころころと転がしながら、春が来るのをただひたすら。
「ちょっとヒロシ!いつまでコタツに入っているのよ!外に出てお父さんのタイヤ交換手伝ってきなさい」
 一瞬私が怒られたのか・・・

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きまぐれ

16/04/01 コメント:1件 どんつ

 ボクは野良猫、この小さな町で悠々自適に過ごす黒猫さ。


 今、フェンスがパリパリに錆びついたベランダで、ボクにご飯を与えてくれている色白な若い男。このボロアパートに住む彼のお友達は、ボクだけなんだって。
 彼は昔に自分で撮った風景の写真を、日ごろ一人で眺めて悦に浸っているだけの情けない男だよ。ヘンだよね?風景なんていつだって、外に出れば好きなだけ見ることができるのにさ。・・・

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さわらぬ猫にたたりなし

16/04/01 コメント:0件 窓際

人が忙しなく動き続ける現代。
会社帰りに一匹の野良猫に会う。
都会の猫は気性が荒いのだろうかいくつもの怪我が見受けられた。
そして何よりも特徴的だったのが、野良とは思えないほど綺麗に整った銀色の毛並とまるですべてを見透かしているかのような透明感のある青い眼だった。
どちらかと言えば犬派だったのだが、この猫に対して私はこれまでに感じたことのない羨望と好意を抱いた。
そん・・・

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猫カフェにて

16/04/01 コメント:0件 たんぽぽ3085


会社のすぐ近くに『ミアオ』という名の猫カフェができた。
1時間1000円、30分700円。
コーヒー1杯だけ飲むには、まあ、けっこうな値段だ。

ただ、職場の女の子にしきりに勧められていたから、
いつか入ってみようとは思っていた。

クライアントとの打ち合わせで、話しのネタにでもなるし…。
そんな軽い気持ちでトビラを開けた。

客・・・

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猫の真似っこ

16/04/01 コメント:1件 林一

 ピン芸人の日本一を決める大会『P-1グランプリ』で、私は見事優勝を果たした。その際に披露したのが、犬のモノマネ芸である。
 一般的な犬のモノマネというと、ワンワンと鳴き声の真似をする姿を思い浮かべると思うが、私のモノマネは一味違う。私のモノマネは、鳴き声はもちろんのこと、犬の立ち振る舞いから表情まで全てを完コピするという、非常に難易度の高い、素人では到底真似出来ない究極の芸なのだ。私はこの・・・

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ブサイクがブサネコに転生したら

16/03/31 コメント:4件 夏川

 35歳、職歴なし、彼女なし、友人なし、コミュ力なし、ブサイク、童貞。
 俺のスペックをざっと説明するとこんな感じである。
 俺と同じような人間はだいたいそうだろうと思うが、日々部屋に籠ってネットをしながら膨大にある時間を潰していた。
 しかし人生とは分からないものである。つい数か月前、気まぐれに外を散歩していたとき事故にあってあっさり死んでしまった。
 俺は人としての生を・・・

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わが心の友ラヤン

16/03/31 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

ラヤンは、テントの隙間から、その青々と澄んだ目をのぞかせた。
中では、板の上にシーツをひろげただけのベッドに、多々良がだらしなくねそべっていた。
ベッドの板を支える、何冊も積み重ねた書物だけが唯一、インテリ時代を過ごした彼の名残をしのばせている。固まった土が斑模様を描いているシートには、ひしゃげたチューハイの缶がいくつもころがっていた。
夕方の赤々した陽射しが、この無残なテント内・・・

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桑尾島

16/03/30 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

深雪は、定期船に三時間ほどゆられて、桑尾島にやってきた。
トラベルブームで、これまで観光地に名を連ねていなかった僻地にも大勢の旅行客が訪れようになった昨今でも、この人口50名足らずの孤島に足をのばすものなど、まずいそうになかった。
彼女がこの島に興味をもったのは、雑誌でここの猫を写した写真を、トビオといっしょにみたのがきっかけだった。
四歳になる雄ネコのトビオと深雪は、飼い主と飼・・・

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長靴を履いた猫 猫に可愛さ以外を期待しても無駄!

16/03/30 コメント:1件 梨香

 裕福な粉屋が亡くなった。粉屋は3人の息子に、水車小屋、ロバ、猫を残した。長男は水車小屋、次男はロバを取り、三男のハンスには猫しか残されなかった。
「猫では役に立たないよ……」しっかり者の兄達と違いハンスは、顔は良いけどぼんやり者だった。猫はこのご主人を見捨てたくなったが、父親の粉屋には子猫の時に拾われた恩がある。
「ご主人様、私に長靴と麻袋を用意して下さい。猫を貰ったのがラッキーだっ・・・

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チュウデレラ

16/03/30 コメント:0件 素元安積

 知人の犬に連れられ、私ネズミはとんでもない場所へと連れてこられてしまいました。その名も、ニャンニャンパーク。猫ばっかりいる施設なのです。
 大概の方はご存じかと思われますが、猫は私共ネズミを食べます。そうです、私は彼女達にとってただのご飯でしか無いのです。それだと言うのに、このバカ犬は私を連れて来たのです。最低なヤツです。
 元々忠誠心の強い犬は、ツンデレな猫にとても弱いのです。ドM・・・

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仔猫のチーちゃん

16/03/30 コメント:0件 seika

それはその年に白いママ猫が産んだ何匹かのうちの一匹だった。
兄弟たちはほとんど母親似の白い子だったけど、その子だけはこげ茶っぽい三毛だった。そしてその子が一番小さく、そしていつまでも甘えん坊だった。
近所の小学生の女の子はその子にチーちゃんと名づけて特に可愛がっていただから地位ちゃんはとても人懐っこく、抱っこが大好きだった。抱っこしてあげるととても喜び、そしてとても軽い。そして小・・・

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ネコウィルス

16/03/29 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

交差点をゆきかう人々のなかにも、猫の頭がいくつもみえた。
猫の頭――ネコウィルスに感染し、手足はもとより全身くまなく猫のような毛が生えそろった人間のことだった。
二年まえ、南アフリカの山奥で一人の男性がはじめてこのウィルスに感染した。
山からおりてきた彼をみた人々は、輪郭は人間なのに頭は猫、一面毛に覆われたその全身に度肝をぬかれた。その後一年のあいだに、世界中で何百と言う男女が、・・・

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アイ

16/03/28 コメント:1件 ゆえん

愛猫が死んだ。
このアパートに引っ越してきた当初、アパートの大家さんと一緒に拾ったのだ。生後半年弱だろうか、喧嘩に巻き込まれたのか茂みの中でうずくまっていたのだ。抱き上げても抵抗する気力もないくらい衰弱していた。急いで動物病院に連れて行き、手当てをしてもらった。
「あの子飼ってくれない?」
この大家さんは野良猫や野良犬が放っておけず、保護しては里親を探したり、自腹で避妊手術をして・・・

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ゴロー消失?

16/03/28 コメント:0件 yoshiki

「みんなに集まってもらったのも、私は大変なものを発明したかもしれないからです」
 博士はそう言い、テーブルの周りに集まっている研究所の連中を一瞥した。研究生の皆もいったい何を博士が発明したのか、興味深そうに様子を見守っている。博士はやがて白衣の内ポケットから半透明の消しゴムらしきもの取り出して皆に見せた。
「この消しゴムはなんでも消せる。今までの物理の法則を崩壊させるものです」
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月祓い師オロナC

16/03/28 コメント:0件 笛地静恵

 そうかい。ミンCは、この星に来たばかりかい。最初に、ことわっておくが、きつい仕事だぜ。かっこいいって、あこがれだけじゃ、やっていけない。若い子猫には、けっこういるんだ。そういうのが。おもりが、たいへんだよ。
 コン師匠の紹介状を持っているから、ことわるわけには、いかないけどよ。いろいろと、お世話に、なってるからな。百聞は、一見に如かず。現場を体験してもらおう。まあ、ついて来いよ。
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