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  2. 第103回 時空モノガタリ文学賞 【 同棲 】

第103回 時空モノガタリ文学賞 【 同棲 】

今回のテーマは【同棲】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2016/04/11


※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。ナット

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2016/02/15〜2016/03/14
投稿数 72 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

11

江戸外れの怪談 「畳の眼」

16/03/06 コメント:11件 クナリ

 江戸の外れに、木賃宿を改装した一軒の家があった。
 家の主は名前を乙次郎といい、四十路に近く、身寄りはない。
 乙次郎は商才の多少ある商人だったが、その顔はあばたづらでいかにも醜く、ついぞ女に好かれたことがなかった。
「俺なんぞに惚れる女はおらん、一生独り者よ。寂しくなんぞないし、一人で生きる覚悟も出来ている」
と自らうそぶいて笑っていた。
 乙次郎は、近くの集落の・・・

2

猫が回る

16/02/15 コメント:1件 前田沙耶子

電灯の紐の先に小さな猫のぬいぐるみがくくり付けられていた。恋人が友達から貰ったものを持て余してそこに吊ったらしい。ダヤンにタキシードを着せてシルクハットを被せたような、すました猫である。何かの拍子、たとえばエアコンを付けたときや窓を開けたとき、くるくると回るのが面白い。俺はすぐにそいつを気に入った。

「缶詰の蜜柑が食べたいなぁ」
恋人が布団に入る前にしみじみと言った。
「・・・

最終選考作品

2

さよなら、れいこ。

16/03/14 コメント:2件 そらの珊瑚

 引っ越しの段ボールをテーブル代わりにしてカップラーメンを食べている時だった。
ふと視線を感じてふりむくと女の子が立っている。
「だ、だれ?」
 ボクが訊くと、女の子は「うわっ」と言ってのけぞり、あとずさりした。
「え、えっ? あたしが見えるの?」
「うん」
「びっくりしたなあ、もう」
 お化けに出会って(経験上、お化けに足があることを知っていた)驚くのは・・・

2

もしかしたら都合の良さだけではなく

16/03/08 コメント:2件 FRIDAY

 別段好きでもない異性と同棲することを、果たして人は是とできるだろうか。
 私はできていた。
 相手は高校の同級生にして同じ大学に通う同期。ワンルームのアパートだ。ひとりで住むにはやや広く、ふたりで住むにはちょっと狭い。それくらいの部屋。
 お互いに恋愛感情はない。そのことは確認済みだ。現状に至るいきさつは煩雑に過ぎるしあまり思い出したくもないが、平たく言うなら私の家庭事情と彼の・・・

2

騒音

16/03/05 コメント:2件 田中 丸才

「二人ならお茶がおいしい」アイは笑いを作ってマッグカップのほうじ茶を啜った。「そうだね」煙草に火をつけ、手を差し出し、いつものように金を受けとる。僕は器質的に依存している。

同棲して半月、閉じられたままのダンボールが3つに減り、カーテンが花柄に変わった。彼女の世界と存在感が少し、狭い部屋に侵食した。アイは僕に何を求めるだろうか。

適当な相づちをのあと、ジャケットを羽織り・・・

1

流れる林檎のうえに

16/02/26 コメント:2件 吉岡 幸一

 川面に浮かぶ光の玉が右へ左へと揺れながら遊んでいる。
 小魚の群れは仲良く列になって廻っている。
 水は山から海へと向かってながれ、雲は西から東へと泳いでいる。
「今日からあの家で暮らすのね」
 彼女は少し恥ずかしそうに見上げる。
 五階建てのマンションの三階の角部屋、川に面していて景色もよい。
 川向うに高い建物はなく、田んぼと一軒家と小学校がみえるだけ。<・・・

6

繋がれないなら生きるなよと叫ぶ声がする土砂降りの中で

16/02/15 コメント:7件 クナリ

 どうやって連れて来られたのかは覚えていないけれど、監禁され出して今日で多分三日目。
 私の両親は共に出張がちで、もう数日は、娘の失踪に気付かないかもしれない。
 小学校が夏休みに入って間もない七月のある日、私はマンションらしい一室の鍵付きクローゼットに閉じ込められていた。
 鎧戸状になっている扉の隙間から明かりが差しているけど、外を覗いても壁が見えるだけだ。
 私を監禁し・・・

投稿済みの記事一覧

2

日記を読む女

16/03/15 コメント:0件 森氏蛙夢吐

それ急だった。
アヤの同棲相手の善太郎が結婚しようと言い出したのだ。もう同棲を始めて五年が経過していた。
善太郎も養える算段ができたと思ったらしいのだ。アヤもどうするか決める時期だとも考えていた。止めて、新しい生活に移るか決める潮時だったと思っていたのだ。来月の休みにでも、アヤの両親に挨拶に行きたいと言ってきたので、都合を聞いてみると言った。

 翌晩、善太郎は神妙な顔つ・・・

2

下手の明るみ

16/03/14 コメント:0件 むねすけ

朝から電車が止まる。
パンクロッカーはテレビの中、「いい大人なんだから電車に飛び込めば残った家族に賠償金が請求されるぐらいのことはわかってるはずでしょ」
と語っていた。
楽器も弾かずに、飛び跳ねもせずに、ソファにお尻をおしくらせて語っていた。
そんなの見ちゃったせいで、通勤の時々
人身事故により電車が止まっておりますと聞くたび、
残された家族の気持ちになって、貯・・・

6

それでも僕は君に恋をする

16/03/14 コメント:10件 冬垣ひなた

 マンションの呼び鈴が鳴ったのは、何年ぶりの事だろう?
 フィギュアに囲まれ独り暮らしを謳歌していた僕がドアを開けるとそこには、2次元の嫁に負けぬくらい斬新なスタイルの女の子が立っているではないか。
「こんにちは」
 彼女の体は、うっすらと向こうの景色が透けて見える。腰を抜かした僕はずり落ちた眼鏡を上げながら、彼女に聞いた。
「ききききき、きみ、もしかしてユーレイ?」

0

してない同棲

16/03/14 コメント:0件 みるこ

わからない、わからない。
いつも一緒だったのになあ。

彼女の気持ちを勝手に推し量っていた自分をばかだと思う。
予想と違っていた。いろいろ告白された。

「本当はあのとき嫌だったんだ」
「楽しくなかった」
「正直引いてたよ」

崩れていく信頼感。自分の鈍感さ。アホな私。

一緒に住み始めたのは大学生になってからだ。
実家・・・

3

恋人以上、夫婦未満

16/03/14 コメント:4件 そらの珊瑚

 結婚前のお試しとか、そういうのじゃなかった。私達が一緒に暮らし始めたのは。
 一緒に暮らせば、経済的だというのが一番の理由だったから、情けないといえば情けない。
 だけどお互いに同じ劇団に所属する役者。というか、まだ役者のタマゴだった。時給850円のアルバイトで食いつないでいる身なのだ。
 家賃も生活費も折半になるのは、願ってもないことだったし、ついでに好きな人といつも一緒にい・・・

1

白蟻の恋

16/03/14 コメント:0件 高橋螢参郎

「……た、ただいま」
 家に戻った小男は、誰にも聞き取れないほどの声でそう言った。
 おかえり、の返事はない。いや、あっては困る。
 老朽化した一戸建ての一階と二階の間にぽっかりと開いた空洞が、この小男のねぐらだった。外壁の綻びから、生来手先の器用だったのを活かして簡単な部屋を勝手に拵えてしまったのだ。
「ただいま」
 小男の帰宅からやや遅れて、若い女の声が階下より聞・・・

5

同じ屋根の下

16/03/14 コメント:4件 泡沫恋歌

 最近、美菜ちゃんの様子がヘンなんだ。
 いつも帰ってきたら、一番最初にボクに挨拶をするはずなのに……さっさっと自分の部屋に引っ込んでしまう。ドアの外からボクが呼びかけても知らんぷり、部屋の中から誰かと話してる声が聴こえてくる。それはケータイとかじゃなくて、もっと近くで囁くように話しかける声なんだ。なんか怪しい、ボクに隠しごとなんて水臭いぞ!
 ずっと同じ屋根の下で暮らしてきた仲じゃな・・・

6

妖の庭 鬼灯の空

16/03/14 コメント:4件 宮下 倖

 
 庭の鹿おどしがカコンと尻をついた。竹の切り口はすぐに顎を上げ夕空を仰ぐ。灌木の間や石灯籠の後ろに潜むいくつもの気配は、庭に臨む座敷の中を心配そうに窺っていた。
 座敷に並んでいるのは、口を真一文字に引き結び緊張した面持ちの鬼火の青年と、背筋を伸ばし凛とした様子の文車妖妃である。彼らの前で渋面をつくっているのは、妖怪の総大将ぬらりひょんだった。 

「じじさま、彼と一緒・・・

1

カエルが降ってきそうな夜

16/03/14 コメント:0件 ケイジロウ

 ある冬、変な男とシェアハウスで同棲することになった。
 そのシェアハウスは古いプレハブの一軒家で、リビング(物置きになっているが)、キッチン(これも物置き)、トイレと風呂(過去5年以上掃除されていないことは僕が保証する)、そして寝室が三部屋ある。各寝室には2、3人がシェアしていた。その西側の一室に僕はその変な男と同棲することになったのだ。
 彼は僕と同い年の29歳。外見は日本人と変わ・・・

2

無反応の同衾(欲望の代替物)

16/03/14 コメント:2件 タック

「さあ、服を脱ごうか、美晴ちゃん」
そう言うと彼は薄手の上着に手を掛け、優しく脱がしはじめた。
腕の中では物言わず、色白の女性がその背をもたせかけていた。



とかく、人は孤独を恐れるものである。自分は一匹狼だ、孤独など恐れるに足らずと咆哮してみたところで、結局はそれは数少ない燃料を消費しての惨めな鼓舞に過ぎず、いずれは燃料の枯渇をまねき、精神の枯渇をまねく・・・

1

純粋なる狂気

16/03/14 コメント:0件 kanza

 この日は佳純のバイト先であるカフェで彼女の送別会が開かれた。月はすでに夜空の高いところで馴染み、自宅へと向かう住宅街は静けさに包まれている。自宅アパートが見えると、彼女は反射的に振り返った。街灯の下には何も見えない。佳純は安堵の吐息を漏らした。
――ぼくは今日、ガラス窓の向こうに天使をみた。異空間に入るのは怖いけど、勇気をだして足を踏み入れた。天使は柔らかな笑みで迎えてくれた。帰り際にはお・・・

10

彼と共に棲んだもの

16/03/14 コメント:13件 光石七

 普段温和で優しい主任の険しい表情。僕のミスのせいで、顧客の自宅で二時間も怒号を浴びる羽目になったのだ。最後は先方もこちらの謝罪を受け入れ笑顔を見せて下さったが……。
「直帰の許可が出た。晩飯食って帰るか」
顧客宅を出て部長に電話報告した後そう言ったきり、主任は黙って僕の前を歩く。バスの中でも無言。駅前の定食屋に入ってビールと定食を頼んだものの、主任はしかめっ面で宙を睨んでいる。この状・・・

2

その日を暮らす物書きの横にいる者

16/03/14 コメント:0件 むねすけ

三年以上同棲した場合、慰謝料の請求が可能だとね、ふむふむ。
知識というのは不思議なもので、現実のつぶてを飲みこむ直前に半身得たりと記憶野で跳躍を見せたりするので。

「同棲ってなんでしょう?」

あ、いけない、まただ。
一人暮らしが長く、同居生活が急だったので、聞かれてまずい言葉を独り言から排除する術がまだ、
体得できていない。
口に出していたか、耳・・・

0

リフレイン

16/03/13 コメント:0件 たんぽぽ3085

恵里からの年賀葉書が届いた。
可愛い羊のイラストが笑っている。
一月ももう半ばだ。天然の彼女らしい。
それでも嬉しかった。
消印は広島。
名前だけで、差出人の住所は書かれていない。

ぼくらは、一度は将来を約束し合った仲だった。
恵里がアパートを出て行ってからすでに丸二年になる。
ほんのちょっとした諍いが原因だったと思う。
今じゃ思い出せ・・・

1

うたかたの

16/03/13 コメント:0件 かめかめ

 春樹と暮らし初めて二年目の春をむかえた。僕は密かに、僕たちは同棲しているんだと思っているけど、春樹にとっては男同士の同居でしかない。そんな毎日に空しさを感じないわけはない。胸の奥に押し込めた片想いが僕を押し潰しそうになる夜もある。それでも毎朝、目が覚めると春樹がいる幸せを、僕は手放すことはできない。
 僕たちは産まれた時から一緒だった。母親同士が親友でスープの冷めない距離に住んでいたから、・・・

2

アイノスサガシ

16/03/13 コメント:0件 恋竹真雪

街中を歩いていて目に入る壁いっぱいに張り出されている不動産屋の見取り図を、ついしげしげと眺めてしまう。
頭の中で声がする。

「物件はあかりに全部任せるよ。宜しくね」

喋り方のせいなのか声質のせいなのか、決して小さくはない音量で話しているのにとても静かな印象を受けるその声で一言一句違わずに脳内リフレイン。
世界で一番安心できる人の声で、ここ最近私を一番悩ませて・・・

1

敬天愛人。

16/03/12 コメント:0件 れいぃ

 いっしょに住んでいる、と言えるのだろうか。
 俺は彼を、拘束、というか監禁している。
 外には絶対出さないし、飯は安いのしかやらないし、俺が忙しいときは話しかけられても無視している。風呂には入らせてやらないから若干くさい。服はめんどくさいから着せてやらない。
 べつに、最初からこういうことするつもりはなかった。
 俺は誰かといっしょなんて耐えられないし、男と同じ部屋なんて・・・

4

私を笑顔にして下さい

16/03/12 コメント:5件 あずみの白馬




 私と同棲していた彼氏は、浮気を問い詰めた瞬間に出て行ってしまった。

 元彼が去った、まだ幻影が残る部屋のパソコンの中には、元彼との記念写真がたくさん保存してある。
 遊園地、夜景、観光地……、その中に私と元彼が幸せそうに写っている。とても幸せな二人の表情を見るたびに切なくなる。

――裏切られた、それなのに

 写真を見ていると・・・

6

1DKの遥かなる森

16/03/11 コメント:2件 深村ツルユキ

一緒に暮らそうと誘った僕に、彼女は「六人暮らしになっちゃうけど、いい?」とおそるおそるの問いを返してきた。
彼女の事情は承知していたのでもちろん首を縦に振り、僕たちがひとつ屋根の下で新しい生活を始め、過ぎること半年。
今朝はソマちゃんにいきなり叩き起こされ、覚醒前の頭をぐわんぐわんと揺らされた。モーニングサービスとしては穏やかでない。
「ソマのプリンがないの」
「食べてない・・・

16

春を告げるモノ

16/03/11 コメント:12件 石蕗亮

 雪の姿こそ無かれども、吐く息は真綿の如く白い。
指先の冷たさを手のひらに包み込んで握り、向かい吹く風に目を細め歩く。
春は名のみの風の寒さや、と心の中で呟き詠う。
 私は魔術師の弟子である。
師匠の喫茶店を手伝いつつ手習いを受けている。
カロンカロン
いつものように店のドアベルを鳴らし中に入るとカウンターにお客が1人。
ローブについたフードを目深にかぶり・・・

3

歌うギターと踊る靴下

16/03/11 コメント:4件 月村千秋

 やかんでお湯を沸かすのは彼曰く不経済らしい。ガスよりも電気のほうがお得だから、瞬間湯沸かし機を使ったほうがいいと説得されたけれど、火の入ってないお湯は味気ないように感じてしまう。それに最近気づいたことは、私はこの沸騰するのを待つ時間が意外に好きということ。
 耳をすませると水の蒸発する音が聞こえる。水がふっと力を抜いて小さく息をするように、自分の中の余計なものを外に出しているような気がした・・・

1

ドウセイ

16/03/11 コメント:0件 繭蜂なずな

「同棲」を辞書で引いてみたら、夫婦関係のない男女が一緒に住むこと、と書いてあった。だから、そうかこれは同棲ではないのだと、ぼんやりとした頭で考えて。じゃー、よかったじゃん。わはは。私はウイスキーをロックで飲んで、泣きながら寝た。
 同棲はダメだ。小さなころ、従姉妹のお姉さんが恋人と一緒に住んでいることを親戚の前で話した時、大人たちは口をそろえて言っていた。結婚するまで待てないのか。吐き捨て・・・

1

同棲

16/03/10 コメント:0件 せいしん

 ワヤンは一人暮らしだ。彼の朝は早い。まだ辺りが暗いうちから、家の床の砂を箒で掃く。しばらくすると、村の至る所でサッサッと擦れる音が聞こえてくる。集めた塵はそのまま家の開口部まで持って行って外に掃きだしてしまう。
 「おはようワヤン。」
 隣村のカデさんだ。独り身のワヤンを気遣って、いつもチーズを届けてくれる。チーズは健康にとても良いそうだ。カデさんは商売が上手い。奥さんを4人も持って・・・

0

どうせいつものコーヒーだろ?

16/03/10 コメント:0件 高木・E・慎哉

僕は君に頼んだ。

「熱めのコーヒーは味わえないんだよ」

でも、耳の聞こえない君は、いつも通り顔を少し横に傾ける。

いつも通りのやり取りだ。

やかんの音の聞こえない彼女は、熱くなりすぎた熱湯に気づくこともなくテレビを見ている。

僕はあわてて、台所に行って、やかんの火を消す。

もう10年間ずっとだ。

同棲・・・

3

同棲とよく似た五つの言葉による物語

16/03/09 コメント:2件 海見みみみ

【土星】
 休日の昼下がり。私は彼と一緒にテレビを観ながらボーッとしていた。そこに好きな異性といるという緊張は、あまりない。さすがに同棲生活が一年も続くと、ときめきも薄れてくるみたいだ。
 テレビでは宇宙に関してのドキュメンタリーが放送されていた。画面に一瞬土星が映る。
「土星の環って、なんだかドーナツみたいだよね」
 私はなんとなくそうつぶやいた。
 すると座ってい・・・

1

人生の墓場

16/03/08 コメント:3件 FRIDAY

「俺、就職したら犬を飼おうと思うんだ」
 ずるずるとラーメンをすすっていた西島が、不意にそんなことを言いだした。
「…は?」
「犬だよ犬。鳥とか亀も悪くない気はするけど、やっぱり哺乳類がいいよな。ペットというか、相棒って感じがして」
 いや、俺の「は?」はどうして犬なんだという意味ではないのだけれど。
 何を突然。
「いや、ほら、俺ってこのまま生きていくと彼女も・・・

0

モテモテに気をつけて

16/03/07 コメント:0件 水色羽子

A「内緒なんだけど、オレ同棲してるんだ」
B「へぇ〜。ん?誰に内緒にしてるんだ?」
A「彼女に決まってるだろ」
B「え? 相手は彼女じゃないのかよ?」

後ろの話し声で、顔を上げる。
たまの休みなので、のんびりとフードコートのテーブルで、ラーメンを食べてた。
彼女がいるのに、別の女と同棲か……
彼女のいない自分にとっては、遠い話。うらやましいよう・・・

3

最後の日

16/03/07 コメント:2件 風富来人

 今日、由香と俺は約三年間に及ぶ同棲生活にピリオドを打つ事になった。
同棲生活を終わらせようと言ったのは俺の方からだ。俺が由香にその事を告げた日、俺の言葉を聞いた由香はこらえきれずに泣き出した。由香は泣きながら俺の思いを了承してくれた。

 昼食を食べ終えた後、俺は食器を洗った。
由香の使う茶碗は縁が一部欠けている。以前俺が洗い終わった茶碗を食器戸棚に仕舞う時、誤っ・・・

2

森林同棲。

16/03/06 コメント:2件 霜月秋介

 セイは、自分に自信が無かった。意気地が無かった。だから人に好かれているという実感が持てなかった。
 つきあっている彼女の前ではいつも、必死に強い自分を演じていたが、いつかその化けの皮が剥がれ、ありのままの自分をさらけ出すのが、嫌われるのが恐かった。彼女の方から告白されたので、とりあえず承諾して付き合ってはいるものの、その次のステップに進むのを躊躇している。自分は彼女を大切に思っているのか、・・・

0

晴耕雨読

16/03/06 コメント:0件 窓際

気付いたらいつも一人ぼっちだった。
周りにはたくさんの人がいたはずなのに私は消耗品のように見捨てられていくような気持ちを何度も味わった。
「お前と友達でよかった」
「ずっと友達だからね」
そういう言葉はいやというほど聞いてきた。
昔はなんでも平均以上にこなす事ができたし、周りの印象も悪くはなかったと思う。
頼りにされてはいたし、必要とされてもいた。
周りに・・・

1

マトリョーシカもどき

16/03/06 コメント:0件 にぽっくめいきんぐ

「一緒に住むなら何人がいい? 理想の人数って、人それぞれでしょ?」
 こいつは、けらけら笑って、話題を振ってくる。
「は?」
「同居は何人がいいと思う? 君の理想の人数だよ。それを聞いてるの」
「シェアハウスでもするのか?」
「そうじゃないよ! わかんないかなー?」
「既に2人で住んでるよね」
「夢が無いなあ! もっと、視野を広く持とうよ!」
「意味・・・

2

奇妙な同棲

16/03/04 コメント:0件 masa

奇妙な同棲生活が始まり一週間が経った。
今もあいつは部屋の隅でうずくまっている。

「なぁ飯食う時くらいこっち来いよ。」

そう話しかけるがじっとこっちを見たまま動かない。
俺と全く同じ顔をした奴。

俺はいじめが原因で2年前から引きこもっている。
本来なら高校2年の17歳だ。
高校はどうなったのだろう。強制的に退学かな?

・・・

4

N氏のネコは

16/03/03 コメント:3件 Nyaok



 拾った猫が地球外生命体だと僕たち家族が気づいたのは、ミケがひげを垂らして神妙に語り出した時だった。
「――というわけで、お世話になりましたニャ。母星に帰っても皆さんのことは忘れニャいです。多分」
 多分なんだ、と僕は思ったが口には出さなかった。
「ミケ、元気でな」
 父さんがミケの頭に手を乗せて、ちょっと乱暴に撫でる。じいちゃんも父さんも妹も泣いていたけれ・・・

0

同居人の鈴木君

16/03/02 コメント:0件 つつい つつ

 今日も飲み会は盛り上がっている。俺が所属している大学のサークルの集まりで大勢で飲んで騒いでいる。
「清人君、なんか企画考えてよ。どっか遊びに行きたい」
「奈南ちゃん、カメラ好きだったよね。じゃあ、旅行行かない? フォト旅行。みんなで写真撮って見せ合うの」
「おっ、清人いいじゃん。俺も行く」
 俺は自分で言うのもなんだけど、社交的で明るく人気者だ。LINEはいくつものグルー・・・

1

じゃもさん

16/03/02 コメント:0件 海月





朝起きると
彼はまだ寝ていて
それはいつものことなのだけれど

その寝顔を見ると
私はこの人と一緒にいて良かったな。
と、思う。

私は同棲している
彼氏のことを「先輩」と呼ぶ

だが、しかし
私たちは学生時代の先輩後輩でもなければ
職場でそういう間柄だったわけでもない。

だ・・・

3

一宿折犯

16/03/02 コメント:6件 ヤマザキ

 よお、どうした相棒。暗い顔して。
 分かってるって。何か言いにくいことがあるんだろ?
 他の連中に内緒で俺とサシで話すときはいつもそうだもんな。
 ほら、とっとと言っちまえよ。俺たちの間で隠し事なんて水臭え上に馬鹿馬鹿しいだろ。
 何!? また拾ってきただって?
 おいおい、つい先週新しいのを棲ませたばかりだってのに、そいつが落ち着かない内から次の奴か?
 行・・・

1

Mr.ブルーバードを探して

16/03/01 コメント:0件 みや

朝目覚めて洗面所に行くと、昨日まで一緒に暮らしていた男の歯ブラシがまだ残っていて、こういうところが嫌なのよ、とウンザリしながら彼女はその歯ブラシをゴミ箱に投げ捨てた。

身仕度を整えてリビングに戻るとノートパソコンがブルーバード社からのメッセージを受信していて、そのタイトルを見て彼女は小さく溜息を零した。ブルーバード社には昨日まで一緒に暮らしていた男との同棲の解消を昨夜の間にメールで報・・・

2

彼女と猫と僕

16/03/01 コメント:0件 mati


「そういえばお腹がすいたな」
起きて気がつくと12時を回った頃だった。冷蔵庫を開ける。
そこには何も無い。牛乳のカップが一つだけあった。
猫が一匹僕の側に来て啼いた。ミルクをやる。そっと皿にミルクを注いだ。猫はそっと飲み始める。
彼女は出勤したのだろう。テーブルの上に食事が置いてあった。
「温めて下さい」
そう書いた紙が一枚。テーブルの上にあった。鬱病の・・・

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このドアを出て行く日

16/03/01 コメント:0件 南野モリコ

20××年3月×日。
長い夜をバーで過ごした温子は、ようやく動き出した始発に乗り、
ふたりで暮らすアパートに帰り着いた。玄関を開けると、
朝日が差し込む部屋に光孝の姿はなかった。
温子は頭が真っ白になり、震えが止まらなくなった。

昨日から、メールも携帯も一度も繋がらなかった。
ふたりは、朝の出勤前、つまらないことで喧嘩をしてしまったのだ。
寝坊して・・・

1

生き物バンザイ

16/02/29 コメント:2件 キップル

「さぁ、始まりました『生き物バンザイ』! 気になる今回のテーマは、『共生』だよ!」

 夕食を終えて、ソファに寝転がった俺は、何気なくテレビ画面を見た。映っていたのは、子供向けの教育番組だった。それは、先生役の中堅タレントと生徒役の女の子の会話からスタートした。

「ねぇ、ミクちゃん、『共生』って何のことか分かる?」
「きょうせい? うーん分かんないなぁ。あっ、学校の・・・

1

うさ太郎

16/02/29 コメント:2件 素元安積

 魔が差したのだろうか。気づけば私は、ゴミ置き場にあったウサギのぬいぐるみを抱えていた。捨ててあったとはいえ、あまり宜しい行為では無いだろう。それも、こんな薄汚れたぬいぐるみを。けれど、このぬいぐるみにどうしようも無い愛着を感じてしまったのだ。
 実家へ持ち帰り、ウサギをクッションに座らせる。パステルカラーの綺麗な部屋には、みすぼらしくて合わないな。でも、この汚れ具合や、糸のほつれ具合、今に・・・

1

二人の時間

16/02/29 コメント:2件 Fujiki

 健人と共に過ごす一瞬一瞬が限りなく貴重なものに思えてくる。
 別に特別な瞬間でなくていい。並んで道を歩いていると何も言わずに指先を私の手に絡ませてきた時。私が作った料理を「おいしいね」と言って笑顔で食べてくれた時。テレビのお笑い番組を見て二人で涙が出るほど笑った時。若い筋肉のついた腕に抱かれ、甘酸っぱい汗のにおいを胸いっぱいに吸い込んだ時。彼の厚い胸板を一直線に縦断する手術痕を指でなぞりな・・・

1

悪魔の永恋

16/02/29 コメント:0件 

サラはエドを愛していた。
南の農村に産まれた年端も行かない幼子であったが、サラはエドを愛していた。けれど、サラの容姿は村の人気者であるエドには余りに不釣り合いだった。
それでもエドに愛されたい。胸が押し潰されそうな祈りを、サラはひとり捧げ続けた。

それから幾年かののち、サラはかつての面影を微塵も感じさせないほど美しく成長した。村一番の乙女となったサラはエドと交際を始め、ほ・・・

1

幼馴染

16/02/28 コメント:0件 窓際

「ただいまー」と少し浮かれた様子でヒロが帰ってきた。
「嬉しそうだねー何かあったの?」と私が聞くと「実はね!」と目を輝かせながらヒロは「今日会社の人に告白されちゃった!」と少し照れながらも少し自慢げに話し始めた。
要約すると、いつも一緒の部署で働いてる少しかわいい子にバレンタインチョコをもらった、とまあこんな感じだった。
たったこれだけのことなのだが私は30分もこの話に付き合わさ・・・

2

美奈と一緒

16/02/28 コメント:1件 割り箸

俺と美奈は同棲している。
結婚はできない。法に触れているからだ。俺は16歳、美奈は15歳であった。
そして、母親にはこの同棲を内緒にしていた。父親にはバレている、というより、美奈と知り合ったのは父親の紹介からだったので、自ずとバレてしまうのだ。15歳の少女を一人住まわせておいて母親にバレない理由の半分は、父親が上手く言いくるめてくれているかららしい。
いつか、必ず結婚してやると父・・・

2

金貨は表と裏がある

16/02/26 コメント:2件 夏日 純希

 皆と違うとすれば、悲しみと金を交換していることくらいのものだ。悠馬は他人からスッた財布の中身が空っぽになったことを確認してから、そっと酒場の前の大樽の上に置いた。昼の酒場には人気がなく、すぐに誰かがそれに気づくことはなさそうだった。悠馬は20歳だがスリとしては一流だった。10歳で両親に先立たれながら、この荒くれ者が蔓延る街で生きていけたのは、マジシャンだった父親に教えてもらった、気づかれずにモノ・・・

0

姉の同棲

16/02/23 コメント:0件 永遠川ミモザ

「ねえ聞いてよ。」
また姉からの電話通信だ。今度の話もまた「彼」との同棲生活についてのことだろう。
「私の彼がさ、」
ほらやっぱりそうだ。
「つんけんせずに聞いてよぉ」
私の姉は甘えるのが得意だ。これに「彼」はほだされたのだろう。もちろん妹である私も、姉の甘ったるい声を無視すると後が面倒くさいので、仕方なしに応える。
「『彼』がなかなか帰ってこないのよね、今から・・・

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イチコとニコ

16/02/22 コメント:1件 前田沙耶子

双子の姉であるイチコが死んだのは4ヶ月前のことだった。私の目の前で車に轢かれて呆気なく逝ってしまった。お葬式を終えてイチコが焼かれ、案外すぐに日常は戻った。

それでも私はそれを、イチコの死を真実だとは思えなかった。いつも私の味方をしてくれたイチコ。いつも姉らしく私を助けてくれたイチコ。鏡を見ればそこにいる。イチコはいつも私の右側にいた。昔一緒の布団で寝ていたときも、手を繋いで歩いたと・・・

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朝のダイヤモンド

16/02/20 コメント:0件 吉岡 幸一

「結婚する気はないから」と、京子は泣きながら電話を切ると勢いよくカーテンを開いた。
 春、桜が咲くにはまだ早い。窓の向こうに見える公園の樹々はまだ青く若い葉を風に揺らしていた。頬をつたう涙は桃色で、窓を開ければ冷たさと温かさの交じった朝の風が涙を乾かした。
 携帯電話の着信音が鳴り響く。繰り返し鳴っては切れ、切れては鳴った。京子は電源を落としてベッドの上に放り投げると、小さな声で「ばか・・・

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見しらぬあなた

16/02/18 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

トオルは、階下からきこえる食器のふれる、かろやかな響きに目をさました。
それはいつも朝、七時きっかりにキッチンからきこえてくる、いわば目覚ましのようなものだった。
彼は着替えをすますと、あくびをしながら階段をおりていった。
「おはよう」
オーブントースターからこんがりやけたパンをとりだしていた彼女が、こちらをみた。
「おはよう」
おうむ返しにいってトオルは、てん・・・

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楽園を離れて

16/02/17 コメント:0件 ゆい城 美雲

 ようちゃんは、銭湯の香りをふわふわと漂わせながら、暖かくなってきた風とともに帰ってきた。うちのお風呂が故障してからもう週間にもなるのだけれど、のんびり屋の大家さんは一向にどうにかする気配がなくて、やんなっちゃう。苦肉の策で、徒歩五分のオンボロ銭湯に通い始めた。初めは、今にも朽ち果てそうな外見に不信感を抱いたけれど、住めば都と同じで、入ったら極楽。お湯は曜日ごとに種類が変わる。今日は金曜日だから、・・・

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天使へと還る列車

16/02/17 コメント:0件 seika

 あの大きな銀杏の木のある公園の脇の道を、小学生時代の私は毎日通っていた。入学して間も無くの頃は何か不安でそして早く家に帰りたい・・・という気持ちで一杯だった。仲良しだった近所のRちゃんと二人で手を繋いで通ったこともあるし、意地悪な男の子に攻撃されたこともある。あの頃を振り返ると本当に早く家に帰りたいなぁ・・・というそんな気持ちが勝っていたことを思い出す。
 小学校六年間、卒業間近になるとも・・・

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中山俊

16/02/17 コメント:0件 らける

目が覚めると、見覚えのない天井が目に入った。そのままふと隣を見ると見知らぬ女性が眠っている。動揺した僕は咄嗟にベッドを出て思い出そうとする。昨日の夜、酔った勢いで女性の部屋に来てしまったのだろうか。だがなにも覚えていない。それどころか自分が誰なのかすら思い出せないのだ。焦った僕が自分の携帯を探し始めたところで隣で寝ていた女性は目を覚ました。
「おはよう、あなた。今日は早いのね。すぐに朝食を用・・・

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きびしい

16/02/16 コメント:0件 さおり

「あほなんちゃうか」
その顔がイケメンじゃなけりゃ100パー殴ってる。もう何度目かっていう裏切りに、胃から熱がぐっと喉まで上昇してきて気持ち悪い。そういう稼ぎ方だけはされたくないって、前にも、これまでにも何度も、たった一週間前にも言ったのに。
「マコトなぁ、上手いねん」
困ったような顔をしながら言い訳をして、コンビニで買ってきたらしいチョコレートケーキを食べ始めるマコト。あかん、・・・

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愛さえあれば

16/02/16 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

パメラにむけられるゼンジのまなざしは真剣だった。
「いっしょにすもう」
一瞬パメラはあたりの客たちをうかがった。バーには、多くの異星人たちが酒をのんでいた。自分たちのように、男女のカップルも少なくない。都市では、異なる星同士の男女の、結婚を認めていなかった。恋愛関係はあくまでプラトニックに限定されていた。おそらくこの店の男女もそれは同様だったにちがいない。仕事上や友情のつきあいは奨励さ・・・

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目をあければ、ひとひらの桜

16/02/16 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

冬が去り、まちこがれていた暖かな春風がふきだし人々がこぞって家から出るころ、ヒロキはぎゃくに閉じこもりがちになった。意識は胸のあたりに集中し、いつはじまるかと、はらはらするのもこの時分のことだった。
桜の枝につぼみがふくらみ、それがやがてほっこらとひらきはじめるころ、彼の胸の上にも枝がのびだし、桜が花をつけるのだった。
ヒロキがはじめてそのことに気がついたのは、まだ両親といっしょにくら・・・

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プロポーズ

16/02/15 コメント:0件 窓際

彼女と同棲を始めてから3年の月日が経とうとしていた。
5年前僕らは出会いすぐに意気投合した。互いに惹かれあい、すぐに恋に落ちた。
二人で過ごす日は何事にも代えられないもので、毎日がまるで今までの毎日が荒んで見えるかのように輝いていた。
幸せな日々を過ごし、僕は彼女との運命を確信していたし、彼女も自分を選んでくれると信じていた。
事実、彼女は僕を選んでくれた。その後しばらくし・・・

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中身かルックス

16/02/15 コメント:0件 林一

 彼氏が欲しいと願っていた私のもとに、突然、神様が現れた。
「そなたの願いを叶えてやろう。ただし、あまり贅沢過ぎる願いなら却下するぞ」
「神様、お願いします。私に彼氏をください。ルックスはともかく、性格の良い、優しい彼氏をお願いします」
「承知した」
 その日から、私と彼氏の同棲生活がスタートした。 
 私の彼氏は本当に優しい。
「いつもきれいだね」
「疲・・・

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悪趣味な縁結びお断り

16/02/15 コメント:0件 よしざとめぐみ

「明日から」
そう言って部屋を飛び出したまま、帰ってこない彼の服をついつい壁に投げつける。何度も繰り返した話。
二人の将来について。
一緒に暮らそうと言ったのは彼の方からだった。付き合い始めて数年、そろそろ結婚かと思っていたら同棲の方でちょっと落ち込んだことは内緒の話。
一緒に住み始めてわかったことは、彼は家政婦がほしかったのだということ。洗濯、掃除、食事の準備に片付けすべ・・・

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収集癖

16/02/15 コメント:0件 あすにゃん

テーマ『同棲』 収集癖

 彼女と同棲し始めたのは、彼女が栄養失調で倒れたからだ。
 オレは母子家庭で育ってるから、家事には自信がある。彼女のほうは、東大を出るのに必死で、家事一般はできないときたもんだ。それでよくもまあ、アパートの独り暮らしなんてできたと思うのだが、やはりというべきか、彼女の毎日の食事はインスタントラーメンであった。 これで倒れない方がおかしい。
 ・・・

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言葉の中身

16/02/15 コメント:0件 あおのかさ

 最初から、向いていなかったのだ、最初から。
「それじゃあ、行くから」
 あれだけ長い時間を共に過ごし、そこには無数といえる笑顔があったのに。全ては塗り潰され、上書きされ、現在へと引き継がれる。今は、今しか見れない。そんなことを今さらながらに思う。2人でいたから、思えるのだろうか。
「案外荷物、少ないんだな」
「だって、少なめにしなって言ったのは、あなたじゃない」
 ・・・

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長雨が止むとき

16/02/15 コメント:0件 ポテトチップス

秀介が会社の車庫に戻ったのは、夕方5時を少し過ぎた頃だった。
昨日降った雨のせいで、トラックのバンボデーには泥がこびりついていた。軽く洗車をした後、車庫に隣接するプレハブの事務所に入ると、社長が電話をしていた。
流し台の蛇口をひねり、顔を洗ってタオルで顔を拭いていると、電話が終わった社長が声をかけた。
「お疲れさま」
「社長、お疲れさまです」
「今日も寒かっただろ」<・・・

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いとしのみどり

16/02/15 コメント:4件 泉 鳴巳

 みどりを引き取り一緒に暮らすようになってから、もうすぐ一年が経つ。

 彼女は元々、母方の遠い親戚にあたる人間だ。
 身寄りを亡くし、親戚をたらい回しにされた挙句、どこかの施設に入れられそうになっていたところを僕が名乗り出た。

 唐突な僕の発言に親戚たちは皆目を丸くした。しかし、妻も子供もおらず、収入もそれなりに安定している僕が名乗り出たことで、体よく厄介払いがで・・・

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初恋のダイオウイカ

16/02/15 コメント:2件 笛地静恵

 浸水している。有機軟合金の船体が軋んでいる。潜水深度を越えていた。潜水艦〈鱏713〉は、あらゆる命令を拒否した。日の本海溝へ、急速に潜航していく。
 伊賀は動かない操縦席を握りしめた。唇を噛んだ。胡麻塩の顎髭が歪む。どうすればよいか。秘密を厳守するために、地上との交信は一切、遮断されている。自分が決めるしかない。
 自爆装置の赤いボタンに指を伸ばした。止めた。待て。まだ・・・

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ジコ

16/02/15 コメント:6件 睦月 希結

 「いらっしゃいませ ようこそ。担当の巣間居(すまい)と申します。お客様のご要望にお応えすべく様々な物件をご用意しております。学生さんや単身赴任用のワンルーム。ペットいえご家族ですね?と住める物件。趣味のトランクルームなど、勿論個人情報は厳守します。ツイッター等には晒しませんのでご安心を。本日はどのようなお部屋をお探しですか?」と目の前でイチャつくバカッいえ仲睦まじき 二人にファイルをお見せする。・・・

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