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第102回 時空モノガタリ文学賞 【 ギャンブル 】

今回のテーマは【ギャンブル】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2016/03/28

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。ナット

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2016/02/01〜2016/02/29
投稿数 78 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

12

その灰が轍(わだち)に降り積もるまで

16/02/29 コメント:8件 滝沢朱音

 幽霊が去ったあとには、塩をうんと濃く溶かした水を作ることにした。それを鉄階段の錆びた部分にかける。お清めにもなるし、塩分は錆を進行させるらしいから一石二鳥。ロシアン・ルーレットだ。

「鉄は、錆びたほうがむしろ安定する。そのままだと極めて不安定な物質なんだ」
 黒沢はそう言いながら、黒板に『酸化鉄』と書く。あたしは最前列の席に座りながらノートも取らず上の空で、右手は頬杖をつき、・・・

4

賭博仙人と才三の話

16/02/12 コメント:1件 橘 聰

 賭博を極めて仙人になった男がいるという。人は彼を賭博仙人と呼ぶ。胡散臭い話ではあるが、そんな話を信じ、数年に及ぶ調査と探索の末、仙人の庵にたどり着き、弟子入りをした男がいた。彼の名は高倉才三。己の才覚の無さ、何より優柔不断な精神を何とかしたいと思い、賭博仙人に弟子入りしたのだ。伝説の存在であった仙人を見つけるという“賭け”に勝ったことは、才三にとっては密かに誇らしいことであった。

・・・

4

カルバドス

16/02/09 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

見境なしにはいりこんだバーは、ちょっとばかし高級そうな店だった。
入り口のところで、「コートをお預かりします」と店の者からいわれてアキラは、照れくさそうに安物のコートを脱いだ。
テーブルに着いたアキラは、ため息とともに椅子に座りこんだ。会社で経理を担当する彼が、横領した金のすべてを競馬につぎこんだあげくすってんてんになって、残された道は死ぬしかないところまで追い込まれ、末期の酒をととび・・・

最終選考作品

5

ビールと雑誌と塩からあげ

16/02/29 コメント:6件 宮下 倖

 
 ひとりぶん進んだスペースを二歩で詰める。香ばしい匂いが鼻先で遊んで、ふっと風に散った。人々の背中が重なる先には『塩からあげ』の幟がはためく。「絶品」と評判の惣菜店を目指す列に埋もれた私は、爪先立って前方を窺った。
 きっと無理だ。こんなに並んでいるんだもの。人気のからあげは、きっと自分の番がくる前に売り切れてしまうだろう。
 そう思ったのに順調に列は進み、結局なんの問題もな・・・

11

伝説のギャンブラー

16/02/06 コメント:4件 ラズ

 ロム爺といえば週末のカード狂いで知られ、その日ともなれば酒場の三番テーブルの一席を空け、彼をまつのが常だった。
 実際、彼はカードだけでなく賭け事そのものを愛していた。三度の結婚をしたが、一人目は賭け事で手に入れ(当の女はそれを知らなかった)、二人目は賭け事によって失い(賭博狂いに愛想を尽かされ)、三人目をようやく生涯の伴侶とし、
「良妻といえばうちの女房殿ほどの女はあるめえよ」が酔・・・

5

若い男

16/02/06 コメント:3件 メラ

 若い男というだけで、それは何かの病気のようなものかもしれない。
 そんな言葉を誰かの小説で目にした事がある。当時は僕自身も「若い男」だったが、妙に納得できた。
 そろそろ四十に手が届く年齢になった。もう若い男とは呼べない。
 しかし、その言葉はこの歳になるとなおさら理解が深まった。そう、若い男なんてそれだけで病気のようなものだ。
 病気なのだから、ある意味それは本人が望ん・・・

2

勝負師

16/02/01 コメント:4件 土井 留

 フリージャーナリスト赤城繁は、麻雀の世界で半ば伝説となった、鷲頭岩雄にインタビューする機会を得た。古い雑誌に鷲頭の若い頃の写真を見つけ、手紙をそえて送ったところ、意外にも会ってもよいと返事が来たのである。
 インターホンを押して訪問を告げると、秘書のような男が出て、玄関の鉄柵がスライドした。男に案内されて明るいリビングに入ると、セーターを着た小柄な老人が座っていた。それが伝説の勝負師鷲頭だ・・・

投稿済みの記事一覧

4

カジノパラダイス

16/03/07 コメント:9件 泡沫恋歌

 男は根っからのギャンブル好きだった。
 会社が終わるとパチンコ店に直行して閉店まで打っている。休日には競馬場に出かけて馬券を買う。宝くじ売り場を見れば必ずロトを買ってしまう。
 とにかくギャンブルが好きで止められない。負けても負けても……止められない、それがギャンブラーの宿命なのだ。
 その日、男はパチンコ店からブツブツ文句を言いながら出てきた。
「クッソー! ぜんぜん出・・・

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この目がそう言っていた

16/03/01 コメント:2件 四島トイ

 男の肩にしな垂れかかる女の色眼鏡の弦がチラリと光るのが目の端に映った。
 ホールの明りを反射してセルロイドのように照る頬。大きく開いた胸元に、青白さすら感じさせる肌。露出した背筋。
 女の艶やかな唇が男の耳元に寄せられる。掠れた声。
「赤の十九よ」
 男の視線が回転するホイールからわずかに外れる。
「本当だな」
「ええ。わたし、目がいいの」
「その目が言・・・

1

地獄の門でね

16/03/01 コメント:0件 森氏蛙夢吐

鬼の又吉は丘の上で大八車の上に大きな鳥籠を載せた火の車を停めていた。
又吉がまだ肩で息をしていると鳥籠の中から声がした。
「あのう、ここはどこですか?」
「ああ、地獄までの途中にある追分だよ」
「さあ、お前もここで一休みしろ」
そう言いながら、又吉は女を降ろした。
「所で、お前とは会ったことがあるような気がするが、どうにも思い出せない」
又吉は刺青が入った・・・

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神は砂塵の彼方に

16/02/29 コメント:10件 冬垣ひなた

 今朝も、目覚めたのは夜明け前だった。
 洗い場に馬を連れていくと、蹄鉄を焼く臭いが漂っていて、インストラクターの律子は睡眠不足の頭を軽く振り、装蹄師に取り次ぎをする。
 2011年3月11日、東日本大震災は、この仙台市にも激しい爪痕を残した。
 あれから2週間が過ぎ、律子の所属する乗馬クラブは、営業再開のめども立っていないのに、厩舎が満杯で人手も足りない。律子も休日を返上して働・・・

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馬女の打算

16/02/29 コメント:0件 mati

ギャンブルと言えば競馬。
競馬といえば、女性を寄せ付けない男の聖地。それが競馬場。
女性の踏み入れる場所ではない。長らくそう思われていた。けれども、
最近は競馬場に足を運ぶ女性たちも増えているらしい。
競馬場内に、女性 限定のカフェや、イベントを行うスポットもあるようだ。
そして、ここにもそんな競馬の魅力に取り付かれた女性がいた。

「最近は競馬場もオシャ・・・

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かりかりかりんとう

16/02/29 コメント:0件 みるこ

誘惑のかりんとう。

最近よく食べている。
昔から好きなわけではなく、健康を意識するようになってからなぜかとても魅力的に見えてきた。
洋菓子よりは素材がシンプルで体に良さそう。
それなりの甘さもある。
とても優秀な和菓子だと思う。

私が好きなかりんとうはオーソドックスなやつだ。
ゴツゴツとしていて粗い、親指くらいの大きさの太いやつ。
黒・・・

1

悪魔と月泥棒

16/02/29 コメント:0件 むねすけ

満月の一日前、森の者たちで相談会を開いていた。
本来、未来を覗くことは禁じ手なのだが、目を覚ました悪魔は森の者たちの半分の数の命を差しだせと、
死鬼なる顔で森の者たちの闘志の炎をかき決して迫ってきたので、これしか策はなかったのです。

しかし、悪魔にしてみればこれがぬかりでした。
他の道をすべて断ってしまったがために、森の者たちに唯一残っていた対抗策へと導いてしまった・・・

3

もうひとつの浦島太郎

16/02/29 コメント:4件 そらの珊瑚

 ある日のこと。浜で亀が子供らにいじめられていた。が、運良く通りかかったおじいさんに、亀は助けられた。
「ありがとうございました」
 亀は涙を流して喜んだ。
「お礼に竜宮城にご招待させていただきます」
「竜宮城? それはどんなところですかな?」
「はい。表向きは乙姫さまのお城となっておりますが……。実のところ、賭博場でございます」
「賭博場……つまりお金を賭けて・・・

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親友

16/02/29 コメント:0件 むねすけ

「人に恵まれることが、あんたの才能だよ」
と、ミツキちゃんは多分中国拳法の使い手のような目つきで言ったと思う。
「君島先生でしょ、タカオ君でしょ、おじさんとおばさん、それにおじいちゃん、高名な画家だなんて凄い幸運だよ」
「だって私、どんな絵か知らんけど」
「その自虐ギャグやめんと、私は笑えるけど、笑ったら悪者に見えるんよ、客観的に」
「言わせてください、私のアイデンテ・・・

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文字通りギャンブル

16/02/29 コメント:0件 ケイジロウ

 僕がパチンコで生計を立てていることがわかると、「じゃぁ、今からカジノ行こうよ。」と彼が提案してきた。
 ホステルのドミトリーで1時間前に会ったばかりの青年である。ここは海外だというのに、日本語で「日本人ですか?」といきなり聞いてきた。日本人に会えて僕も正直嬉しかったが、一応ポーカーフェースで気取っておいた。僕はこの宿に前日着いた。だから僕は彼の先輩である。だから僕は彼より偉いのである。

2

ある契約

16/02/29 コメント:0件 Fujiki

 昼休みに職場近くのそば屋に入ると、悪魔がてびちそばを食べていた。
「あいっ、政彦くんね? 久しぶりだねー」
 悪魔と会うのは高校生の頃以来である。酔いつぶれた親父を迎えに行ったスナックで、背中を丸めてカウンター席に腰かけてウイスキーをちびちび飲んでいたのを時々目にしたことがある。何度か言葉は交わしたものの、よく名前まで憶えていたものだ。
「ああ、はい。ご無沙汰してます」
・・・

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近未来の交差点ゲーム

16/02/29 コメント:0件 海音寺ジョー

 前から老人が歩いてくる。頭の上には黄色い光球が浮かんでる。
(徘徊者か)
 交差点の信号が急ピッチで変わる。センサーが正常に機能しているんだ。通行人も、みなわきまえている。
 僕たちは学校の帰りに、いつもこの交差点でゲームをするんだ。次に角を曲がってくる老人が、黄色か赤か、無色かを賭けるのだ。
 福祉の政策が発展して、要介護のお年寄りを病院や施設に閉じこめるんじゃなく、解・・・

12

ギャンブルなんてやりません ―徒然なるままに駄文―

16/02/29 コメント:13件 光石七

 困った。今回のテーマは【ギャンブル】である。まあ、毎テーマ何かしら頭を抱えてはいるが、それはさておき。
 ギャンブル、ねえ……。夜な夜な愛猫ちーちゃんを強引に布団に引きずり込んで手籠めにし、遊びに来た甥っ子姪っ子におやつのおすそ分けをねだる品行方正な私には、全く以て無縁である。これほど私に縁の無いものがあろうか。……いや、それを言うなら『結婚』や『モテ期』のほうがはるかに縁遠い。この世に生・・・

2

やめてくれ

16/02/29 コメント:1件 高橋螢参郎

 俺は縛り付けられたように、この箱の中から一歩も動けなかった。
 視界は固定され、ここから日がな一日ずっと正面だけを見させられていた。箱男、という小説を知っているだろうか。あれの全く動かないやつを想像してもらえば解り易い。
 もちろん、俺は本家と違って好き好んで箱を被っているわけじゃない。詳しくは俺自身も判らないが、ペナルティとして放り込まれたと考えるのが妥当だろう。……もし地獄という・・・

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夜の蜘蛛

16/02/29 コメント:4件 そらの珊瑚

 私の記憶をさかのぼると、いっぴきの蜘蛛に行き当たる。

 おそらく3、4歳くらいではなかったか。その蜘蛛を見た夜のことは、うすぼんやりと、しかし不思議と、はっきりと覚えている。
 記憶というものは、その人そのものを証明するものともいえる。たとえば記憶をすっかり失くしてしまったら、自分という存在をどうやって確かめればいいのだろうか。そういう意味で私の記憶がいっぴきの夜の蜘蛛に始ま・・・

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傲慢と賭け事の因縁

16/02/29 コメント:0件 半沢良

 やってしまったことを悔やむよりこの先何をするかが大切だ。この格言から学ぶことは多い。だがしかし、この場合は例外だろうと呟いた。今日の部活を思い返しながら僕は床に入る。さて、明日はどうしようか。
「明日の集合時間は・・・・・・時だからみんな忘れないように」
 稲沢教諭の野太い声が夕暮れの弓道場に響いていた。はい! と力強い返事をしたのは良いものの、肝心の何時かを聞けなかった。聞けなかっ・・・

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トリトンブルーに全てをかけて

16/02/27 コメント:0件 あずみの白馬

――あの名機が引退するらしい――

 私のトゥイッターラインにそんなうわさが流れてきた。
 航空大手二社のひとつ、トリトン航空のB767−300、就航からもう24年の月日が流れていた。

 ***

 あれは18年前、私がまだ中学生のころだった。
 修学旅行で乗るはじめての飛行機、春日井空港から沖縄に行くだけでもみんなわくわくしているところに、この旅・・・

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鬼デカのギャンブル ── 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく) ── 第22話

16/02/27 コメント:0件 鮎風 遊

 場末の飲み屋街、その路地裏で初老の男が鋭利な刃物で心臓を一突きされ、殺された。
 被害者は死の淵で数メートル這ったのだろう、一夜明け新聞配達員が朝陽に照り返す血糊の線の先に、その死体を発見した。110番通報があり、すぐに百目鬼刑事と芹凛(せりりん)こと芹川凛子刑事に、出署前に現場へ直接向かえと緊急命令が発せられた。当然二人は指令に従い、駆け付けた。すると出勤時間前だというのに事件現場には野・・・

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長老の決断

16/02/27 コメント:0件 キップル

 昔々、利根川の流域に、川俣国という集落があったのをご存じだろうか。川俣国は、利根川が枝分かれする三角地帯を中心に集落を形成していた。数年に一度、小規模な氾濫を起こす利根川は、上流からの肥沃な土を川俣国にもたらした。そのため川俣国では、水田や畑作による農業が盛んだった。毎年、利根川の恵みに感謝する収穫祭も行われていた。

 しかし、川俣国の住民には悩みがあった。毎年、秋になると山から猿・・・

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初恋は今も影を落として。

16/02/26 コメント:0件 橘瞬華

 私の一世一代のギャンブルの話。
 初恋の人は、面白い人だった。中学校で入った部活の先輩で、部長だった。元々塾に通うことを理由に部活には入っていなかったけど、仲のいい友達のほとんどがその部活に入っていたからと言う理由で中途半端な時期に入った。先輩は誰に似てるかと言うとムーミンって感じの人。ただ、先輩は無気力なのに何でもさらっとこなしてしまう人で、そういう飄々としたところは格好よかった。例えば・・・

2

「 アンコロ 」

16/02/25 コメント:2件 こうちゃん

 正午を告げる晴れやかなチャイムと共に、
同僚に「外で食べてくる」と言って、僕は会
社を出た。春一番に背を押され、地下鉄の階
段を滑り降りると、薄汚れた自動販売機の横
のゴミ箱にネクタイと社員証を捨てた。

 改札まで来ると、出勤時には福助人形の様
な顔つきで出迎えてくれた駅員が、熟練刑事
さながらに僕を睨んだ。気配を消し改札を抜
け電車の最後・・・

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考察〜気がした現象

16/02/26 コメント:0件 kanza

「なんなんだ!」
 自分の体を見て、思わず叫んでいた。感覚的には、俺はここにいるのに影も形もない。これはどういうことだ。知らぬ間に透明人間にでもなってしまったというのか。
 なにやらざわめきが耳に届いてくる。ここはどこだ、と見渡せば、どうやら競馬場にいるようだ。
 何が何だか分からない。とその時、よく見知った顔が目の前を通り過ぎた。
 えっ、どういうことだ。あれか? 世間に・・・

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咲けよアイリス強かに

16/02/26 コメント:0件 

「すき」
ぷつん。
「きらい」
ぷつん。
「……すき!」
ぷつん。
最後の花弁がはらりと散り、花占いの終わりを告げる。
…ああ、嫌な夢だ
もはや花とは呼べなくなったそれを無造作に投げ捨て、目の前の少女が瞳を輝かせて走り出す。それが幼い頃の自分であることには気づいていた。少女が向かった先も、それから、事の顛末も、全て覚えているから。
ふわふわきら・・・

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最初にして、最後の大勝負

16/02/25 コメント:1件 高橋螢参郎

 池袋の殺し屋の異名を取る真剣師、浅田昇一は昨夜も組の代打ちとして鉄火場で鎬を削っていた。勝負の帰りは昂ったまま何人かいる女のもとへと寄り昼過ぎまで熟睡するのが常だったが、今日に限っては女よりも先に起きてしまった。
 浅田は腕に纏わりついた産まれたままの姿の女を振りほどくと、机に置いてあったゴールデンバットを一本拝借し、窓際で火を点けた。そして煙草を持っていない方の手から節くれだった指の一本・・・

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予想屋の暗い過去

16/02/23 コメント:0件 ポテトチップス

澄み切った青空を見上げて、芳吉は大きく深呼吸をした。長年吸っているタバコのせいで、小さく咳きこんだ。まだ朝8時の府中競馬正門前駅には、人がまばらだった。
芳吉は右手に競馬新聞を丸めて持ち、長年愛用している牛皮のショルダーバッグを肩に下げて、東京競馬場へと続く下り坂を歩いて行った。
場内には入らず、東門広場の一角に座り込み、ショルダーバッグから、『競馬予想屋』と手書きで書いたノートを取り・・・

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君と歩んできた道

16/02/22 コメント:0件 高木・E・慎哉

「もうそろそろ結果のでるころだ」

僕は待っていた。
今、ポーカーの勝負をして僕が負ければ死ぬことになる。
しかし、僕が勝てば君と結婚できる。
まさに、ギャンブルのような人生だった。

時は流れて、記憶をたどっていった。

君と出会ったのも、ラスベガスのカジノだった。

君はその時、ばんばんギャンブルをしていて身を破滅しそうになって・・・

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OPEN!THE DOOR

16/02/22 コメント:3件 霜月秋介

 会社帰り。僕は今、街中をひとり歩いている。今歩いているこの通りにはラーメン屋がありピザ屋もありパン屋もある。牛丼屋もあるし焼き鳥の屋台あれば、更にはカラオケボックスやゲームセンター、バッティングセンターもあればパチンコ屋もある。まさに誘惑のストリートと言っても過言ではない。一人暮らしなので家に帰っても一人だし、遅く帰っても困る人間はいない。財布の中の所持金の許す限り、遊び放題である。
 財・・・

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負けるとわかっていても

16/02/21 コメント:2件 あずみの白馬

――負けるとわかっていても、張ってしまう時がある。それがギャンブル

 僕はこれから「負けるため」にギャンブルをしに行く。

 卒業式も終わって残っている生徒も少なくなった高校の生徒指導室……

「話ってなに?」
 相手は3年間僕の担任だった、ゆかり先生、26歳。今年を最後に退職することになっている。
 左手の薬指には婚約指輪。ネットでこっそり調べた・・・

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ぎゃんぶる【エッセイもどき】

16/02/20 コメント:2件 よしざとめぐみ

賭け事にははまってはいけない。

お正月になるとお年玉をもらう。
親戚もくるし、いつも家にいない父も休みだし、祖父母も何だか楽しそうだ。
そんな中、毎年恒例なのが花札、オセロ、トランプ、麻雀は大人だけだった、ドンジャラ、子供はこちら。
ドンジャラを知らない人もいるかな?
まぁ、子供用麻雀みたいなものです。
それも、お菓子やお小遣い、お年玉をかけての賭け事・・・

2

風と天下、ここは馬が群がしところなり

16/02/20 コメント:2件 kanza

 まあまあ、落ち着いて。ここはひとつ、わたくしの話しを聞いていただきたい。


 はい。おっしゃりたいことはわかります。ですが、ほんの少しお時間をいただければと思います。

 
 えぇ、すぐに済みますから。


 もちろんです。ご納得いただけるよう、説明いたします。


 えーっと、なんといいますか、人生においては決断の時とい・・・

1

絶対に勝てるギャンブル

16/02/19 コメント:2件 海見みみみ

 世の中には絶対に勝てるギャンブルがある。人はそれを『イカサマ』と呼ぶ。

 文芸部の部室。僕は文芸誌を読むふりをしながら、桜子部長の様子をうかがっていた。桜子部長が本を読み終えるまで目算であと五分。部室には僕と桜子部長のみ。そもそも文芸部には僕と桜子部長しか在籍していない。
 これは狙い通りの好機だ。僕は何気ないそぶりで財布を机の上に置いた。
「あー、面白かった!」

2

舞台裏

16/02/19 コメント:2件 にぽっくめいきんぐ

 男が入ってきた。四十代半ば位だろうか。やや猫背で疲れが見える。
 バニーガールが寄ってきて応対した。
「紹介状はお持ちですか?」
「ええ、これです」
「田中様ですね。こちらへどうぞ」 
 男はカウンターに案内された。スーツ姿の女性が彼に話しかけた。
「当カジノのルールはご存知でしょうか?」
「聞いてます」
「交換はどうなさいますか?」
「そう・・・

0

ビンゴ!

16/02/18 コメント:0件 かめかめ

 人は彼をミスター・ビンゴと呼んだ。彼の行く所ビンゴあり、彼の行うところビンゴであり、彼の思うところもまたビンゴであった。彼はパーティーというパーティーに呼ばれた。彼が催すビンゴは華やかで優雅で軽快であった。ミスター・ビンゴは誰よりもビンゴ会場を盛り上げた。
「13番!」
「ビンゴ!」
 会場から、わっと明るい声が上がる。マイクを握っていた彼は両腕を大きく広げ、幸運を引き当てた参・・・

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醤油味のカップラーメンがやけにしょっぱかった話

16/02/16 コメント:6件 つつい つつ

 突然、会社から有給休暇の消化を命令され、唐突に平日に休みになった僕はなんとなく前から気になっていた近所の地方競馬場に行くことにした。今まで競馬どころかパチンコだってやったことがないのに晴天の霹靂みたいな休みに気分が少し舞い上がっていたのかもしれない。
 初めて足を踏み入れた地方競馬場は、けもののにおいがした。ちらほらいる客はみんなまともな社会人には見えず、普段何やっているのかさっぱりわから・・・

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選ばれたテーブル

16/02/16 コメント:0件 永遠川ミモザ

「は?なにこのガチャ、知らないカードが出たんだけど」
握りしめたスマートフォンへ向かって、誰にともなくつぶやいたのが始まりだった。目の前の画面に映し出されているのは、【カレーパン】の画像。私が遊んでいたのは、モンスターを集めてパズルを解くことでステージをクリアしていくタイプのソーシャルゲームだ。当然ガチャというシステムで出てくるのはモンスターであり、カレーパンなど出るはずがない。
ゲー・・・

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博徒の性(さが)

16/02/16 コメント:2件 地ー3

「今回のゲームはロシアンルーレットです」
 薄暗い部屋に設置してある机のそばに立つ黒服の男が宣言する。俺はその宣言を椅子に腰かけながら耳に入れ,この状況になった経緯を思い出していた。

『ゲームに勝てたら,借金を帳消しにしてやる。ただし,命懸けだ』
 借金取りからの逃走中,俺はある男からこのゲームに誘われた。
 最初は胡散臭いと思ったが俺を追いかけていた借金取りをあろ・・・

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思い出の遊歩道

16/02/15 コメント:0件 seika

久しぶりであの遊歩道を通ってみた。
プラタナスはすっかりと成木となり、コンクリートのベンチも崩れかけていた。地面に敷きつけられたレンガタイルもあちこち砕けている。

「そんな時代になったんだなぁ・・・。」

とふとため息をつく。が向こうから赤いランドセルの女の子が一人、歩いてきた。水色のティシャツにデニムのショートパンツ。そんな格好はあの頃も同じだ。ふと懐かしくなる、・・・

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楽しい戦争

16/02/15 コメント:0件 た〜さん

突然、街中にサイレンが鳴り響きました。続いて緊急放送が始まりました。
「ただいま死の商人株式会社さまのご好意によりA国とB国間で戦争ゲームが開始されました。
C国国民はA国ならびにB国に立ち入らないようにしてください。
賭けに関しては本日12時より全国各地の死の商人株式会社さまの営業所で受付を開始いたします」
 戦争ゲームを始めたA国とB国にここC国を加えた3カ国は戦争ゲー・・・

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決して最後まで読みませぬよう

16/02/14 コメント:0件 でら

私は暇な毎日を持て余している男でございます。

今回は何の因果か知りませんが、私が書く文章をあなたは読んでいらっしゃる。私は小説家でも作家でもございませんので、拙い文章になると思います。もしつまらないとお思いになったら最後まで読まずに戻っていただいて構いません。これから書く文章は私のつまらない人生を綴ったものですので。



私は小さい時から運が良うございました・・・

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算数のテストとばりうま棒

16/02/14 コメント:0件 吉岡 幸一

 算数のテスト中に大輔が何度もくしゃみをするものだから、小太はそのたびに頭の中でまとまりかけた数字を粉々にしてしまっていた。
 テストで良い点を取ったほうが「ばりうま棒」を十本奢るという賭けをしていた。ばりうま棒というのは一本十円のトウモロコシを原料とした細長い竹輪のような形をした駄菓子のことである。
「おまえ、わざとくしゃみしただろう。うるさくて集中できなかったじゃないか」
 ・・・

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他所の家の子になる

16/02/14 コメント:0件 seika

バンコクから日本に帰ってきた。しかし帰るところといえばあのわがまま文学者戸舞賛歌が支配する山奥市雪山町の家しかない。
「・・・結局何一つ変わらないなぁ・・・。」
諦めに満ちた樽息をつく。成田からまず親戚の家に行く。東京近郊新興住宅地のとある戸建てだ。私にとってオバの一家が私を受け入れてくれる。そしてオバが私にこういう。
「・・・あんた、あの家出る・・・?あたしの友達で子供の居ない・・・

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人の不幸は蜜の味

16/02/13 コメント:0件 窓際

私が生まれる15年前から世界は大きく変わった。
幼い時からそう教えられてきた。
いろいろな分野の発展に伴って「金」でいろいろなものが買えるようになった。
そして当然のように「金」は人の一番のステータスになっていったのだ。
「金」で地位や名誉、そして人までが買える時代
その中で人は不平等を訴え世界中でたった一つの守るべき法が定められた。

--- 「金」無き・・・

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サンビョウシギャンブラー

16/02/13 コメント:0件 犬塚比乃子

 ―なぜ人間は賭けごとをするのか。その理由はいくつもあるに違いない。
 ―そもそも人が賭けごとに興じ夢中になり、やめられなくなる現象にかんしては脳内のホルモン物質が原因とされている。
 ひとつ、謎を解明しよう。
 ひとつひとつの謎をかけながら、お互いの腹を探りあって、命を賭し切磋琢磨しよう。
 そこに楽しみを見いだすことは何のためなのだろうか。答えは、
 ―命を賭すた・・・

2

子守唄

16/02/12 コメント:1件 林一

 私は小さい頃に母親に捨てられ、施設で育てられました。
 私が覚えている母親の記憶といったら、私に歌ってくれたオリジナルの子守唄のメロディーくらいです。
 昔の私は、私を捨てた母親を許せませんでした。だけどその感情も、時と共に薄れてきて、やがて母親に会いたいと願うようになりました。
 私は現在、歌手として活動しています。私が歌手になろうと思った理由の1つは、もしも歌手として有名に・・・

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人生最大のギャンブル

16/02/11 コメント:0件 梨香

 マカオ空港に着いた途端、来たのを後悔した。一人寂しく空港を出て、ホテルまでの送迎をしてくれる旅行社の出迎えを見つける。同じホテルに泊まるのは、何だか怪しげなカップルと私だけ。どう見ても、夫婦にしては年が離れている。などと観察しているが、向こうも女一人でマカオに来た私を不審に感じているかも。ホンマに自分でも、何で来たのかわからんもん。
 マカオなのにイタリア風という摩訶不思議なホテルにチェッ・・・

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ラッキーなお世話

16/02/10 コメント:0件 白野幸英


[Xシティカジノ、本日夜オープン!]

「・・・カジノか。私には一番縁のない場所だな」

私は、浮浪者である。所持金は100チュークのみ。何があったのかというと、まあ色々あったのである。
今はとにかくゴミ箱や繁華街の残飯を漁るという日々の繰り返し。いわゆる典型的なホームレス生活なのだ。今日も死んだ魚のような目で歩いている人たちをぼんやりと眺め続ける。
し・・・

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弾丸一個分に込められた想い

16/02/10 コメント:0件 ちほ

 私はいつの間にか、薄暗く麝香の香りのする部屋にいた。毛足の長い絨毯は、複雑な模様だが上品さに欠けている。円形の部屋に合わせた円卓。置かれた蝋燭の火に浮かび上がる人々の疲れた顔。人数は、私も入れて十人。人数を確認した時、隣の夫人から渡されたのはリボルバー式拳銃一丁。私は、この夫人を知っているような気がしたが思いだせない。いや、それよりこの拳銃は何だろう。私の怪訝そうな顔を見た夫人が声をかけてきた。・・・

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博徒

16/02/09 コメント:0件 國分


 勝負師の早い朝は神棚に手を合わせるところからはじまる。
 榊の水を取りかえ毛払いを滑らせ、水、米、塩をそなえる。二礼二拍一礼。祝詞を奏上したのちに深々と頭を下げる。これを毎日欠かさない。
 神様にある日突然、人の大きな欲望を願ってしまってはただ驚かせてしまうだけだからだ。

 それから彼は近くのコンビニへと向かう。
 西には木星、天頂には火星、朝ぼらけの東に・・・

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サイコロのゆくえ

16/02/09 コメント:0件 てんとう虫

「ねえ、おじさん?お腹空いてるなら僕とハンバーガー食べない?」
にこと笑顔で声かけてきたのはあの子だ。
「……。」
情けなく感じたがここ3日水しか飲んでない身としては否定できない。
「沢山食べれるよね、7個ぐらいでもいい?待っててね?」
サラサラした茶色髪揺らしながら少年は走ると俺が見ていたバーガー店に自動扉をあけて入っていってしまう。
十数分たつと大きな紙袋と・・・

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『 賭ける 』

16/02/08 コメント:0件 myuzurin

ギャンブルが好きな奴に真面目な奴はいない。
そんなことはない。
では、金がない奴に真面目な奴はいない。
それは解らない。

俺は今日も、ふて腐れて蹴り散らかす石ころを探したが無かった。
何しろ、ため息をついても賭け事をしても、運命は好転しない時には何も起こらないのだ。だけど、ギャンブルっていう奴で、一発当ててみたいと思わない奴もいないだろ。

で、平・・・

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「いつも」の

16/02/07 コメント:2件 寿ぴ

そんなことはわかっている!
だが、どうしても賭けなければいけないと言うのか!?

薬を飲む。徐々に落ち着いてくる。同時に眠気も誘発する。

・・・

俺はいま大学を辞めて実家に暮らしている。両親は俺を心配して、しばらくゆっくりしているようにと言ってくれているが、いつ追い出されるのか内心気が気ではない。弟は昔、大学に進学した俺をニート呼ばわりしてからかってい・・・

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犯人は神様のいうとおり

16/02/07 コメント:0件 守谷一郎

 赤と青の導線がある時限爆弾を前にして、どちらを切るべきか迷うことと今の状況は似ている。確率は50%。「犯人はどっちだ?」

 とある夏。山奥の館に10人の客が招待され、豪華絢爛のパーティが催された。いずれも名だたる名家の皆様方。招いた館の主人もこれまた大富豪。山奥、館、パーティ、名家、大富豪。これで事件が起きないわけがない。

 昨夜の余韻を残したテーブルに、朝食の支度を・・・

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僕の好みは黒髪ロング

16/02/07 コメント:0件 憂苦トウヤ

「ゴメンねー、うち彼氏いるんよー☆」
彼女はそう言って僕が告白先に指定したキャンパスからそそくさ出て行った。
0勝23敗。これは僕の通算告白成績だ。
1年前の春、大学生になった僕こと田村健太は浮かれていた。サークル活動、合コン、飲み会。毎日のように遊んで楽しんでやると豪語していた。そして何より女を抱く。自分だけの女を持つことに関しての意気込みだけはすごかった。男子の性欲は尋常じゃ・・・

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【講義】ギャンブル 副題 ギャンブルという職業は日本に存在しない。もしかしたら世界中にも

16/02/07 コメント:4件 石蕗亮

 まずはじめに
このモノガタリはフィクションだと断っておきます。

 ギャンブルと関連して用いられる精霊に【ラプラス】というのがあります。
このラプラスとは考案者の名前が使われているだけで本名ではありません。
シュレディンガーの猫と同様ですね。
 このラプラス理論とは
未来が決定していると仮定した場合、その決定権を所有している知性がいるのであれば、その知性・・・

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ルーレット

16/02/06 コメント:0件 林一

 日本でもカジノが合法化され、多くの人々は、気軽にカジノを楽しんでいた。
 そんな中、真面目だけが取り柄の男、真中一は、頑なにカジノをすることを拒んでいた。
「真中さん、仕事終わりにカジノでも行きませんか? ルーレットおもしろいですよ」
「カジノなんて馬鹿らしい。俺は一生しないぞ」
「真中さんも頑固だなあ」

 50年後。
 真中一は天寿を全うし、この世を・・・

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坂東夜叉

16/02/05 コメント:2件 土井 留

 虫の声が止まった。
 侍所の捕手が、洛北のあばら家を油断なく取り囲んだ。戸板の隙間から光が漏れ、悲鳴のような高い声が途切れ途切れに聞こえてくる。
 女を犯している。捕手の頭は身じろぎした。中にいるのは尋常な相手ではない。しかし、交合の最中に踏み込まれては、いかなる豪傑だろうとどうにもなるまい。
 あばら家は狭かった。捕手のうち、三人は踏み込む準備を整え、残り二人は退路を断つため・・・

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ラプラスの魔眼

16/02/05 コメント:18件 石蕗亮

 競馬で大負けをした。
今月の家賃も突込んでしまった。
やばい。
残る金で今月はのりきれない。
今日は馬との相性が悪い、と考えてしまうのがギャンブラーの悪い癖である。
自覚があってもやめられない。
これもギャンブラーの悪癖である。
そして僅かな残金を持ってパチンコ店へと足を向けた。
河岸を変えれば風向きも変わるであろう。
そう思ったものの、それ・・・

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負け犬だらけでHOLD ON ME

16/02/05 コメント:4件 クナリ

――そんなこと、もうやめなさい。
 別に、死にたくてやってるんじゃないんですよ。
――尚更よ。手首は浅く切っていても蓄積すれば命に、
 先生。私、分からないんです。
――そうね、あなたくらいの年頃だと、なぜこんなことをしてしまうのかなんて、分からない方が当然で――
 いえ、そうじゃなくて。
――え?
 何で、先生なんかには分かりっこないことを、分かることが・・・

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どちらが先に

16/02/03 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

出撃命令はでた。
銃をかまえたオサムは、やはり隣で戦闘態勢に入ったプジョーに声をかけた。
「おい、お前と俺のどちらが先に敵を倒すか、金貨一枚賭けないか」
プジョーは目を光らせた。
「いいだろう。ところで、給料前だというのに、金貨はあるのか」
「もちろん。元手なしに賭けはやらんさ。お前はどうだ」
プジョーは胸のポケットからまばゆく輝くコインをとりだしてみせた。

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夢を追って筆を取ること

16/02/03 コメント:0件 FRIDAY

 相当な賭け、だっただろう。今でもそう思う。
 私は小説家になった。
 私がとある文学賞を受賞し、出版の話が舞い込んできたのは大学を卒業して数年後のこと。在学中にどうしても受賞できず、小説家を諦めて就職し、それでも趣味として細々と小説を書いて、惰性のように応募する日々の中で突然のことだった。
 私は公務員だった。
 某県某市の市役所に勤務していた。ようやく仕事にも慣れてきた・・・

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当たりが出たら、もう一本!

16/02/02 コメント:0件 あすにゃん

テーマ『ギャンブル』 当たりが出たらもう一本!
 
今日こそは、当ててやる。
 沖縄の米軍基地近くに住む章吾は、馬券を握りしめて競馬場に向かった。
 スポーツ新聞によると、今日の大穴は、スターピエロ三世。
 単勝狙いで、消費者金融から五十万ほど金を借りた。
 絶対当たる自信があった。
 新しく妻になったミカという女が、霊感を持っていたのだ。
 ・・・

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コインに願いを込めて

16/02/01 コメント:4件 睦月 希結

「じゃぁ賭けようぜ」それが大助の口癖だ。大助とヒカリは幼馴染だった。毎日夕暮れ時まで遊ぶが、時には些細な事で言い争う。それならと大助がポケットからコインを取り出す。ヒカリが先に裏表を決める。指で弾かれた小さな円は高く舞い上がり手の甲に隠れる。でも何度やってもどちらを選んでも負ける。
「何で勝てないの?」「へへっ勘の良さが違うんだ」と頭を指で突く。いつも二人は勝ち負けよりも儀式を楽しんでいた。・・・

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たこ焼きルーレット‼

16/02/01 コメント:4件 みや

「今日も行くやろ?」「当たり前やん」小学校の終わりの会の間中、男子たちはひそひそと楽しそうにしている。先生さよなら、皆さんさよなら、の合図と共に男子たちは一斉に教室から駆け出した。
「翔、16時に”てっちゃん”の前で集合やからな!」健太が上履きを履き替えながら叫んだ。
「わかってる!」翔は一目散に家に向かう。

家に着くなり翔はお母さんお小遣い!と言って、手も洗わずに母親に・・・

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射辛心

16/02/01 コメント:4件 ヤマザキ

「ですから部長、先程ご説明した方法ですと従来よりも作業の効率化が図れて……」
「あ、ああ。分かった分かったよ」
 まだ俺の話は途中だというのに部長は苦笑しながら口を挟んできた。
「その件はこっちで検討して来週までに答えを出しておくから……」
「来週?」
「まあ今週中にな。だからお前もたまには早く帰って家族サービスでもしてやれ。な」
 そう言って部長は早々と帰り支・・・

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クリムゾン・クロス

16/02/01 コメント:2件 泉 鳴巳

 崩れかけた壁の陰に身を潜める。視界は悪いが、それはお互い様だ。
 ゆっくりと息を吐きながら撃鉄を上げる。そして音と気配と勘を頼りに身を起こし、トリガーを引く。
 乾いた音と共に、見当違いの方向を向いていた男は声を上げる間も無く倒れる。
「ふう、切りがねえぜ」
 溜息を吐きながら俺はこの場をどう切り抜けるか考えていた。

 俺は人殺しで金を貰って生きている。得物・・・

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ある日の実戦日記

16/02/01 コメント:2件 内村うっちー

 ツキがある状態と自ら実感している先月からの状態をキープし続けるため、特定イベント日と過去の経験を照らし合わせて判断できる状態「強い店」を、徒歩30分圏内の店舗を実際に見て判断しながら細かく移動し、年間トータルとしての収支プラスを目指している。


 月初1日は、その数字を掲げるチェーン大型店舗で勝利し、2日は実務終了後口にした生ビールで気が大きくなり、少しだけ遠回りする帰り道に・・・

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時代の変遷

16/02/01 コメント:0件 内村うっちー

 パチスロ「4号機」以前、泡銭が転がっていた古き良き時代と違い「非常にシビア」1枚のメダル1個のパチンコ玉も取り零さないため、技術介入が必要とされる時代です。


 20年以上前、機種メーカーも未だ手探り状態で新機種開発を行う状況において「機械制御プログラム上バグ」は、攻略誌の情報解析力で良く見つかっていて現在では伝説になっている「大量出玉タワー型羽モノ機種役物を停止させて次回大・・・

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世間に蔓延る闇の業界

16/02/01 コメント:0件 内村うっちー

 昭和末期の小規模パチンコ店は、店員がネクタイスーツ姿であれ全員ヤクザ紛いの外見で、平日昼間の客層は仕事サボリ中サラリーマン客が若干多く観られる他は、水商売系お姐さんから小汚い親父に貧乏臭い爺さん客が大多数、一般客は数少なく店内の雰囲気も香ばしい匂いが漂っていました。

 当然、パチスロ台とアレパチ機と呼ばれる「同じ25mmコイン」投入機種は、店奥片隅に少数台が設置されている状態で「コ・・・

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最後の獲物とギャンブル狂の終わり

16/02/01 コメント:0件 ちほ

 教師たちは知らなかった。中学生しかいないこの学校が、ギャンブルにより大混乱を来していることを。休み時間になった途端に、誰もが懐中時計について大騒ぎする。売れば二万円になる時計は、入学時に生徒全員に贈られる。校則で、試験時には机の上に提示しないといけない代物で、しばらく試験はなかったが、明日は大切な期末試験である。
「どうするよ? あのギャンブラー・健太に懐中時計を奪われた件。明日は試験だぜ・・・

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獏をつかまえる方法について

16/02/01 コメント:2件 笛地静恵

 ああ、夢がさめる。
 獏が、逃げた。
 それが。いちばん思い出に、のこったことかなあ。
 うん。やっぱり、そう。
 夏休みに、獏(ばく)の茫々(ボーボー)が、逃げ出したこと。
 小屋の鍵には、夢封じの高等魔法が、三重にかかっているからねえ。鍵となる暗証番号は、あたしたち飼育係しか知らない。いくら獏でも、それらのすべてを、一晩でやぶるのは、無理だよねえ。
 いま・・・

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Good Afternoon!

16/02/01 コメント:1件 前田沙耶子

うちに来るのが1時半過ぎでそれから2人で飲んで、寝るのが大体朝の5時半。夕方の5時半には家を出るから2時くらいに起きて、一緒にご飯を作って食べようと約束した。確かに夜仕事をしているから昼夜のサイクルが狂うのは仕方ないよ、でも。……約束したのに。

私は2時にアラームをかけて2時に目を覚まし恋人を起こす。上に乗っかってみても耳元で囁いても起きない。カーテンを開け電気を付けると布団に潜り込・・・

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