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  2. 第九十五回 時空モノガタリ文学賞 【 秘宝 】

第九十五回 時空モノガタリ文学賞 【 秘宝 】

今回のテーマは【秘宝】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/12/14

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/10/19〜2015/11/16
投稿数 50 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

2

聖なる泉

15/11/07 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

砂漠は、今日も砂漠だった。
当たり前といえば当たり前だが、実際毎日砂漠ばかりみていると、そんな金太郎あめ的心境におちいるのも無理はなかった。
俺の雇い主のクーカも、最初は砂漠の中に眠る秘宝を求めにいくぞとえらい意気込みようだったが、出発してからすでに一週間がたとうとしているいまは、いささか砂アレルギーに罹っているんじゃないだろうか。
その財宝というのがいったいなんぼのものなのか、・・・

3

タイムカプセルに埋めたもの

15/11/04 コメント:2件 FRIDAY

「タイムカプセル?」
 頓狂な声を上げた拓真に、俺は軽く頷いた。
「小学校を卒業する時だよ。あの頃つるんでた五人で埋めた。覚えてないか?」
 問うと、拓真はビールのジョッキを傾けつつ記憶を探っているようだ。
「埋めた気もする…はっきり覚えてないけど。でもそれが?」
「確か、十年後に掘り出そうって話だった。でも俺らももう二十七だ。十年どころか十五年経ってる。…思い出した・・・

2

その箱に熱い思いを

15/11/02 コメント:1件 ナポレオン

「お前の評判は常々聞いておる。私からは何も言うまい、あとは任せたぞ」
そう言って男は、迷宮の子細な地図を私に手渡した。銀の調度品で飾られた部屋は薄暗く、その男の身から溢れる冷気は空気さえ凍てつかせていた。私は仰々しく男に頭を下げ、震える足で部屋を出た。入り組んだ迷宮は壁や天井に至るまで銀の彫刻で飾られており、その全てがあらゆる生命を拒んでいるかのように冷たく輝いている。
ここは世界の果・・・

最終選考作品

6

王家の墓

15/11/16 コメント:11件 泡沫恋歌

 大和大学エジプト考古学の山田教授とその助手佐藤は、ルクソールにある王家の谷で迷子になっていた。
「この辺りに未発掘の王家の墓がある筈なのだ」
「教授、その地図に描かれている場所であってるんですか?」
 助手の佐藤がいささか不信な面持ちで訊ねた。
「間違いない! このパピルスにヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)で書かれているのだ」
「どれどれ……」
 教授か・・・

1

「ママン」

15/11/15 コメント:2件 こうちゃん

 ベランダから射し込む月夜の光の下、ママンと二人きりで微笑む
写真をみつめながら、僕はその夜、深い眠りについた。

 桜舞い込むうららかなキッチンで、ママンは鼻歌まじりで僕のオム
ライスを作り終えた後、六階のベランダから飛び降りた。遺書らしき
ものは何もなかった。南の島へ失踪した父に代わり、僕は警察の事情
聴取を受けた。応対してくれた警官は、まるで答案用紙を返す・・・

7

うさぎ

15/11/11 コメント:9件 そらの珊瑚

 ――ひとりで死ぬンはさみしいよって、一緒に死んでと懇願され、大阪湾へ飛び込んだのに、俺だけが生き残っちまった。
 結局あいつはひとりで死んじまった、と男は言った。

 心中が愛の証だなんて、そんなのは、まやかしだとあたしは思う。人はしょせんひとりで産まれ、死んでいくさだめ。それがさみしいだのなんだの、あたしに言わせれば、ただの甘ったれ。

「ねえさん、みかけによらず・・・

1

キャプテン・ジョーの冒険譚

15/11/07 コメント:0件 守谷一郎

狭い洞窟内で2人の男の声が響く。
「キャプテン・ジョー、本当に今度の今度こそ、お宝は眠っているのか?」
グリフは尋ねる。
「ああ、何度も言わせるな!僕が一度でも嘘をついていたことがあるか?ないだろう?間違いなく、ソレはこの奥に眠ってる!」
キャプテン・ジョーは後ろを振り返らず、意気揚々と先に進んでいく。
「ああ、たしかにキャプテンの言うとおり、俺たちの行く末にはいつも・・・

0

怪盗アラベスク

15/10/25 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

北風の吹く夕暮れ時、コートの襟をたてた男がひとり、ガード下にみつけた屋台のラーメン屋の暖簾をくぐった。
「親父さん、豚骨ラーメン頼むよ」
「いらっしゃい」
男は椅子にゆっくりと腰をおろした。
髪はほとんど真っ白で、体も痩せているが、暖簾をすりぬけるように入ってきたその身軽な物腰と、ちらとこちらをみたときのその眼光の鋭さから親父は、この客はただ者ではないと踏んだ。
「き・・・

2

浜に下りる

15/10/19 コメント:2件 Fujiki

 その少女が浜に現れたのは三月のある夜更けである。満月に照らされた砂浜を見渡し、誰もいないことを確かめる。ずっと昔、父に連れられて潮干狩りに来たことはあるものの、夜に一人で来るのは初めてである。
 少女は乾いた一角を見つけ、園芸用のショベルで砂を掘り始める。腕が肘まで入る穴ができ上がると、リュックサックからビニール袋にくるんだ包みを両手で抱き寄せるように取り出して穴の底にそっと横たえる。

投稿済みの記事一覧

3

掟破りなロマンサー

15/11/16 コメント:6件 冬垣ひなた

 遥か昔、僕らの星は戦争でなくなり、生き残った民は宇宙に活路を求めた。
 惑星ガーヴ。危険生物が多く気温差の激しいここでは、農作物を育てるような生活は望めず、祖先は地下に街を築き上げ、飢えをしのぐようになった。


 ガーヴ歴9438年、かつて天翔けた文明は都市戦争を繰り返し衰退、僕らは原始的な狩りをしながらその日暮らしを続けている。
 地下都市レネティアは今、食糧危・・・

6

おやじの夢

15/11/16 コメント:7件 草愛やし美

 おやじが逝ったのは58、何でそんなに早く逝ったのかわけわからねえ。夢も叶えないで逝っちまった。親父の夢は秘宝館オーナー、俺がちっせい頃から変なお宝と称するもんを押入れに保管していたっけ。中堅商社に勤務していたおやじは世界中あちこちに出張と称して飛んで行き、何やらわけのわからないものを持って帰って来た。

 おやじは趣味は女と豪語するだけあってエロそのものを愛する男だった。口癖はエロは・・・

3

太陽の宝

15/11/16 コメント:6件 murakami

 一陣の寒風が鉄柵を突き抜け、砂塵を舞い上げた。
 ポケットに手を忍ばせると、ひんやりとした感触が指先に伝わってくる。国家公安委員会で厳格にその重さとサイズが定められている鋼鉄製の弾――。
 階段を駆け下りてくる足音と怒号が背後から一斉に襲い掛かる。若葉組の奴らだ。

「浜のもんは気性が荒いけぇ、気ぃつけぇ」
 祖父の言葉が脳裏に蘇る。
 女を巡る争い、シマの奪・・・

0

星と金とウィスキー

15/11/16 コメント:0件 ケイジロウ

 ゴールド探しで一番大切なものは何か?、ゴールド探し歴40年の老人が「ペイシェント(忍耐)だ」と答えたのを思い出した。その時、よく意味を理解していなかったと今になって思う。ゴールド探しにおける失敗の意味、いや人生における失敗の意味もよくわかっていなかったとつくづく思う。
 今、西オーストラリアの砂漠に僕はいる。360度地平線。人工物と言えば高度1万mをたまに通り過ぎる飛行機くらいか。それがた・・・

1

一子相伝

15/11/16 コメント:1件 kanza

美佳の父親のお見舞いで病院にいった時のことである。
義父は美佳に買い物を頼み、席をはずさせると、おもむろに枕の下から何かを取り出した。
私の手へと押しこみ、両手で包み込むように握ってくる。
「我が家には先祖代々受け継がれし秘宝がある。それを」そこで言葉を詰まらせた。きらりと輝く瞳がまっすぐ私の目を見つめている「君に託す」

「なにそれ」
助手席に座る美佳に話すと・・・

4

シエスタ

15/11/16 コメント:5件 そらの珊瑚

 鏡をのぞけば、その時間が刻んでいったものが私の顔にある。残酷だとは思わない。誰しも平等に年は取るのだから。
 修道院が経営するホスピタルで看護婦として働いて四十数年。朝、清水で顔を洗ったまま、――冬はハーブ油をつけることは許されてはいたが、ほとんど何も付けずに過ごしてきたせいだろうか、街の女よりもいくぶんかはシミ、シワが多く、老けて見えることだろう。
 けれど、ジャンはひと目で私を私・・・

4

秘宝・意到筆随(いとうひつずい)の壺

15/11/15 コメント:6件 鮎風 遊

「あ〜あ、まったくダメだ!」
 早起きし、朝日に映える紅葉の中を散策しても、昼に新蕎麦をズルズルッとすすり上げても…。
 夜に四分六のちょっと濃いめの焼酎お湯割りに、南高梅を二つ落として呷ってみても…。
 あとは酔い醒ましにと、四十度の柚子風呂に浸かったとしても、ただただ浮かぶのは黄色い柚子の皮だけ。
「こん畜生、ストーリーなんて、ぜんぜん浮かんでこないや!」
 ふー・・・

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おち玉

15/11/14 コメント:0件 坂上 沙織

 ああ、あなた。やっと目が覚めたのね。丸一日眠っていたのよ。気分はどう?
 ……しゃべれなくて戸惑っているのね。しかたないわ、今あなたには歯が一本もないんだもの。それどころかあなたはまだ立つことも、起き上がることすら出来ないのよ。
 あら、目を見開いちゃって。びっくりしたのね。大丈夫よ、すべてわたしに委ねていればいいの。わたしがずうっとそばにいて、お世話してあげるわ。遠慮なんてすること・・・

1

開闢!どれでも鑑定屋

15/11/11 コメント:0件 海見みみみ

 運送業に務め十年。今日、僕は今までで一番の大役を任された。
『開闢! どれでも鑑定屋』という番組がある。お宝を鑑定して金額を発表するという番組だ。
 その番組に出演するお宝を僕が運ぶ事になったのだ。運ぶものは古代王国の秘宝とされるツボ。本物なら数千万円はするだろうと言われている。
 そのツボを依頼者のいる大阪から、テレビスタジオのある東京まで運ぶ手はずになっている。もちろんツボ・・・

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疑心暗鬼

15/11/11 コメント:2件 海見みみみ

「床の間の皿はかつて秘宝と呼ばれた名品だ。売れば一千万以上になるだろう。お前の今後のために役立てなさい」
 妙子の父はそう言い残すと、病院のベッドで再び深い眠りに入った。無事に寝ている事を見届け、妙子は座っていた椅子から立ち上がる。
 妙子の人生は暗いものだった。母を幼い頃に無くし、父と二人暮らしの日々。大学を卒業し就職しようとしたところで父が病に倒れ入院した。父を介護するために就職を・・・

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秘宝の星

15/11/06 コメント:2件 空乃星丸

オカチマチ博士は有名な、天文物理学者である。研究室で一日中、弟子と交代で、世界の電波望遠鏡から送られてくる情報をコンピュータで分析していた。ある日、弟子が大騒ぎしながら、最近注目していた天体のデータを持って博士に報告にきた。
「博士、このデータを見てください」
博士がコンピュータの分析結果を見ると他の星と違って、金が極めて多い。
「これぞまさしく、本物の金で出来た金星。太陽系のと・・・

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心の宝石

15/11/03 コメント:1件 かめかめ

 久美がベッドで泣いていると叔父さんがドアの隙間から心配顔を見せた。久美は知らんぷりをしていたのだが叔父さんは黙ったまま見つめ続ける。久美はため息をついてドアを開けた。
「叔父さん。いつ帰ってきたの?」
「久美ちゃん大丈夫かい、お腹でも痛いのかい? 診せてごらん」
 叔父さんが手に持っている診察鞄を掲げて見せる。久美はまたため息をつく。もう六年生なのだ、そんな理由で泣いたりしない・・・

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ショートサマーランドの神秘

15/11/03 コメント:2件 つつい つつ

 その村には一つの伝説があった。百年に一度咲くと伝えられるショートサマーランドの神秘と名付けられたその花を捧げられた女性はたとえ相手がどんな男性であろうと、プロポーズを受け入れると。それほどまでにその花は美しく、その花を捧げられることはその村の女性にとって名誉なことであった。そして、今年がちょうど、前回その花が現れてから百年目の年と言われていた。
 僕はこの村一番の美人エレーヌに惚れていた。・・・

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なんきん かぼちゃ ぱんぷきん

15/11/02 コメント:0件 みや

青果店でいつもと違うなんきんの皮の色を見て早苗は狼狽えた。
いつもは深い緑色なのに、今日のなんきんの皮は橙色をしている。

「今日はハロウィンやから、西洋かぼちゃ仕入れましてん。パンプキンですねん」
青果店の若い男の店員がニコニコしながら早苗に話しかけてきた。

関西ではかぼちゃの事をなんきん、と呼ぶ習慣があるので早苗はかぼちゃやらぱんぷきんやらはろうぃんやらハ・・・

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命の灯火が消える時

15/11/01 コメント:0件 皐月一語

ワタクシの、命の灯火が消えかかろうとしていているのを、なぜか今、病床で感じます。
人は死には抗えない。
庭先の紅葉が夕日に当たってキラキラと輝きを放って揺れる時、
思い出さずにいられない人がいる。

あれは、夢だったのでしょうか?
春の陽気に包まれた花のような
香しい風が私の心を包み、
太陽の力強い光のような
あなたの笑い声が私を包み、
・・・

1

垂涎の玉

15/11/01 コメント:0件 ヤマザキ

 君はラムネに似ているね。
 くびれた体に甘い香り。
 透き通ってて爽やかで、けれどちょっぴり刺激的。
 涼しい見た目で僕の火照りを冷ましてくれる。
 弾ける泡が僕の空腹を満たしてくれる。
 いつだって乾いた僕を潤すために、僕に体を傾ける。
 それでもたった一つだけ。
 僕に触らせてくれないね。
 君の中身を全部飲み干し空っぽにしたと思っても、最後に・・・

5

神様のなみだ

15/10/31 コメント:2件 こぐまじゅんこ

 これは、昭和の中ごろ。
 わたしが、三年生のときのお話。

 わたしは、今井しづこ。
 わたしの家の近所には、畑がいっぱいある。
 ごんたじいさんの畑にも、季節ごとにいろんな野菜が植えられていた。
 ごんたじいさんは、子どもたちにやさしくて、わたしも、ごんたじいさんが、大好きだった。

 ある日、ごんたじいさんの畑に、大きな葉っぱの野菜をみつけた。・・・

2

砂浜とウミガメ

15/10/30 コメント:3件 らんか

 橙と藍色のおいかけっこも終盤に入り、夜に追いやられた夕陽は水平線の端で少しだけ顔を出しているだけで、今にも海に落ちてしまいそうだった。
 人影のない真夏の砂浜は昼間の熱を捨てて、海風に重くなった。私はそこに寝そべり、ざざあんと断続的に打ち寄せる波の音に耳を傾ける。
 また、この季節がやってきた。毎年訪れるこの浜は静かで、もの寂しさを感じる。それなのにこの孤独が心地好いとも感じさせる。・・・

2

浮輪物語

15/10/30 コメント:2件 林一

 地球とよく似たその星では、人間そっくりの外見で小柄なコビット族と、大柄なオ―キ族が暮らしていた。
 コビット族のブロトは、海で気持ちよさそうに泳ぐオ―キ達を羨ましそうに眺めていた。
「どうしたんだブロト?」
 そう話しかけたのは、ブロトの友達のコ―だ。
「俺もあんな風に泳いでみたいなあ」
「そんなの無理だよ。俺達コビット族は、生まれつき金槌なんだからさ」
「そ・・・

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ダイヤ

15/10/29 コメント:1件 氷星理科室

もう夜だとふと、夕暮れの風と共にやってきた気配を感じた。
今日のお昼から空が菫色になる今まで団栗を拾ったり落ち葉を光に透かしたりして遊んでいた。秋の山は涼しくて心地いい。
ふと、出る前に日干ししておいた石榴石を思い出し、家へ戻ることにした。石榴石はそのまま食べると渋くてクセがあるけど、日干しすると甘くて美味しくなるのだ。

帰る頃にはもう天井には星が降っていた。月が眩しい。・・・

1

ひとつなぎの秘宝

15/10/29 コメント:0件 田仲アナ

その少年漫画の連載が始まったのは、ちょうど夏休みが始まって一週間経った頃だった。
漫画雑誌の発売日の次の日、僕に会った太一はまず言った。
「あの漫画ちょーおもろいな!」
その漫画は山賊が活躍するもので、世界の山々のどこかにある、最高の宝を追い求める人々の話だった。魅力的なキャラクター、ワクワクする展開に一話目にして既に惹かれていた僕は、太一の言葉に深く頷いた。
「でもさぁ、・・・

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秘宝、それはいつものようにモーツァルト?

15/10/25 コメント:0件 seika

私は六歳までをあの鉄筋アパートの一室で過ごしてきた。父はアパートからすぐのところにある病院に勤めていた。あの頃は父と医局とやらで一緒だった人たちが家族連れで遊びに来たものだった、シュークリームなんかを持ってきて…。その頃は結構楽しい思い出がたくさんある。 
 しかし父は周囲の大人たちから「先生」といわれていた。父のところにやって来る人たちだってみんな「先生」だった。それが私には子供の頃から嫌・・・

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秘宝ですか

15/10/25 コメント:0件 空乃星丸

最近はドライブなんぞすることもなくなりました。昔、私が若いころは、単車でツーリングや、車でドライブなんちゅうものをやっとりました。走ったことの無い道を走ることが楽しかったわけでして、必ず小さな観光地や、国道のさびれたような場所に、秘宝館なるものがありました。神社なんかにもあったような記憶もありますね。
 ピンキリという言葉がございます。どっちがピンでどっちがキリだったか。辞書、それも電子辞書・・・

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ロバ耳の穴

15/10/24 コメント:0件 むねすけ

守り刀の懐剣などは、物騒故持たない。
持つのは、晩白柚という、オバケ柑橘の実。
夕べお隣のおばさんが、「おひとつ、おすそわけです」
と、胸に抱っこさせてくれた頼りがいのあるやつ。
すっかり私の暗がりを怖がる弱い心の、
支えの番人となってくれた。
持って移動するのがとても重い、という厄介なお守りだが、
裏山の穴掘りタイムの、見守りは、いてくれないと困る。

0

ランチボックスを蹴りたくない

15/10/23 コメント:0件 むねすけ

ラブホテルの一室、
ゆるんだベッドのスプリングが、諦めた宿無しのように見える部屋で、
マネージャーのトニーは若手人気女優ティモシー・ハリスの説得をしている。

停滞気味の空気を掻き回すために、窓を開けようとトニーが鍵をはずすが、
ティモシーに濡れたタオルを投げつけられる、
「窓開けないでよ」

ティモシーの決意はもう、部屋に堆積している、
窓を・・・

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秋の山の秘密

15/10/23 コメント:0件 笛地静恵

 劇団に入っている。夏の間、軽トラック一台と2tトラック二台を連ねて、日本全国津々浦々の地方巡業をこなしてきた。
 映画の脚本などもてがけている有名な脚本家の弟が、演出家と代表をつとめている。公民館などを回る。歌と踊りの入るミュージカル仕立てだった。すべての年代が楽しめる。評判は良かった。
 彼は、その美術の担当だった。大道具のたぐいを、場所の制限に合わせて、適宜、設定していく。

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彼女が秘宝

15/10/23 コメント:0件 皐月一語

腹減ったなー。コンビニ・デパ地下の弁当・レストラン・・・飽きたなー。誰かと遊ぶ気になれねーしなー・・・。
あ、そうだじいちゃんのとこ行くか・・・最近行けてねーし。天気いいし、縁側で昼寝とか最高だろ。
すぐにスマホで新幹線予約。今から2時間なら夕飯時に丁度いいだろ。明日も休みだからな。

最寄り駅からじいちゃん家まで徒歩30分、ただひたすら田んぼ道を歩き続けて、到着。
・・・

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君という宝物を探しているんだ

15/10/22 コメント:0件 高木・E・慎哉

勇者ポムポムはこの世にある大秘宝というものを探して出かけた!
果たして、ポムポムは無事秘宝を見つけることができるだろうか?

秘宝というぐらいだから、どこか世界の奥深くに隠されているのかもしれない!?

ポムポムはまず、宝探しの必須アイテム宝地図を探した。

しかし、ない!

確か、おじいちゃんが机の引き出しに入れててくれてたはずだよな?

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洞窟に、ホシの口笛。

15/10/21 コメント:0件 むねすけ

声が聴こえてくる。

楽しそうな声だ。

「今日はここまでにして、キャンプといこう」

サンドラス侯爵三世が残したと言われる秘宝を求めての洞窟探検に出かけて行った、
リーダー、ツキ、の声だ。

みんなは今洞窟の中にいるんだ、
平和な日常あったかいベッド、母さんが作ってくれるスープ、
そんな足についた重りの全部を好奇心のナイフで断ち切・・・

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ジャック・オ・ランタンをぶっ壊せ

15/10/21 コメント:2件 泉 鳴巳

 トリック・オア・トリート!

 お決まりの台詞を玄関先で叫びながら、ぼくらは扉をノックした。
 数分後、持ちきれないほどのお菓子を抱え、家主のおばさんに手を振る。

 手持ちのずた袋もずいぶん重くなってきた。ぼくらは一度、路地裏の溜まり場に集まり、今日の成果を確認することにした。
 各々の袋には色とりどりのお菓子がどっさり詰まっていた。
 キャンディ・コ・・・

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へその緒

15/10/20 コメント:0件 林一

 出産のため、北海道の実家に里帰りしている私。
 日に日に大きくなるお腹を見て、私もこんな風にして生まれてきたんだなあとしみじみ思う。今では東京と北海道で離れ離れに暮らしている私と母も、生まれる前はへその緒で繋がっていたんだ。
 そう言えば私、自分のへその緒って見たことないな。まだあるのかな。
 「お母さん、へその緒ってある?」
 「どうしたの急に」
 「私、自分のへ・・・

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すでに呪い

15/10/20 コメント:0件 佐々木嘘

色付きコンタクトで隠しているけれど、実際蒼太の右の瞳は宝石のように美しいく、いつかこの私が彼の目玉をまるっと頂こうと密かにずっと思っていた。
きっと誰も知らない。知ってたまるか。私だけが知っている。ブルーダイヤモンドのその眼球。


「おはよう」

挨拶をすると蒼太は怯えたような顔をして素早く私と距離を取った。おおおはよう、と吃りながらも律儀に挨拶を返すと猫背の・・・

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山の彼方。

15/10/20 コメント:0件 ヒナタ

山に囲まれたこの村で、ひとつのうわさを耳にした。
”山の彼方に、秘宝があるようだ”
それを求めて、この村から出て行く若者がたくさん居たそうだが、便りが絶え果て、家族は途方にくれるばかりだ。

「へえ、本当にあるのか、探してみたいな。」

彼は無邪気に笑うけれど、人の好奇心は止められない、と誰かが言ったような気がする。
その言葉のとおり、彼は後ろを振り向かず・・・

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私たちの秘宝、エンジェル

15/10/20 コメント:2件 seika

「ママ、エンジェルのところに持っていくケーキ焼こうよ。」
「そうね…。じゃ手伝ってっ。」
週末にあの天使の家に持っていくケーキを二人の娘と一緒に焼いた。この界隈の奥さんや女の子は皆、週末になるとあの白い家に集まる。薔薇が香るあの白い天使の家にはとても綺麗な奥さんと、そしてやはり美しい三人姉妹がいた。そして三人姉妹の弟も…。このエンジェルと呼ばれているこの男の子、最初は誰もが「あっ天使っ・・・

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眠る宝は夢を見る

15/10/20 コメント:1件 泉 鳴巳

「自分だけの大切なもの……宝物を見つけなさい」
 まだ五歳だった私に向かって、彼はそう言った。
 その言葉は、今でも消えない古傷のように胸の中で疼いている。

 私は明日二十歳になる。
 宝物は、まだ見つからない。

 * * *

 バレンタインが誕生日なんて馬鹿みたいだといつも思う。

 二月十三日。時刻は二十三時。家族は既に寝・・・

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宝の地図

15/10/20 コメント:0件 林一

 まわりを8つの小さな無人島で囲まれたこの島には、300人程の島民が暮らしている。
 ある日、島の子供たちが海辺で遊んでいると、その内の1人が何かを拾ったようだ。
「何だろうこの紙?」
「これってこの島の地図じゃない?」
「本当だ。8つの無人島も描いてあるね」
「でも、この北の無人島についてる×印はなんだろう?」
「これきっと、宝の地図だよ」<・・・

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じいちゃんの宝物

15/10/19 コメント:0件 るうね

 じいちゃんが死んだのは夏だった。
 アブラゼミの声が雨のように降りしきる中。真っ白い病院の真っ白い病室の真っ白いベッドの上で、息を引き取った。
 看取ったのは僕一人。
 当時、小学生だった僕は毎日のようにじいちゃんを見舞っていた。父と母は共働きで、病院に来ることはほとんどなかった。もともとじいちゃんと父母の折り合いは良くなかったせいもあり、じいちゃんを見舞いに来るのは、一ヵ月に・・・

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三すくみ

15/10/19 コメント:0件 るうね

 冒険者たちの目の前には一つの宝箱があった。
 だが、冒険者たちは動かない。互いに疑念の眼差しを交わしている。
 洞窟の中の空気はひんやりとしていた。どこかで、ぽたり、と水滴が落ちる音がした。
 冒険者のうちの一人、戦士が他の二人に向かって口を開いた。
「どうしても譲る気はないのか」
「それはこちらのセリフです」
 と、僧侶が言う。
「この宝を、わたしに譲・・・

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領主の秘宝 〜未来に向けて〜

15/10/19 コメント:0件 ちほ

 雪深いリンブルグ村の上空を、豚橇が夜空を斜めに切り裂いて滑っていく。村人は、橇を操る人をよく知っていた。黒いコートを着込み、左手に手綱、右手に大きな鞭。内気だけれど心優しい年若い領主ユキヤ。人々が彼を愛するのは、暮らすには厳しい領地を救うために、彼が身を粉にして働いているから。天才的なトレジャーハンターでもあるユキヤは、世界中を駆け巡り秘宝を次々と見つけ出す。手にした秘宝は全て売り払い、得た金で・・・

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まだ月虹は見えないか

15/10/19 コメント:2件 クナリ

 小学校六年生の私には、土曜の夜はいつも退屈だった。
 けれど今日は、運動など大嫌いな私が、同級生のツガヤ君と共に学校の裏山に登っている。
 七月の、水分の多い空には、丸い月が出ていた。

 昨日の金曜日、放課後の教室は騒がしかった。飼育小屋の兎が何者かに首を切られて殺されるという事件が朝に起きていたので、その話で持ちきりだった。
 そのやかましさが、不愉快だった。静・・・

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金の鞍伝説

15/10/19 コメント:0件 ねむていぞう

 その池に残る秘宝伝説は、今ではあまり語られなくなったが、昭和の始めまではかなり騒がれたものだった。
 戦国時代のその昔、この地には城があり、それが落城のおり、城主が自ら馬とともにこの池へ沈んだ。そのとき馬には、それはそれは煌びやかな金の鞍が付けられていたという。これがこの池に残る秘宝伝説である。

 この池にはもう一つ、興味深い話が残されている。いつの時代か定かではないが、とな・・・

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