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第八十七回 時空モノガタリ文学賞 【 私は美女 】

今回のテーマは【私は美女】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/08/31

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/06/29〜2015/07/27
投稿数 48 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

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雨がやんだら

15/07/27 コメント:4件 梨子田 歩未

 横から叩きつけるような雨に傘は意味をなさない。
 サマーニットが雨粒を吸い込んで、歩みを進めるたびに重みを増していく。風を受けた傘は簡単に裏返った。
 わたしは傘を閉じて、降りしきる雨を直接体に受けた。大粒の雨は地面に落ちて、弾けた。傘を差していた時は、濡れまいと必死で体を縮め、小走りに近かった歩みが今や一歩一歩が地面に吸い込まれる様に遅くなった。
 その理由は、十分すぎるほど・・・

3

夜行バスの女たち

15/07/24 コメント:7件 W・アーム・スープレックス

 東京から関西に向かう夜行バスは3連休初日とあって、ほぼ満席だった。
  高速道路に入って一時間あまり、そろそろみんな退屈をもてあそぶ時間帯にさしかかったらしく、あちこちの座席から話し声がきこえはじめた。
 たまたまかも知れないが乗客のほとんどは女性で、男性客はわずか4人だった。
 そのため車内は彼女たちのあたりをはばからないお喋りで騒がしく、明日にそなえて寝ておこうとする・・・

3

美しい人

15/07/02 コメント:3件 メラ

 彼に初めて出会ったのは、まだ彼が小学生の低学年の頃です。私は当時中学生でした。
 あんな美しい子供を、人を、存在を見たことがない。私はまるで雷に打たれたかのように、あの子の美貌に打ちのめされ、数日間ロクに食事もできなかったほどです。自分がとても醜い生き物のような気がして、死んでしまいたいくらいの恥ずかしさを覚えました。
 そんなあの子と親しくなれたのは、あの子の高校受験のために、私が・・・

5

正気と狂気の交差点

15/06/29 コメント:9件 クナリ

 放課後、私が家に着くと、玄関のドアが開きっ放しになっていた。
 中学二年生になったばかりの私は、両親と弟の四人家族なのだけど、ドアを開けておく癖のある人間は家族にはいない。
 嫌な予感がした。
 見慣れた家の玄関が、ぽっかりと口を開けて私が飛び込むのを待っている、得体の知れない怪物の口に見えた。
 朝出かけた時とは、家の中の空気の色が違って見える。
 何かが起きてい・・・

最終選考作品

6

美しく、したたかに

15/07/27 コメント:9件 泡沫恋歌

 世の中に『美人薄命』という言葉がある。
 美しい女性は得てして寿命が短く、容貌が衰えない内に死んでしまうという意味だが、実は美人で長命な方もたくさんいる。

 いつか時空モノガタリのテーマが【 美女 】になったら、この女性のことを知って欲しいと思っていました。
 その女性の名は常盤御前(ときわごぜん)、あの有名な源義経(みなもとのよしつね)の生母に当る人です。
 常・・・

7

ビューティーコロン

15/07/20 コメント:10件 泡沫恋歌

「チクショウ! これで何度目の失恋だろう」
 今しがた男に別れようと言われた。理由は他に好きな子ができたから……また、それかよ! そんな言い訳で今まで何度ふられたことか、悔しいけど本当の理由は分かっている。私がブスだからでしょう。
 私の容姿といったらチビで短足、貧乳だし、顔は色黒、細い目、あぐら鼻、しゃくれ顎、おまけにド近眼。整形したくとも、どこから手をつければいいのやら……究極のブ・・・

投稿済みの記事一覧

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女はみな聞く

15/07/28 コメント:2件 坂井K

 世界のあらゆる国々で、女はみな聞く。「私は美人?」鏡は笑顔が好きだから、必ず答える。「貴女は美人」「私は美人…」「貴女は美人」「私は美人!」「貴女は美人」。そんな問答くり返される。鏡は自信をつけさせて、女を外に送り出す。もしも聞くのを忘れても「貴女は美人」鏡はいつも答えてる。

 鏡は一枚、でも無数。ネットワークで繋がっている。スプーン・空き缶・窓ガラス。TV・パソコン・スマホの画面・・・

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エス〜かなしき蝶〜

15/07/27 コメント:10件 冬垣ひなた

エス。
彼女たちはsister(姉妹)の頭文字をとって呼ばれた。
上級生のお姉さま1人に、下級生の妹は1人。
約束を交わしたその日から、秘密のお手紙を靴箱に忍ばせ、彼女にふさわしい美しきものをお贈りし、心から一途にお慕いする……。
大正時代から昭和の初めにかけて、蕾の頃の少女たちが通う女学校には、そんな秘められた決まりごとがあった。

エス。
それは処女の・・・

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仮面

15/07/27 コメント:0件 蓮水 燈

朝起きて真っ先にするのは、仮面をつけること。お母さんそっくりの仮面。誰かしらコンプレックスはあるもので、私の場合は顔だった。
君のお母さんは綺麗ね。美人だね。
どこを歩いてもお母さんはお母さんはお母さんは。
私は身長もそこそこ、顔なんて平凡すぎて。お母さんは二重のぱっちり目玉なのに私は一重のつり目。お母さんのように笑窪もないし、お母さんみたいに鼻筋も通っていない。口の形も・・・

6

さよなら、シルベーユ姫

15/07/27 コメント:7件 そらの珊瑚

 夜の霧がまるで魔法使いの手下のようにうごめきながら、石造りの城を取り囲んでいる。城のあるじは絶世の美女とうたわれたシルベーユ姫だとされていた。

 僕は道に迷ったふりをして、城の扉を開いた。
「こんばんはぁ。誰かいねえか?」
「あら、坊や、どうしたの?」
 中からひとりの女が現れた。裾を大きく膨らませた時代遅れのドレスを着ている。手にしたランタンの灯りがその女の顔を・・・

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小さな会議室

15/07/27 コメント:0件 ケイジロウ

 その子が来た日も私は全身汗だくになりながら、旅館の前の雪をかいていた。
 「こんにちは。あの、今日からアルバイトでお世話になる者なのですが・・・」
 いつもなら、「あぁそぉコンチハよろしくね。」と素っ気なく新人の対応をする。舐められてはだめだと虚勢を張る。2週間以内で去る者が多いので、素直に歓迎できないといったところに本心があるのかもしれない。心のカーテンをこちらがバッと開け放っても・・・

6

見えない大文字の山

15/07/27 コメント:6件 草愛やし美

 山は炎に包まれたようにしか見えなかった。あまりにも近づくと真実が何なのか見えなくなる。一度でも遠目から眺めれば容易く姿を想像できるというのに。昨日まで胎内で同化していたはずの子が離れたとたん母は逝ってしまった。その子に母の真の姿を想像することは難しく、そんな風にその子は育つしかなかった。
 京都左京のそこから大文字山が迫る。年数カ月間を除き、樹木が伐採されたようにしか見えない傾斜道にお盆の・・・

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フェイク

15/07/27 コメント:4件 そらの珊瑚

 ある日、銀座の雑踏の中で私は声をかけられた。
「怪しい者ではありません。僕はこういう者でして」
 紺色のスーツを着た端正な顔立ちの男が差し出した名刺には、こう書かれていた。
――ビューティーアドバイザー。
「はあ?」「突然、すみません。お時間少しよろしいでしょうか」
 時間? 時間なら売るほどある。ブスで根暗でデブの三重苦の私は、会社が休みだといっても、こうして街を・・・

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ある日出会った赤の話

15/07/27 コメント:0件 日向夏のまち

「ねえねえそこ行くお兄さん」
 風鈴の様に可憐な声。木に埋もれた小さな神社。ひんやりとした木陰の境内。ななめに射し込む真っ赤な夕日。僕は、石畳の上。声の主は、さっきまで無人だった賽銭箱の前。すらりと立った赤いお着物。微笑を浮かべた狐のお面。白い陶器の様な手が、面を静かに取り払う。
 暑い日だった。肌のべたつきが、空気を纏わりつかせていた。
「あたし」
 悪戯っぽい目元が覗く・・・

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それでは本日の講義を始めます

15/07/27 コメント:0件 たっつみー2

 では前方スクリーンの映像にご注目ください。
 男女6人がいるのは熱帯にある小さな孤島です。平地は彼らがいる広めの庭程度の砂浜だけで、他は小高い山です。彼らは旅行の体験モニターという企画に騙され、集まった見ず知らずの6人です。男性は40、30、20代のそれぞれ中盤です。女性は3人とも23、4ですから、皆さんよりちょっと上ですかね。それぞれ2Lボトルの水1本と衣類以外はすべて持ち去られたという・・・

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瞳の行方

15/07/27 コメント:8件 光石七

 ナディは侯爵家の一人娘として生まれ、大切に育てられた。
「何て綺麗なお嬢さんでしょう」
ナディを見た者は皆、口を揃える。
「きっとこの美しさに嫉妬した女神が、ナディ様の目から光を奪ってしまったのですわ」
ナディは生まれてすぐの高熱が原因で失明した。しかし、屋敷の者たちは彼女を心から慈しんで育てた。
 十五歳になったナディは社交界にデビューした。目の見えないナディの傍・・・

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美しすぎると罪なの? でも地獄はイヤ

15/07/26 コメント:6件 草愛やし美

「あの人は下! 楽勝、私は美しい」
「前から来る女、結構綺麗。でも若い分、私が上よ」
 私は町を歩く時に女を見て自分と比べてしまう。相手の容姿が自分より上か下か判定する癖がある。勝ってると優越感に浸れる。お馬鹿な私は容姿で勝つしかない、ってのは言い訳かもね。他人には言えないことだけどみなやってると思ってる。これがばれたら美人を鼻にかけ嫌な奴って思われるだろうけど、言わないだけで美人はみ・・・

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美女はトイレになんて行きません!

15/07/26 コメント:4件 海見みみみ

 美女はトイレになんて行かない。誰が言い始めたか知らないが、世の中にはそんな決まりがあるらしい。
 私は誰もが認める美女だ。だからもちろん人前ではトイレになんていかない。それが美女としての役柄だからだ。
 人は何らかの役柄を演じながら生きていくものだと私は思う。その役柄が私はたまたま『美女』だったのだ。
 そういった訳で、私は美女としての役柄を演じながら大学生活を送っていた。

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お化粧

15/07/26 コメント:0件 ウはうどんのウ

 化粧をした。鏡を見ながら。私は美しい。これはあの人のためのチークブラシ。これはあの人のためのアイライナー。私の美しさはすべてあの人のため。あの人のために綺麗になるの。鏡を見ながら。
 お化粧は私を変えてくれる。それは幸せなことだった。自信をもつことができた。私はあの人のことを直視することができた。自信をもって対面することができた。お化粧をしたから。美しい私がいたから。
 これはあの人・・・

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私は美しい、私は美しい、私は…

15/07/26 コメント:2件 霜月秋旻

「私は美しい、私は美しい、私は美しい…」
 毎朝、私は鏡の前でこう呟くの。仕事に行くのが億劫な朝にこれをやれば、自分に自信が持てて、やる気が沸いてくるってこないだ朝の報道バラエティでやってたわ。でも生憎今日は風邪気味だから、マスクをして仕事に行くわ。これじゃあせっかくの美女が台無しね。
「レイコ!帰りにホームセンターに寄って、手狩り鎌を買ってきておくれ」
 もう。うちのママったら・・・

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本日とコーヒー

15/07/25 コメント:0件 だむれい

 東京のオフィス街。
「もう、2時すぎかぁ…」
飲食店が集まった一角のコーヒー屋。その入り口近くで、女はふかくため息をついた。通り沿いの壁はガラス張りで、舗道に照りつける日差しの熱が、じっとりとしみこんでくる。向かいのスパゲッティ屋の奥では、店員がたまった皿を黙々と洗っている。7月もおわりかけの平日、夜のヤマに向けて仕込みを始めるにもまだ早い時間帯だ。界隈のあちこちで、けだるい空気が・・・

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なにかが静かに溶ける音がした

15/07/25 コメント:0件 八月美咲

 その男はわたしの手を握りしめた。
 一、二、三、四、五秒。
 冷たいのに汗ばんだ手の平が気持ち悪い。
「三百円のおつりになります。ありがとうございます」
口元だけ笑顔でその目はわたしの体の上を髪の毛一本の先までヘビのように這いまわる。でもそんなことには慣れてしまった。わたしの毎日でヘビが現れない日はない。
「久しぶりね、近藤くん」
 わたしはそう言うと困惑と・・・

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四つ辻のヘカテー

15/07/23 コメント:1件 泉 鳴巳

「もうほんとうに死んでしまう」

 アルバイトを辞め、サークル活動にも参加せず、当然勉学に励むこともなく昼寝ならぬ夕寝を貪ろうと万年床に横になった僕は、身体のあらゆるところから汗を吹き出し塩水浸しになりながら数分で起き上がった。当初は純白であったであろう機体は薄褐色にくすみ、ギイギイと軋み震える年代物の扇風機だけで闘ってきたがもう限界であった。いくら寝返りを打とうが、枕をひっくり返そう・・・

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残念な美女

15/07/22 コメント:0件 レイチェル・ハジェンズ

 以下の5つのことが当てはまった方、貴方には美女の素質あり!?

1.仲間のことを大事にする(信用を裏切らない)
2.人付き合いに長けている
3.見た目を褒められたことがある
4.同性より異性の友人が多い
5.「ありがとう」という言葉が好き


「やっほぉぉ! やっぱコレ俺のことじゃーん」
「てめぇ……。美女とか言われて嬉しいのかよ」

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大変な美人

15/07/19 コメント:1件 つつい つつ

 美人に生まれたからには、平凡な人生を歩んじゃいけないと思う。普通の人とは違う人生を歩む必要というか宿命があると思う。まあ、美人の度合いにもよるけど、アイドル、女優、モデル、女子アナ、最低でもそれくらいにはならないと駄目だと思う。でも、最近では、あなたアイドルになる責任なんてないわよって子がいっぱいアイドルやってるけどね。
 別に普通の仕事でもいいんだけど、なにをしても美人すぎる弁護士とか、・・・

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タイムレター

15/07/18 コメント:0件 たっつみー2

 〈手紙〉河合直人 美貴子様
この手紙を二人が手にしているということは、私は負けてしまったんだよね。心配させたよね。苦労させたよね。迷惑かけたよね。いっぱい私のためにがんばってくれたのに、たくさんの愛情をくれたのに、何も返せなかったよね。本当に親不孝な娘でごめんなさい。いっぱい伝えたいことがあるのに書こうとすると、今にも心が折れてしまいそうです。
なんか変だね。もう私は終わってしまって・・・

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皆はあの子に夢中なり

15/07/18 コメント:0件 有朱マナ

 虫みたいなヒソヒソ話が教室で煩い。
「やっぱ、イオリちゃんは可愛いよね。」
「イオリちゃん、今彼氏いないんだって。」
「えー、じゃあ、俺もらっちゃう〜」
「お前なんかもらえるわけねーだろ」
「顔だけで良いなら、やっぱりサヨだけど、あいつはな…」
「…可愛げがないとでも言いたいんだろ?お前は」
「…本人に聞こえる笑」
クラスの男子のこのような会話は、・・・

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きいたことは

15/07/15 コメント:0件 佐々々木

「すいません、お姉さん」
 そう言われて呼び止められた。車に乗った男が窓から顔を出し、手を挙げている。辺りには街灯もまばらで薄暗く、顔ははっきり見えない。車のスピーカーが大音量で発しているロックだけが住宅街に響き渡っていた。
「駅まで行きたいのですが、道を教えてもらえませんか」
 落ち着いた丁寧な声に好感が持てた。残業終わりの疲れきったこの状態で、もしも乱雑な言葉で道を聞かれたな・・・

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落とし穴

15/07/14 コメント:0件 藍田佳季

 大学進学と共に実家を離れた私は、五月に思い切って整形をした。大大的にやったわけではないけど、プチともいえない。そんな感じで。

 親の送り物ともいえる顔にメスを入れるのは少し後ろめたいものがあったけど、この先の人生を考えてするべきだと思った。このことは誰にも相談していない。

 今の私はいままでとは別人。元の自分の写真はたとえプリクラでも見たくないけど、それは全部実家に・・・

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補正システム

15/07/14 コメント:0件 三文享楽

「ゆいちゃん、今日も帰るの?」
「うん、ごめんね、ちょっと予定があってね」
「そっか、また今度ね」
 ゆいはサークルの友達を背にして駅へと歩き出した。
「のりわるっ、どうせまた男なんじゃない?」
「いいよねえ、ああいう元からキレイな子は」
 背中越しに友達の声が聞こえたが、ゆいは聞こえない振りをする。
 できることなら遊びたい。でも、私にはやらねばならない・・・

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美女と報酬

15/07/14 コメント:0件 三文享楽

 報酬の対価に栗本が受け取ったのは、一人の美女であった。
 ホテルのバーで煙草をふかしているところに、女はやってきた。
 女は特に何も言わなかったが、報酬を受けとる場所に胸元の開いたドレスでやってきて挑発的な目を向けてくれば、それがどういうことかは栗本には分かる。
 ウィスキーを何杯かあおった後、栗本は女を味わった。
 スレンダーなボディの中に詰まった果実の旨みは、最高であ・・・

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コーヒー牛乳

15/07/14 コメント:0件 三文享楽

 私は自分が嫌いだ。
 ううん、嫌いなんていうと言い過ぎかもしれない。好きではない、くらい。
 自分で言うのも変な話だけど、世間的に見て私は美女の部類にはあてはまるんだと思う。
 でも、そういうことを平気で考えてしまう自分が、そう、好きでないのである。
「お前はわりかし無粋なとこがある。自分は他の子よりかわいいと、口にしないまでも、意識はしておいた方がいいかもしれんぞ」

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瞳を閉じて

15/07/11 コメント:0件 かめかめ

 ソナタを聞くときに瞳を閉じたことはある?
 たとえばラフマニノフのチェロソナタ。ラフマニノフが産み出した、チェロの声を存分に生かしたロマンティシズム。
 チェロの存在感ある低音が高く響く第三楽章の終わり。ふと瞳を閉じると、今まで伴奏かと思うほど控えめだったピアノが奥深く草原のように広がって。その上を自由に駆けるチェロはまるで翼を持っているよう。大事なのは、瞳を閉じることだけ。あなたに・・・

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美女の英才教育

15/07/10 コメント:0件 南野モリコ

宝石箱をひっくり返したような夜景が見渡せるレストランで、食事が終わると男は、ポケットから小さな箱を取り出した。
「マキシーン、愛しているよ。結婚してくれるね」
「リチャード」
マキシーンは、左手薬指にダイヤの指輪をはめられ、戸惑った顔をしている。
リチャードが両手で握りしめたマキシーンの手は、鶏の骨のように細く皺だらけである。マキシーンは83歳、リチャードは40歳だ。

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変身!美女レンジャー

15/07/10 コメント:0件 南野モリコ

今日夕方頃、市立高校3年生の峰岸綾子さんが下校中、刃物を持った男に襲われた所を、颯爽と現れた美女レンジャー、レッド、ピンク、ゴールド、ブラックの4人により、綾子さんは無事、保護されました。目撃者の証言によると、この時の美女レンジャーの必殺技は、美女パンチ、スレンダー・キック、悩殺チョップの3つです。

男は綾子さんの元担任教師、大川雄一31歳。綾子さんは大川容疑者が担任であった昨年から・・・

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心変わり

15/07/07 コメント:0件 浅月庵

 亜由美ちゃんはわたしのことが大好きで、服も靴もピンク色の可愛いヘアブラシも金色の装飾が施されたティーセットも買ってくれる。
 お家まで買ってくれようとしたときにはさすがのわたしも焦ったけど、そのくらい亜由美ちゃんはわたしの可愛さ、綺麗さに夢中だ。亜由美ちゃんだって充分可愛いのに、お金の持っていないわたしの美貌をさらに充実させることに必死で、照れくさいやら嬉しいやら申し訳ないやら。
 ・・・

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六月 彼女が着るはずだったドレス

15/07/04 コメント:4件 みや

このドレスは人気が高くてすぐに契約が決まっていたのですが、先日キャンセルが出たばかりなのでラッキーですよ、そう言ってウエディングプランナーは満面の笑みを浮かべている。

黄色を基調にしたそのドレスにはチェック柄の大きなリボンが胸元に施されており、少し子供っぽいかな…と奈菜は思ったが、ウエディングドレスはシンプルなAラインのデザインを選んでいるのでお色直しのカラードレスはこれ位目立つプリ・・・

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口裂け女のネット配信

15/07/02 コメント:2件 夏川

 あるところに一人の妖怪がいた。
 彼女の名前は口裂け女。口裂け女は口が裂けていること以外は完璧と言って良いほどの美女であったし、本人もそう自負していた。
 とは言っても、彼女は完璧な美女ではない。マスクを外せば人々はみな悲鳴をあげ、彼女から逃げようと必死に走り出すのだ。口裂け女はそれがなによりも気に入らなかった。彼女はありのままの自分を受け入れてくれる人間を探し求め、そして自分を否定・・・

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シンデレラは夜帰ってくる

15/07/01 コメント:0件 高木・E・慎哉

シンデレラは自分の美貌に自信を持っていた。
しかし、誰もシンデレラに振り向いてくれなかった!
「なぜなの?どうして、誰も私を見てくれないの?」
実は、シンデレラを見ている人はいた。

シンデレラをもし、見ていると、バレたら、女王様に殺されるからだ!
だから、みんなシンデレラのことを見て見ぬ振りをした。
仕方なかった。
この国では、女王様の権力は絶対で・・・

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お姫様が女王をほしがって仕方ない

15/06/30 コメント:0件 ムラカミアユミ

転校生が来た。女の子だ。
一言で言うと、とても変な子だ。
名前は今井ひめ。
みんなは彼女を知るうちに、自然と”お姫様”と影で呼ぶようになった。
それには理由がある。
昨日はこう言っていた。
「私ね、歯医者に月に4回は行って、歯のクリーニングしてもらっているの。だから、ピカピカでしょ?宝石みたいだなって思ってるの」
そして、一昨日はこう言っていた。
「・・・

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ミス・スーバニユコンテスト

15/06/29 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 探せばあるものだ。
 さすがはwebの時代。ミス・ユニバース日本代表コンテスト―――ではなく、その反対の、言葉はわるいけれど日本おぶす代表のようなコンテストはないものかといろいろ検索していたら、あった、あった、いくらもかからないあいだにすんなり私のスマホ画面にそれに関したHPがあらわれた。
 その名も、ミス・スーバニユ日本代表コンテスト募集。
 とにかく、きれいであってはいけ・・・

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幸せな受付嬢

15/06/29 コメント:1件 ハヤシ・ツカサ

 総合商社・政宗商事は、変わった会社だ。
 たいてい、会社の受付嬢というのは、連れて帰りたくなるくらいの美人、と相場が決まっている。
 訪れた者は言う。政宗商事の受付嬢は、強烈だ。とにかく、個性的な顔の女性が座っているんだ、と。
 政宗商事の受付嬢には、こんな都市伝説がある。
 最近、写真集を出したことで世間の耳目を集めたアクティブエキスプレスのイケメンセールスドライバーが・・・

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モナ・リザの微笑み

15/06/29 コメント:2件 ちほ

 ルーブル美術館の片隅に飾られた美女の絵『モナ・リザ』。彼女は誰をも魅了する不思議な微笑みを人々に向けるが、昔は美しさを鼻にかけた高慢ちきな笑顔でしかなかった。そんな彼女を、わざわざお金を払ってでも見てみたいなんていう奇特な人はあまりいなかった
 今日も今日とて、女性客への蔑みと自分への賛美で一日を締めくくった。
「あのおかしな帽子を被った夫人のかかしのような様は、なんてみっともなかっ・・・

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美女とちんぴら薬

15/06/29 コメント:5件 クナリ

「いい男いないかなー」
 お悩みですね、美しい妙齢のご婦人。
「誰あんた」
 薬売りです。この『ちんぴら薬』をいかがですか。
「それ飲むと何なの」
 ちんぴらになれます。
「…なれます、っていうほどのもんかしら」
 人生のハードルが下がりますよ。
 例えば真面目で黒髪で眼鏡の男の子がいるとして。そういう子って、ある朝近所のおばさんにたまたま一度挨拶を・・・

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どうして彼は私を振ったの?

15/06/29 コメント:2件 夏川

 それは一目惚れだった。
 大学の食堂でラーメンをすする彼を見たとき、雷に打たれたような衝撃に襲われたのだ。たくさんの芋みたいな奴らの中で、彼は一際輝いて見えた。
 そしてそんな彼に寄り添う腐った芋が一つ……
 彼にはまったく相応しくない酷い見た目の女だ。本当に、誰がどこから見ても美人だなんて口が裂けても言えない。偏見なしに、本当に二度見してしまうほど酷い。

 一方・・・

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恋と魔法と宣戦布告

15/06/29 コメント:2件 るうね

「ふーむ」
 痩せぎすのその魔法使いは、とんぼのような眼鏡の奥からこちらを見つめてきた。
「この写真のように、顔を変えてしてほしい、と?」
「はい」
 また「ふーむ」と言って、魔法使いは手元の写真に視線を落とした。
 そこには一人の女性の顔が写っていた。不細工、というほどではないが、決して器量は良くない。
 再び、魔法使いがこちらに視線を移す。
「正直に申・・・

1

予想外

15/06/29 コメント:2件 るうね

「というわけで、社長。我が社の研究開発部が総力を挙げて開発した新しい化粧水がこれです!」
 そう言って、男は小さなガラス瓶を取り出した。中に、無色透明の液体が入っている。
 社長は、ふむふむと興味深そうにガラス瓶を手に取り、中の液体を観察した。
「で、いったいどこが新しいのかね。しみやそばかすが、溶けるように消えてしまう、とか?」
「いえいえ」
「では、肌の張りが蘇る・・・

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価値観

15/06/29 コメント:2件 るうね

 女は自分が不美人だという自覚があった。
 そこで、タイムマシンを開発することにした。昔と今では美人の基準が違うという話を聞いたからである。しもぶくれの顔が美人とされた時代もあったらしい。ならば、自分のような顔が美人だとされる時代もあるかもしれない。
 女の執念は凄まじい。長年の研究の結果、ついに女はタイムマシンの開発に成功した。
 それに乗り込み、まず明治時代を目指す。だが、そ・・・

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