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  2. 第八十六回 時空モノガタリ文学賞 【 掃除 】

第八十六回 時空モノガタリ文学賞 【 掃除 】

今回のテーマは【掃除】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/08/10

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/06/15〜2015/07/13
投稿数 52 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

4

凸と凹

15/07/05 コメント:3件 つつい つつ

 初めて彼女の部屋に入った。マンションの入り口のドアを開け、一歩足を踏み入れたとたん固まった。たぶん、僕の顔はひきつっていただろう。「入って、入って」と彼女は笑顔で招き入れるけど、僕はただ呆然としながらその部屋を見渡していた。でも、驚くのは早かった。その先に広がる世界はさらに衝撃的だった。
 大学に入って半年、地味で冴えなくて、いい人ってことぐらいしか取り柄のない僕に彼女が出来た。それも、僕・・・

4

消えないもの、消えるもの

15/07/02 コメント:4件 佐々々木

 放課後。教室にはほのかに赤みを帯びた日差しが窓ガラス越しに差し込んでいる。誰もいない教室は静かで、少なからず解放感を感じた。目を閉じると、木や金属、チョーク、紙、制汗剤などが混ざった独特の匂いがする。ソックス越しに感じる床の感触は固くひんやりとしていた。床の埃が気になり、穿いている白のソックスが汚れることには抵抗があったが、洗えばすぐ落ちるだろうと高をくくる。
 私は軽く絞った雑巾で自分の・・・

3

エミーが運んだ幸せ

15/06/27 コメント:4件 ちほ

「出ていけ! よくも大切な原稿を焼いてくれたな! 二度と帰ってくるなっ!」
 作家は怒鳴って、冬の寒空の下、ゴミ焼却ロボット・エミーを家から追い出した。
 エミーは七歳の子どもの背丈ほどで、ずんぐりむっくりな体型をしていたが、二つの車輪で移動できた。今、彼は舗装された道をゆっくり進んでいた。目的地などない。ふとゴミを見つけると、左の金属アームを伸ばして掴み、頭部をパカッと開いて、そこに・・・

2

掃除しなさいよね

15/06/15 コメント:2件 るうね

「ちょっと男子、掃除しなさいよね」
 わたしの言葉に、当の男子――日向太陽はあっかんべーをした。
「やーだよん」
「あっ、こらー」
 止める間もなく教室から駆け出て行ってしまう。
 まったくもう、あいつときたら。
 仕方なく、一人で机を片づけ始める。掃除当番は男女一人ずつなので、あいつが逃げた以上、わたし一人でやらねばならないのだ。
 あー、むかつく。なん・・・

最終選考作品

2

廃賓回収車

15/07/07 コメント:2件 蒼樹里緒

 世の中には、便利な業者がいるものだ。不用品どころか不要な人間まで引き取ってくれるなんて。
 作業服姿の男たちが、私の家からゴミ同然の家具類を運び出し、門前の大型トラックにせっせと積んでいく。
 引っ越しをするわけじゃないけれど、要らないと判断したものはすぐ捨てて買い替える主義だ。この業者には、以前から何度も世話になって感謝もしている。
 作業員のリーダーが、私に愛想よく声をかけ・・・

3

掃除の妖精

15/06/17 コメント:7件 夏川

「ねぇ、もう遅いし泊まって行けよ」

 この部屋の主、圭介さんは連れ込んだ女性の肩を抱きながらかすれた声で囁きます。
 圭介さんはとても爽やかな男前で、毎夜様々な女性をこの部屋へ連れ込み、そして毎回この台詞を女性に囁くのです。
 しかし圭介さんは毎回同じ台詞で女性たちに振られてしまいます。今回もそうでした。

「こんな汚い部屋に泊まるなんて真っ平! よくこんなゴ・・・

4

空白罪――ガランとしていて片付かない――

15/06/15 コメント:4件 クナリ

 生家の二階で、先週他界した姉の部屋を掃除していたら、机の抽斗から、型落ちの携帯電話を見つけた。
 一ヶ月くらい前まで姉が使っていたもので、電源を入れると、まだ電池は少し残っていた。きっと、しまいっぱなしにして忘れていたのだろう。
 姉はとにかく、忘れっぽい人だった。まだ二十七歳だったけど、周囲からは「超若年性健忘症だな」などとからかわれていた。
 学生の頃から、学校へ行けば筆記・・・

3

文字掃除機

15/06/15 コメント:6件 るうね

「自分の家の敷地にどんなものを置こうが、俺の勝手だろうが!」
 ゴミ屋敷の主はそう声を張り上げた。
 市の職員である俺はため息をつきつつ、
「ですから、臭いとか景観の問題とかがですね……近隣の住民から苦情も来ているんです」
「知ったことか!」
 取りつく島もない。
 俺は一緒に来た後輩とともに、ひとまずゴミ屋敷から離れた。離れても、ぷんと臭いが漂ってくる。

投稿済みの記事一覧

1

黒くてゴソゴソするアイツ

15/07/13 コメント:2件 坂井K

 昼でも暗い家の中、足音を立てずに俺は、壁伝いに階段を降りる。降りてすぐの部屋には仏壇があり、たくさんのお供え物が置いてある。ガサゴソガサゴソガサゴソガサ。俺は暗い部屋の中で食い物を漁る。この家に棲み始めてから、かなりの時間が経過した。どこにどんな食料が置いてあるかは、把握している。

 母が死に、一軒家が残された。だから、住んでいた賃貸アパートを出て、その家に戻ることにした。一人暮ら・・・

6

ゴンドラのヒーローたち

15/07/13 コメント:8件 そらの珊瑚

ベンジャミン大学附属病院の小児病棟が、サムの今日の仕事現場だった。
 屋上から見上げる五月の空は快晴。風は微風。絶好の窓拭き日和だ。
「オーケー。みんな集まって」
 リーダーのアダムが大きな箱を抱えて来る。
「どれでも好きなのをどうぞ」
 中に入っていたのはヒーロー変身スーツや着ぐるみだった。
 6人のバイト達はそれぞれ着替える。
 ミッキーマウス、ピー・・・

0

引っ越しと私

15/07/13 コメント:0件 奇都 つき

  特に何をするでもなく、部屋のどこかしらをじぃと見てはぼうっとする日々が続いていた。
 大学こそ出たが、就職活動に失敗。一人でなんとか生きていけるくらいの資金は昼間はコンビニ、夜はチェーンの格安牛丼店とアルバイトを二つ掛け持ちしてつないでいた。働きすぎだったかもしれない。けれど、就職活動の辛さを紛らわすのには、丁度良かった。
しかし、おかげで睡眠時間は平均3時間ほど。肌が荒れてきて、・・・

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明日する掃除

15/07/13 コメント:1件 梨子田 歩未

「これ、いらないでしょ」
 私は、台所に積み重なったプリンの空カップを手に取った。祖母は顔のしわを増やして、言った。
「ちっこいもん入れられるもんで、便利だよ」
 私の手からカップをさっと取り、シンクの脇に散らばった輪ゴムをその中に入れた。
 その輪ゴムは何に使うのさ、という言葉を私はぐっと飲み込んだ。今日から一緒に暮らす祖母との第一日目に、口論はしたくない。
「学校・・・

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僕の甘党シンデレラ

15/07/13 コメント:0件 冬垣ひなた

お客様、来ないな……。
ケース越しに見るケーキやデザートは色鮮やかで、いつもより何割か増しで美味しそうだが、外は雨。
梅雨が終わってすぐ台風だ。ついていないな。
エプロン姿の大地の足元に、気が付くと大きな水たまりができていた。
水源はケースの下だ。
「しまった!」
大地は慌てふためいた。
洋菓子ケースは乾燥防止に適度な湿度を含んでいて、雨の日の排水量は半端・・・

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Hey Hey My My

15/07/13 コメント:0件 凪野裕介



HEY HEY MY MY
Rock and roll is here to stay
Its better to burn out
Than to fade away
hey hey my my

なぁ!お前たちロックは俺の身体に刻み込まれてる
朽ち果てるくらいなら燃え尽きる方がマシだ
そう思わないか?なぁ!お前達!!
<・・・

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蝸牛

15/07/13 コメント:0件 ケイジロウ

 ある特定の人に感動してもらおうといった目的をもち、その人の喜んだ顔を思い浮かべながらする掃除は、やっている最中もやった後もさわやかな気分になるものである。現場は汚れているほど良い。自然と鼻歌も流れでる。庭のアジサイにしがみついているカタツムリに微笑みかけたりもする。憎たらしい上司のことも、「まぁ、アイツにも一理あるのかな」なんて調子になる。
 これが掃除のあるべき姿や存在意義だとすると、そ・・・

1

風が飛ばすは塵なのか

15/07/13 コメント:0件 千也子

 駐車場からオフィスのあるビルまでを歩く数分程度の道のりに、老舗のホテルがある。有紀が通るのはホテルの専用駐車場脇の道で、人も車も通らない裏路地のような所だった。
 ブロック塀から手入れのされていない敵意むき出しの植木がせり出し、地面にはかつてはきれいに敷かれていたであろうホテルを一周する煉瓦の歩道。割れて抜けて雑草が隙間を埋めるガタガタ道で、有紀の同期が過去に躓いて足首を捻挫したこともあっ・・・

7

掃除機は人に向けてはいけません

15/07/13 コメント:10件 光石七

 隣でマニキュアを塗る女。その様子を横目で見ながら、そっとため息を吐く。このバンには空気清浄機能が付いてるから臭いは抑えられてるけど……普通、家でやるものでしょ? 大体なんで今なの? 私たち、清掃の仕事に向かってるんですけど。まったく最近の若い人は……。
「イラさん、この仕事初めてよね? 何か不安なこととか聞きたいこととか無い?」
心中を隠して笑顔を作り、新人を気遣う優しい先輩を演じて・・・

8

磨かれたトイレ

15/07/12 コメント:9件 草愛やし美

 夜中、俺はトイレに立った。年を取ったせいか近頃よく夜中に目が覚める。扉を開け一歩踏み出したとたん足を掬われた。床がない、うわあー落ちる。地面に叩き付けられて死ぬと固く目を瞑った。
 だが、不思議なことにゆっくりと足が地に着いた。見渡す限りの草原だ。どこだ、ここは?呟きはすぐに悲鳴に変わった。象の大群がこちらへ向かって来る。逃げようとしたが足がもつれ倒れた。けたたましい象の雄叫びが鳴り響く、・・・

1

とりあえず、箒で一発殴らせてください、先生。

15/07/12 コメント:2件 来良夢

 片付けって、わざわざ時間取ってやるわりには、大したことない作業ですよね。ただ “物”の位置を動かすだけなんですし。
 そんな言葉をこぼすと、先生はシミだらけの古いノートを開いて笑った。

「そうだな。“物”の片付けはそれだけだもんな」

■□■□■

 制服を埃まみれにしながら、もう限界だと私は叫んだ。

「先生! 絶対掃除終わりません!」<・・・

1

名もなき掃除人

15/07/12 コメント:2件 くにさきたすく

 彼は名もなき掃除人。
 一コマ一コマ黙々と掃除をこなす。
 現在担当している作品は『おたけび探偵シャウト』
 彼が今まで経験した中で一番厄介な現場である。
 もちろん殺人事件に使われた巧妙なトリックも厄介だが、それは彼の仕事ではない。
 主人公のシャウトが、事件に関わった人間を洋館の大広間に集め、神妙な面持ちで次のコマを待っている。
 このような場面では掃除人・・・

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葛藤

15/07/12 コメント:0件 たっつみー2

真実を伝えることが本当に正しいのだろうか。
ただ自分が苦しみから逃れたかった。それだけなのかもしれない。

早朝の喫茶店には空調の機械音だけが流れ、息苦しいほどに空気が重い。
店の奥から前かけをしたアルバイトらしき少女が現れ、5つのコーラをテーブルに置いた。
「どうぞお飲みください」
「あの……」
口を開いた飯岡だが、何を尋ねればいいのか分からない、といっ・・・

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前島さん、掃除しましょう

15/07/11 コメント:0件 レイチェル・ハジェンズ

「前島さん」
「はい」
「良い加減に掃除したらどうですか」
「……ふむ」


 太ももがガッチリ見えるピンクのスカートに、ブラウスのボタンが3つもとれたOLが何の用かと思ったら。鉛筆みたいな細い人差し指で俺のデスクを指さすやいなや、「掃除したらどうですか」か。


 確かにこの部署は女性社員が多いし、そこらへんは気を遣うべきだと思う。思う。思う・・・

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清掃業

15/07/11 コメント:0件 ふた

「よく噛んでね」
 一緒に食事をすると、久子さんは決まってそう忠告する。うう、と返事をした私が、口いっぱいに含んでいたものをもぐもぐと咀嚼してみせると、久子さんは嬉しそうにする。白い肌に浮かび上がる真っ赤な唇が、左右にいささかの狂いもなく、耳の方へひっぱりあげられる。長い睫毛を連れた切れ長の目が、やさしくゆるむ。

 久子さんは私の七つ年上で、仕事では四年先輩だ。ちょうど後輩がほ・・・

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断捨離できるか

15/07/10 コメント:7件 泡沫恋歌

『お掃除しましょう』と、
部屋の中をぐるりと見渡せば、

我が家には、
要らないものが多過ぎる!

たとえば、
下駄箱の中の履かなくなった靴
クローゼットしまい込んだ流行遅れの服
屋根裏部屋に放置された古い布団

いつか片付けようと思うのだが
断捨離にも体力が必要で
一日延ばしにする内に
どんどん増える 物・物・物・・・

2

訪問販売

15/07/10 コメント:1件 小沼 道明

「五味梨尾と申します。お話だけでもお願いいたします」
感じの良い営業マンだった。
 私は社会人一年生ではじめての一人暮らし。親元を離れ、約半年が過ぎようとしていた。慣れない生活のおかげで部屋はゴミ屋敷寸前だった。
全くその気は無かったが、熱心なので話だけは聞くことにした。
「ありがとうございます。こちらの商品は従来の掃除の概念を覆す商品で、『掃除大臣』と申します。ほとんど労・・・

3

手を伸ばせば

15/07/09 コメント:2件 佐々々木

 落ち込む人間の意味が分からない。落ち込んだところで事態がいい方向に向かうわけでも問題が解決するわけでもない。そんな暇があったら、行動すればいい。

 部屋の掃除をしていたら、昔、高校一年の冬から大学二年の夏にかけて書いていた日記を見つけた。その日記のあるページに記されていた言葉だ。高校三年の五月半ばのものらしい。これを書いていたのは、まだ自分が何らかの超越した存在に選ばれた人間なのだ・・・

5

ぞうきん賛歌

15/07/09 コメント:8件 そらの珊瑚

かすかに覚えているのです
まだ私が白い朝顔を咲かせた藍染の浴衣だった頃の記憶です
あなたと一緒に
縁側で線香花火をしましたね
それは華々しく燃え
そのあと赤く熱せられた火種はぽたりと落ちました
この世に
これほど美しい命があったのかと
心がふるえたのを
覚えています
あなたのそのふくよかにふくらんだ腹部に
優しく触れればそこに

8

昭和日記より 大掃除

15/07/08 コメント:9件 草愛やし美

 この日、私達は早朝にたたき起こされた。
「今日は大掃除の日やで、はよ起きて顔洗い」 母の声が響く。普段は夏休みなので寝坊しているがそれでは間に合わないのだ。のろのろ起き出しご飯と糠漬け(どぼ漬け)をかきこむと、生活の場である六畳一間にある家財道具一式を裏庭に運び出すことから始める。母は大掃除しながら開店準備を始める。へっついさんにお釜をかけ右でうどんの出し汁、左でご飯を炊く。かつお節を入れ・・・

1

7 Green Days

15/07/04 コメント:2件 みや

日曜日

朝の早い時間からヘリコプターがバタバタと空を旋回している。窓を閉めて下さい、しばらくの間絶対に外へ出ないで下さい、と微かに拡声器の声が聞こえる。ああ、今日から始まるんだったな…と晴翔はまだ眠りの海を漂いながらぼんやりと考えていた。そういえば子供の頃、夏になると朝早くに害虫駆除の為の薬剤を散布する車が来ていたな。母さんが汚染されない様に慌てて洗濯物を取り込んでいた。今回散布され・・・

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叛乱

15/07/04 コメント:0件 沢藤南湘

 ドローンの規制が、東京オリンピック・パラリンピックの前年に強化され、ドローンの事故は前年の三割に減った。一方それと反して、少子高齢化、共働きにより一般家庭でも掃除ロボットがマイカーの台数を超えるほど普及し、事故が散見し始めた。まだマスコミには報道されるのはまれであった。
また、オリンピックバブルがはじけ、企業は経費節減と社員や派遣の解雇に躍起になっていた。
 昨年、定年延長も終わった・・・

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恋の大掃除〜思い出エトセトラ〜

15/07/04 コメント:1件 有朱マナ

 4月から社会人。私は引っ越しの準備で大忙し。東京に引っ越すのだ。だから、今まで使っていた自分の部屋は綺麗にしておきたい。たとえそれが実家であっても。
 私は次々自分の部屋の隅から隅へと綺麗にしていく。机の引き出しの中だって忘れない。いらないものも捨てなくてはならない。次帰ってきた時のために。机の一番下の引き出しにある“開かずの間”さえ、開けなくてはならない。
 “開かずの間”には、鍵・・・

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断捨離GO! GO!

15/07/03 コメント:2件 海野ごはん

 付き合って2ヶ月目の典子と克己は夏なのに鍋が好きで、二人で汗を流しながら夕食をとっていた。
 コンパで知り合い意気投合そのまま、克己が典子の部屋にやってきて同棲となったきっかけは、お互い「鍋」好きだった・・それだけだったのだが、どこでどうなるかわからないもんだ。

「かっちゃん、その団子、私が食べる」
「お前、食い過ぎなんだよ。最近ブクブク太ってね〜か」
「ひど〜い・・・

1

牛乳嫌いの掃除の時間

15/07/02 コメント:0件 夏川

 僕は牛乳が嫌いだ。
 生臭くて不味いし、そもそもアレは仔牛の飲物だ。
 平日昼、オレンジジュースなら10秒で飲んでしまうあの小さな紙パック入りの牛乳を僕は毎日数十分かけて飲んでいる。とても給食の時間だけでは収まらないので、給食後の掃除の時間も僕は埃舞う教室の隅っこでちうちう牛乳を飲む羽目になっている。そんな僕を見てみんな言うのだ。「掃除もせず牛乳飲んでるだけなんて、羨ましい」と。

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頭のクリーンアップ

15/07/02 コメント:0件 ミゲル3

消そう。消したい。頭の中の不純なものをうまく消し去ることが 出来たら、どれだけ人は楽に生きていけるだろうか。過去に囚われすぎた脳はときとして重く人の影にのし掛かる。偽善者の様に生き抜くことを覚えた人は、いつも頭の中の絡み付くものを消し去ろうとする。赤い事を思い出し、青い事を思い出す。そして白いもので塗りつぶそうと試みるのだ。

私は大人になって気付き、ふと立ち止まり考えてしまう事が・・・

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掃除はあまり好きじゃないけど、それでいいのかもしれない。

15/07/02 コメント:0件 みにろ

掃除をしないと部屋が汚れる。だから掃除をする。
ボクは掃除機を持ってきて二階に上がって自分の部屋に掃除機をかけた。
するとほこりがみるみるうちに吸い込まれていって、まるでブラックホールみたいだ。
どんどん部屋は綺麗になっていってチリ一つなくなっていくけど、逆にボクは居心地の悪さを感じた。なんだか違う部屋にいるみたいだからだ。
あんまり汚い部屋にいすぎるとそれが当たり前になっ・・・

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幼馴染

15/07/01 コメント:2件 たっつみー2

 一週間前、強い風がうす紅色の花びらを枝から掃き去っていった。だから、ボクらはその風をこう呼んでいる――掃除風。
 ボクがいる家の庭から道を挟んで田んぼが広がっている。その先で仲間たちは小高い山を背負うように並んで立っている。春の大掃除が終わり、今は寒々しい姿になっている。ボクらは掃除を済ませ、次の緑の季節に進まなくてならない。だけど、ボクはまだ進むわけにはいかない。
 玄関からガラガ・・・

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天の川の清掃員とは

15/06/30 コメント:0件 ムラカミアユミ

「天の川のゴミ拾いなんてさー…。つまんない職業についちゃったなー…」
そう言って、ハート型のサングラスをかけている星屑の清掃員は苦笑した。
「仕方がないだろう。もうすぐ7月7日の七夕だ。こうして天の川をキレイにして、織姫様と彦星様を美しい川にして合わせてやらなくちゃあいけない」
真面目そうなおじさん星屑の清掃員が手を動かしながら言った。
「そうは言ってもなー…」
サン・・・

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小さな罪悪感そして憂鬱

15/06/29 コメント:0件 八月美咲

わたしはここ五年間、三日に一度ほどの間隔で小さな罪悪感に襲われ続けている。このままいけばそれは二十年近く続く予定だ。
 その小さな罪悪感を生み出す原因は、
「カメの水槽掃除」
 カメは金魚などと比べとても水を汚す。夏場は毎日、冬場でも冬眠をさせなければ週に一度は水換えをしなければいけない。 
 わたしが飼っているのは一匹の雄のミドリガメで、五年前彼氏なのか彼氏じゃないのか分・・・

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Cleaning of life

15/06/29 コメント:1件 浅月庵

 浮気と不倫の違いはよくわからないし、定義だってどうでもいいけど、かつて僕の妻だった綾子はもういない。
 ちょっと言い方が古いかもしんないけど、綾子はバリバリのキャリアウーマンで僕より年収が高かったし、綺麗な顔してたし、物の言い方がちょっとキツくて僕はいつも尻に敷かれてたけど、そのサバサバした性格は案外男受けが良いのかもしれないな、なんて今になって思う。
 僕には勿体ない女だった、と呟・・・

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思い出のヒョウタンツギ

15/06/27 コメント:0件 かめかめ

「さやかちゃんは本当に良い子で。クラスのまとめ役なんですよ。私のいたらないところもしっかりフォローしてくれるんです」

 五年生になったさやかの担任の菅野先生が家庭訪問の時にそう言って褒めてくれた。
 母親が喜んでその日の晩御飯はさやかの大好物のカキフライにしてくれたけれど、さやかはそれよりも自分が一人前と認められたようで嬉しくて、夕飯も半分も手つかずで残してしまった。
 ・・・

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ソエジマ専務の最終業務

15/06/26 コメント:0件 Nyaok

 定年退職の一月前、ソエジマ専務理事は長期休暇をとった。世界を動かす超巨大企業のCEOはまだ若い。その彼の右腕であるソエジマ専務ともなれば、世界経済にも影響を与えかねない立場である。そうそう休みなどとりはしない。
 若い頃から先代に代わって明るみにできない裏の業務をこなしてきたソエジマ専務であるからして、今回はよほど重要なミッションで秘密裏に動いているのではないかと各方面で噂されていたが、こ・・・

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アソコのチシキ

15/06/24 コメント:0件 ハヤシ・ツカサ

「よし、次はゴミ屋敷ネタでいく。亜久、今すぐ取材可能なゴミ屋敷、探してこい!オラ、なにモタモタしてんだよ!さっさと行けよ」
 深夜番組「アソコのチシキ」プロデューサー・逆瀬川は、委託リサーチャー・亜久の背中を足蹴りし、会議室から追い出した。
 ただでさえ予算の低い深夜番組。最近はマンネリ化もあって、視聴率も下がり気味。スポンサー離れも深刻で、逆瀬川のイライラは毎回、酷くなる一方だ。

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押入れの閻魔さま

15/06/23 コメント:0件 ポテトチップス

「本日は、ハウスクリーニングをご利用頂きまして誠にありがとうございました。以上で作業の方は終わらせて頂きます」
富樫裕二は、笑顔で客にお辞儀をした。
「キッチン周りが驚くほどキレイになって、本当にハウスクリーニングを頼んで良かったわ。また次回も頼みますね」
「ぜひ、またご依頼を頂けますと助かります。それでは、本日はありがとうございました」
裕二はもう一度、客に笑顔でお辞儀を・・・

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掃除のできる人は

15/06/21 コメント:0件 笹峰霧子

 三十を過ぎたとき夫の計らいで、なけなしの貯金を使って借家を建てることになった。 子供が幼稚園に通っていた時である。安く建ててくれる大工さんを紹介してもらい15坪の二階建が二軒建った。

 同級生のしている不動産に依頼して入居者を募ることになった。様々なタイプの家族がわが家まで来て、私と夫はいわば面接みたいなことをした。最後に決めたのは私だった。

 二軒の内の一つに入居し・・・

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彗星が通り過ぎた夜

15/06/20 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

今世紀最大の彗星が地球のすぐそばをかすめとおる話題でもちきりになっているとき、米子はひとり、せっせと掃除をしていた。
ハウスキーパーの仕事についてまだ半年、所属する事業所から彼女が任されたのは大富豪の、部屋数がいくつあるかさえわからないくらいの広大な邸宅だった。夕方五時から夜の十一時という変則な時間帯を、一分一秒片ときもやすむことなく彼女は一部屋一部屋掃除してまわらなければならなかった。それ・・・

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私は掃除が好きな地味な女

15/06/20 コメント:5件 南野モリコ

この世に掃除ほど楽しいものがあるだろうか。

片山清美は、無類の掃除好きだった。
小学校でついたあだ名は掃除大臣。教室はもちろん、皆が嫌がる鳥小屋の掃除も進んでやっていた。

10年前に購入した一戸建は、新築の頃と変わらない輝きをキープしていた。清美の喜びは、きれいな部屋に住むことではなく、汚したものを何事もなかったかのように自分の手で抹消する征服感なのだ。料理も好き・・・

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掃除穴

15/06/17 コメント:0件 三文享楽

「何だ、これ」
 ケイは自分の家の庭に出現した黒い穴を見て、思わず呟いた。
 穴といっても、地面に空いているわけではない。物干し竿と塀の間の空中に、ポッカリと黒い穴が開いているのである。
「穴……だよな」
 空中に穴が開いている状況など、大学生になるケイは一度も体験したことはない。
 親を呼んでみたが、当然それが何か分かるはずもなかった。
「警察でも呼ぶか」

0

掃除屋ジェフ

15/06/17 コメント:0件 三文享楽

 乾いた銃声がした。
 依頼人の阻害となる者を掃除する。それが掃除屋ジェフの仕事である。
「こいつを殺って欲しい。前金で千ドル、成功の暁には二千ドル渡そう」
 今回の依頼は、ジェフの仕事としては安い方だが、拒むべくもない。
 掃除すべき人間が現れれば、完璧な仕事で始末する。それがジェフのスタイルだ。
 今日もまたジェフの手によって、一人の人間が掃除された。息の根を確認・・・

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重さん

15/06/17 コメント:0件 三文享楽

「実際、重さんがいなくてもやっていけると思いませんか?」
 いつこの言葉を店長にぶつける機会が来るか、ヒデは様子を窺っていた。
 重さんはヒデの先輩である。
 ヒデが料理の専門学校を卒業した時、既に重さんはこの中華料理店で五年働いていた。料理の知識と技術を身につけたとはいえ、まだ料理店で働くことを知らないヒデに、下修行を一から教えたのは重さんであった。
 しかし、最近になっ・・・

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この俺の情熱の炎は消せねえ

15/06/15 コメント:0件 高木・E・慎哉

という意表をつくタイトルではじまりました。
掃除なのに、情熱の炎かよ、とつっこんでいました!
ねえ、ポブトラビッチ!
とネムロ探偵が言いました。
ポブトラビッチは、ネムロ探偵の助手で、ネテロ探偵は有名な探偵でした。
なぜ、有名かというと、ネムロ探偵は仕事中いつも寝ていました。
なので、全くネムロ探偵は仕事ができませんでした!
なのに、なぜかネムロ探偵の所に・・・

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友樹16歳。初めて掃除をする。

15/06/15 コメント:2件 ちほ

 僕は、掃除が好きというわけではない。嫌いでもないが、こいつがいる限り掃除は僕の担当といったところか? とんでもない!
「僕だけが掃除をするなんて、絶対におかしい!」
 ここは高校の寮で、僕はルームメイトの友樹と暮らしているのだが、この男まったく掃除をしない。入学した頃からそうだが、いっつも床に寝転がるだけ。寝転がって漫画でも読んでいるのだろうと思って覗きこんだら、教科書を読み込んでい・・・

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最期の掃除

15/06/15 コメント:2件 るうね

 俺は公園のベンチに腰かけたまま、数年前の夜のことを思い返していた。


『やあ』
 夜の公園で掃除をしていた俺に、そいつは親しげにそう声をかけてきた。
 外見はクラゲのようだが、頭に二つ、緑の目がついている。その目は理知的な光を放っていた。
 宇宙人なのだろう。
 上空にはUFOらしきものも、ぷかぷか浮いていたりするし。
 俺が黙っていると、その宇・・・

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