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  2. 第八十五回 時空モノガタリ文学賞 【 動物園 】

第八十五回 時空モノガタリ文学賞 【 動物園 】

今回のテーマは【動物園】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/07/27

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/06/01〜2015/06/29
投稿数 60 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

3

剛里羅園長の不安

15/06/10 コメント:4件 Nyaok

 S市にあるZ動物園は、老朽化が進んでいるため改築の計画が進んでいた。そんな折、いつも親身になって動物の世話をしている飼育員たちが、剛里羅(ごうりら)園長に折り入って話があるという。
「園長。動物たちが常日頃から不満を抱えておるようです。どうかこの機に聞いてやってはいただけませんか」
「いかんいかん。それはいかん。ストレスを溜めると病気になるからな。客も病気の動物を見たくはないもんだ」・・・

2

雨の動物園

15/06/08 コメント:2件 メラ

 上野動物園に来ていた。天気はうす曇から、弱い雨に変わった。
 香織さんは傘を持っていなかったので、僕が駅前で買ったビニール傘の下、二人で並んで歩いた。
 並んで歩いたといっても、僕は体の半分が濡れていた。香織さんは僕の恋人ではなく、僕の親しい先輩の恋人だからだ。
 先輩は香織さんとの約束を急遽キャンセルし――それはよくある事だった――、何故かその日暇な僕に先輩から声がかかり「暇・・・

4

君の幸せを希(こいねが)う

15/06/02 コメント:6件 ちほ

 大きな運搬船の檻の中で、子象がひとりぽっちでぽろぽろ泣いているのをねずみは見つけた。
「どうして泣いているんだい?」
 ねずみの優しい言葉に安心して、子象は泣くのを止めて答えた。
「ぼく、両親から引き離されて、知らない処へ連れて行かれているところなの」
 ねずみは、よいしょと子象の背に乗って楽しげに話した。
「そう嘆くものではないよ。旅の果てには幸せがきっとあるさ」・・・

3

未来動物園

15/06/01 コメント:2件 るうね

 俺がタイムホールを抜けると、そこはどうやら動物園のようだった。
 独特の獣臭が鼻をつく。
「よしよし、これは都合がいいぞ」
 思わず、独りごちる。
 生物学者である俺は未来の地球の生態系を調べるため、時空を歪めるタイムマシンを開発し、こうして未来にやってきたのだ。出口が動物園に繋がっているとは、幸先がいい。
 俺は辺りを見回し、おや、と思った。
 周囲にはいく・・・

最終選考作品

3

Hello, again my old dear place

15/06/29 コメント:6件 平塚ライジングバード

「Σ」シグマ。よくかみつく。
「刀vインテグラル。中央の核からびぃむ光線を出す。
「Ω」オーム。怒るとふくらむ。
「π」パイ。すばやい。
「μ」ミクロン。雨水をためこむ。
「φ」ファイ。おっとり。
「Å」オングストローム。すみっこが好き。



“動物園”の中のシグマはかわいい。
全体的に角ばっていないし、何より人を噛まない。嬉し・・・

5

最後の動物園

15/06/29 コメント:6件 そらの珊瑚

 もういいかげん、動物園は卒業したいとリサコは心の中でつぶやいた。
 象やキリン、ライオンを見ても、幼い時感じていたワクワク感はもうない。もう小学校6年生なのだ、そんな年ではないことを大人はちっともわかっていないとリサコは思う。

 リサコが小学校二年の時に、両親は離婚した。
 彼女は母親に引き取られたが、一年に一度だけ父親に会える日が作られたのだった。
 一回目がこ・・・

6

幸か不幸か

15/06/29 コメント:8件 光石七

 バイトを終え、俺は一人夜道を歩き出した。俺の給仕が下手で服にソースが付いたと客に文句を言われ、対応が大変だった。
(クリーニング代、結局俺の給料から引かれるのかよ。マジきついって)
うちは代々医者の家系で、両親も共に現役の医師だ。兄貴は国立大医学部在学中。俺は二浪の末医学部を諦め、理工学部に進んだ。元々家族から落ちこぼれだと見下されていた俺だが、留年が決定したことで完全に愛想を尽かさ・・・

2

ゾウの浜子は知っている

15/06/27 コメント:3件 南野モリコ

「迷子のお呼び出しをします。第一小学校1年2組の榊原ヒロミちゃん、榊原ヒロミちゃん、お父さんとお母さんがゾウの浜子の前で待っています」

家族を乗せた車の中で、親父とお袋は俺が子供の頃の話を面白おかしくしていた。今向かっている動物園で俺が迷子になった時の鉄板エピソードだ。

「ヒロミちゃんだって。超ウケるー」
ワンボックスカーの後部座席で娘の由美がゲラゲラ笑っている。・・・

2

パパと おべんとうと ごくらくちょう

15/06/14 コメント:2件 かめかめ

「パパ―! おなかすいた!」

 麻友が大きな声でいいました。

「そうだね、ゾウさんのところで、おべんとうたべようか」

「ううん! 鳥さんのところでたべる! パパ、はやくいこう!」

 麻友はいっしょうけんめい小さなお手手でパパのようふくを引っぱります。パパはゆっくりゆっくりあるきます。
 鳥さんのこやは、大きな大きな鳥かごです。麻友のおう・・・

4

DARK ZOO

15/06/02 コメント:6件 クナリ

 雨上がりの午後の動物園には、独特の匂いが立ち込めている。
 中学に入って一年近く経つけど、授業をさぼったのは初めてだった。

 パンダの檻の前へ行く。
 パンダに模様がなく、人間の関心を買わなければ、とうに絶滅していたかもしれない。
 可愛い、という価値観は恐ろしい。無意味なようで、人間という種族が関わると、あっという間に凄まじい熱量が注がれる。
 ――可愛く・・・

3

スパイin動物園

15/06/01 コメント:6件 夏川

 俺はとある国の新人工作員。
 密命を受け、愛する祖国を発ちとある国へと潜入した。潜入先は……動物園。

 俺の国はいわゆる独裁国家であり、国際的に孤立してしまっている。経済制裁も受けており、外貨獲得の手段は少ない。その少ない手段の一つがある動物の輸出だ。
 その動物は我が国固有の動物を遺伝子組換えによって品種改良した「マルモル」という動物である。
 マルモルは他のど・・・

投稿済みの記事一覧

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行こう一緒に

15/06/30 コメント:0件 坂井K

「お父さん、日曜日ひま?」「まあな」「じゃあさ、動物園行こうよ」「いいけどさ。本当に好きなんだねキミ、動物園」息子は動物園が大好きだ。月に一度は行っている。まだ半年も経っていないが、すでに今度で12回目だ。「今度はさ、お母さんも一緒にさ」「ああ、うん。お父さんは良いんだけどさ…」

――私がその存在に気付いたのは、半日ばかり前のこと。以前から夫婦仲は冷え切っており、離婚するまで秒読み段・・・

1

檻の自由

15/06/29 コメント:2件 タック

 休日の動物園は、ひどく混んでいた。
 灰色の道をたくさんの家族連れが行き交い、思い思いの場所へと、向かい続けていた。
 当たり前のようだが、動物園にはどこかしこにも動物がいた。
 それぞれが檻に入り、入園者へとその身を、さらけだしていた。
 世界中から集められた、それらの幾種類の、動物たち。
 ある者は休み、ある者は動き回り、ある者は愛想を、振りまいている。
・・・

1

動物園殺人事件

15/06/29 コメント:1件 ナポレオン

初夏の風が涼しい日曜日の朝。普段なら多くの観光客でにぎわうワクワク動物園も、この日だけは騒然とした空気に包まれていた。園内に子供たちの声は無く、代わりに物々しい制服を着こんだ警察官たちがあちこちを捜査していた。
この動物園の園長を務める本田正が今朝、園内のメインストリートで死体となって見つかったのだ。死体は強力な鈍器で殴られたのか頭蓋骨が砕けており、駆けつけた警官はこれを殺人事件として捜査を・・・

3

檻を溶かしたメロディー

15/06/29 コメント:7件 冬垣ひなた

草をはむシマウマに、飛び跳ねるカンガルー。
気ままに泳ぐアザラシたち。
涼しげな顔のラクダの親子に、風を切って走りたげなダチョウの群れ……。

それは満ち足りた、安全で平和な世界の輪だ。
レインが立っているのは、どうやら動物園らしかった。
それも緋色のドレスのまま。
仕事がハネたあと、深酒をしてしまい、きっとそのまま眠ったのだ。
最近酒にばかり逃げて・・・

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エッセイ ウルフパークを訪れて

15/06/29 コメント:10件 草愛やし美

 アメリカのインディアナ州、ラファイエットのバトルフィールドにあるウルフパークには大勢のツアー客が詰めかけていた。今から13年ほど前に私が訪問したパークは、オオカミの整体研究を目的として建てられた施設だ。入り口でエンカウンターツアーの申し込みをする。時間になるとツアーガイドがやってきて客たちを桟敷になった木のベンチに座らせていく。ベンチ前には、金網で囲われたかなり広い草原が広がり何十頭かのオオカミ・・・

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zφo=tan(θ)

15/06/29 コメント:1件 凪野裕介

死期を悟った私は伽藍堂のような街でずっと後悔に苛まれていた。
”zφo”など創るべきではなかったのかもしれない・・・

咳き込んだ口を押さえたハンカチには血が滲んでいる。

こんな事になるとは思わなかった。
研究室代わりのこの部屋には大きな窓が取り付けられている。
見える景色は灰色の雲が空を閉ざしていた。
暖炉の焔が煌々と私の心をあぶるように慰めてく・・・

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zφo=cos(θ)

15/06/29 コメント:0件 凪野裕介

「おはよう!」と言って園長は毎日私を起動してくれます。
私は”飼育員”と呼ばれる汎用人型作業機械オフィーリアです。
仕事はA〜Zまで27の壁に仕切られ、区切られたCAGE籠にエネルギーを供給する事です。現在、全人類の精神意識はZOOに取り込まれ、
肉体だけがこの世界に取り残されています。
供給がなければ、肉体が死んでしまうので私たちの業務は
ケージを内包する壁内の各家・・・

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zφo=sin(θ)

15/06/29 コメント:0件 凪野裕介

虚飾が剥落した摩天楼は廃墟と化し、冷え冷えとしていた。
道路は荒れ放題、高層ビル群は蔦や苔に覆われて
木々の枝がガラス窓を突き抜けて縦横無尽に伸びていた。

そんな伽藍堂の街にたった1人佇んでいる。自分の世界が壊れてしまったからだ。
灰色の雲が街を閉ざして、安っぽいみやげ物のスノードームをひっくり返したみたいに粉雪が舞う。
狂った音色と寒々とした景色、それでも僕・・・

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もうそろそろ気付きませんか?

15/06/29 コメント:0件 naruzo

最近、客の入りが悪い。
あくびをしながらたいして汚れてもいない園内の掃除をする佐久間賢。
その佐久間の後ろで缶チューハイを片手にいい気分になったオヤジが檻にむかって放尿する。
「おじさん! だめだよ。こんなところでしちゃ。ちゃんとトイレでやってよ」
「なら、トイレはどこだ?」
「あそこに猿山があるよね。その先の売店の隣」
「あんなところまでもつはずないだろ・・・

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雄ライオンの考察

15/06/29 コメント:0件 ケイジロウ

 本当のこと言うと別に欲しかったわけではなかったんだ。
 そりゃ、欲しかったよ。けど、なんて言えばいいのかな、それに対する情熱を僕以上に持っている人が仮に周りにいるのであれば、僕はそれを「どうぞどうぞ」と譲る、その程度で欲しかったんだ。
 
最後の一つのから揚げ。
 
 僕の向かいにはその時年上の女性が座ってたんだ。その女性はスラっとしてるんだけどまぁよく食べる。僕が・・・

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こちらFMZOO

15/06/29 コメント:7件 草愛やし美

 じぇいおうゆうせすおう、こちらはえふえむずう、JOUSOこちらはFMZOO、世界各国の動物園を繋いで毎日楽しい話題と音楽を世界中に発信しています。20**年7月6日、今朝のFMZOOは、USO38よりお送りしています。ご案内はわたくしクレイン鶴、本日の通訳は5代目ターザンさんにお願いしています」
「おはようございます。全世界のみなさん、5代目ターザンです、よろしくお願いします」
「5・・・

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動物園の影武者

15/06/28 コメント:5件 そらの珊瑚

 昼休み、僕は園長室に呼び出された。
「広瀬くん、実は……」
 いつもは陽気な園長の顔が、これから雨でも降り出しそうな空のように暗く曇っている。
「パンダが死んだ」
「えっ?」
「パンダのケンケンが死んだんだよ、一ヶ月前」
「ホ、ホント、ですか?」
――ケンケンが死んだ。もうこの世にいない。ぶらーん、ぶらーんとタイヤにぶらさがって遊ぶ、彼の愛らしい姿が思い・・・

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6月28日(日)

15/06/28 コメント:5件 梨子田 歩未

 日曜日の昼下がり、動物園は家族連れでにぎわいを見せている。
 動物の檻の前に、張り付く子どもたちを大人たちが微笑ましく見守っていた。それをさらに遠巻きに圭人は見ていた。
 木陰にあるベンチに座った圭人は、膝にスケッチブックを乗せ、鉛筆を走らせた。
 動物は檻の中に閉じ込められているから、スケッチするにはちょうどいい。周りの雑踏やおしゃべりも、スケッチに真剣になれば、心地よいBG・・・

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始まりの動物園

15/06/28 コメント:0件 宵野遑

 初夏の日射しの下、佐藤はスーツの袖から手首を伸ばし、腕時計で時間を確認した。観察を始めてから三十分が経っても、ライオンは動こうとしない。両脚を伸ばし、コンクリートの地面に腹をつける格好のまま、眠たげに目を細めている。
 ――檻の中で大人しくしていれば食うのには困らないもんな。
 佐藤は同情のまなざしをライオンに向けた。
 ――でも、それでいいのか時々わからなくならないか? これ・・・

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青のトリ

15/06/27 コメント:1件 ゆい城 美雲

西南西への旅の途中、おれは行商人と一緒になり、故郷が近かったことから仲を深め、次の街まで路を共にしていた。次の街はアスチナと言って、砂漠の真ん中にあるオアシスが繁栄した、大きな街であった。そこまでは世界で一に大きいというスハムニア砂漠が広がっている。おれと行商人は、少なくなってきた水を補給しつつ、心配しつつ、旅を続けていた。
とある日、おれが行商人の商品といっしょに、馬車の荷台に座っていると・・・

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家族になる日

15/06/26 コメント:7件 泡沫恋歌

 動物園なんか大嫌い!
 屋外だから夏は暑いし、冬は寒い。草食動物は臭いし、肉食動物は寝てばかり。野生をなくした動物の空虚な目と、動物園で生まれた動物の媚びを売る目――。
 何が面白くて動物園なんかに行くんだろう。

 七歳の時に両親が離婚した。
 家族で最後に行ったのが動物園だった。今でも覚えてる、父はひと言も口を利かないし、母はトイレでこっそり泣いていた。重苦しい・・・

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琥珀の瞳

15/06/26 コメント:0件 蓮水 燈

「ねえ、パパ。どうしてライオンは自分のためになかないの?」
 五歳になる息子の晴樹は、檻の向こう側に一匹、座っているオスライオンを、じっと見つめながら僕に聞いてきた。
 昨日ライオンの映画を見て、突然動物園に行きたいと言い出した。翌日は仕事が休みの土曜日で、近くの動物園にやって来たのだが、晴樹は他の動物に興味を示すことはなく、「ライオンが見たい」と、僕の服の裾を引っ張った。
 百・・・

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ぼくのどうぶつえん

15/06/26 コメント:3件 たま

 1.オロチ

うどんを一杯。
箸は二本あればいいと言う。
ふたりの子は箸を一本ずつ持った。
狐の権太はうどん屋に化けて、村はずれの二本松の辻に屋台を出していた。

「おい、おい、おまえら。箸ならもう一本やるぞ」
ふたりの子は首をふって「いつもこうしてる」と言った。
見ると器用に食べている。
どんぶり一杯のうどんがあっと言う間になくなって・・・

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どうぶつさん、あーん♪

15/06/25 コメント:2件 タック

――――――――――――

――――――――――――プツリ。

――――――………………。



ど、う、ぶ、つ、ぶっつぶつ。
ど、う、ぶ、つ、ぶっつつぶっつつ。
たのしいどうぶつ、ぶつぶつ、ぶつぶつ♪
たのしいどうぶつ、ぶつぶつ、ぶつぶつ♪
どうぶつ、どうぶつ、どうぶつぶつぶつ。
どうぶつ、どうぶつ、どうぶつぶつぶつ。・・・

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ゴロウはサウスポー

15/06/25 コメント:0件 ハヤシ・ツカサ

「…ここでニュース速報をお伝えします。今日、午前11時55分頃、堂崖4丁目の市立堂崖動物園で、男が小学生の男の子を人質に取り、園内に立てこもっている模様です。堂崖北署の署員がただいま現場へ向かっているとのことです。男は30歳くらい、中肉中背で、凶器の有無などは今のところ確認されていません…」
 正午前の土曜日。家族連れで賑わう開園直後の市立・堂崖動物園は、騒然となった。
 35歳の犯人・・・

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名前のない猿の物語

15/06/25 コメント:1件 蒼樹里緒

 吾輩は猿である。名前はまだない。
 なーんて、私の子どもはしゃべれるような歳でもないし、そもそも雌だ。かわいいかわいい娘は、今日も私の腕の中でお乳を飲んでぐっすり眠っている。猿山の柵越しに、人間たちがこっちを眺めてわいわいがやがやしても、おかまいなしだ。
 すっきり晴れ渡った青空の下、さわやかな春風が吹き抜けて、私たちの毛並みを穏やかに揺らす。
 ふと、私のそばに夫が寄ってきて・・・

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桃花の動物園ラプソディ

15/06/24 コメント:0件 レイチェル・ハジェンズ

「何で動物園ってさ、哺乳類しかいないんだろうねっ」
「あー……そうだね」
「おっかしいな〜」


 今日、桃花と行った近所の動物園は比較的規模の小さい動物園なのだが、確かに見て回った動物は哺乳類しかいなかった。
 ライオン、フラミンゴ、アルパカ、チンパンジー、……確かに哺乳類である。


 ……僕はおかしいことを言ったかもしれない。

0

ドロップキック

15/06/24 コメント:0件 フレッシュパルプ

 最近のドラマの悪いところは急に吐き気が催す描写や表現、セリフが画面に映ることにあると思う。具体的にはイケメン俳優がカッコつけているところやイケメン俳優が現実にそぐわない吐き気の催す台詞「必ず守る」「君が眩しい、すごく・・・」「海の波を見ていると君のことが好きで仕方ないすごく・・・」などの倒置法を用いた台詞。大事な場面では先代から受け継いだ30年もののタレのようにこれみよがしに使ってくる。
・・・

0

学ある動物を望む

15/06/24 コメント:0件 更地

 私は脇に出席簿を挟んで、学校の長い廊下を歩いている。これから授業をしに行く教室は校舎の隅にあるから、毎度歩いてゆくのが億劫である。何故もっと教室を職員室周りに集中させないのか。そうすれば移動の手間がだいぶ省けるだろうに。そう考えたが、その考えがあまりにも身勝手で馬鹿馬鹿しいものだったから、思わず独り笑ってしまった。
 そんなこんなで目的の教室に着いた。すると中から「きゃっきゃっ」「ふるるる・・・

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ライオンはサバンナの夢をみる

15/06/24 コメント:9件 泡沫恋歌

 動物園のライオンはサバンナで生まれたけれど、サバンナを知らない。

 まだ赤ん坊だったライオンは密猟者に捕まえられた。
 その時、母親は銃で撃たれて死んだ。ライオンの兄弟はたしか三匹だったと思う。
 幼いライオン兄弟は薄暗い倉庫の狭い檻の中に閉じ込められた。そこは風通しが悪くて蒸し暑い、糞尿の悪臭が漂う劣悪な環境だった。
 兄弟の一匹が朝起きたら死んでいた。
・・・

1

高等生物の傲慢さ

15/06/24 コメント:2件 alone

「ねえ、動物園って何を見るところなの。閉じ込められた可哀想な動物? それとも、その動物を嘲笑いに来ている人間?」
 動物園に入ってすぐ、辺りを見渡しながらキーシャは言った。付き合い始めてから気付いたことだけど、彼女はときどき普通という感覚を軽々と超える。
「なに冗談言ってるんだよ」
 微笑みつつ僕は返した。さすがに本気じゃないと思ったんだ。けれど僕を見るキーシャの眼は、あの眼だっ・・・

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動物園評論家

15/06/23 コメント:0件 水谷健吾

動物園の嗜み方というのは実に奥が深い。無数にも思える組み合わせの中に、間違いなくルールというものが存在する。
そもそも動物園という概念が日本に持ち込まれたのは1866年、福沢諭吉著書「西洋事情・初編」の中。そして1882年の上野動物園が記念すべき日本初の動物園であることはさすがにご存知であろう。
それからというもの多くの人間が動物園を訪れ、多くの嗜み方が生まれた。時に奇天烈な手法が注目・・・

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虎、跳ぶ

15/06/21 コメント:0件 杉本 源

 虎がこの鉄柵の中に囲われて、もう三年になる。虎はかつて、飢えた大地にいた。生き残る道は、一度檻の中に退くほかになかったのだ。虎は小さくなっていく生まれ故郷を車の荷台から望みながら、自らに誓った。ひとたびこの地を離れたならば、かの食い物に有り余った東洋の大地を、縦横無尽に駆け回ってやるのだと。
 密やかな企みの中にあって、虎は道化に甘んじることを受け入れた。芸を修め、大衆の見世物としてむざむ・・・

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みんな羽がある

15/06/19 コメント:0件 くにさきたすく

 あなたは動物園にやってきました。
 あなたの他に客はいませんでした。


 あなたがまず見に行ったのはゾウです。
 ゾウはものすごく体が大きいです。
 鼻が長いです。
 そして、羽があります。
 ゾウは羽をパタパタと動かして、どこかへ飛んで行ってしまいました。


 次に見たのはキリンです。
 キリンはすごく背が高いです。<・・・

1

サバンナ

15/06/19 コメント:1件 佐々々木

 動物にも心はあるのか。
 動物園を訪れるたびに、そんな疑問が頭をよぎる。柵に頬杖を突きながら5メートルほど下を見下ろすと、一匹の雄ライオンが今にもあくびをしそうな顔でごつごつとした岩の上に横たわっていた。そのライオンの他にもこの柵の内側には、一匹の雄ライオンと二匹の雌ライオンがいる。どのライオンも、岩、または多少茂っている草の上で寝転んでいた。
置かれた岩、生やされた草、植えられた木・・・

3

寄り添う影

15/06/17 コメント:3件 八月美咲

ジョリ、ジョリ、ジョリ。裸電球の下、私は剃刀で彼の毛を剃る。体中の毛という毛を剃るので大変だ。これが毎日なので、彼の肌は赤く敏感になりところどころ血が滲んで痛々しい。けれども私達がこの町で暮らしていくためには必要なことで、彼はじっと耐えている。
「ごめんね、今日もこんなしなびた野菜ばかり」
 私は定食屋からもらってくる野菜をきれいに洗い皿に盛る。毎日そこで皿洗いをしている私の手は赤ギレ・・・

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the twinkle of the world

15/06/16 コメント:0件 有朱マナ

私は罰ゲームとして、閉鎖された動物園へやってきた。罰ゲームといっても、ただの罰ゲームではない。一般的に仕組まれたイジメというものだ。
私、マユはそれを受けてこの閉鎖された動物園に来るよう言われ、言ってきた人達に会ったは良いが、気づかないうちに園内に取り残されてしまった。この動物園は迷子になることで有名だった。方向音痴であるマユは、どうすることもできない。あっという間に夜を迎えてしまった。<・・・

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動物園からの革命

15/06/14 コメント:0件 三文享楽

 ある晴れた日の平日である。
 動物園の檻が次々と爆破された。
 誰が何の目的により爆破したのかは現状として不明であるが、少なくとも動物を狙ったわけではなさそうである。
 壊れた檻から出てきた動物たちは示し合わせたようにある方向へ走り出した。
 もちろん園内は動物を見にやって来た客でごったがえしており、爆破に次ぐ動物の脱走で大混乱が生じたことは言うまでもない。幼稚園児は泣き・・・

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四十年ぶりデート

15/06/14 コメント:0件 三文享楽

「何年ぶりだろうねえ、動物園なんて」
 俺は老いた母の手をひき、動物園にいた。
 車椅子を借りることもできたが、母親の意思によって歩いている。
「まあ、俺の知る限りは四十年ぶりだろうな。翔太たちと来たこともなかっただろうし」
 翔太たちとは、俺の息子たちのことである。
 同居せず近くに住んでもいない親元へ我が子を連れて行く場合、彼らがせっかくの孫とのふれあいの時間を動・・・

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人間だね

15/06/14 コメント:0件 三文享楽

 入園ゲートを抜けると、檻に入った動物が見えてきた。
「この生き物はなあに?」
 小さい子どもを連れてくると、この時点でこうした質問を受けることになる。
「これはね、怠け者という生き物だよ。自分では生産性のあることもしないのに、人のやることにはケチをつけて欲望のままに生きている動物なんだ」
 聞かれたならば説明をしなければならない。
「へえ。よく見ると人間の一種なんだ・・・

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あるエンジニアーとゴリラの話

15/06/13 コメント:2件 沢藤南湘

 U動物園の中にいるゴリラと柵越しに、男が話をしていた。
「おまえの名前は?俺は風間勇吉」
「オレハ、ハオコ」
「雌か?」
「オマエ、オレノコトバワカルノカ」
「よくわかる」
「コレヲミロ!」
「これは失礼」
「ダレガコンナナマエヲツケタノカ、モットイイナマエヲツケテホシカッタ」
「この動物園の生まれか」
「サンジュウネンマエ、アフリカノ・・・

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手のひら動物園

15/06/12 コメント:1件 水谷健吾

「すいません、予約しておいた柏木です。」
仕事終わり、私はデパートのおもちゃ売り場へ駆け込むとレジの女性に名乗った。
「柏木様、ですね。」
女性は手慣れた様子で奥の部屋から大きな包みを持ち出した。両手で抱えれば持って帰れそうだ。
「こちらでお間違いないですか?」
「あぁ。それだ、間違いない。」
私はそそくさと会計を済ませる。デパートを出ると白い粉雪が舞っていた・・・

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15/06/12 コメント:1件 佐々々木

空が青かった。憎らしいほどの、快晴。その空を分断するように、山と空の境界線上から細く雲が伸びている。
 小さな駅の、せいぜい2、3人程度しか座れないであろうベンチが2つ置かれている小さな待合室。正面を向くと、ガラス越しに差し込む光がまぶしくて、目を逸らした。そこで2人で、時間を待っていた。
「200ってなんだろうね」
 何のことだ、と聞き返したかった。視線を辿って数秒後、理解する・・・

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ライオンスーツ

15/06/10 コメント:4件 W・アーム・スープレックス

動物園の園長を親友にもったりすると本当にろくなことはない。ときに大変なことを頼まれることがある。彼は僕がいい加減な人生を送っていることを見こして、今回の依頼を申し込んだことはまちがいない。その依頼とは、ライオンの檻に入れというものだった。最初に電話でいってきたとき、てっきり冗談とばかり思って、「報酬はいくらくれる」ときくと、「10万だすよ。ただし一日かぎり」10万ときいて僕の食指が動いた。心のどこ・・・

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標的

15/06/08 コメント:2件 たっつみー2

 雑誌記者は、園長に案内されながら、動物園内を歩いていた。
「いやぁー、すごい賑わいですね」
 記者の言葉に、白髪混じりの園長は謙遜するように、いやいや、と手を振った。
 まさしく、それは謙遜である。休日ということもあるが、園内は人で溢れている。これが1年前は閑古鳥が鳴き、閉園の危機にあったとは、とても信じがたい。
「それにしても、見事な復活劇ですね」
「おかげさまで・・・

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動物園に期待する子供達

15/06/04 コメント:0件 高木・E・慎哉

今日もHYK動物園では、動物達がコゾッて動いていた。
普段は、人間達が自分達動物を見に来るので、日常は普通に振る舞っている!
しかし、一度、一日が終わり、人間達が帰っていくと、動物達は、実は密かに話していた。
「今日も、人間達がたくさん見に来ていたよ!」
「全く、この暮らしも飽き飽きしたよ!?」
動物達は自由にお喋りを楽しんでいました!
すると、トラが、
・・・

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SAIGO

15/06/02 コメント:2件 ポテトチップス

閉館日まであと6日と迫っていた。
多摩ふれあい動物園で飼育されている40種の動物達の引き受け先は、ほぼ決まったが、今年、人間の年齢にすると80歳を迎えるアフリカゾウの花子だけは、引き受け先がまだ見つかっていなかった。花子は老衰が激しく、自力で立ち上がるのもやっとで、獣医からは、もっても今年いっぱいだろうと診断されていた。そんな花子を他の動物園が引き受けてくれる訳もなく、園長の長谷部は安楽死さ・・・

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生物の頂点

15/06/02 コメント:0件 宮里和実

「うげぇ、くっせー!」
 家族連れらしい集団の中にいた1人の子供が、俺がいる檻に近づいた瞬間鼻をつまんで顔をしかめた。
 臭いとはなんだ!と昔の俺なら怒りの唸り声でも轟かせてやったものだが、今ではそんな気力もない。いちいち吠えてもエネルギーの無駄使いだ。自慢の声も枯れかねない。
 そう、そもそも人間という下等生物の相手をしてやることこそが時間の無駄だ。
 それにしても暑い。・・・

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世界に一つだけの動物園

15/06/01 コメント:2件 ちほ

「……届いたわ。ようやく届いたわ」

 翌朝、あかねはバネのように跳ね起きた。昨夜のお母さんの声が気になる。あれは隣の部屋からきこえた。夢でなければ。もしかして、お誕生日のプレゼントのことかもしれない。そう思うと、心が落ち着かなくなってくる。隣のベッドで眠りこんでいる弟の翔太が目を覚まさないように、ゆっくりとベッドから下りて、そっと部屋を出た。
 隣の部屋の前に立って、少し迷って・・・

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五月病アニマルズ

15/06/01 コメント:0件 夏川

「五月病ですな」

 医者の言葉に俺は目を丸くした。同時にいくつもの疑問が噴出してくる。
 そもそも五月病は医師が使う正式な病名なのか?
 いや、問題はそこじゃない。俺は医者に恐る恐る尋ねる。

「動物も五月病になるのでしょうか?」

 ここは動物園、俺は飼育員、そして目の前の彼は医者は医者でも獣医であった。

「食欲不振、やる気も感じら・・・

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いにしえの動物園

15/06/01 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

僕のお爺さんは話しはじめた。なにぶん年寄のことなのでむやみと長くなる嫌いはあったけれど、僕のしらない昔のことがきけるので、いつも熱心に耳を傾けることにしていた。
「わしがまだ、おまえぐらいちっぽけだったころの動物園には、いまとちがっていろんな動物が見れたもんだ。キリンやライオン、虎や熊、ゴリラにオランウータン、それにカバやワニなんかもいたな。みんな柵や檻の中にいれられて、わしたち見物人たちが・・・

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地球最古の花

15/06/01 コメント:2件 みや

その花は遥か昔からずっと見ていた。

恐竜達が生きていた時代。肉食恐竜の王様ティラノサウルス、草食恐竜の帝王トリケラトプス、空を飛ぶ勇者ケツァルコアトルス、海を泳ぐ猛者リオプレウロドン。彼等達の姿もその花は見ていた。地球はまだ産まれたての姿で、其処には何も無くただ花や木や水の自然と恐竜達だけが生きていた。それはまるで自然の動物園、いや恐竜園で、恐竜達は空気や風や緑の自然に育てられ、自然・・・

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サルの親子

15/06/01 コメント:2件 るうね

 ちょっと昔の話になるんだけどね。
 とある動物園にサルの親子がいたんだ。
 とっても仲睦まじい母ザルと子ザルでね。
 どこへ行くにも、いつも一緒。毛づくろいするのも、飼育員にエサをもらいにいくのも。
 ああ、そうだ。その動物園には温泉があったんだけど、そこに入るのも一緒だったな。
 ところがある時からね、母ザルが子ザルを邪険にし始めたんだ。
 うん、子ザルが近・・・

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特集『人間〜地球という名のサル山で〜』

15/05/31 コメント:2件 るうね

 今回の『ダーウィンが来るかもしれない』の舞台は地球。
 そこには人間という奇妙な生き物が住んでいます。
 二本の足に二本の手。頭はたった一つしかないんです。目は二つで、種類によって青だったり黒だったり。肌の色は白いものもいれば、黒いものもいます。不思議なことに、この色によって人間の世界における地位が高くなったり低くなったりするんですね。
 また、人間はお札という紙切れやコインと・・・

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