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  2. 第七十七回 時空モノガタリ文学賞 【 渋谷 】

第七十七回 時空モノガタリ文学賞 【 渋谷 】

今回のテーマは【渋谷】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2015/04/06

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2015/02/09〜2015/03/09
投稿数 54 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

4

箱庭舞台

15/03/10 コメント:6件 四島トイ

 人混みの向こうに戸柿氏の小さな背中が見え隠れする。
 おかっぱ頭で髪が跳ねる。短いながらも残像を錯覚させる早足。ダブルのウエストコートが加速機能を備えた高機能装備のように見える。
 途切れ途切れに甲高い声が耳に届く。
「エキストラだからと甘くみたのか」
 そんなことありません、と喘ぐように雑踏を掻き分ける。
 冬の平日。午後の日差しが視界を白く霞め、原色のチラつく街・・・

4

渋谷スイングバイ

15/03/08 コメント:10件 冬垣ひなた

ビルの最上階、『コスモプラネタリウム渋谷』の入り口前。
なんで、ツイてないんだろう?落とした百円は、自販機の下に隠れて見えない。
あたしが膝をついて下を覗き込んでいると、何かがその上を通過して、自販機のカチャッと動く音がした。
ああ、まだお金入ったままだって!思ったその目の前に、買うはずのチケットが舞い降りる。これがにやけ面の茶髪男ならナンパが目的だろう、しかし予想は違った。

3

慧悟

15/03/07 コメント:5件 

「ここが渋谷なのか」
世田谷公園からあてもなく歩いてきたホームレスの山中慧悟はボロボロになったジーンズの裾を引きずりながら、道玄坂の丘陵から見晴らす渋谷の街並みに見入っていた。
「電車で通っていた頃にはこんなにも近くにあるとは気づかなかったのにな」
慧悟はかつて自分自身があの歩行者たちのように街の一部に溶け込んでいたことを意外に思った。職業をなくして路上生活者となった今ではそうし・・・

8

僕の目の前で、親にドブネズミと言われた少女

15/02/14 コメント:13件 クナリ

渋谷駅を出て、会社への近道になる裏通りへ入る。
すると脇の建物から、いきなり高校生くらいの女の子が転がり出して来た。
その建物の入り口には、似たような年格好の女子が三人程立っている。
「大げさに転ばないでよ。あんた、池袋かアキバに行けば」
転がって来た子は、成程、ヘッドドレスからロリータワンピース、リボンパンプスまで、ゴシックロリータで決めていた。
その子は三人を睨み・・・

最終選考作品

7

あこがれ

15/03/10 コメント:8件 そらの珊瑚

 はきだめに鶴がいたら、雀はきっと恋をするだろう。

「ちょ、ちょっと、何してくれてンのさァー」
 はきだめと言っては、少しばかり気が引けるが、我が家の食卓に、写真集。雀は私。

 世界で一番素敵なこの本を、あろうことか、私が目を離した隙に、母は鍋敷き代わりにしていた。
 今朝、湯気を立ててるアルミ鍋の中身は昨晩の残りものの、というよりも、正しく言えば残ることを・・・

7

渋谷川の神様へ

15/03/09 コメント:9件 そらの珊瑚

 渋谷川の神様、ついにコンタクトレンズを買ってしまいました。
 代金は、私の高校の修学旅行の為にと父が積み立ててくれたものを流用しました。家族間で窃盗罪は成り立つのでしょうか? 仮に成り立たないとしても、罪は罪であるのでしょうね。嗚呼、深くざんげします。

 けれど私は罪人になるしかなかったのです。
 全ては、この家の近くのスペイン坂に出来たばかりの『アンナミラーズ』略し・・・

11

一見さん以外お断り

15/02/23 コメント:18件 海見みみみ

 渋谷七不思議というウワサをご存じだろうか? 都市伝説の一つで【夜中に動き出すハチ公像】や【目が光るモヤイ像】辺りが有名だろう。
 その中でも今回は【一見さん以外お断りのバー】について語らせてもらう。

 その日、俺はどん底の気分だった。些細な事で彼女とケンカをして、別れてしまったのだ。
 独り身になって、俺の中でいかに彼女の存在が大きなものだったか思い知らされた。だが別れ・・・

2

スクランブル交差点

15/02/09 コメント:3件 メラ

「今日はひょっとして、祭りでもやってるんじゃないのか?」
 高校生の頃だ。修学旅行で東京、渋谷に初めて訪れた時、僕は本気でそう思った。
 渋谷ハチ公前。スクランブル交差点。テレビドラマ、漫画、ニュース、尾崎豊の歌。僕はそこがどんな場所かは大体知っていたし、テレビ画面の中でも、何度も見たことがあった。でも、僕の目の前に広がる人の大波は、田舎の一番大きな祭りの時よりも賑やかだった。どこを歩・・・

投稿済みの記事一覧

6

夢の渋谷ジャック

15/03/10 コメント:7件 光石七

 『緑茶カフェ園畑』オープン一週間前。カフェとしても利益を出し、わが『園畑製茶』の知名度を上げて全体の売上を向上させる。九州の片田舎の零細企業の小さな挑戦、不安と緊張の日々が続く。
「お疲れ様」
夜遅く帰宅した俺に、お袋が煎茶を淹れてくれた。親父の介護で疲れてるだろうに。ありがたく頂戴した。
「……うん。うちのお茶は最高だ」
お袋が笑顔で頷く。先祖代々の茶畑と製茶工場。一度・・・

7

インタビュー IN ハチ公前

15/03/09 コメント:11件 泡沫恋歌

皆さん、こんばんは。
渋谷のタウン誌『ハチ公ライフ』の編集者兼レポーターの代々木です。
今日は渋谷駅周辺での待ち合わせ場所として有名なハチ公像前に来てます。
これから僕は渋谷についてインタビューしようと思いますが。
さて、どなたにお願いしようかなぁー。
おっ! きれいな女性がベンチに座ってスマホをいじっています。
二十代半ばでしょうか? ファッションも決まってい・・・

7

星空の終焉

15/03/09 コメント:8件 そらの珊瑚

  JR渋谷駅東口を出ると、正面に東急文化村会館が見える。そこには、よっつ並んだ映画の大きな看板が掲げられている。映画館も入っている商業施設だ。目を引くのは、その建物の上に置かれた、巨大な白いドーム。そこは会館の八階、五島プラネタリウムだ。

 かつて土曜の夜は、そこで過ごすカップル達が多かった。そんなことがブームだった時代もある。かつて靖子もその一人だった。
 どんなに都会の空・・・

2

Aquarium

15/03/09 コメント:4件 ナポレオン

初めて見たスクランブル交差点は、月並みな表現だがまさに地元の祭りの様だった。

俺がここに来た理由は特にない。ただ渋谷は俺たち田舎者にとって、東京の象徴のようなものだった。ここに来れば地元にはない何かが手に入るんじゃないかと、ただそう思っていた。
俺の地元は典型的な糞田舎だ。子供たちは死ぬまで地元を離れようとはしないし、大人たちも閉鎖的な価値観の中でただ日々を浪費している。俺はそ・・・

10

渋谷がキャベツ畑になった日

15/03/09 コメント:11件 草愛やし美

 西暦二千某年、この日の朝、通勤、通学で渋谷へやってきた大勢の人々が目にした光景は奇異なものだった。何と、渋谷のどこもかしこもがキャベツで埋もれていたのだ。スクランブル交差点はキャベツの畝の間を通り抜けて渡らねばならず、109の店内もキャベツで埋め尽くされ、何が何だかわからない店員が洋服を持ってオロオロしているだけ。道玄坂にはキャベツの段々畑が出現。原宿表参道から明治神宮に続く道はにも青々と茂るキ・・・

1

エンゲージリングを貴女に

15/03/09 コメント:2件 とな

アンティーク調のドアを開けると、掛けられたベルがカランと鳴った。
渋谷と原宿の間に位置するこのカフェは、半年ほど前から私たちのお気に入りだ。
ぐるりと店内を見渡すと、待ち合わせの人物は窓際の席でメニューをじっと見つめていた。
――あれは、悩み事をしている時の表情だ。
里香は悩み事をしている時、右の眉がほんの少しだけ下がる。
遠くからでも表情が読み取れてしまう自分に半ば・・・

1

しねふぃる・がーる!

15/03/08 コメント:3件 とみい修三

「……こねぇ。高峰さん」

午後1時35分。克也は不安になって来た。高峰芽衣子との約束の時間は午後1時半のはずなのに。31分になってからFacebookのメッセージ、LINEなどあらゆる手で彼女と連絡をとろうとするが、メッセージもLINEも未読……。

ってか、そもそも、「午後1時半にしましょ、ね?」って言ったのはアイツだぞ? 午後3時10分からの『アメリカ・・・

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sympathy

15/03/07 コメント:2件 浅月庵

 “名は体を表す”なんて言葉にも勿論例外がある。

 僕は生まれも育ちも北海道なのだけど、何故か苗字が“渋谷”で紛らわしい。
 そして、下と合わせて「渋谷隼人」が僕の名前だけど、つい先日始めたコンビニのバイトで、案の定イジられる。
 美雪さんや桜井さん、剣藤さんが「渋谷くん、渋谷隼人っていう顔してないよね」「めっちゃ遊んでてイケイケそうな名前なのに、静かだしさ」「渋谷にシ・・・

2

渋谷、大好き

15/03/07 コメント:6件 村咲アリミエ

「渋谷!」
 谷川慶太は走っていた。電車の音がかすかに聞こえる。夜中だというのに、まだ走っているのかと考え、すぐにいやいや、と頭を横にふる。
 そんな場合じゃない。雑念が邪魔だ。渋谷、渋谷、渋谷のことだけ考えろ!
「どっち!」
 前と右と左、ついでに後ろにも道は伸びている。
「渋谷はどっち、どの道、どれが正解なんだよ!」
「うるさいよ谷川ぁ」
 名を呼ばれ・・・

1

待ち合わせはスペイン坂で

15/03/07 コメント:1件 かめかめ

「ようやくきたな、コノヤロウ」

 雄吾が俺の胸をこぶしで突く。少し緊張していた俺の肩から力が抜ける。久しぶりの再開に、胸が熱くなっていた。

「五年も待たせやがって。これ以上待たされたらミイラになっちまうところだ」

 あいかわらずの軽口に頬がゆるむ。雄吾と道を別ってから、俺は雄吾の声を聞かないようにしてきた。別に嫌いになったわけじゃないし、立派になっていく雄・・・

2

三月の雨

15/03/07 コメント:3件 白豚劇場

 ビルの間から降りしきる雨が、重苦しく街を濡らしている。タクシーが何台も濡れた道路を行き交い、路面に溜まった水を切って走っていた。自分の何倍も大きなビルが、まるで隣のビルよりも目立とうとしているかのように、多くの広告を身にまとっている。西東京の郊外で育った僕は、どうしてもこの街並みが好きになれない。
 雨にもかかわらず、喫茶店は多くの人でにぎわっていた。スクランブル交差点を行き交う色とりどり・・・

7

SHIBUYAにSAKURA、また咲くらむ。

15/03/05 コメント:6件 滝沢朱音

 今宵は花見の宴。また春が来たか。
 毎年このときだけ現(うつ)し世をかいま見ることができるのは、祭りに私の名が残っているせいだろう。お館さまが私のために植えてくださった桜は、今年も見事に咲いている。
 桜の精霊として姿が見えないのをいいことに、私は境内を歩きまわる。八幡宮の外には出られないが、八百有余年後の世の空気を楽しむには十分だ。
 こうして鎧(よろい)をまとうのなら、御堂・・・

9

最高のトモダチだよ

15/03/05 コメント:9件 草愛やし美

 その夜、渋谷駅前に自称、雪像職人三名が集まった。終電でやってきた彼らは小声で合図すると仕事に取り掛かった。
「おい、そっちの雪も全部持って来いよ」
「了解。何やってんだよぉ、お前も土台の雪集めしろよ」
「そうだぞ、早くやっちまわないとポリスでも来たらうるさいぞ」
「札幌雪祭りに匹敵する渋谷雪祭りの開催だ」
 三人は荒い息を吐きながら、大量の雪をせっせとかき集め、銅像・・・

1

渋谷のさくら

15/03/04 コメント:2件 よたか

『出張で新宿のホテルです。ひとりの夕食になりそうなので、誰か付き合ってください』
 生まれて初めて“出会い系掲示板”にそう書いた。

 かなり年上の女性かもしれない。見栄えが悪いかもしれない。すごく太っているかもしれない。最中に恐い男が踏み込んで来るかもしれない。
 その時は好奇心や、出張でハメを外したい気分も手伝って、興味本位で書込んだ。

 女性から返事なん・・・

1

渋谷に住む花人間たち

15/03/01 コメント:2件 

 渋谷には魔術師が住んでいると知ったのは3年前のことだった。
 当時は僕はあまりにも世間知らずだったし、それにもまして臆病だった。人付き合いに苦しんでいた僕はほとんどの外出を控えるようになり、同窓会や数少ない友人からの誘いも断わるようになっていた。
 そんな中僕と世間を繋ぐものはネットしかなかった。パソコンと向き合っている間は色々な苦痛を忘れることができたし、あらゆる未知の世界が広がっ・・・

1

火星の女と地球の女

15/03/01 コメント:2件 橘瞬華

「先輩格好いい!」
「本当!先輩が男の人だったらいいのになぁ」
 窓際で誰かがそんな話をしているのが聞こえる。私も彼女達の頭越しに窓の外へちら、と目を遣る。陸上部だろうか、短髪の女子生徒が走り込みをしていた。凹凸のない身体。しなやかな手足。その姿はまるで少年のよう。
 ふと私の存在に彼女達が気付く。まるで何も見ていなかったかのように私は歩き出す。この学校の女生徒のほとんどは、私を・・・

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佐代子、渋谷での挑戦

15/03/01 コメント:2件 11doors

私は小野佐代子、生まれは愛媛県なんですけど、東京でハウスクリーニングの仕事をしてます。

今日の午前中は、その下見と見積もりが渋谷で2件あって、今は代々木公園でランチしてます。もうすぐ、節ちゃん、芳崎節子さんていう同郷の女の子が、ここに来ると思うんです。彼女も私も、90ccのバイクで都内を、いそがしく営業で走りまわってます。

この仕事は親戚の松原さんっていう叔父さんとの縁・・・

4

四神倶楽部 渋谷をワサビ谷に変えよう! の巻

15/03/01 コメント:9件 鮎風 遊

 四神倶楽部のリーダーは、私、高瀬川龍斗が務めさせてもらってます。しかし、その切っ掛けが、いつも男を悩殺する貴咲佳那瑠と、キュートなミッキッコこと風早美月子に、アンタ、男でしょ、やんなさいよ、と追い込まれてのものですから、実態は心配した通りアッシー、メッシー、ミツグ君です。
 これでは身が持たず、そこでイケメン部下の悠太を引きずり込んで、日本を守るための活動を秘密裏に続けて参りました。

2

カメムシ大流行

15/03/01 コメント:2件 霜月秋介

 僕の田舎は青森の山奥にあり、春と秋は、部屋に侵入してくるカメムシとの格闘で忙しい。布のガムテープやらティッシュやら、カメムシの姿をみると即座に駆除した。
部屋でコーヒーを飲んでいた時のことだ。飲み終えるとカップの中に黒い物体が残っていて、よく見るとカメムシの死骸だった。僕の気付かぬうちにコーヒーカップの中で溺れたのだろう。そうとも知らずにカメムシ入りのコーヒーを全部飲み干してしまった。苦い・・・

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だれもいない朝

15/02/28 コメント:2件 佐屋

昔、わたしはよく泣くこどもだった。

一度泣きはじめると、かなしみがこんこんと井戸水のようにわきだして、なかなかおさまりがきかなかった。はじまりは、となりの家の男の子にクーピーを折られた、寝癖を笑われた、などとひどくささいなことなのだ。けれども、そのうちに、明日起きた時ひとりぼっちだったらどうしようとか、この前友だちについた嘘のこと、起きそうもない未来からずいぶん過去のことまで思い・・・

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だれもいない朝

15/02/28 コメント:2件 佐屋

昔、わたしはよく泣くこどもだった。

一度泣きはじめると、かなしみがこんこんと井戸水のようにわきだして、なかなかおさまりがきかなかった。はじまりは、となりの家の男の子にクーピーを折られた、寝癖を笑われた、などとひどくささいなことなのだ。けれども、そのうちに、明日起きた時ひとりぼっちだったらどうしようとか、この前友だちについた嘘のこと、起きそうもない未来からずいぶん過去のことまで思い・・・

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Hot Crossroads

15/02/27 コメント:2件 ユリイカ

 土曜の昼、学校が早く終わったクミとエイミは渋谷の町をうろついていた。
 とある試験に撃沈したクミは土曜にも関わらず落ち込んでおり、長い前髪で顔を隠しているせいでエイミにはクミの表情を伺い知る事ができなかった。
 クミがやっとの事で言葉を発するも、それはエイミには理解不能な言葉だった。

「……dis……sapointed」
「え?なんて?」
「I……was……・・・

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置き去りの夏

15/02/27 コメント:2件 須磨 円

「渋谷に行こうか、君と僕の住んでいるところの中間地点だよ」

 突然にそう言われて、うんともすんとも言えなかった。私の手の中にあるスマートフォンは、今にも私の手のひらを焼き尽くしてしまいそうなほどに熱さを伴っている。渋谷?、うん渋谷だよ、意味のない問答が繰り返される。私はか細い声で最後に問うた。何故今なの?
「今まで、会わないって言ったじゃない。会えないって、」
「うん、」・・・

7

お母さんを知らないか

15/02/26 コメント:11件 松山椋

 俺本当に困ってるんだけどだれか俺のお母さんを知らないか。この近くに来てるはずなんだよ。きっと俺のことを探し疲れてこの渋谷のどこかで泣いてる。だれか俺のお母さんを知らないか。
 なんでお母さんがこの近くにいるかというと、今朝俺の部屋に来ていた痕跡があったからなんだ。俺のアパートの部屋には毎日自衛隊が攻めてきていて(いやちゃんと証拠があるんだ。アパートの前に怪しい男が毎日立っている。絶対俺のこ・・・

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黄泉を呼ぶ (再送)

15/02/25 コメント:4件 水鴨 莢

『渋谷の海』については当時赤新聞の記事等で眼にした人もいるだろう。
 忘れもしない昭和十年四月五日――その日は渋谷区連続失踪事件の取材に一日を費やしていた。
 だが夕刻に社へ戻るや「電報があった。すぐ戸倉探偵事務所へいってくれ」とデスクからのお達し。
 ウンザリしつつも徒歩二十分ばかしの古書店二階の事務所へ。しかし、
「先生はやはり渋谷へいって待っていると……あ、それと堂島・・・

5

悩み人混み神頼み

15/02/24 コメント:5件 蒼樹里緒

 スクランブル交差点の人波に交ざると、自分がちっぽけに思えてくる。この街から、すべてが始まったのに。
 青信号で周りが動き出しても、俺の足取りは重たいままだった。靴の裏から伸びる影が、地面から引っ張っているみたいに。
 モデルにならないか、とスカウトされたのが、高三のとき。大学に入った今じゃ、俳優としてドラマにもちょい役でたまに出させてもらえるようにはなったけど。知名度は、街を素顔で歩・・・

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渋谷に、星

15/02/24 コメント:4件 小李ちさと

この代々木公園で、今や国民的アイドルとなったあの子たちが路上ライブをしていた。それを知っている人はきっと多いだろう。
だけど彼女たちと同じ夢を見ながら、同じ頃に、同じように踊っていたアイドルのことを、誰か覚えているだろうか。

彼女たちの存在に気付いたのは、恐らく僕がいちばん早かった。いつもの場所からよく見えるところで、彼女たちが路上ライブをするようになったからだ。
もちろ・・・

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大嫌いだから渋谷

15/02/24 コメント:1件 佐崎 ゆう

 単なる喜劇は嫌われる。山も登れば谷になる。歩く足には棒あたる。
「ねえ、きみ一人?」
「一人よ、ずっとね」
「遊びに行こうよ」
「遊びに来たのよ」難しそうな顔してる。そのまま消えて、目障りだから、と言わんばかりに歩き出す。
「ねえねえ、きみ」
「十六」
「え?」
「十六歳。犯罪よ」
「あ、ああ……」
心地いい。人生すこぶる熱いはず。もっ・・・

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運子の渋谷スケッチ※修正版

15/02/22 コメント:3件 j d sh n g y

考えもしなかった。渋谷まで遊びに来ようなんて。
美術部で半ば気まぐれに活動している運子の携帯に、夏休み特別活動のお知らせメールが届くまでは。

[皆さんお疲れ様です。今年もアートサマーの時期になりました!夏の爽やかさあふれる作品を創造していきましょう!
作品の提出期限は9月3日、提出場所は部室303です]

すっかり忘れていた。運子は頻繁に美術部へは行かないので・・・

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運子の渋谷スケッチ

15/02/22 コメント:1件 j d sh n g y

運子とモヤイ

考えもしなかった。渋谷まで遊びに来ようなんて。
美術部で半ば気まぐれに活動している運子の携帯に、夏休み特別活動のお知らせメールが届くまでは。

[皆さんお疲れ様です。今年もアートサマーの時期になりました!夏の爽やかさあふれる作品を創造していきましょう!
作品の提出期限は9月3日、提出場・・・

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渋谷に降る雨つぶの再会

15/02/22 コメント:2件 11doors

僕は松原圭介、東京都内でハウスクリーニングの仕事をしている。一応、A班の班長で、スタッフの多くはバイト。しかも、その半分は外国人。B班も似たような編成で、高梨幸男って男が班長だ。

みんなA班の「A」はアホ、B班の「B」はバカの頭文字だと思っているが、それは間違いない。たぶん、夜と昼が逆転してる生活っていうのは、人間の思考というか、生体リズムと呼ぶのか分からないけど、そんなを狂わすんじ・・・

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レベル

15/02/22 コメント:1件 つつい つつ

 くそっ……緊張する。約束の時間まで三十分もあるけど俺はどきどきしながら周りを見渡した。ハチ公の前には何人もの人が立っていたけど、それらしい子は見つからなかった。
 その日、俺は栃木から二時間かけて東京の渋谷まで来ていた。それも、女子に会いに。彼女の名前はルール、もちろん本名じゃない。

 彼女との出会いはネットゲームだ。それはモンスターを倒しながら進むRPGで、中高生に人気があ・・・

4

渋谷になりたかった男

15/02/21 コメント:12件 海見みみみ

 ここは渋谷。俺はセンター街のとあるバーで酒を飲んでいた。今飲んでいる酒はX・Y・Z、これ以上のものはないと言われているカクテルだ。それを一口飲む。そのおいしさに思わずため息をつく。
「やっぱ渋谷の街はいいなぁ」
 俺がそうつぶやくと、隣に座っていた友人が突然吹き出すように笑い出した。
「お前は本当に渋谷が好きだな」
「ああ、好きだとも」
 胸を張ってそう答える。

1

夢とわがまま

15/02/21 コメント:1件 夜月 虹

「めいちゃん、上京するんやって。渋谷に行きたいらしいで」
「じょうきょう?」
「東京に行かはんねん」
 母は晩御飯を作りながら、何てこともなさそうに言う。しかしそれは、私にとって重大なことだった。
めいちゃんというと、姉のような存在だ。歳が10ほど離れていても一緒にいて楽しい、友達のような存在でもあった。近くにいる彼女がいなくなるなどと考えたことは無かったのだ。
 事・・・

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東京の電車

15/02/21 コメント:3件 笹峰霧子

 今からもう20年も前になろうか、あの時のことは――。
 
 千代は電車の乗り換えのことで頭がいっぱいでおどおどしていた。東京駅で環状線に乗リ込み新宿駅で降りて、ひしめき合う人込みの中、重い荷物を提げて石段を一段ずつ丁寧に上がって行った。
 待ち合わせの場所で暫く待っていると、道路を隔てた向こう側から背の高い若者がこちらに向かって歩いて来るのが見えた。

「母さん!・・・

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「カフェ渋谷」のある一日

15/02/20 コメント:2件 ちほ

「まったく! 渋谷に入るためだけのパスポートは、さすがに高いと思うわ、ディズニー・スカイじゃあるまいし! 大財閥のお嬢様をしている私だってそう思うもの」
「でも、君のお父さんは君にその特別レアなパスポートを与えている。さすがだなぁ。そして、君は毎日ここに通っている」
「でも、さすがに店ごとの入場券は無理よ。ここ『カフェ渋谷』は無料だけど、他の店なんかは『109』も『オーチャードホール』・・・

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lost boy lost girl

15/02/19 コメント:2件 AIR田

 冷たい空気に、乾いた音が響く。
 少年は、自分が吐いた白い息を見て、少女がそこにいると思い込んだ。

 じいちゃんは言っていた。
 「渋谷?……あの街には多くの人がいた。今では考えられないかもしれないが、あの街にいた人は、意味もなく右へ左へと彷徨うことことを強いられていたんではないかと、そんなことを考えながら、センター街を酔っぱらいながら歩いたこともあった。ただ、じいちゃ・・・

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ヒーロー・オブ・ザ・ストリート

15/02/19 コメント:2件 水鴨 莢

 若造が――。
 傷だらけの姿を見おろしていると、
「へっ、忠告しにきたリクさんに刃向いやがって。流れもんがよォ」
 仲間が追撃をかけようとした。が、「まて」と制し、
「タイマンでオレとここまでやるとは、見所あるな」
 渋々とさがる仲間たちの下で、カイという若者は荒い息のままオレを見あげ、憎たらしい笑みをうかべた。

 生きるためのスベってのは場所によって・・・

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今日は渋谷で

15/02/13 コメント:5件 鬼風神GO

「大将、フライングキャットシンドロームって知ってる?」
 なじみの客である吉井からのいつもの雑学披露に、坂下幸一は相手に分からないように苦笑する。返答は決まっている。話しやすくするための潤滑油だ。
「いや、知らないです。気になりますね」
「だろう? 読んで字の通り、猫が高いところから飛び降りてしまう謎の病気のようなものなんだ。原因ははっきりと分からないが、鳥や虫に夢中になってとか・・・

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たまには恋人気分で

15/02/12 コメント:2件 風富来人

『今地下鉄で移動中。とりあえず渋谷に来て。』
 午後六時過ぎ、カミさんにしてはらしくないアバウトな待ち合わせ指示のメールが届いた。
 金曜日の夜、今日はカミさんと文化村の美術館で展覧会を鑑賞する予定だ。カミさんは職場の最寄り駅の代官山駅から地下鉄に乗ったようだ。俺は職場のある原宿から徒歩で渋谷に向かった。途中、公共の喫煙所でタバコを一服。嫌煙家のカミさんと一緒に行動する時はタバコが自由・・・

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相当な判断に相当する英断

15/02/12 コメント:1件 早音芽


「だっておかしいじゃんか」
壁を横手で殴る。
「あ、いやおい、手、大丈夫か」
その手を取り、両手で包む。
「いい、大丈夫」
包まれたことに安心感を抱きつつもそれを振りほどき、ポケットの中に手を突っ込む。
「・・・」
するりと、ポケットの中にもう一つの手。
途端に流れ出す涙と、優しく指を絡める手。
「なっ、んでさぁ・・・っ?俺ら・・・こん・・・

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いつか星になるまで

15/02/11 コメント:2件 みや

クーちゃん、またオモチャを散らかしてる!お母さんが今日もぼくを怒ります。
クーちゃん、待てって言ってるのにすぐ食べる…お父さんが今日もぼくに幻滅します。

ぼくはどうやらダメな犬の様です。
御主人様の瀬奈ちゃんもいつもクーちゃんはおバカさんだね、と言って笑います。

忠犬ハチ公のモノガタリ、皆で観ていたテレビで賢い犬のお話しが放送されていました。ハチは死んでしま・・・

2

ハチ

15/02/10 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 ぼくは、今、目の前に静かに横たわっているハチをみている。
 胸に手をあてると、もう息をしていないことがわかった。
 ハチは、あおぞら公園の片隅で、ポツンと眠るように死んでいた。


 ぼくは、片桐たつや。四年生になったばかりだ。
 ぼくは、まだ新しいクラスになじめずにいた。ひとりで、いつもすごしている。
だれにも声をかけてもらえなくて、ぼくは、休み時間に・・・

1

別れノ口実探し

15/02/09 コメント:1件 レイチェル・ハジェンズ

 同棲を開始した女というのは、こうもふてぶてしくなるものなのか。過去を数秒振り返るだけで、前の女もそうだったことを証拠付ける記憶が5,6と出てくる。全く女ってやつは……。

 背中にキックを一発お見舞いされ、ベッドから投げ出された。俺はうっと小さい呻き声を上げたが、梨佐は尚、御主人様に布団を敷いてもらった幸せな犬の顔をしている。愛しかった寝息が、同棲の最中はこうも憎いのか。俺は眠たい目・・・

2

砕け散った夢の欠片達

15/02/09 コメント:6件 みや

夢は叶う、未来は君の手の中にー

渋谷のスクランブル交差点の付近にデカデカとその文字は、大きなビルの大きなスクリーンに映しだされている。最近良く流れているCMのキャッチコピー。これを見る度に俺はいつもイライラする。
夢は叶う?は?奇麗事言ってるんじゃないよ。世界中の人間の夢が叶うとでも言うのか?冗談じゃない、と怒りさえ感じる。夢が叶うのはほんの一握りの人間だと言う事くらいは今の時・・・

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渋谷ボール

15/02/09 コメント:6件 W・アーム・スープレックス

 以前つとめていた道玄坂にあるデザインスタジオに、あいさつがわりにたちよったその足で私は、坂下にあるショットバーをめざした。
『夜鳥』という名のそのショッバーは、こまかいデザインの作業できりきりになった頭をいやす目的で、仕事帰りにひとりでよくたちよった店だった。
『夜鳥』はビルの地下一階にあり、店内のおちついた上品な雰囲気をこのんでくる客も多かった。
 オーナーが大の文学好きで、・・・

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