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第六十八回 時空モノガタリ文学賞【猛スピードで】

今回のテーマは【猛スピードで】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2014/12/01

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2014/10/06〜2014/11/03
投稿数 38 件
賞金 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

3

トコロテンブーム

14/11/03 コメント:6件 四島トイ

 書けない、と作業小屋の岬が卓袱台を拳で打つ。
「苛々するな。暑くなる」
 夏はまだ先だというのに陽光は強い。唸り声が続く。
「妹がこんなに苦しんでいるのに。冷たい」
「……お前の兄は炎天下でテングサ干してるんだが」
 手を止めて顔を上げる。視界いっぱいに敷かれた簾。水洗いした天草がじわじわとコンクリートを湿らせる。青空と海を背景に防波堤に広がった赤紫色が映える。

13

ピンポン小僧

14/10/24 コメント:22件 泡沫恋歌

 この一瞬のスリルに俺は全てを賭ける。
 各家のチャイムを押して回ると、誰にも見つからない内に、疾風の如くに逃げ去るのだ。単純なイタズラだけに面白くて止められない!

 希望退職を募っていたので、このまま働き続けても出世も昇給も望めそうもない俺は退職金20%上乗せという言葉に思い切って決めた。自分一人の判断ギリギリまで家族には黙っていた。
 まだ五十五歳、次の仕事はすぐに見・・・

最終選考作品

5

離岸流

14/11/03 コメント:7件 そらの珊瑚

 男は泳ぎにだけは自信があった。
 
 ◇
 
 彼は荒い波の立つ日本海に面した海辺で育ち、海は一番身近な遊び場であったのだ。
 大漁旗を掲げて帰る父親の陽に焼けた顔を見るたびに、テレビのヒーローよりもかっこいいと彼は思ったものだ。憧れの存在でもあった。
「大きくなったらボクも、とーちゃんみたいな漁師になる!」
 無口だった父は何も言わずまだ少年だった男の・・・

5

恋よりカツサンド!

14/11/03 コメント:6件 泡沫恋歌

 4時間目終了のチャイムと共に教室から飛び出して、学校食堂へ続く渡り廊下を猛スピードで走っていた。
《早くいかないと売り切れる!》先生に廊下を走るなと注意されても今だけはきけない。――全力疾走するアタシです!
 月に一度の食堂のおばさん『気まぐれカツサンド』の売り出し日なのだ。
 限定10食、お一人様1パック限り、値段は280円と激安、大人気ですぐに売り切れる。販売は不特定で食堂・・・

3

Life in the Fast Lane

14/11/01 コメント:5件 滝沢朱音

彼はいつも醒めていた。哀しいほどに、全ての事象に――

「既視感って、知ってる?」
そう尋ねられて、私は頷いた。
「デジャブ、だっけ。どこかで見たことがあるっていう感覚のことでしょ」
彼にとっての帰り道、私には遠回りの道のり。徒歩通学の彼にあわせ、自転車を押して歩く対価に得られる恋人気分を、私は手放せないでいた。
「もしさ、どんなことにも既視感を覚えながら生きな・・・

10

共白髪

14/10/31 コメント:13件 光石七

 ジン博士は困惑していた。
「お願いです、薬を分けてください!」
土下座を繰り返す若い男。
「お金は払いますから」
「……あの薬はまだ試作段階だ。そもそも人間用ではない」
「牛や豚が大丈夫なら、人間も大丈夫なはずです」
「しかし……」
「お願いします!」
男は再び頭を床にこすり付ける。ジン博士は思案に暮れた。

 リエはパソコンの電源を落・・・

10

VIOLENT SPEED WHEEL

14/10/28 コメント:9件 草愛やし美

「私、もう……あなたとは違うの、だから」
「だから、何だって言うんだ」
「だって……私には使命が」
「使命は君のせいじゃない。誰かの、いや、僕の父の仕組んだことだ。悪いのは僕たち……なんだ」
「悪くなんかない。だって、この使命はこの星を救うためのもの。だから、私は誇りを持って頑張っているの、でも……」
「でも?」
「……」
「でも? 言ってくれよ」
・・・

5

狩人のモード

14/10/26 コメント:9件 夏日 純希

「狩人に必要なのは卓越した冷静さだ」シンの兄の言葉だった。
あれだけ冷静だった兄がなぜ? シンは孤島へ向かいながら考えていた。
「シン兄、新種っていくらになるの?」妹のアリスはシンに尋ねた。
「今回は金目当てじゃないぞ」シンは眉一つ動かさずに答える。
「仇討ちでも貰えるもんは貰っとかないと」
「報酬の50%はやる。けど、今までの立て替え分で全て消えるぞ?」
「私・・・

3

ペングィンズ・ドクトリン

14/10/26 コメント:3件 えのまりや

 父さんは氷の崖から海に飛び下り自殺した。僕の一族は何故かペンギンのなかでも特別寒がりだ。皮下脂肪が少なく、地表からの寒さを逃れるため、足の関節を伸ばせるようになり、異様に長い足をしている。でも、僕と違い、父さんは皆とうまくやれていた。だから、不思議だ。

 友だちのちっちゃなペンギンと遊んでいると、親が来てその子を呼んだ。あの子と遊んではいけない、そう注意しているのが聞こえる。奇妙な・・・

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星は空、願いはどこ

14/10/25 コメント:4件 シンオカコウ

 流れ星が流れている間に願いごとを三回唱えれば、それが叶う。そんなこと誰が言い出したんだろうと、口を尖らせたのはトモだった。
「だって一瞬じゃん。絶対無理じゃん。できるわけないじゃん」
 冷たく澄んだ満天の星空の下。夜空を見上げもせず、つまらなさそうにシューズの爪先で地面を叩きながらトモが言う。トモの冬休みの宿題で、冬の星を観察しようという課題があったから、こうして寒い夜に近所の公園に・・・

投稿済みの記事一覧

4

卒業の背中

14/11/03 コメント:8件 タック

「颯太! もう時間ないぞ! ティッシュは? ハンカチは? ちゃんと持ったか?」
「まだ余裕あるから大丈夫だよ! それに、必要ねえから! ハンカチとか!」

朝のマンション風景は、とても騒々しい。バタバタと音がしそうなほど、にぎやかに時は過ぎていく。準備途中の朝食。畳まれたままの夫のスーツ。窓の外は快晴だった。交感にふさわしい青空が、天高く、どこまでも澄んで広がっていた。
<・・・

0

ハルキ

14/11/03 コメント:0件 坂井K

 あまり世間には知られていないけど、この世界には、八本の腕を持って産まれて来る民族がいる。その名は通称「八本腕族」。彼ら自身は自分たちのことを別の名前で呼んでいるんだけど、発音が難しいから、一般的には八本腕族と呼ばれているんだ。

 彼らは平常時、ひとつの場所に固まって住んでいるわけじゃない(少なくとも、今はね)。世界中に散らばって暮らしているんだ。八本腕族だということは隠してね。なぜ・・・

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ああ、世界には何て知らないことが多いことでしょうか

14/11/03 コメント:8件 草愛やし美

 今、風が頬を撫ぜていったと思ったそこのあなた、事実は違うかもしれませんよ。

 あなた方は気づいていないのですが、世界には何と知らないことが多いことなのでしょうか。誰もが、この世界に住んでいる世界に、何か不可思議なものが存在していることに気づいていますが、実際に彼らを見た方々はほんとうに僅かだと思います。

 彼らは、私たちに見つからないように、こっそりと住んでいると思っ・・・

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猛スピード彼女の元へ

14/11/02 コメント:0件 村咲アリミエ

 彼女が走るそのスピードを、猛スピードという言葉以外で僕は表現することができない。

 僕は、放課後に図書委員の仕事がある日以外は、グラウンドで走る彼女を教室から眺めることが日課だった。軽やかに走る彼女は、僕の憧れだ。
 僕は、彼女に比べたら平凡な人間だ。自慢できることといえば、おすすめの図書という図書館主催のコンテストで、僕の推薦文が佳作をとったぐらい。
 彼女は僕を知ら・・・

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夢を釣る

14/11/02 コメント:7件 たま

かくかもしれない……。

それはわかっていたことだ。底の浅い港には瓦礫があるだろう。でも、覚えたばかりのジグサビキとやらを試してみたかった。

シーバス用のロッドに30グラムのジグをつけて、それだけではふだんとかわらない。かわったのはジグをウェイトにしてサビキをつけたことだった。それでブン投げる。ただ、それだけのことだった。
ジグが海の底に届くとリールを数回巻く。巻い・・・

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いたずらっ子達

14/11/02 コメント:0件 雲原 拓

 俺が運転するトラックは、サーキットに向かって大草原の中のまっすぐ続く道路をひたすらに走っていた。俺が運転しているのは二人で乗れる軽トラだが、すぐ後ろには大型トラックが、その後ろにはミニのバスが続いている。全部、俺らのレーシングチームだ。後ろの大型トラックの中にはレースで使うマシンが、バスにはチームのエンジニアや整備員たちが乗っている。俺たちの軽トラには、代えの部品などの細々したものが載せられてい・・・

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竹子

14/11/02 コメント:8件 そらの珊瑚

 私の父母はある日車で出かけて、大きな箱に入れられて帰ってきた。ふたりとも交通事故で死んだという。

――車はクラクションを鳴り響かせてガードレールを突き破り崖から真っ逆さま。助手席の絹子さんは死んでなおハンドルにかぶさっておったらしい。
――無理心中じゃなかろうかって村の噂になっとろう。
――絹子さん、子ォ産んでますます頭おかしくなっとったって。あの日も峠の精神病院に入院・・・

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ドップラーさん

14/11/02 コメント:0件 AIR田

 僕が初めてドップラーさんを見たのは5歳の時だった。
 記憶っていう引き出しを漁ってみれば、そりゃあ色々出てくるけども、年齢を重ねれば重ねる程に散らかってきちゃうだろう?
 そんな状態でも、印象に残っている記憶ってやつはすんなり見つかるもんで、
「ママン。あのひとなに?」
「……あの人はね。ドップラーさんよ」
 ママンが少し悲しげに呟きながら、僕の質問に答えてくれるこ・・・

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昭和の男

14/11/01 コメント:1件 リアルコバ

 窓際から見える皇居の景色は変わらない。春は桜、新緑の緑が鬱蒼としたかと思うとゆっくりと赤や黄色に色づいた。この窓から眺める景色は依然として時を四季として感じさせてくれる。

「宮さん何ボケっとしてんだよ、グラフできたのか?」
 若い営業統括本部長様は、別に私を蔑んでいるわけでもない。唯フレンドリーなだけである。方眼紙に定規を当て各課の成績を棒グラフにしていく。昔は壁一面にデカデ・・・

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ワンデイズ・コンポーネント

14/11/01 コメント:0件 えのまりや


 一人の「対象」を「行為」した。
 賑やかな街の明かりが差し込み、室内をわずかに浮かび上がらせる。清水は横たわる女を見下ろしていた。
 清水はいつも仕事をやめるキッカケを探していたが、今回も見つからなかった。清水はこの仕事をこなし続けるため決して、「人」を、「窒息死」させた、とは考えない。仕事を「行為」、人間を「対象」と呼ぶ。
 本来何でも屋の看板を下げているはずなのに・・・

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スタートはここから

14/10/28 コメント:0件 櫻田 麻衣

ここに書くのは久しぶり。
なんだか、とても懐かしい。

櫻田麻衣の名前は、いま使っているメインの名前とは別物なので悪しからず。




さて。

三年前に小説を書き始めた。

そりゃあもう読み返せば目も当てられないくらいヘタクソで、話の構成も文章の書き方もめちゃくちゃだった。

でも、ほんとに夢中で、文章を書くこと・・・

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猛スピード『X』

14/10/27 コメント:7件 鮎風 遊

 生物か、否、UFOか?
 その物体は新幹線のぞみ号を猛スピードで追い越して行く!

 帰宅途中の花瀬純一、スマホでニュースをチェックしていたら、こんな見出しが目に飛び込んできた。新幹線より速いヤツって、What?
 指先で記事を拡大させる。

 関西から東へと向かうのぞみ234号、午後4時前に関ヶ原辺りを走行する。最近、その車窓から奇妙な物体が確認されている。・・・

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赤い車

14/10/26 コメント:0件 藍田佳季

 試験期間の真っ只中の帰り道、私と美紗は自転車を押して歩いていた。
 それは話すためであり、帰ったところで最終日前の試験勉強が待っているだけだからだった。全く自分のためにはならないけど、出来るだけ時間を遅らせたいという思いがあった。現実逃避だ。
 
 とはいっても、話す内容はきょう受けた試験のこと。私はただ憂鬱なだけだったけど、 美紗はそうでもなかった。
「きょうの数学どう・・・

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ひいらぎさん(の直通電話)

14/10/25 コメント:8件 黒糖ロール

 僕は夕方の散歩を日課にしていた。休学中なので体がなまって仕方がない。
 薄手のパーカー越しに、秋気が伝わってくる。大きめの公園が高台にあり、中継地点になっていた。この辺りからは町を一望できる。
 いつものように入り口にある公園名が彫られた縦長の石を撫でてから、長く緩やかな下り坂をおりはじめた。しばらくすると、坂をあがってくるママチャリが見えた。上下ジャージ姿の男が一心不乱に立ちこぎを・・・

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ロードムービー 2

14/10/25 コメント:0件 かめかめ

○映画研究部部室
   雄一、机の前に立ち熱弁をふるう。 

雄一「車の上にカメラを積むだろ? それが猛スピードでかっ飛ばして、
  道路上に仕込んであるピアノ線に触れたとたん、カメラが千切れて飛び跳ねるんだ!」

   司、頭を抱える。

司 「猛スピードでって、それはいったい何キロメートルで? 
   そんな高速で走っていい道がどこにあるの・・・

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人間

14/10/24 コメント:0件 kobotai

「〔警告〕

ここは2050年の東京。

これを読んでいる君は2014年の私だろう。

君に一つ警告したいことがある。

2050年では『猛スピード化』が起こっている。

君たちの時代でもすでに『スピード化』していることに気付いているだろうか。

会って話していたことがメールや電話でできるようになり、買い物も、行かずにネットで・・・

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些細な

14/10/20 コメント:2件 小李ちさと

一度 落ち始めてしまえば、後は早かった。
合格した大学は、第一希望ではなかったけれども望んでいた学部で、入ってみたら意外とすごい先生がいたことも分かった。クラスメイトも大学生ともなれば大人だし、今度こそ上手くやって行けそうな気がした。
でも駄目だった。俺の気力が続かなかった。高校時代の部活仲間に「理由なくそこまで落ち込めるのは、もう才能だ」「その日陰好き根性、お前はコケか?ダンゴムシか・・・

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もし、これが夢ならば…

14/10/19 コメント:5件 鮎風 遊

 ジリリーン、遅巻幸介は心地よい朝の眠りを破られ、腹立たしい。そのせいか、すぐさま目覚まし時計に手を伸ばし、ブツリと切った。それから寝返りを一つ打ち、後は仕事仕事、会社に行かねばと気合いを入れてベッドから抜け出す。
 まだ薄暗く肌寒い。それでも42度の朝シャンでシャキッと目覚め、ビジネススーツを身に纏い、アパートを飛び出す。朝食は会社近くの喫茶店でトーストを囓るつもりだ。
 幸介は運良・・・

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お公家修行

14/10/18 コメント:0件 五助

 スペインの牛追い祭りを見に行きましてね。町の一角で闘牛場まで牛と人間を放つんです。牛って言っても牧場でのんびり草食んでるような奴じゃ無いですよ。本物の闘牛です。そいつが人間を追いかけ回すんです。時々死人が出るらしいです。どうしてこんなことをしようと思ったんですかね。
 誰でも参加できるみたいで、首に赤いスカーフ巻き付けてね。これは、別に牛を興奮させるために巻いてるわけでは無いんです。牛追い・・・

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つかまえて

14/10/16 コメント:1件 アシタバ

中学生の時のぼく。
気になる女の子がいた。
その子に悪口を言っては校舎を追いかけまわされる日々。
ほぼ毎日。懲りずに来る日も、来る日も。
ぼくはそれしか彼女との接し方を知らなかった。
周りの同級生たちは呆れていた。
それでも彼女は律儀にそれに付き合ってくれる。
他の生徒達をすり抜けて、すり抜けて、廊下を駆けて逃げる。
そして、最後はいつも四階に逃げ込・・・

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イルマティックスピード

14/10/16 コメント:0件 ながひで

 気づいた時には手遅れだった。
 簡潔に説明すれば僕はスピード狂だ。その片鱗を見せたのは自動車学校の高速道路の講習の時だった。真っ直ぐだから簡単だったねー、とかごちゃごちゃ言っている女の子と全く別の感想を抱いていた。アクセルを全開にしたい衝動、そして一瞬でそれが危険だということ、スピードが出すぎて危険だということではなくて、講習に落ちるということに気づいた僕はなんとか踏みとどまった。損得勘定・・・

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15ヶ月の両想い

14/10/15 コメント:2件 坂井K

 彼への告白を決意したのは、高校二年の秋―11月―のこと/彼女に告白されたのは、高校二年の秋だった/初めての告白だったので心の中はドキドキで、けれども私は嘘吐きだから(緊張なんかしてないよ)って自分に嘘を吐いて告った。「サカイくん、私と付き合ってくれる?」って/廊下で擦れ違ったとき、いきなり言われて驚いた/あまりに突然だったから、彼は告白だとは気付かず「いいけど、どこに?」なんて答えた。
<・・・

4

歌と水と、猛スピードの街

14/10/11 コメント:6件 クナリ

『歌と水の街』は、大陸の端にある、一大芸能都市である。
石造りの街中を水路が縦横に走るこの都市の最大の売り物が、宮殿のような歌劇堂で催される少女歌劇だった。
歌劇堂には女子寮があり、十代から二十代の少女が二百人近く押し込められている。

ある春の日、十五歳にして歌劇団のトップシンガであるジュシュ・ミグナッハの個室に、同期の少女が飛び込んで来た。
「大変よー、ジュシュ!・・・

2

ライドニ乗ッテ

14/10/08 コメント:4件 みや

ようこそ、人生という名のテーマパークへ!
色んなライドがあって楽しそうでしょ?ワクワクしてきたかな?
でもまず君に一番のオススメのライドは、ゆりかご。君はまだ産まれたばかりだからね。
つまらないって?そんな事は無い。ママの優しい手で揺らされると、幸せな暖かい気持ちになるでしょ?危なくないしね。

次のライドはベビーカーだ!世界が動く瞬間を君は楽しんでいるはず。そう、世・・・

0

20世紀を駆け抜けたドン・キホーテ

14/10/07 コメント:1件 橘瞬華

 俺の祖父の、そのまた祖父の話だと聞く。
 ナポレオン戦争の頃の話だ。我らが祖国が割譲され、土地を奪われてから十数年後。兵力まで取り上げられ、祖国ではない国の為の戦争に徴兵されたその人はその歩兵師団に配属された。そう、大王の寵児であったリュヒェルがその権威を失墜させた戦いだ。友軍の援護をせずに突撃したリュヒェルの撤退命令に従い、フリントロック式の銃を担いで撤退していたのだという。敵にも劣る武・・・

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暗い海底で貝のように生きる

14/10/07 コメント:2件 ポテトチップス

「チクショ、やっちまった!」
顔を横に向けると横断歩道の青信号が、ちょうど点滅を始めたところだった。
前方10メートル程先に横たわる男の姿。
俺は車から降りようとして止めた。深夜11時の時間帯のおかげで人影はない。それに田園風景ばかりで民家もない。
俺は、先月に納車したばかりのトヨタ ランドクルーザーのギアをドライブに入れ、急発進で横たわる男の横をすり抜けた。
心臓が・・・

2

あっくんのおばあちゃん

14/10/06 コメント:4件 こぐまじゅんこ

 あっくんは、十か月の赤ちゃんです。
 おかあさんは、仕事をしているので、おかあさんがいない間、あっくんは、おばあちゃんといっしょにあそんでいます。

 今日も、あっくんは朝からおばあちゃんの家にきています。

 おばあちゃんは、あっくんがくると、いつも目じりが、ぐーっとさがって、にこにこ笑顔になります。
「あっくん、今日もいっしょにあそぼうね。」
 おば・・・

1

ハーレーダヴィットソンに乗った亀

14/10/06 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 亀の名は、万吉といった。外来種が氾濫するなかで、れっきとした日本産のイシ亀だった。 
 万之助という飼い主がおり、庭につくったちっぽけな池に万吉を入れて飼っていた。髭面の、巨漢で、亀の怪物が暴れまくる怪獣映画のファンで、川で釣りの最中にみつけた万吉をもちかえったのも、そんな趣味が影響しているのかもしれない。
 朝に万吉に餌をあたえたのち、なにやら家の外で空気をつんざくような爆音をけた・・・

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