1. トップページ
  2. 第五十六回 時空モノガタリ文学賞【 結婚 】

第五十六回 時空モノガタリ文学賞【 結婚 】

今回のテーマは【結婚】です。

◆本コンテストは(株)未来総研主催の「ロイヤル倶楽部シングルズパーティーとのタイアップ企画となります。なお、選考&選評は通常通り時空モノガタリ事務局が行います。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2014/06/16

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

*************************
若尾裕之氏 略歴

株式会社未来総合研究所代表取締役社長、未来デザインコンサルタント、立教大学経営学部兼任講師。1961年生まれ。立教大学経済学部卒業後、日産自動車などの企業に勤務。日産自動車宣伝部時代は、現・大リーガーのイチロー選手を初めてテレビCMに起用した「イチロ・ニッサンキャンペーン」など、多くのヒットCMを担当。現在、未来デザインコンサルタントとして、人生の最期をイメージした幸せな行き方を提案。ライフデザインにおける結婚の重要性を伝えている。恋愛・結婚について造詣が深く、人と人との出会いのコミュニティ作りのため、多くの交流会、パーティー、セミナーなどのイベントもプロデュースしている。『47歳からのエンディングデザイン』(角川フォレスタ)など著書多数。コメンテーターとしてのマスコミ出演も多数。

*************************



ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2014/04/21〜2014/05/19
投稿数 55 件
賞金 未来総研賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

6

おだやかな人

14/05/16 コメント:12件 murakami

 土曜の午後1時にその婚活パーティーは始まった。 
 33歳にして、そういうものに参加したのは初めてだった。だから、勝手がわからなかった。
 会場には男女合わせて50人程がいた。最初は女性と男性が1対1でテーブル越しに対面して、2分間の自己紹介。時間がくると、男性がひとつずつ席を移動する。次はフリータイム。そこで私は、大手商社に勤めるという男性と話が盛り上がってしまった。趣味が同じだっ・・・

5

さよならの風はクチナシの香り

14/05/15 コメント:5件 青海野 灰

奏花は笑顔だった。それでいいんだと思う。
クチナシの花を配した純白のドレスに包まれ、皆から祝福されている姿を見ると、僕の胸に空いた穴が少しだけ塞がる様な気がした。

大きなガラス窓から六月の海が見える、白を基調とした式場で行われた結婚式は、参列者も大満足のようだった。
その後の空色のログハウス風披露宴会場も好評で、密かに式場選びに付き合わされていた僕も、肩の荷が下りた心地だ・・・

5

ちょっとぉ妻と、いちおう亭主

14/05/04 コメント:10件 鮎風 遊

 このカップルは…神さまの悪戯?
 そうなのです、ほとんどの結婚が意外や意外の男と女の組み合わせ。誰も予想だにしなかった、いや、十年前には自分さえも夢にも思わなかった人と、同じ屋根の下で暮らすことになるのです。
 その動機は――もちろん好きだったからです。
 されども思い切って言わせてもらえば、イキオイとハズミで一緒になっちゃいました、ってことでしょうか。
 私の場合も思い・・・

9

レベルアップ

14/04/21 コメント:13件 かめかめ

シャンパンのグラスがカラになった。何杯目かは覚えてない。ルリは私には目もくれず、幸せそうに笑っている。
まったく、もう。私とルリが交わした約束は、きれいさっぱり反故にされた。
『行き遅れたもの同士、どんなステキな男性が現れても一生結婚しないで生きようね!』
「……なぁにが、一生結婚しないでだぁ」
舌がもつれる。二次会は立食パーティだったから、好きなだけシャンパンをおかわりし・・・

最終選考作品

8

ほろ苦マトリモニオ

14/05/18 コメント:9件 光石七

 休日なのに遊びにも行けない。しかも制服を着て過ごせ、と。移動の車の中でも僕はため息しか出てこなかった。運転している父さんも助手席の母さんも普段は着ないスーツやワンピースでめかし込んでて、余計に息苦しい。
 到着したのは海の近くの白い建物だった。
「トモ、いい加減仏頂面はやめなさい。おめでたい日なんだから」
入り口の前で母さんに注意された。今日、従姉のリホ姉がここで結婚式を挙げる・・・

2

『紙切れ』

14/05/16 コメント:6件 リアルコバ

「なぁ俺が卒業して戻ってきた時、もしお前が一人でいたら結婚しないか?」
中学高校と3回アタックして3回ともフラレた彼女は笑っていた。
「それいいね、バツイチになっててもいい?」
幼なじみである彼女の言動にはいつも惑わされる。
二十歳の頃、30年も前のたわいも無い青春のワンシーンであった。



「部長、結局のところどうなんですかウチの部は・・・」

4

温泉卓球

14/05/02 コメント:7件 るうね

 かこん。
「なぁ」
 かこん。
「なに?」
 かこん。
「一つ、賭けをしないか」
 かこん。
「なによ、突然」
 かこん。
「いいだろ、別に」
 かこん。
「いいけど、別に」
 かこん。
「俺が勝ったらさ」
 かこん。
「うん」
 かこん。
「結婚しようぜ」
 かこん。

 か・・・

1

引換券の王子様

14/04/29 コメント:2件 滝沢朱音

華やかな顔立ちにふさわしく、佳澄は恋多き乙女として生まれついた。

小さい頃から恋に積極的だった彼女は、小学校に上がってからは毎年クラス替えのたびに、激しい時は席替えごとに、好きな男の子を変えた。

学年が上がりますますマセた口ぶりで恋を語る彼女に、母親は心配を募らせるあまり、何度も何度もこんなことを言い聞かせるようになった。

「いい? 佳澄。“赤ちゃんができ・・・

5

結婚しよう。

14/04/22 コメント:6件 メラ

「結婚、しよう・・・」
 私の聞き間違えだと思った。だから私は唖然というか、放心したように、何も答えられなかった。
「結婚、しよう」
 聞き間違えじゃない。祐樹は顔をくしゃくしゃにして、涙を流しながら、確かにそう言った。
「結婚しよう」
 三度。彼は言ってくれた。三度目は涙声で声が詰まり、一番聞き取りづらかったけど、祐樹はそう言ったのだ。
 さっきまでの諦めとか・・・

投稿済みの記事一覧

7

十五年分の幸せ

14/05/19 コメント:9件 草愛やし美

「母さん、元気?」
「おお、久しぶりやね、元気よ。和はどう?」
「話があって……実は、結婚したい人ができたんだ」
「ええ! ほんと、アラフォーでついにゲットだ、おめでとう。で、どんな人?」
「それが……」
「何、言い難いことあるの」 
「年上の人なんだ。十五歳……」
「えっ!」
 急な話に驚いて小夜は受話器を落としそうになった。今、流行りの年上妻が自・・・

1

大切な場所

14/05/19 コメント:1件 たつみ

久しぶりのデートが終わろうとしている。
彼は仕事が忙しくなかなか時間がとれない。それより何より、新幹線とバスを乗り継いで二時間半という距離が、近いようでもやはり遠いのかもしれない。
私は一年前、東京の旅行会社を辞め、今は両親と福島でイチゴの観光農園をしている。
お台場でデートをし、新幹線に乗るため東京駅に戻ると、ふと彼が「行きたいところがあるんだ」と呟いた。そして今、大手町にある・・・

0

永遠の恋人、探してます。

14/05/19 コメント:2件 ゆえ


いつも思ってた。
「いつも背筋がぞくぞくするほどの幸せってどこにあるの?」
「一生、一緒にいれる、素敵な人ってどこにいるの?」

いつもそう思って探して、手に入れて、よくよく見ると違うなって思って、手放して、また探す。


「そんな理想通りの人なんていないよ?」
「一緒にいるならちょっとは相手の事考えて妥協しなよ。」
「ちょっとは自分自・・・

1

二回目のプロポーズ

14/05/19 コメント:2件 黒川かすみ

 
「結婚しようか」
 幼馴染みで私よりも10才近く年上の彼が、私に向かってそれを口にするのは二度目である。けれど今この状況においてそれはあまりにも唐突だった。たとえその、いわゆるプロポーズをしたのが、自分が何年も想いを寄せる相手であったとしても。
「え、は、あの」
 彼の運転する車の助手席で私はもぞもぞと座りなおした。さっきまで車の窓を叩いていた雨が今は止み、窓にはいくつ・・・

2

結婚指輪

14/05/19 コメント:4件 カシヨ

「経理の落合さんて……結婚されてるんですよね」
 まさか自分が話題になっているとは知らず、あやうく寛之はのれんに手を掛けるところだった。そっと後ずさり、ひとまず壁ぎわに身を寄せる。廊下に面した給湯室に扉はなく、その薄い布がわずかに目隠しの役割を果たすばかりだ。
「そうそう。左手の薬指。指輪してるもんね。私も最初見たときはさ、もしかしてダミーじゃないのって思ったから、本人に訊いたくらいだ・・・

1

11月22日

14/05/18 コメント:1件 きまねこ

「結婚式をしよう」
ボクがそう言ったのは、11月22日の前日のことだった。
言葉の意味がわからなかったのか小学三年生の妹は暫し首を傾げていたが、ボクがもう一度順を追って説明すれば、あっという間に花が咲いたような笑顔と奇声で手を叩いて喜んだ。
そうと決まれば話しは早い。
何と言っても予定日は明日なのだ、もたもたしている暇は無い。
小学六年生と三年生のコンビだが、行動力に・・・

10

風媒花

14/05/17 コメント:17件 泡沫恋歌

 祖母の千鶴は米寿になった時、自らの意思で「グループホーム」に入居したいと言いだした。長男である私の父は大反対した。母も姑とは上手くいってると思っていただけにショックだった。二人とも祖母を最後まで自宅で看取りたいと言い張ったが、頑として聴き入れず、県外に住む長女に入居の手続きをさせると、さっさと「グループホーム」に入居してしまった。
 昔から芯の強い人で、決めたことは必ず実行する性分だった。・・・

1

ぼくたちの結婚(そこには神父はおろか証明すらなかった)

14/05/17 コメント:2件 タック

 神父役のマルケスのおぼつかない進行がみんなを笑わせた。

 突き抜ける幼い笑い声たちは、臭く汚い路地裏の疲れを見えなくするようだった。

 たがいの手を取る僕たち。指輪を真似した銅線をつけあう。
 
 ソエルの浅黒い肌。

 僕を見る瞳の白さ。

 見とれてしまうほどの緩やかさでほほ笑みに形を変えた唇が、僕を引き寄せる。

・・・

1

美しき家族の、哀しき務め

14/05/17 コメント:0件 おでん

 孝之と僕が高校三年生のとき、互いの好きな人を「せーの」で教え合うことになった。双子でこんな告白ゲームをするのはどこか馬鹿げていると思いながらも、双子だからこそのスリルは味わえた。
 僕は、どんなに趣味嗜好が似ている孝之が相手であっても、好きな人までかぶるわけがないという自信があった。だからこそこのゲームにのった。むしろ、告白の機会を与えてくれた孝之に感謝したいくらいだった。
 せーの・・・

4

フューネラル・ウェディング

14/05/16 コメント:7件 ナポレオン

――結婚とは人生の墓場である。

冗談交じりに言われ続けてきたそんな格言も、今の時代の若者にとっては限りなく真理に近いものになっていた。


芽生え始めた夏の若葉が、穏やかな風に薫る6月の昼下がり。郊外の静かな丘の上にたたずむ白い教会では、今まさに若い二人の結婚式が執り行われていた。

カラーン、カラーン。

金色の鐘の音に祝福されながら愛の言・・・

4

離婚から結婚まで

14/05/15 コメント:9件 gokui

 彼女が離婚したと聞いたとき、誰もが疑問に思ったことだろう。容姿端麗、人並みに以上に仕事もこなし、同僚の残業を自ら請け負う優しさも持っている。そんな彼女がなぜ離婚などする羽目になったのだろうか。
 離婚後の彼女は精神不安定な状態だった。仕事では失敗ばかりだし、会話というものを極端にしなくなった。
 私は彼女の上司として放っておく訳にもいかず、アフターファイブに彼女と話す機会を設けた。幸・・・

1

未来からの贈り物U

14/05/15 コメント:3件 幸田 玲

 ゴールデンウィークの最中、恋人の直樹とカフェで会っていたとき、母親が乳がんを患い手術することを知った。
 私はその話を聞いて、母を思い出した。母は、私が十歳のときに亡くなっている。
 三十歳のときに乳がんの手術をして片方の乳房を失い、三十三歳の若さでこの世を去った。
 白い肌は、放射線治療で一年中日焼けしたような肌になり、死を迎える十日ほど前には腸閉塞を起こし、病院のベッドで腹・・・

10

手紙

14/05/15 コメント:15件 そらの珊瑚

拝啓 晴彦様

惜春のみぎり、お元気でお過ごしのことと存じます。

ご報告です。六月十日柚子が結婚することになりました。
相手は大学の同級生で役所勤め。僕も一度会いましたが好青年という印象です。
何より二人がこの上なく幸せそうでした。

娘の紗江と君が別れて二十四年。月日の経つのは本当に早いものです。あの時柚子は二歳でした。
もしもバブルがはじ・・・

10

絶滅危惧種

14/05/14 コメント:10件 草愛やし美

「あなたのおっしゃる通りに致します。はい、わかりました」
 なんて響きの良い言葉だろう。はいと答える女の白い顔が美しい。黒髪を腰のあたりまで伸ばし、ゆるく結わえた姿に、白い呂の着物がよく似合っている。その髪は、いわゆる鳥の濡羽色。俯き加減に落とした目元に黒いまつげが震えている。正に僕の理想の女、こんな女を探していたのだ。僕がずっと独身でいたのはこの女に出会うためだった。
 僕は有頂天で・・・

8

おしどり夫婦

14/05/13 コメント:16件 泡沫恋歌

 女優の蒼井凛子とタレントの藍川裕樹は芸能界きっての『おしどり夫婦』として有名です。結婚十年目の夫婦には十歳の長女と八歳の長男がいますが、結婚十年で十歳の子は可笑しいって? 実はこの二人デキ婚でした。
 妻の凛子は十代の時にアイドルグループとして売り出し解散後、女優への道を進む、美貌と演技の才能と作品にも恵まれて、女優として注目を集めました。しかも結婚して子供を生んだ今も人気は下がるどころか・・・

0

シーサイドーナッツ

14/05/12 コメント:1件 フレッシュパルプ

 夏になった。僕は新車のSUZUKIのハスラーに乗ってN’夙川ボーイズのCDを聞いて海岸線を新車の車体に海を反射させながら排気ガスを吐いて走っている。
 いわいる田舎生まれの人間の背伸びでお洒落な車とお洒落な音楽がなによりの自分のステータスという考え方、酷く稚拙だ。
 僕は褒められた人間ではないし、小さいころはよく学校の帰り道に他人の家の駐車場にゴザを敷いて干されてある梅干や家庭菜園の・・・

0

アディームとイブ子

14/05/11 コメント:1件 aspeman

 その昔、旧約聖書の創世記によると、神様は泥をこねてアディームという男性をおつくりになったらしい。神様はアディームを非常に精巧におつくりになった。人間の体の仕組みは現代科学をもってしてもなかなかわからないほどに精巧を極めたものだが、これはアディームが非常に精巧に作られたことが原因だろう。
 しかし神様は、体は非常にうまく作ったが、頭だけは非常に悪くおつくりになった。アディームが知恵をつけすぎ・・・

3

闇夜のマスカレイド

14/05/10 コメント:9件 ナポレオン

「あなた、最近なんか私に隠してない?」
夫は玄関で靴を履く手を止めた。
「え、な、なんだよ急に」
「こないだもそう。すぐに帰るとか言って、結局深夜まで帰ってこなかったじゃない」
「あ、あの日は残業で………」
「残業?上司の方に電話したらあの日は帰ったって言ってたわよ」
私が刺すような視線を送ると、夫はあわてて靴を履き、逃げるように会社に向かっていった。
「・・・

0

永遠の結婚

14/05/09 コメント:2件 堀田実

彼女と出会ったのはほんの少し前のことでした。彼女はブランコでひとり寂しそうにしていました。


『A子は結婚し、死にました。B子も結婚し、死にました。C子は結婚せずに、死にました。人間の一生はだいたいこのようにして流れていきます』

絵本を読んでいると、タマミは尋ねてきました。

「結婚をして死んだら二人はどうなるの?お別れするの?」

「うー・・・

7

憧憬甘傷クレピュスクル

14/05/08 コメント:12件 クナリ

秋の日曜日、閉館間際の図書館には人影もない。
西日が差す中、私は古い小説をカウンタに置いた。
「先生、これ借ります」
「僕はもう、先生ではないよ」
倉科先生は、私が高校受験の時に通った塾の講師だった。私が高校二年になった今は、ここで司書をしている。
無表情な先生といると、緊張のせいか自分が嫌いな自分がどんどん出て来て、泣きたくなることがある。
それでも、つい会い・・・

8

ジューンブライド

14/05/08 コメント:18件 そらの珊瑚

 朝。鳥の声を模した電子音で柚子は目を覚ました。
 いつもの朝のようでいて、特別な朝。
 ベッドサイドにはくたびれたくまのぬいぐるみ。散々迷ったけれどそれはここへ置いていくべきものだと今の今、彼女は決心した。
 この部屋のこのベッドで起きるのは今日が最後になるだろうという小さな感傷を胸にしまい、彼女は着替えて階下へ降りていった。
 
 柚子の母は彼女が五つの時に再婚し・・・

0

パーセンテージ

14/05/08 コメント:2件 浅月庵

 結婚とは、互いが互いに一生を捧げる神聖な契りなのだ。

 情報化社会は男女の恋愛にまで浸食し、個人をデータ化することにより、離婚の割合は著しく下降線を辿った。
 簡単に言うと、男女が結婚をする際に二人の情報を掛け合わせ、シミュレーションし、その相性度を計る。二人の未来が良い方向に進む基準として、相性が80%を超えていなければ結婚を認められないという極端すぎる制度ができたのだ。<・・・

1

※このエッセイはフィクションです

14/05/07 コメント:2件 小李ちさと

私の両親は恋愛結婚である。
しょっぱなに断ったのは、「恋愛結婚しといて、それ?」と十中八九問われそうな夫婦仲であるからだ。この歳になれば「そんな夫婦ってけっこう多いよね」と悟りもするが、幼い頃は重苦しく衝撃的な現実だった。「なんと恐ろしい、こんなことがあって良いのか」と思い続けていた。
たとえば。
父の文句ばかり言い続ける母に、「じゃあどうしてお父さんと結婚したの?」と聞いた時の・・・

0

「幸せになりたい症候群」そして「結婚」

14/05/07 コメント:1件 志堂ひさ

「幸せになりたい症候群」
発症のきっかけは、幼少期のトラウマであったり、或いは、昔のアイドルが言った”ビビッ”っと来た瞬間などに突然起因するものであったりするのか…?前者を慢性というなら、後者は急性か…?
どちらにしても、笑える話である…と言ってばかりはいられない。なぜなら、発症患者にとっては深刻かつ専門医のいない病いであるから。然も発症患者はそれと気づかぬうちに重症化し、人生を踏み・・・

0

カーネーション

14/05/06 コメント:1件 糸白澪子

田中尋子。私の母だ。父が家庭に無頓着な上に私の妹ばかり可愛がる人だったから、私は母に育てられたようなものだ。その父がかなり暴力的でもあったためもあり、母は一時鬱病を病んでいた。
その頃は毎日のように「ねえ、サチちゃん、私もう死にたい」なんて口にしていたし、実際自殺を図ったことも何度もあった。一番難儀だったのは真夜中の徘徊であった。『サチちゃんへ、死にに行きます。探さないでください。』と私宛・・・

0

彼女が結婚できない理由

14/05/05 コメント:1件 七緒紘子

「ごめん、誠くんとは結婚できない」
森村涼子はそう告げると傍らのバッグから財布を取り出し、五千円札一枚をテーブルの上に置いて立ち上がった。
「さよなら」
涼子は最後にそう言って振り返ると、逃げるように店を出ていった。

予想だにしなかった反応に、芥田誠一はしばらくの間その場から動くことができなかった。目の前には口の開かれたままの指輪ケースが空しく残されていた。我に帰る・・・

0

社内にて

14/05/05 コメント:2件 藍田佳季

 定時が過ぎた社内は静かだった。
 毎日この部屋を賑わせている一人、美紗はいま最後の挨拶回りに出ている。彼女の退職理由は結婚だ。

 私はこの『結婚』という単語を聞くたびに憂鬱になる。
 30代に突入した今も義務にしか思えない。
 それについて深く考える気にはなれないので、早く片付けてしまいたい書類に向かうことにした。

 一呼吸置き、やる気になったそのタ・・・

1

クロッカス

14/05/03 コメント:2件 糸白澪子

その日の放課後、部活もなくって暇だったから、私はリコと二人で課題をしていた。私達以外に誰もいない教室は少し新鮮だった。
リコが大きく溜息をついてあたしを見た。
「なんでサチは数学できるの?」
「なんでって、得意だから」
問題をときながら、あたしは適当に応えた。
リコは話を続ける。
「こんなの世の中になければいいのに〜っ!」
「数学って大分この世に貢・・・

4

お狐うどん

14/05/03 コメント:6件 黒糖ロール

 近くの稲荷神社に毎朝詣でるのが春日井夫婦の日課である。錆ついた鈴を見上げ、鈴緒を振るのは夫の吉男で、彼の背後、一つ下の石段に立ち、妻の慶子は、鈴の鈍い響きを聞く。その後、二人はジャージ姿で横並びになり、賽銭を入れ、二礼二拍手一礼をする。神前に感謝を捧げ、うどん屋が繁盛しますようにと願う。
 信心深き老夫婦が不思議な双子に出会ったのは、春うららかな日の、昼時の客もすっかりひき、さて一服するか・・・

0

結婚裁判

14/05/03 コメント:2件 みや

「裁判員の公正なる審議に基づき、この結婚は否決とする」

裁判長の言葉に女は泣き出し、男は項垂れた。

2030年。離婚率の高さに不安を抱いた政府は結婚裁判員制度を導入。つまり結婚を希望する男女の結婚を、政府にランダムに選ばれた裁判員に審議をさせ、その結婚が可決か否決かを決める制度。今や結婚は、自分達で決める時代ではなく他人に決めてもらう時代になったのだ。

離・・・

2

声に誓う

14/05/02 コメント:3件 染井 ヨシノ


私は、声が出ません。
幼い頃、酒癖の悪い両親に毎日のように暴力を受け、泣きわめいたらまたうるさいと殴られていました。
痛くても泣けない。そんな状況のせいか、気づけば私の声は出なくなっていました。
異変に気づいたのは祖母で、病院に連れていかれ、私の体にある無数のアザも見つかってしまいました。
声が出ないのは極度のストレスのせいで、その日から私は両親と別々に暮らすことに・・・

2

未来の約束

14/05/01 コメント:2件 小李ちさと

ケータイが着信を知らせる。ろくに確認しないまま電話に出たから、「もしもし」の声に慌てた。ガラケーだった時は着信ランプを緑色にしていたから、心の準備が出来ていたのに。
「……もしもし」
「なに、その声」
くすっと笑う表情が、見えないのに好きだと思う。
「……スマホで着信ランプの色変えるのって、どうやるの」
「え、知らね。俺のついてないし。お前のついてんの?」
「…・・・

0

何かヤだ

14/04/30 コメント:0件 坂井K

 私には、結婚の約束をした彼がいる。彼とはもう10年近く付き合っているが、今でも大好きだ。甘いと言われるかも知れないが、彼のために出来ることなら何でもやってあげたいし、彼が何をやっても許してあげられる――と思っていた。彼のあの秘密を知るまでは。

 僕は学生時代から料理が得意で、家族や友人、そして彼女に振る舞って来た。が、どれだけ頑張っても家庭料理のレベルで、一流のプロには敵わなかった・・・

3

棘とオムレツ

14/04/30 コメント:4件 八子 棗

 薄く目蓋を開くと、カーテン越しに青く朝の光が差し込んだ。ベッドの向かいにあるテレビ脇のスピーカーから”Greensleeves”が流れていた。このプレイリストは大抵眠っている間に五回リピート再生されて、いつも六週目頃に私は目覚める。
 彼を起こさないように寝返りを打ったつもりだった。視線を天井から彼の顔に向けると、彼は二重の目蓋を緩く開いて私を見ていた。ぼやけた彼の「おはよう」を聞いてから・・・

3

何百回目のプロポーズ?

14/04/29 コメント:4件 FRIDAY

「結婚しよう」
 目一杯きりっと顔を引き締めて、彼は言った。
 うむ。キマった。
 彼は確信とともに内心で頷いた。
 対して、対座する彼女は、半眼で彼を見据えながら口許へ運びかけていたスプーンを下ろし、
「Time.お昼時。しかもお客さんの一番たくさん入って出入りが激しい時間帯。マイナス10点」
 彼女の声は、極めて淡々としている。
「Place.近所のフ・・・

0

ああ、結婚

14/04/29 コメント:0件 yoshiki

 わたしは結婚がしたい。親もわたしの結婚をせいているようだし、うるさいけど、もうわたしも三十を少し過ぎたから仕方がない事かも。相手はなにも王子様じゃなくていい。ちょっとだけイケメンで、年収はたかだか一千万あればいいし、身長だって180センチあればいい。これはわたしの身長が170センチだから仕方のない事だ。そんな折にネットサーフィンをしていたら、偶然あるサイトを見つけた。そのサイトは真っ黒な画面に、・・・

1

約束

14/04/29 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 式もぶじ終り、パーティの席上で明美と彼は、みんなの祝福をうけながら、あらためて二人の愛がいつまでも変らないことを誓いあった。
 テーブルには、二十人ばかりの友人知人の姿がうかがえた。控え目な性格の明美と彼らしい、結婚式だった。
 そのとき、一人の男が、パーティ会場に入ってきた。男はなにもいわずに、みんなの一番端に腰をおろした。べつにだれと言葉をかわすでもなく、明美たちのほうに視線をむ・・・

3

悦子という女 ── 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)

14/04/27 コメント:9件 鮎風 遊

 賢(まさる)は入社以来馬車馬のように働いてきた。そのため女性と知り合うチャンスがなかった。その上、安アパート暮らしは花も実もあるとは言い難く、十年も続ければ嫌になってくるものだ。
 味気ない独身生活からの脱出、そろそろ身を固めたい。賢は思い切ってパートナー紹介倶楽部なるものに入会した。
 思慮深くて、しかし、生きて行くことに大胆な女性。
 婚活サイトの希望欄にこう記入した。それ・・・

0

家柄が故に

14/04/27 コメント:0件 ポテトチップス

花粉が飛んでいた。マスクをしている涼子が目を痒そうにしている表情が、とても可愛らしく思い、森田太一はそんな彼女の髪を歩きながら撫でた。
駅から歩くこと10分あまりで太一の実家が見えてきた。
「これ、俺の実家」
「すごい大きなお屋敷ね」
西から東に大きく延びる敷地を囲むように、立派な塀が森田家を要塞するように建てられていた。
東京近郊にあるこの町で、森田一族と言えば富豪・・・

1

足かせ

14/04/25 コメント:5件 笹峰霧子

「願えるものなら・・」日出男の独り言のような呟きが裏山の草叢にちょこんとふたりで並んで座った慶子の記憶からいつまでも消えることはなかった。その年の夏休みは思いがけない出来事で終始したのだ。

 慶子21歳。高校を卒業と同時に入学した大学へ通学することもなく退学を余儀なくされた。母の希世子は慶子が毎日家でぶらぶらしていることに焦りを感じていた。
「新しい専門学校ができたそうよ。受験・・・

0

狐の嫁入り

14/04/24 コメント:0件 ナツ

「まぁ美しいわぁ…」


目の周りをW目はここです!Wってくらい厚塗りしたおばさんが今にも泣きそうな彼女にそう言った。水面に映る自分を見た彼女は運命を恨んだ。
白に近い金の毛並みをした彼女は今日、嫁に行く。
大好きな彼と離れ離れにされた上、父よりも年寄りのオヤジとの結婚。
…死んだ方がマシなのだろうか…
そんな考えが彼女の頭をよぎる。

0

十四日間の恋

14/04/23 コメント:0件 高月圭

「こんばんは。」
久しぶりに聞くあなたの声に、私の心は躍っていた。
電話が苦手だったはずの私を、すっかり虜にしたあなたの声。
たまにでる関西なまりの癖のある話し方は、私にはとても新鮮だった。

出会ったのは二週間前。
三十歳を越え、結婚相手を探すべく向かったお見合いパーティー。
この手のイベントには何度か出向き、カップルになったこともあったが、長くは続かず・・・

2

墓に入れるな

14/04/23 コメント:1件 五助

「姉さん、孝史君をお墓に入れてやりなよ。そりゃ、あんな事件を起こして、いろいろあるだろうし、親戚筋にもごちゃごちゃ言ってくる人間もいるかも知れないけど、お義兄さんから見れば大切な一人息子なんだから、一緒にお墓に入れてあげるべきだよ。きっとお義兄さんもそれを望んでいるはずだよ。孝史君は、もう亡くなったんだから、済んだ話し、なんて言っちゃいけないのかも知れないけど、相手のご両親だってさ、何も墓にまで入・・・

1

たんすの声

14/04/22 コメント:0件 

 うちには古いたんすがあるの。古くてもすべすべで真っ白い桐のたんすよ。まっすぐに引き出しを引くときゅっと音がして、ふわりと甘く木の香りと防虫剤の香りがする。金属の取っ手は少し黒ずんでいる。
 素早く引き出しを入れるとその上の引き出しが空気に押し出されて少し開くの。職人さんが精巧に作ったからだよ、と祖母が誇らしげに話していたのを覚えている。
たんすは曾祖母が嫁入りに持ってきたもので、戦争・・・

0

マインドブレンドマシン

14/04/21 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 ウェディングベルが鳴り響く中、人々の祝福に送られながら教会から出てきたビノとカオンの顔は、至上の幸福に輝いていた。
「あまりに幸せすぎて、なんだか恐い」
 カオンはブーケの上に顔をふせた。
「大丈夫だ。きみの身は、この僕がまもってあげる」
 これから二人で歩む人生にどんな試練がまちうけていようと、彼女といっしょならなにを恐れることがあるだろう。ビノはあらためて決意をかため・・・

3

結婚って。

14/04/21 コメント:2件 こぐまじゅんこ

 私は、加藤なお。五年生だ。
 今日は、大きいばあちゃんの法事で、親類のおじさんやおばさんがいっぱい集まっている。

 みんなの話題は、来年の春、結婚することが決まったといういとこのゆみねえさんのことで、もちきりだ。
「ゆみちゃんも、結婚することになって、よかったねぇ。」
「結婚しても、学校の先生は続けるんでしょう。最近は、共働きがほとんどだよね。」
「でも、働・・・

ログイン