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第五十五回 時空モノガタリ文学賞【 予感 】

今回のテーマは【予感】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2014/06/02

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2014/04/07〜2014/05/05
投稿数 44 件
賞金 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

9

その予感は

14/05/03 コメント:10件 光石七

 仕事帰り、なんとなく一杯やりたくなって少し手前の駅で降りた。目についた居酒屋にぶらりと入る。連れで来ている客が多いが、俺のように一人の客もいる。カウンターの隅で飲んでいる男も一人のようだ。……ん? あいつ、どこかで見たような……。
「もしかして、尾渕?」
思い切って近寄り、声を掛けた。相手は一瞬きょとんとしたが、すぐに思い出したように目を見開いた。
「……日下?」
やはり・・・

8

予感様

14/05/02 コメント:19件 そらの珊瑚

 深い山々に囲まれた小さな村。現代にあって、ここだけ時間が止まっているかのような村。外地へ行く道はいうなればケモノ道のようなものだけなのでした。車が通る道は災厄を連れてくるだろう、という何代か前の『予感様』のひとことで、その不便さをずっと村人は受け入れているのでございました。出ていくにも、来るにも歩くしかない。一番近くの町までゆうに三日はかかるという遠さです。
 私のふるさと。ここでは『予感・・・

8

空から降ってきたモノは、

14/04/27 コメント:17件 泡沫恋歌

 街路樹と石畳が黄金色に染まっていく黄昏の街、古い曲だがエルトン・ジョンの「Goodbye Yellow Brick Road」いう歌をハミングしながら僕は歩いていた。
 爽やかな風が吹いて、初夏の汗ばんだ肌に気持ちがいい。
 人って意味もなく幸せだって感じる時があるよね? あの日の僕はそんな気分だった、何か良いことが起きる予感がしていたから――。

 一陣の風が舞い、ハラ・・・

6

息づまる予感

14/04/13 コメント:12件 W・アーム・スープレックス

 交番のガラス扉をなんども叩く音に、田中巡査は机から顔をあげた。
 外には、青ざめた顔の若い女性が立っている。首に巻いたベージュのマフラーがふつりあいなまでに幅広くみえた。
 田中巡査は、いぶかしげに椅子からたちあがると、女性が入ってくるのをまった。
 が、なぜか彼女は、まるで入り口の開け方を忘れでもしたかのようにいつまでも、ガラス扉に手をかけたまま、動きだしそうにない。
・・・

最終選考作品

9

14/05/04 コメント:11件 草愛やし美

 母が亡くなって十五年経った――あの日、予感したことを、私は、生涯忘れることはない。

 母は七十八歳になっても働きに出ていた。貧しい家計では必須。毎朝、電車に乗り、二十分かけて小さな開業医さんの家に行き、お手伝いさんをしていた。部屋の掃除、買い物、食事の支度、こま鼠の如く働いて七時前に帰宅。今度は、自分の家事が待っている。文句ひとつ言わないで、同じ生活を二十年以上続けていた。忙しい母・・・

5

夜が更ける、子供たちのパレード

14/05/02 コメント:10件 タック

 なんとなくそんな気がしたから――――少年は家を出る。
 
 頬をなぶる夜の冷たい風。ドアを閉めれば人気のない玄関は無音で消え失せ、少年はどこか他人行儀な家を振り返ることなく歩いていく。住宅街は静寂、街灯の光もなく、灰色の塀や電柱が薄闇にひっそりと佇んでいる。足取りに呼応して少年ひとりの靴音だけが遠く遠く響き、さびしさを、幾分と含んで戻ってくる。見上げれば、空には大きな月。星々を押しの・・・

3

エンターティナー

14/04/19 コメント:3件 おでん

 今の時代、両親が共に働きに出ているという家庭は少しも珍しくない。
 では、落語家の父とマジシャンの母をもつ子どもというのは、ここ日本にどのくらいの数がいるのだろう。
 はっきり言って、うちの落語家とマジシャンは共に二流である。テレビに出たこともなければ、大きな舞台に呼ばれたこともない。おまけに二人をマネジメントしているのが三流プロダクションだから救いようがない。
「今日も絶句し・・・

1

うんこ夫人

14/04/15 コメント:0件 五助

「出ないわ」
 緑のタイルに囲まれ白い便座に尻を置き、由美子は一人ため息をついた。もう、五日になる。出て来ないのはうんこである。
 できる限りのことはやった。それこそ人に言えないようなことも、そもそも人に言うことではない。とにかくいろいろやった。それでも出ない。しかし便意だけはあった。もうすぐ、もうそろそろ、ああ来るぞと、予感だけはあったが先っちょすら出てこない。
 そんな折、由・・・

8

異能 The black Lantern of darkness

14/04/11 コメント:16件 クナリ

新撰組の構成員はその殆どが、幹部による検分を経て入隊している、腕利きの剣客達である。
それは、剣だけが能、という人物の寄せ集めとも言えた。
その中で、監察の山崎烝は少々訳が違う。独自の人脈、金策の腕前、更には医療の心得など、この人斬り集団の中では異能と呼べる類の才に優れていた。
ただ、信用に足る記録に乏しく、未だもって謎の多い人物である。
立場上、斬り込みの際に最前線へ立つ・・・

投稿済みの記事一覧

2

ラクガキ広場にて

14/05/05 コメント:2件 j d sh n g y

今日私は学校に遅刻した。
学校も所詮社会の延長上にある。
結果と過程、そのどちらを重要視するかは明らかだった。
母の体調がすぐれなかったこと。
昨晩弟の悩みを聞いて励ましていたこと。
友達に貸すノートを忘れ家に一度ひきかえしたこと。
過程がどうであれ、結果遅刻した私は叱責の対象だった。頭の中には言葉が充満していたが、口は言葉をせき止めた。
クラス担任の冷徹・・・

1

遠くで鳴る、警告音

14/05/04 コメント:0件 村咲アリミエ



  終わってしまうということを、私は知っている。
  ただ、それを何とか引き延ばそうとしているのだ。

  私は怖い。
  私の知らないあなたに出会うのが、怖い。私の想像できない未来に潜っていくのが、とても怖い。
  私とあなたは友達だって、何度もお互い、確かめ合ったじゃないか。
  二・・・

0

蝉しぐれ

14/05/03 コメント:0件 ゆえ

「あ・・・。雨が降るよ。」 晴天の青空を眺めながらケントが言った。
気温は高く、蝉が五月蠅いぐらい鳴いている。
ジーーージリジリジリ… そう、典型的な「真夏日」だった。

「・・・・晴天ですけど?ってゆーか、良純も雨降んないっていってたし。」 あきれ顔の私。

「いや、マジで振るって。俺、こーゆーのわかるもん。」
「は?マジでいってんの?ケントくーん、起き・・・

0

喪失

14/05/03 コメント:0件 七緒紘子

あの日を境に世界は変わってしまった。そうあの日、私の大切な人が煉獄の炎で焼かれたあの日から…。


私には生まれつき強い霊感が備わっていて、ものごころついた頃にはいろんな霊に囲まれて暮らしていた。霊たちはいつも私と一緒に遊んだり、いろんな話を聞かせたりしてくれた。中には悪い霊もいたけど、私のまわりにいる霊たちはそういう悪い霊から私を守ってくれていた。

私には遼ちゃん・・・

12

滲んだ月

14/05/03 コメント:21件 泡沫恋歌

 ここは長門国赤間関壇ノ浦、宵闇に月が白く浮かんでいる。海は穏やかで波の音しか聴こえてこない。墨色の法衣を着た僧侶が独り海に向い経を読む、まだ若く背筋が凛としている。

 寿永二年七月、源義仲に攻められた平家は安徳天皇と三種の神器を奉じて都を落ちる。源氏の攻勢の前に西へ西へと追いやられて、一ノ谷の戦いで大敗を喫して、海に逃れ讃岐国屋島と長門国彦島に背水の陣を敷いていた。平家の総大将は清・・・

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ハルノウタ

14/05/03 コメント:0件 みや

春よこい、はやくこい。

はるちゃんはこの歌が好きで、春が近づいてくるといつも楽しそうに歌うのだけれど、今年はなぜかしら歌いません。

「どうして今年は歌わないの?」お母さんが聞きましたが、はるちゃんは返事をしません。幼稚園で何か嫌な事でもあったのかな…とお母さんは心配になりました。

「はるちゃん、幼稚園でお友達とケンカしたの?」はるちゃんはまだ返事をしません・・・

11

つばめ

14/05/01 コメント:11件 草愛やし美

 その年、燕はやって来なかった。
  ◇
 ばあちゃんは目が見えない。病気で見えなくなったと言うけれど、本当は見えているのじゃないかと思える時がある。僕がやらかした失敗を言い当てたりするからだ。
「ちぃ、お前昨夜もやらかしたやろう? 洗濯物増やしてもうて、おかあの仕事も大変やろうて。ちゃんと心して謝ったか? 面倒くさげに、わかっとよって言い方はいけんぞ。それにな、お前のそそうすっ・・・

0

未来からの贈り物

14/04/30 コメント:0件 幸田 玲

 金曜日の夜、恋人の美樹と食事をする予定にしていたが、断りの連絡を入れた。
 病院の駐車場に着いたのは、午後九時すぎだった。夜間出入口の扉を開けると通路の左手に守衛の窓口がみえて、そこで手続きを済ませると、エレベーターで七階病棟を目指した。
 面会時間は午後八時までなので、通路に人通りはない。
 七階でエレベーターを降りるとホールも薄暗く、ひっそりとしていた。左側の壁一面は大きな・・・

0

恋の予感

14/04/29 コメント:0件 汐月夜空

「お母さんはどうしてお父さんを選んだの?」
 夕日が差し込んでいた。既に取り込まれたバスタオルが橙色に染まる。
 残された洗濯物を白いエプロンを着た母が腕に抱えた。私は、制服のまま縁側の柱に寄りかかり、足をぶらぶらさせながら、思い立ってそう尋ねた。
「うふふ、なあに、急に」
 母は笑いじわが目立つ顔を、さらに破顔させて私の元に戻ってきた。
「あら、涼子、洗濯物畳んでお・・・

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予感の春

14/04/29 コメント:8件 ナポレオン

春の花咲く美しい山あいに、その家はあった。そこには、一人の若い女性が暮らしていた。

ある日、久々の来客があり彼女がドアを開けると、玄関の向こうには入院しているはずの夫の姿があった。
「どうしたの?急に」
夫に会うのは数か月ぶりになる。かつて、国の機関で研究者として働いていた夫は、今や不治の病に冒され病院の外どころか、真っ白なカーテンで仕切られた病室から出ることすら許されて・・・

1

夢のその先へ

14/04/28 コメント:0件 美空

最初、麻子がその夢をみたとき、妙な違和感をおぼえた。

ある男の人生を辿る夢。夢なのに曖昧さがなく、母親の産道からでて産声をあげた瞬間から始まるような、妙にリアルな展開だった。更にその夢は毎日続いたので薄気味悪くなったけれど、麻子に構うことなく夢はどんどん進んでいく。

男は19世紀あたりの白人男性で、ヨーロッパのどこかの国の農村に産まれた。森で遊び回っていた少年時代から隣・・・

1

(続)うんこ夫人

14/04/28 コメント:1件 五助

「また出なくなったの」
 由美子は電話口に話しかけた。電話相手は母親で、相談事は便秘である。
「まぁ、大変ねぇ。この間は六日ほどだったんでしょ。今度は何日ぐらい出てないの」
「もう、一週間はたってるわ」
 由美子はため息をついた。
「あら重症ねぇ。病院に行くしかないじゃないの」
「いやよ。便秘で病院に行くなんて、恥ずかしいわ」
「じゃあ、どうするの」

6

文鳥

14/04/26 コメント:13件 そらの珊瑚

 夜勤明けの空が晴れていればいるほど、さみしくなるのはなぜだろう。
 望みといえば、疲れたこの身体を安アパートの湿ったベッドに(僕にとっては世界で一番安らげる場所)横たえるだけ。
 コンビニで弁当を買う。今しがた自分がベルトコンベアーに載せたものかもしれない。そうであるかもしれないし、そうでないかもしれないが、添加物にまみれたそれは今の僕の身体の大半を作っているに違いない。
 <・・・

0

Bloody Mary

14/04/26 コメント:0件 滝沢朱音

「多分、あたしを抱いたらもう満足なんでしょう」

「…………」

「男としての刻印を残したことで」

「…………」

「あなたはさらりとおうちに帰ってゆくんでしょう」

「…………」

「ケーキの箱を手に、やさしい笑顔で」

「…………」


――男の左手の薬指には、指輪が光っていた。女にはなかっ・・・

1

カフェテリアブルース

14/04/26 コメント:2件 黒糖ロール

 都市の夜は、擦り切れた雑巾のような気持ちで対峙するには、あまりに輝き、煌めいている。どうしても酔いたくなったら、格安のスマートフォンを右手に、発泡酒の缶を左手に持ち、歩きながら飲む。アルコールに弱いので、すぐ体が熱くなり、ゆらゆらとした気持ちになる。「人生の低空飛行」と心のなかでリピートしながら、斜め四十五度の角度に両腕を伸ばし、このまま冗談のように生きていけると言い聞かせつつ、かすかにおどけて・・・

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夕子、超能力が身につく

14/04/25 コメント:0件 

 人には見えない力が眠っている。見えないといってもそれは単に科学的に証明できないというだけであり、偏見の目を開けば急に見えるものだったりする。

「あっ、A美から電話の電話だ!」
電話が鳴ると同時に思いが浮かぶ。通話ボタンを押すとまさにそうだった。長電話を終えるとふと自分がA美から電話がかかってきたと予感していたことに気がついた。
「どうしてわかったんだろう」
疑り深・・・

2

プランB

14/04/21 コメント:4件 桜井 隆弘

 直美は博司の机の引き出しから、証拠を押さえた――サファイアのネックレス。
「私の誕生石はパールなんだけどね。どなた様にあげるのかしら?」
 直美は精一杯の皮肉を込めながら、光り輝くその石をまじまじと見つめた。すると、ネックレスに何か刻まれていることに気が付いた――『愛』の文字。
「あら、ご丁寧に……」

 直美と博司は結婚して3年目の夫婦になる。子供こそいなかったが・・・

5

竜宮風穴

14/04/21 コメント:11件 鮎風 遊

『親からもらった命、粗末にするな!』
 ここは青木ヶ原樹海、その登山道の分岐点にこんな看板が掛かってました。
「自殺しに来たんじゃないよな」
 浩二に確認すると、「直樹、お前はバカか」と否定され、私はホッとしました。
 それにしても重なり合う樹木のせいで鬱蒼とし、とんでもなく蒸し暑いです。その上に、磁鉄鉱の溶岩だらけで磁石は使い物にならず、方向を見失います。
 こんな・・・

1

イヤな予感

14/04/20 コメント:2件 FRIDAY

 ────イヤな予感がする。
 起き抜けに、目覚め一番にそう思った。
 何でだ。
 どうして朝っぱらからそんなものに苛まれねばならんのだ。
 こんな爽やかな早朝から、俺は既に渋面だった。
「……………」
 ともあれまあ、今日一日は覚悟して過ごそう。


 俺の『イヤな予感』はよく当たる。
 と言ってもまあ人間普通に生活していたって不運や不・・・

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裂けて、避けて、咲けた

14/04/18 コメント:0件 染井 ヨシノ


きっと、あの時から、芽はひっそりと顔をのぞかせていたのだろう。


新学期の席替えをきっかけに、私は彼とよく話すようになった。意外にも、同じクラスなのに会話を交わしたのはこの時からだ。どんな会話から始まったのかはもう覚えていないが、彼の第一印象だけははっきりと残っている。
「綺麗な名前だね。」
彼に名前を教えてもらった時、おもわず口からこぼれたくらいそうだと思・・・

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猫嫌いな男の話

14/04/18 コメント:0件 栗野 奈津

僕は猫が嫌いだ。
仕草、匂い、あの態度、全てが嫌いだ。姿を想像するだけで鳥肌が立つ。
それなのに、隣の松本さんときたら・・・。
これでもかというほど身の回りを猫グッズで埋め尽くし、パソコンの壁紙は勿論猫。
しまいには「うちの猫が子供を産んだ」とかいって僕に猫を飼うよう勧めてくる。
全くいい迷惑だ。もし松本さんが上司じゃなかったらすぐに持ち帰らせただろう。

1

みんな知らない

14/04/18 コメント:1件 糸白澪子

頭痛がする。目眩がする。身体中ふわふわする。怠い。眠い。正直、物理どころじゃない。2時間目の物理の間、ほぼ板書すらとれなかった。あー、これは多分…あれだな。そんな気がする。
今日は4月20日。新しいクラスの雰囲気も掴めたばかりだ。3時間目の教科は…体育か。これ、体育出席したら倒れるパターンじゃん。
あたしは休み時間の間に保健室に行くことにした。階段を降りる足取りは覚束なくて、もう自分で・・・

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にわか雨のち_

14/04/18 コメント:0件 藍田佳季

 仕事を終えて外へ出た瞬間、これから雨が降る予感がした。
 湿り気のある風が吹き、雨が降り出した。見事な当たり。
 私は昨日からバッグに入れたままだった折り畳み傘を開き、一歩踏み出した、けど、うわ、という後ろからの声に立ち止まった。
「降るとは思わなかったな」
 そこにいたのは、隣部署の門山君だった。どうやら私と同じタイミングで仕事を終えたらしい。よくある偶然。横に来た彼は・・・

0

何かをすれば腕が出る

14/04/17 コメント:0件 坂井K

 良く行くバーで、頻繁に顔を合わせる男がいる。本名も職業も年齢も知らない。と言うか、あえて聞かないようにしている。彼の方だってそうだ。日常生活を忘れたくて行っているのだ。本名など名乗る気もない。お互いに適当な呼び名で呼び合っている。彼は「カッパさん」。僕は「ハニワくん」。

 彼がハゲているとか、僕がハニワに似ているとか、そういうわけでもない。本当に適当に名付け合っただけだ。理由も覚え・・・

0

きらきら

14/04/16 コメント:0件 ヨシヒロ.com

僕はどうやら
大事なものを
校舎に忘れてきてしまったらしい

そんな予感がした
あくまでも予感

帰り道
校舎の裏へと出る急な坂道
その途中
グラウンドに続くスペースで
校舎を見上げた

今日は卒業式だった
涙を流した奴は数人だった
僕は泣かなかった
どうして泣くのだろう
そんな冷めた奴だった

4

死の天使 ── 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)

14/04/15 コメント:8件 鮎風 遊

「私たちの再会に、乾杯!」
 藍沢蘭子の発声で始まった小さなパーティ、それは高峰秋月の個展会場での二人の再会が切っ掛けだった。
「蘭ちゃんじゃない、ホントお久しぶり。見に来てくれたのね、ありがとう」
 幻想的な日本画を得意とする秋月、最近もてはやされてる。
「得意なイマジナティブなタッチ、ますます磨きがかかってきたようね。おめでとうございます」
 蘭子は、朝靄に消え行・・・

0

予感

14/04/13 コメント:0件 さたけの

ねえ、あなた。久しぶりの旅行、すごく楽しかったわ。今日で最終日って思うと本当に名残惜しいもの。で、突然で悪いんだけど、今日の予定に関連する話、ちょっと聞いて欲しいの。少し前置きが長くなるけど聞いてね。あのね、私、最近不思議な力を持ったみたいなの。ちょっと、笑わないでよ。私まじめに話してるのよ。不思議な力といっても、ほら、宙に浮いたり、何かものを動かしたり、ってあるじゃない。あんなカッコイイものじゃ・・・

2

紅い木の春

14/04/12 コメント:0件 糸白澪子

梅を見に行こう。そんなことを考えたには訳があった。今まで梅を側で見たことがなかったからだ。地方都市の近郊で生まれ育った私には植物とはあまり縁がなかった。学校の菜園か、祖母の育てるプランターの花か。触れ合ってきた植物なんて、そんなものだった。
しかしそんな私が和歌に熱中するようになった。和歌の多くには四季が織り込まれている。風や空の色や雪解けの水滴の音で季節を感じた歌などもあるが・・・

1

春の

14/04/12 コメント:2件 小李ちさと

一目見て驚いた。驚きすぎて怖くなった。
こんな人が、まさか、いるのか。
わたしより頭一つ分くらい大きいその人は、『お兄ちゃん』と呼びたくなるような穏やかさでこちらを見ていた。やわらかい雰囲気と、やさしそうな表情。
見つめられて、圧倒的な予感に支配される。
「はじめまして」
彼がそう言って笑うから、わたしも挨拶を返す。上手く喋れただろうか。頭の中が、別のことでいっぱいだ・・・

1

他人(ひと)殺しと罵られ

14/04/12 コメント:1件 浅月庵

「おいキヨ、変なおっさんがお前のこと探してるっぽいぞ」掃除を終えて、いち早く教室から出て行ったはずの哲平がわざわざ息を切らして戻って来た。
「なにそれ。つーか、俺の名前言ってた?」俺は手提げ鞄を握り、哲平の横を通り過ぎようとする。
「金髪のツンツン頭で、自転車通学してて赤いヘッドフォンで音楽聞いてて、クロスのネックレス付けた奴って言ってたから、キヨしかいねぇーかなって」随分、細かいとこ・・・

4

恐ろしい予感

14/04/10 コメント:11件 yoshiki

 ミツオという少年は預言者でも、超能力者でもないけれど、時々不思議な予感が胸をよぎることがあった。ふと友人や恋人の事を考えていたら、電話があったとか、家に来たとかそう言う事がないだろうか。胸騒ぎというものを誰もが経験したことがあると思うが、ミツオの予感もそれに近いもので、ただもう少し具体的だった。
 もちろん予感にも良いものと悪いものとがある。例えば年の違う兄が中古車を磨き上げている時にミツ・・・

1

“イケニエ”ゲーム

14/04/09 コメント:2件 浅月庵

 皆の机の上に紙が置かれる。
「おい、美幸。お前、一人だけずっとルール違反してねぇか?」黒板の前に立つ桂木の口から私の名前が挙がる。
「ルール違反?」「お前は“イケニエ”のことイジメないで庇ってばっかだし。投票の時、いつも白紙が一枚だけ入ってるけど、あれ、お前だろ?」

 私たちのクラスでは毎週金曜日、投票で“イケニエ”を決める。これはクラスの不良である桂木が考案したもので・・・

1

予感獣

14/04/07 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

 しんとした座禅道場には、コヌカをはじめとする採掘技術者たち十名が、石地蔵のようにじっと座り続けていた。
 みな、ピクリとも動かない。
 それもそのはず、背後からにらみをきかす禅僧のもつ警策でたたかれる痛みは、なまやさしいものではない。最初はいまの倍の数の参禅者がいた。が心がみだれ、精神集中に失敗したものたちは次々と離脱していった。
 それができないものは到底、サトリ星で生き延び・・・

2

ハッピーエンドの予感

14/04/07 コメント:4件 こぐまじゅんこ

 私が子供のころ、テレビで放送されていたアニメ、「フランダースの犬」。

 私は、あのアニメが大好きで、毎週楽しみにしていた。
 家族と夕食を食べた後、兄と二人で、真剣に食い入るようにアニメに見入った。
 何がそんなに好きだったのか、今では、はっきり思い出せない。ただ、誠実でやさしいネロと、利口な犬のパトラッシュが、かわいそうでかわいそうでしかたががなった。
 毎回お・・・

4

激しい雨のあと

14/04/07 コメント:5件 かめかめ

「どんなに辛い目にあっても憎んではいけない」

そう言った彼女は何かを予感していたのだろうか。
その言葉は聖者の預言のようで。



窓の外が青白く光り、激烈な爆発音がしたかと思うと、窓のガラスが部屋の中に飛びかかってきた。窓辺で作業していた仲間たちが爆風で吹き飛ばされ、ガラス片で体を切り裂かれて倒れた。
庄司が窓から外をのぞくと、市内中心の空にキノ・・・

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