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第四十三回 時空モノガタリ文学賞【 スイーツ 】

今回のテーマは【スイーツ】です。
恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。
時空モノガタリ賞発表日:2013/12/16
※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。
ステータス | 終了 |
---|---|
コンテストカテゴリ | ヒト・モノ・イキモノ |
投稿期日 | 2013/10/21〜2013/11/18 |
投稿数 | 59 件 |
賞金 | 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり |
投稿上限文字数 | 2000 |
最大投稿数 | |
総評 |
入賞した作品
10
十一月に噛み裂いた花
13/10/31 コメント:18件 クナリ
未明の、自分のアパートの不燃ごみ捨て場の中。
私は、壊れた机らしい木組みに挟まれてうずくまっていた。
短大に通い始めてふた月が経っていたが、友達はできず家族とも没交渉の日々。
こうしてごみの中にいると心が安らぐのは、自分をごみのようだと認識しているからなのだろう。
ふと、目の前で足を止めた人がいた。高校生くらいの、痩せた男子。
これは趣味なので放っておいて、と言う前に・・・
最終選考作品
3
いつもの客
13/10/23 コメント:7件 W・アーム・スープレックス
蜜子が厨房に入っているとき、彼女に代わってウェイターをしている安野がオーダーを通してきた。
「フルーツパフェがワン」
「はい」
蜜子はさっそくパフェグラスを用意して、バニラアイスやフルーツ類、ホイップなどを手際よくそこに盛りはじめた。いつもはウェイトレスを務めている彼女だったが、ときにこうして厨房係の安野と交代して注文をこなすことがあった。コーヒーをドリップでいれたり、軽食を・・・
投稿済みの記事一覧
8
こんぺいとうのとげ
13/11/18 コメント:19件 平塚ライジングバード
―それは、甘い甘い金平糖のトゲに怯えるような毎日だった。
素朴で優しい、美しい色をしたその甘味を何故いびつな形状だけを理由に敬遠したのか。
形あるものは全て有限であり、独特の突起も口の中で転がしているうちにやがて丸くなるし、更に長い時間を経過すれば消えてしまう。
そんな当たり前のことさえ僕は分からず、無意味に彼女を遠ざけ、あまつさえ噛み砕こうとしてしまった。
5
しあわせのパステルイエロー
13/11/18 コメント:7件 日向夏のまち
甘ったるい恋愛は、幻想だ。
そんな塩辛い事を考えながら、全てをあやふやにする様にホイッパーでかき回す。ミルクと卵のマーブル模様は、あの子の気持ちを表している様な気もした。
あの子――リビングのソファにもたれる、我が娘の事だ。少しひねくれた毒舌キャラ以外は、普通の中学三年生。ただ、
絶賛、初恋にして失恋中だったが。
「もう恋なんてしない」等と呟く始末なのである・・・
2
あの日言えなかった言葉
13/11/18 コメント:3件 ゆえ
「晴れて良かったぁ・・・。」
改札を抜けて、鎌倉の駅の前で由紀は冷えた手を温める為に吐いた息と一緒に呟いた。
前日の天気予報での天気は曇り時々雨。
だが、降り立った鎌倉は青空だった。
前に、翔太と一緒に来た時のようだった。
甘い物が好きだった翔太。
いつも、出かけると「あれも食べる」「これも食べる」とご丁寧に由紀の分までキチンと二・・・
1
アップル・パラダイス
13/11/16 コメント:2件 ヨルツキ
まどかが大学のサークル棟でブログの更新をしていたときだ。物音がした。振り向くと窓辺に何かが置いてあった。白い箱だ。そのひと抱えはある箱を覗いて、まどかは首を傾げた。
「ケーキ? リンゴのタルトかしら?」
「え、ケーキ?」とほかの菓子同好会のメンバーがまどかに群がった。「わあ、美味しそう」。「食べよう食べよう」。
「あの……誰が持って来たのかわからないケーキだし。危なくはないかし・・・
3
ケーキの甘さと姉の優しさ
13/11/06 コメント:3件 睦月広高
「ケーキを作ってみたんだ。輝、食べてみる?」
「食べる!」
姉の作ったケーキが大好きだ。
いつも殴ったり、意地悪をしたりする姉が、ケーキを作った時だけ優しくなる。
ケーキの甘さも一時の姉の優しさも俺の心を和ませてくれた。
小学一年のある日、僕は姉の真似をしてケーキ作りに挑戦した。
「えーっと、牛乳を入れて……。次は卵かな? えっと小麦粉も入れるんだよね。・・・
7
Bye bye オレンジチョコレート
13/11/04 コメント:11件 朔良
午前一時。
僕は、時間をかけて丁寧に珈琲を淹れ、大嫌いなチョコレートを一口齧った。
口腔で溶けるなめらかなチョコレートとオレンジピールの苦み。
甘いもの好きな君がくれたチョコレートはさすがの味で……。でも、やっぱり僕は、チョコレートが嫌いだと思う。
大きく伸びをして、狭いアパートの窓を開ける。
少し冷たい夜風と秋の終わる匂い。遠い夜空の星。
・・・
5
Black and White
13/11/03 コメント:7件 しーぷ
「俺と付き合ってください」
「無理」
優が放った一言を、私は間髪いれずねじ伏せた。嫌いじゃない、大好き。優は幼なじみ。友達から恋人へと変わってしまうと、なんか、恥ずかしい。
「じゃあ」
「ん?」
「お前が美味いって叫ぶくらい、そんくらい美味い菓子を作ったら、そしたら付き合ってくれ」
こいつは突然何を言ってるんだ。お菓子なんか作ったことないくせに。
「あん・・・
5
卑弥呼が愛したスイーツ
13/11/03 コメント:9件 鮎風 遊
魏志倭人伝に〈南至邪馬壹國女王之所都水行十日陸行一月〉とある。
つまり不弥(ふみ)国、現在の福岡市箱崎を起点に南へ、いやこれは間違い。東へ海路十日、もしくは陸路一月で、女王が統治する倭国の首都・邪馬台国に着くという。
そして、〈卑彌呼事鬼道能惑衆年已長大無夫婿有男弟佐治國自爲王以來少有見者以婢千人自侍唯有男子一人給飲食傳辭出入〉、すなわち女王・卑弥呼は鬼道の宗主。夫を持たず、高齢・・・
2
甘い話を聞かせておくれ
13/10/30 コメント:1件 ライオンさん
「んっんー、甘い、甘いね。君の妄想」
彼は紅茶を飲む。お菓子を作っていたようで、その服装はブレザーの上にエプロンだ。
「君も大方、誰かに俺のウワサを聞いて来たんだろう」
調理部部長にして高校生ながらパティシエの資格を持っているイケメンの彼には、もう一つの顔がある。
それは、僕のような恋に迷う学生の相談に乗り、それを成就させてくれるという……。
「そう、『七高のラブパテ・・・
4
スイーツ・カフェ [ Whats new ? ]
13/10/29 コメント:8件 鮎風 遊
単身赴任中の貴史、休日にブランチしようと張り切ってアパートを出た。行き先は以前から気になっているスイーツ・カフェ[Whats new ?]
何か新しいこと、ある? って、新作スイーツでもあるのかな?
貴史は看板を目にした時、興味を持ち、そして今日ワクワクしながら自動ドアーの前に立った。
「えっ、洋介に舞子、なんで、ここにいるんだよ!」
カウンターの中にいる二・・・
2
我がため息は地殻を突き抜けるか
13/10/29 コメント:4件 rug-to.
「……はぁ」
自分でもこれ以上はないと思うほど、重い重いため息で始まる一日。
いや、毎日。
私のため息はとてつもない重量を含んでいる。
地殻を突き抜けて、マグマを通り抜けて、果てしなく行ってしまう。
そしてブラジルの皆さんの元気まで奪ってしまう。
―――そんな妄想をする。
ごく一般的に、ごく客観的に自・・・
2
いつかチーズケーキのなくなる日
13/10/29 コメント:4件 四島トイ
切ないなあ、と駒野先輩が呟いた。一方、わたしはチーズケーキと紅茶の相性の良さに夢中だった。学校帰りに寄った駅ビルのカフェでのことだ。顔を上げて、向かいの席に座る先輩の綺麗な黒髪を見やる。
「どうしたんです先輩」
先輩はふうっとため息をついた。その仕草が艶っぽくもあり、反射のように見とれてしまう。
「ケーキはいつか消えるのよ。誰かのお腹の中に」
テーブルから椅子まで珈琲・・・
1
イングリッシュ トフィー
13/10/27 コメント:2件 Halka
くしゃっとしたグリーンのセロファン、縁は金色。それを伸ばして向こうの空を透かした。きれいだなと思って見ている。
中身は今口の中。イングリッシュトフィー。とろける味を舌先で転がしながら、楽しんでいる。
その時だった。「アメ食べてるの?」と声がしたのは。
振り返ると、そこにはなんとも人懐こい笑顔をした、でも知らない男の子がいた。
「僕、君と友達になりたい。」<・・・
2
あるひとりのプディング
13/10/26 コメント:2件 タック
「――どうぞ」
「――これは?」
「みなさんにお出ししているものです。どうぞ」
――若く、身なりの整った男が差し出したのは、カップに収められたプディングだった。女は困惑する。説明のないままにテーブルに着席させられ、いきなりスイーツを出されたのでは、ありがとう、と受け取るほうがどうかしている。そう思い、女は目の前のスプーンを手に取ることなく、男とプディング・・・
2
食べることが大好きだった私へ
13/10/24 コメント:4件 蓮之愛
小さな頃、私は食べることが大好きだった。三食しっかり食べ、暇な時、お菓子を食べていた。食事はお母さんがよそってくれた量だけを食べていて、お菓子も、グミや飴を常に舐めていた程度だったから、太ってはいなかった。
お母さんの料理は美味しかった。お母さんと一緒にお菓子を作ったりもした。お母さんは、甘いものがあまり好きでないのに、私たち娘のために。お弁当を持って、緑が綺麗で広い公園にピクニック・・・
2
おお、麗しのサバラン
13/10/24 コメント:4件 かめかめ
「すみません、サバランはありませんか?」
洋菓子店の扉を開けると佐和子は真っ先にそう尋ねる。返ってくる答えは十中八九
「やってないですねえ」。
サバラン。
フランスの美食家の名前を冠するこのケーキの歴史は古い。
伝統的なフランス菓子であるがゆえ、日本にも早くに紹介された。
やや古臭い印象なせいか今ではなかなかお目にかかれない。
佐和子がこの・・・
3
夕張メロン 涙の思いで
13/10/21 コメント:7件 プリオ
私が7歳の頃の思い出です。
当時の私は、メロンが世界で1番おいしい食べ物だと思っていました。
緑色の宝石の様なアンデスメロンをはじめて食べたとき、
「この世にこんなにおいしい食べ物があったなんて!!」と感激したのをよく覚えています。
メロンを食べさせてもらう時は、一口一口噛み締め、皮に残ったわずかな果肉にまでしゃぶり付いていたほどです。
ある日、母と一緒にお友・・・
8
祖母と伯父とバームクーヘンと
13/10/22 コメント:16件 光石七
二年ぶりに実家に帰省した。父も母もバス停で待っていてくれた。久しぶりの孫たちとの再会に顔がほころんでいる。
「柊平君はやっぱり来れないのか?」
父が少しがっかりした声で聞いてきた。
「うん、仕事が大変みたいで。お父さんと一局指したかったのに、ってぼやいてた」
「そうか、残念だ」
将棋という共通の趣味を持つ父と夫は、会えば必ず対局する。父はパソコン等が苦手なため、オン・・・
3
スィーツ星人
13/10/21 コメント:6件 W・アーム・スープレックス
他の惑星からの訪問者を迎えるとき、なにが困るかというとそれはやはり、食べるものだった。まあ我々でさえ、カエルや昆虫を好んで食べる国へでかけるときは、それなりの覚悟を必要とする。しかし親善目的で飛来する大使に、そんな覚悟を期待するわけにはいかない。今回のスィーツ星人たちにはその気遣いは無用だった。というのもかれらは、自分たちの食糧をわざわざ宇宙船に積んでやってきたのだから。
歓迎パーティの・・・
4
思い出のスイートポテト
13/10/21 コメント:8件 こぐまじゅんこ
これは、本当にあった話である。
娘が、保育園に通っていたころ、いもほりをしてきた。
保育園の近所の畑で、さつまいもをほる行事だ。ほったさつまいもは、子どもたちみんなに分けられ、娘も、二本、しっかりにぎって持って帰ってきた。
「お母さん、おいもほってきたんよ。とっても楽しかった! なにか、おいもで作って!」
にこにこ顔の娘から手渡されたさつまい・・・
4
たまごのふわふわ ゆでぷりん
13/10/21 コメント:7件 かめかめ
たまごのふわふわ ゆでぷりん
材料(2人分)
卵 2個
牛乳 1カップ
砂糖 大さじ1
蜂蜜 適宜
作り方
1. 卵をよく撹拌し砂糖を混ぜ溶かす
(泡立てない)
2. 牛乳を小鍋で煮立たせる
3. 牛乳の表面にできた膜を取り除く
4. 鍋肌に添わすように卵液を流しいれ、す・・・
ピックアップ作品
「ゆかり、シュークリーム作ってよ」
…それを今、この場面で言う?
「ぜぇーったい、いや」
あたしは小鼻にしわを寄せて、相馬ののほほんとした顔をにらんだ。
「やっぱり?」
「なんで、今シュークリームなんて言うかな? バカなの? 死ぬの?」
三日前に決別した元彼の新しい彼女が「サークルのみなさんに差し入れでぇっす」って持・・・