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第四十一回 時空モノガタリ文学賞【 恋愛 】

今回のテーマは【恋愛】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2013/11/13

このコンテストは【コンテストオーナー権】をかけたものになります。
詳細はPDFファイルをご覧ください。

PDFファイル

※注意!R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ ヒト・モノ・イキモノ
投稿期日 2013/09/23〜2013/10/21
投稿数 79 件
賞金 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

2

座る男と隣の女

13/10/21 コメント:4件 タック

 女は苛立っていた。男がまるで話す素振りを見せないのである。

 光源がテレビのみの、真っ暗な部屋の中、男は女に構う事なく、胸糞の悪いニュースを眺め続けている。女が二の腕に触れるも、男の反応は無く、空しい冷たさが、返答として翻るだけである。
 
 もう、飽きたのかしら。女は考える。

 男との同棲を決意してから、まだ幾ばくも経ってはいない。半ば狂乱のうちに実行し・・・

8

セミ、うるさい。

13/10/17 コメント:10件 みけん

 事が果てると、ゆっくりと体を彼女から離した。
 専門学校へ通うため無理して上京してきた身分だったから、相応に狭いワンルームの安アパートは、残暑の暑さと、二人の熱気で蒸れていた。汗が引かない。傍らのティッシュを何枚か引き抜いて包みこみ、ついでにそれで額の汗を拭った。彼女は「汚い」と笑いながら言う。汚くなんかない、と反論しようとするけど、やめた。
 彼女は裸のまま立ち上がって窓を開け放っ・・・

10

きになるひと

13/10/15 コメント:17件 猫兵器

 自慢だった長い髪には青々とした若葉が混じり、ほっそりとした素足からは土を求める透明で細やかな根が伸びていた。
「ごめんね、けい君。わたし、樹になるんだ」
 そう言って寂しそうに笑ったミヤコの頬には、優しげな葉脈が目立っていた。

 ミヤコのお母さんも、お祖母さんもそうだったらしい。
「家系なの。言えなくてごめんね。いつかはこうなるって、分かっていたんだ。でも、ずっと・・・

8

マイ エドワード

13/10/12 コメント:16件 そらの珊瑚

「おはよう、エドワード」僕は心の中でささやいた。ベッドで寝息を立てているエドワードを起こさないように。エドワードは本名ではない。外国人でもない。かつ僕専用の秘密の呼び名。そう呼ばれている本人でさえこの呼び名の存在を知らない。大学の友達や君の恋人も君を「エド」と呼ぶ。苗字が江戸だから。頭の中で自然とカタカナ表記になってしまうのは君のルックスによるところが大きいだろう。おじいさんがスウェーデン人らし・・・

最終選考作品

7

くちづけ

13/10/19 コメント:14件 そらの珊瑚

 ようやく雪が溶けた。草が芽吹いている。春がやってきたのだ。もう一週間もすれば薄雪草の白い花も咲くだろう。
 極寒の下にあっても死なない命がある。季節を越えて巡る命がある。セシルはそれを見るたびに感動するのだった。
 
 チリン、チリリン。羊の首に付けられた鈴の音。それが何百という群れともなればお祭りみたいにぎやかだった。

 ――ジャンだわ。セシルは、やもたてもたま・・・

9

ラッキーは変態から

13/10/15 コメント:18件 草愛やし美

 昔から、私は限りなく鈍い。そのため、よく人にからかわれた。むきになって怒る私に、友はケラケラと笑いながら言う。「ほんと、気づかないんだもん。やっきになって、ほんとあなたをからかうと面白いわ」 私は何も言い返せないで、鳩が豆鉄砲を食らったような顔で立っているだけ。実の親にだって騙された。まあ他愛のない嘘なのだが……。
「あれ? 柱時計変えたの」
「えっ、今頃気づいたの、一週間前に変えて・・・

8

恋愛未満

13/10/09 コメント:20件 草愛やし美

 世の中、どう変わるかわからない。いつか何かが生まれると信じられる者は幸せだ。赤い糸を信じない女だったが、心の片隅に恋を信じる欠片があった。その欠片が、石ころだったとしても、恋と思えば成立する。恋愛未満は、後悔はしないのが鉄則だ。
 ★
「戦士やってる限夢(げんむ)です、只今入院中。年は二十五歳、誰か戦い仲間になってくれませんか?」
 SNSバトルゲーム『薔薇の夢』に嵌って一か月・・・

14

初恋

13/10/07 コメント:17件 murakami

 高校受験が終わった。合格した。
 入学祝いに何がほしいか、お母さんに聞かれたから、「パイソン」と答えると、お母さんは頭の中にパイソン柄の財布を思い浮かべたらしい。
「蛇だよ。蛇っていってもこれぐらい」
 僕は両手を広げて、三十センチぐらいの長さにして見せた。
 お母さんは、最初は困っていたけれど、今まで何かをねだったことが一度もなかった僕が何度も頼みこむと「春斗がそんなに・・・

5

恋の色、君の色

13/10/04 コメント:7件 alone

道行く人々、取り囲む建造物、雲を抱える空。
生まれてこのかた僕の目には、すべてのものがモノクロに映った。
けれど――君は違った。君だけは、色を持っていた。


大通りを進むなか、僕は異常な色をした女性を見た。
白でも黒でもない。僕がまったく知らない色。とても美しい、輝き放つ色。
僕は無意識に駆け出した。そうせずにはいられなかった。
人混みを掻き分け、・・・

投稿済みの記事一覧

8

七月七日、雨

13/10/21 コメント:19件 平塚ライジングバード

七夕の日の晴天率の低さが何を物語っているか。
7月7日に晴れを期待するなんて、人間のエゴにすぎない。
晴れであれ、雨であれ、二人は毎年出会っているのだから。
それに、久しぶりの逢瀬が衆目の監視に曝されているなんて、物凄く野暮なことだと思わない?



空港の曇天がまるで嘘のように、窓の外には晴天が広がり、機内は陽光に満ちている。
僕は、眩しさに目を・・・

4

嘘つきアルベール

13/10/21 コメント:16件 そらの珊瑚


 セーヌ川左岸14区、モンパルナスの安アパルトマンでふたりは暮らし始めた。

 私は花屋でアルバイトをしながら歌手を夢見ていた。アルベールは画家の卵。生活のためにテアトル広場で観光客相手に似顔絵を売っていたが、無口で人見知りの彼の一日の売り上げは雀の涙ほどだった。

「ごめんよ」
 彼はよくそういったが、私は貧乏なんてちっとも苦じゃなかった。バゲット一本あれば・・・

2

恋して、愛されて

13/10/21 コメント:5件 汐月夜空

 秋の風が吹く。素肌にやや冷たいその風は、編みたての朱色のセーターに阻まれて暖かだ。でこぼこと穴が開いていて不格好なものだけど、きちんと仕事は果たしてくれている。
 僕は鱗雲に覆われ、ひび割れたような空の下、強すぎない太陽の光を受けながらベンチの上で座っていた。公園を彩る紅葉の進んだ銀杏が、辺りを黄色い海原に染めている。それをこうしてのんびりと眺めるのは一週間に一度の休養としては中々の贅沢だ・・・

3

あったかいミルクティー

13/10/21 コメント:11件 ゆえ

「由香、チョイ真面目な話。」
いつもの帰り道、寒空の下、今日の部活の木下先生の指導と称したイビリの愚痴を聞いていた悟が遮った。

「何?悟もなんかやられた?」
と勢いよく聞き返すと悟は首を横に振り、何かを整えるように息を吐いた。
悟の口から吐き出された息は、寒い空気に触れて白い筋になって、寒い空に消えていった。いつも、二人で冗談ばかり言い合うから、その沈黙が重く感じた・・・

5

駆ける火

13/10/21 コメント:3件 kou

 カナル型イヤホンを装着する。耳にフィットしないと落ち着かないし、重低音を体内に取り込み、その音域と共に大地を踏みしめ駆け抜けることを、理沙は習慣にしている。
 マラソン。
 区内のマラソン大会に会社の行事をきっかけに走破した経験が彼女の現在を物語っている。仕事は定時に終わり、それから体力作りと、レベルの高い大会に出場し、入賞までしたいと密かに目論む。ストレッチを入念に行い、シューズの・・・

4

角砂糖

13/10/21 コメント:2件 kou

 パスタをフォークに巻きつけ口に含もうとしたが、ナミは止めた。目の前には幼なじみであるカケルがいる。自ら開発した技術を武器に二十二歳で起業。お互い今年三十二歳になるが、彼はやつれていた。対照的に洒落たイタリーなレストランの天井には煌びやかなシャンデリアが飾られていた。
「倒産するの?」フォークを止めた原因はまさにこれだ。どうやらカケルは本業とは別で投資事業にのめり込み、昨今の金融情勢の危うさ・・・

3

洗い物は後ほどに

13/10/21 コメント:2件 kou

 カナエは料理に精を出していた。彼女は料理の前段階である調理器具にこだわる。その準備こそ物事を円滑に進めるコツであると彼女は考える。準備なくして勝利はないのだから。
 まな板と包丁がリズミカルな音を立てながら、食材の香りを運んでくる。調理器具から音を放出しているからといって、ここでコンポから音楽を流してはいけない。耳を澄ませば音はあちこちに溢れ、自然発生的な音を組み合わせることに純粋無垢な・・・

3

幻の男

13/10/21 コメント:2件 kou

「仕事が忙しいから」
 付き合って一年未満、正確には七ヶ月と十二日の男の言い訳を、最近購入したばかりのiPhone越しに綾子は聞いた。無情にもiPhoneからは悲しげであり、困惑的であり、深奥な、ツー、ツー音が耳奥にこだまする。
 彼氏は二歳年上の二十八歳。
 が、お互い社会人ということもあり最近はどちらも忙しい。恋愛に割く時間が少なくなったのは、ピュアな心を持つ綾子にとって辛い・・・

9

救急箱を持って

13/10/21 コメント:14件 草愛やし美

 ねえ、いつか結ばれる男女は、小指を見えない赤い糸で結ばれているって知っている? この赤い糸を司るのは、月下老人『月老』と呼ばれているんだけど、その月老様って、結婚や縁結びなどの神様なのよ。
 中秋の名月に満月に出逢える夜は限られているわ。そんな希少な満月の夜、瞳を凝らして満月の少し下を見ると小さな星の瞬きが見える。その星に、月老様の住む月下の世界があるのよ。その満月の日にその星を見てごらん・・・

1

アダムとイヴ

13/10/21 コメント:5件 高橋螢参郎

 昔々、エデンの園にアダムとイヴという一組の男女がいたらしい、っていうのは有名な話でございます。
 じゃあこのアダム、エレファント・マンもびっくりするほどの超絶ブサイクだった事は皆さんご承知で? あ、ご存知ない。で、どんなもんかって? それはもう耳たぶは垂れ下がり鼻はあっちの方向、顎はそっちの方向にそれぞれ向いちゃって、視線は上の空でどこ向いてるかわからないと来た! これじゃまるでサルバトー・・・

1

届かなかった想い

13/10/21 コメント:5件 高橋螢参郎

――まるで夢を見ているようだ。あの日の光景がまた、寸分違わず再現されている。
駐車場になってしまった近所の空き地、学校帰りによく寄っていた駄菓子屋、そして、吹き抜ける春一番にすっかり桜を塗された校庭。過ぎ去っていった何もかもが、もう一度目の前に用意されていた。制服の感触なんて久しく忘れていた僕は窮屈な詰襟を開け、息を大きく吐いた。
もちろん時間を遡れる訳がない。現実の僕は大仰なヘッドギ・・・

7

僕と彼女のアルペジオ

13/10/21 コメント:14件 そらの珊瑚

「トマトは好きだけどトマトジュースは飲めないっていうのと、豆腐は好きだけど豆乳は飲めないていうのは同じこと?」
 と彼女に聞かれたので
「どうかなあ、でも僕は牛肉も牛乳も好きだし鳥肉も卵も、そこに因果関係があろうとなかろうとことごとく好きだよ」
 と答えた。
 
 猫舌の彼女は
「村上春樹の小説に出てくる人の台詞みたい」
 と言って彼女にとってようやく飲み・・・

1

東京ロケット

13/10/21 コメント:0件 アミノウォッシュ

「ショットガンで威嚇して、まずは東京タワーをジャックします」
 突然の声に鈴井茂は読みかけの小説を机に伏せ、声の方に目を向けた。
 見知らぬ若い女が目の前に座っていた。彼女は続けた。
「最後は爆破して東京タワーを使い、火星へ飛んで逃げます」
 状況が飲み込めず、彼女を中心に視線が泳ぐ。彼女の手には白いカップがあった。
 彼女の容姿は幼く見えたが深夜のこの時間にファミレ・・・

3

近くて遠いお月さま

13/10/20 コメント:4件 日向夏のまち

――どうしたの?
――ふうん、きみ、まいごなんだ。
――えへへ、じつはボクも。
――あ、なかないでなかないで!
――だいじょうぶ。きっと、おむかえくるから。

――それまで、ボクがついているから。

「……あ」
 寒々しい、喪失感。赤い目を見開けば夕焼けの景色は跡形も無く、ただそこには、吸い込まれそうな虚空が広がっていた。不意に孤独を感じる。寂・・・

3

止まった私、進む彼

13/10/20 コメント:5件 汐月夜空

 音が響いていた。秒針の刻み、電化製品の唸り、そして私の右手と、彼の左手。
 背中合わせに伝う彼の鼓動と体温に、まるで一体となったかのように錯覚しながらも、私の手は彼の手と同様に色とりどりの色鉛筆を、イーゼルの上のスケッチブックへと走らせ続ける。
 鉛筆が走るたびに、私の目の前には青く清潔な湖上で向かい合う2匹の白鳥の姿が浮かび上がっていく。掘り出し、削り出すように、大切に白鳥の周りに・・・

3

湯ノ島高校恋愛代執行部と放課後の不毛な暗躍

13/10/20 コメント:5件 四島トイ

 自転車がカラカラと鳴った。まるで伸びたチェーンの存在を主張しているようで、漆山与一は物悲しい思いにとらわれた。
「自転車、どうします」
 隣を歩いていた後輩の諏訪水見が、手を伸ばして彼の引いていた自転車のベルを鳴らす。チリンッという音色の涼やかさは、音がそのまま筆文字になって空に昇っていくようだった。
「とりあえず島田の家に置いてくる」
「ところでここ、どこでしょうね」<・・・

9

Bitter Love〜雨、時々、涙〜

13/10/19 コメント:21件 ふぐ屋

『チョコレートパフェとチョコバナナパフェ、どっちが甘いと思う?』
貴方の質問に、私はどうして何も答えて上げなかったんだろう。

いつもと同じ時間、同じ場所、何も変わらない私。
夕方4時半、西に面した窓際の席に腰を下ろした私を少しだけ傾いた陽射しが照らす。
そして、紺色のショルダーバックの中から文庫本を取り出した。
跳ねっ返りな女刑事が難事件を解決していく、ミステ・・・

1

アクエリアム

13/10/19 コメント:3件 世魅

僕はきみのその、真っ白なからだをただ眺めていた。



私は冬が好きなの。と、はにかむきみを見つめる。


今は冬だよ。きみの好きな、冬なんだよ。


僕の吐いた言葉は、白くなって冬の曇天に溶けた。
もうすぐ雪が降るかもね。なんて空を見上げて嬉しそうにする、寒さでうるんだきみの瞳は、僕や空や街の灯りをころころと映し出す。

3

死してなお、死んではいなくて

13/10/19 コメント:4件 日向夏のまち

振るう大鎌の軌跡に彼岸花が散った。
夕闇に浮かぶ紅は、今しがた“殺した”男に降り積もり、僕からの静かな、餞になる。
誰も、一人ではない。
彼も、一人ではない。
人の死は、孤独ではない。
だって傍には僕らが、居るから。

――殺すのは、僕らだから。


人間を殺して世界の均衡を保つのが、“神の使い”の一種である僕らの仕事である。
“肉・・・

2

雪山に残る慈しみの雪塊たち

13/10/18 コメント:3件 タック

 枯れ木を雪が彩り、うろを残して、全てが白く染められている。生命を温存した木々は個性を失い、同等に寒々しく、冬の訪れを目に見える形で顕示していた。
 崖下の村に比べ、山頂は身も凍るような気温である。そのため動物の躍動も無く、雪まじりの寒風のみが、環境に変化を齎す唯一のものであった。
 許容を越えた雪の塊が音を立てて落下し、木々の根元を判別無く覆い隠していく。大小累々たる山が各所に生まれ・・・

5

夜を駆けるタイムマシン

13/10/18 コメント:9件 汐月夜空

 かたたん、こととん。規則正しく音色を奏でて電車が駆ける。
 私はそれを近くの草原から眺めている。風を切り光を漏らす箱が滑るように近づき、遠ざかっていくのを。低くなっていく車輪の音が消えるまで、少し肌寒い秋の夜風に身体の芯が染まるまで、薙いだ草のざわめきが凪いで静かに閉じるまで。
 夜の電車を眺めるのが好きだ。外観が好きなのではなく、眺めるうちに電車の中の光景を想い浮かべることが。想像・・・

4

退廃

13/10/17 コメント:10件 そらの珊瑚

 ベルエポックに沸いた巴里。
 その店はモンマルトルの大通りに面した、この歓楽街でも大きな店構えを持つ。
 
名をムーランルージュという。
 
屋根には赤い風車が回る。赤い風車の意味はムーランルージュ。今夜もきらびやなネオンが灯される。
 
 私はそこの舞台に立つ歌手、兼、踊り子だった。

 
 【人形にも心があるのをご存知かしら?<・・・

7

忘れられない人

13/10/16 コメント:16件 泡沫恋歌

 あんなに好きだったのに、どうして別れてしまったんだろう。
 それは小さな嫉妬と愚かな傲慢さだった。気を抜くと恋愛は逃げてしまうことを身を持って知った、今の僕がいる。
「もう忘れよう」何度決意したことか。
 どう頑張っても忘れられなくて……その笑顔みるたび、その声を聴くたびに心が揺れる……今でも君が大好きだから。
 
「おまえ、最近痩せたんじゃねーの?」
「えっ・・・

4

恋愛方程式【親友>彼女】

13/10/15 コメント:5件 ふぐ屋

この世に人と人の重さを計れる天秤があるのなら
彼の中での方程式は

【親友>彼女】

【親友<彼女】

どちらが成り立つのだろう。

「俺、彼女と別れた。」
「…そーですか。で?」
「で?って、それだけ?!何か他にコメントないのっ?」
「ありませんが何か?」
「ひでぇぇ―。何で?とか、振られたの?とか、慰めてあげようか?・・・

6

いそしぎ

13/10/15 コメント:14件 そらの珊瑚

 あの夏、私は恋をしていた。
 
 それは最初から終わりを予感していた恋。
 今でもさざ波のように繰り返して見るのは、こんな夢。
 
 ◇

 泳ぐのにはまだ早い。私は履いていたエスパドリーユを脱いで右手からぶら下げ、左手であなたの手とつなぎ歩いている。
 
 夏の初めの砂浜はひんやりとして素足に心地よかった。
 
 どれくらい歩い・・・

3

運命の赤い絆

13/10/15 コメント:1件 YF-36

「ねぇ、つかさ。」
「なんだよ?」
「私達って、一緒にいてどれくらいだっけ?」
「どうした藪から棒に?」
「いいじゃん別に。ちゃんとつかさが覚えてるかの確認ですぅ。」
「なんじゃそれ。えっと、小学校三年から一緒のクラスだから…もう10年くらいか。」
「ブブーッ、はずれ。」
「え!?」
「全然違うんですけどぉ。」
「なんで!?俺にだってな、計算く・・・

3

30秒

13/10/14 コメント:2件 洞津タケシ

 青紫色に染まる道場に、ヒグラシの悲しげな声が染み渡っていく。
 もうすぐ、終わる。
 17歳の私の、小さな夏が。

 私は白袴に胴と垂れを着け、面の紐をぱしんぱしんと、引っ張った。
 小手をはめ、竹刀を握り、立ち上がる。
 彼方には、同じく防具を身に付けた1人の剣士が夕闇に朧気に立ち、私の支度を待っている。
 私たちは言葉もなく向かい合い、礼をする。

4

賞味期限切れてますか?

13/10/14 コメント:3件 ふぐ屋

御年39歳。正直、限界です。
女の賞味期限切れまで、カウントダウン開始。
いや、もう切れてるのか?

その1、午後10時を過ぎると目蓋が重くなるようになった。
その2、筋肉痛が2日遅れでくるようになった
その3、半年前の切り傷の痕が消えなくなった。


そして、最も深刻な悩み。

その4、恋愛をする事が面倒くさくなった―――。

1

あの人の想い出〜ある老婦人の回想〜

13/10/13 コメント:0件 高遠響

あんた幾つ? 三十六? そう……若いねぇ。まだまだこれからやねぇ。

私があんたと同じ歳の頃ゆうたら、もう主人が亡くなって。

……子供四人もおるのになぁ。

ほんで、しんどい時代や。食べるモンもないし、着るモンもない。

とにかく毎日、死に物狂いで働いとったわ。

再婚なんて、四人も子供おってなかなかでけへんで。

そやけど・・・

1

彼女の疑問と僕の不安

13/10/13 コメント:3件 文雫菁華

 
僕と彼女は長い間、向かい合って座っていた。それもお互いに正座で。
「あなたに確かめておかなければならないことがあるの」
仕事帰りの彼女はそう言って僕の前に座り込んだ。それっきり俯いて何も言わなくなってしまった。
「何だよ。早く言えよ」
そう言える雰囲気でもなくて僕も彼女の前に正座をして黙っていた。どれくらいの時間が経ったのだろうか。二人の前に置かれたコップもとっ・・・

2

僕は君じゃないし君は僕じゃない

13/10/13 コメント:3件 川村 誠

 夜中の11時頃、僕は君の部屋から漏れている光を確認してからメールを送った。『ちょっと散歩に行かない? 今、下にいるから』すると君は二階の部屋の窓を開けて、僕の姿を確認し、部屋の中に少しだけ外の空気を入れた。まるで僕の存在を少しだけ認めてくれたかのように。或いは僕という不純物を体内に少しだけ受け入れてくれたかのように。僕は混じり気のない君の心が好きだったから、僕という存在が君という存在を損なってい・・・

4

恋愛日和―愛してるの意味−

13/10/13 コメント:5件 ふぐ屋

何気ない言葉や仕草。
コレが普通なのに私はとても不安になる。


「ねぇ…今日さ…。」
「ん?」

横から聞こえたのは寝起きの声。
微かに香るタバコの匂いさえ、今では私の虚無な心を通り過ぎるだけ。

私達が一緒に居る理由って…何だっけ?
…と本当にバカな質問を問いかけるようになってどれくらいの時が過ったのだろう。

「…・・・

6

なのりそ

13/10/10 コメント:14件 そらの珊瑚

 うららかな日でございました。
 
 鏡のような海の面を、早春の柔らかな陽光がきらめき渡る穏やかな日和にお嬢様は嫁がれていかれました。
 でもその胸中はいかばかりか、真白な花嫁衣装から透けて見えるのは全てを断ち切って旅立たれる哀しみに似た決意のようなものだったのではないかと思います。
 
 お嬢様のことは何でも知っているつもりです。門前に捨てられていた赤子だった私を何・・・

1

涙の音

13/10/10 コメント:1件 サンジェルマン

 雨と風が街を打ち鳴らしている。
嵐が近づいているのが分かっていながら、
私はウィスキーを飲むために、わざわざ暗いバーにやってきた。
バーに入ると客は一人の男だった。男はカウンターの中央に座っていた。
私は男と席を一つ空けて座った。狭いバーでは、この距離が私と男の、
互いの世界を守る精一杯の距離である。
私はスコッチを頼むと、男は私に興味も示さず、
手元の・・・

4

愛レベ判定器

13/10/10 コメント:7件 鮎風 遊

 高見沢一郎は昼食を終え、デスクで新聞を読んでいた。その横を後輩の榊原が暗い表情でふらふらと通る。部下でもあり、「どうしたんだよ、浮かぬ顔して」と声を掛ける。
 すると、「彼女に、どれくらい愛してますか、って詰め寄られたのですよ」と半泣き状態。
「当然、死ぬほど愛してるって答えたんだろ」
 こんな高見沢の切り返しに、榊原は「そうですが」と頷いた。だがその後、沈痛な面持ちで、「あな・・・

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外は白い雪の夜

13/10/09 コメント:0件 リアルコバ

 彼女の瞳はまるで少女のように 邪気のない好奇心に溢れていた。 今はその瞳に入り込む光と色が つい先程までいた浦安の夢の国の残像と混ざり合い、時間の流れを遮断しているようにも見える。 高円寺サザンクロス、10人も入れば窮屈であろうその店内は香ばしい焙煎珈琲の匂いがマスターの気分で流されるジャズピアノと溶け合っている事だろう。 蔦に覆われた二階建の建物を早すぎる雪が染め始まっている。 蔦の葉の隙間か・・・

10

略奪恋愛ゲーム

13/10/09 コメント:22件 泡沫恋歌

 私にとって恋愛はゲームと同じだった。
 たとえば素敵な彼氏を連れた女がいるとすれば、その男に近づいて、誘惑して“略奪愛”で自分の彼氏にする。だが、奪ってしまえば熱は冷める。結局、男は捨ててしまうだけだった……それでも略奪恋愛ゲームは止められない。
 なぜかって? 恋の勝者である自分に酔い。人の男を振り向かせることで自分の価値が確認できる。恋人を盗られた女の悔しがる顔が見たい……この腹・・・

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2時22分

13/10/09 コメント:0件 棚丘えりん

 2時22分。

 またお前なのか。時計を見てから心の中で呟く。バーナム効果と言い聞かせても、その頻度の高さには嫌気が差してくる。

 眠れないんだ。今夜も。

 君を好きになってから、何度眠れない夜を過ごしただろうか。想いを伝え、付き合い始めてからもこれは変わらない。僕の頭には、いつも君がいる。
 別に死に別れた訳でもなければ、遠距離恋愛中という訳でもな・・・

2

不可思議な恋

13/10/08 コメント:6件 yoshiki

 ――夜道であった。場所は外堀通り、赤坂見附から四谷方面に上る紀伊国坂である。この辺は日中けっこう人通りがあるが、夜ともなると人けがほとんどなくなり、行き交うのは車ばかりである。
 秋も深まるある日の事、私は書きかけた掌編の筆が進まず、夜更けにぶらりと散歩に出て、いつの間にか、かなり遠くまで歩いてしまった。このあたりは小泉八雲のムジナの出た場所である。そんな事をふと思いつつ、夜風がかなり冷た・・・

3

ねじれ

13/10/08 コメント:1件 三ツ矢ちか

 琢郎おまえはなにもわかってない。
 ほとんど毎日のように「煙草くれ」と言ってくるおかげで二倍とは言わないまでも以前より煙草代が増えていること、銭湯に行く金が無いときにおまえが家にきて風呂を借りて行くたびに母ちゃんに変な目で見られているのを我慢していること、二ヶ月前に付き合い始めたらしい彼女とつい最近別れてそれをおれに報告してきたとき「またかよ」とか言いながら興味ないふりをしていたけれど、本・・・

3

出てしまった最終バスを待つ女

13/10/06 コメント:5件 鮎風 遊

 男はやっと残業を終え、オフィスを飛び出した。イケメンでもないし、高給取りでもない。これといった趣味もない。別に世の中を恨んでるわけではないが、まさに無い無い尽くしのサラリーマンだ。
「もう三十歳、彼女でもいてくれたら、もっと楽しいだろうなあ」
 恋愛のチャンスもなく、今日も今日とて男一人色もなく駅へと着いた。
 ここからアパートまで三十分、バスに乗らなければならない。時計を見れ・・・

0

金魚の手紙

13/10/06 コメント:0件 来良夢

 ほんとに自分で書くの?できる? ちょっと待ってください!できます!からこっち見んな! 大学のそば、行きつけの小さなケーキ屋さんで注文したケーキを待っていると、何やらキッチンから楽しそうな声がします。カフェスペースからもそれが覗けるのですが、見習いさんだがアルバイトさんだかわからないけどよくお店にいる子と、にこにこしたオーナーが白いケーキを目の前に相談中。私の注文したフルーツタルトではなさそうです・・・

1

オハヨウ

13/10/05 コメント:1件 華丸

 男はプログラマ。仕事で携帯電話のアプリケーションを開発している。趣味もプログラミングで、最近、メールの作成と送信を自動的に行うアプリケーションを開発した。毎朝、遠距離恋愛をしている恋人に「おはよう」メールを送ることを義務付けられているのだが、あまりに面倒になったせいだ。
 メールの内容は「おはよう。今日も仕事がんばろう」と味気なかったが、彼女にはばれなかった。男はそのことに味を占め、朝の定・・・

0

あなたにふれたくて

13/10/05 コメント:0件 タック

 どうしてあなたはわたしを嫌うの?

 
 近づいたとき、どうして嫌な顔をするの?
  
 
 こんなに好きなのに。そばにいたいのに。
 
 
 なぜ、一度も笑顔を向けてくれないの?

 
 わたしはあなたをいつも見ている。でも、あなたは汚いものを見るような目でわたしを睨んできて、悲しさに胸が締め付けられそうになる。それでも、・・・

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13/10/02 コメント:3件 yoshiki

 水面に三日月が揺らいでいた。私は舟に乗ってとても緩やかな流れの河に身を任せていた。心地よい風が頬を撫でる。なんという落ち着いた心持ちであったろうか、岸辺に薄紫の勿忘草が咲いていた。その可憐さに心を打たれ、つい手を伸ばしたがそれは遠すぎて触れることが出来なかった。
 そこで初めてここがどこかと言う疑問が心に湧き上がった。憶えていないのだ。なにもかもだ。それなのに私の心はまったく焦りや、恐怖を・・・

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綾音は──(⌒-⌒)ニコニコ

13/10/02 コメント:7件 鮎風 遊

 良樹は田舎町の小さな駅に降り立った。この町を出て十年、そこには懐かしい風景があった。しかしながら商店街へと向かう良樹は驚いた。まさにシャッター通り、かっての賑やかさはない。
 良樹は人通りのないアーケードを進み、ローズ生花店までやってきた。引き戸が半分だけ開かれてる。良樹は中へと入り、薄暗い先の部屋に向かって声を掛ける。
「来たよ、綾音!」


── お兄ちゃん、母・・・

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ショートヘアの初恋

13/10/02 コメント:1件 川村 誠

 君は僕には文才があると言って、僕の書いた拙い物語を読んでくれたし、僕が好きな音楽にも興味を持ってくれた。君は言う。広瀬君と一緒にいると、私まで本や音楽に詳しい気持ちになるの。それに広瀬君はとても思慮深い人だし、なんだか一緒にいると落ち着くの。学校からの帰り道、雨上がりの空を眩しそうに眺めながらそう言う君は本当に美しかった。

 僕は本当に方向音痴だったから、放課後、初めてのデートの時・・・

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馬鹿

13/10/01 コメント:1件 ポテトチップス

肌寒い夜気が長袖セーターを身にまとった肌を冷やした。
半年振りに家族が暮らす家へと続く道を歩いていると、これで何もかもが終わった。これからは新しい人生が始まるのだと麻生宅見は思った。
赤く染まった満月が家々の屋根と道路を薄く照らしていた。
『麻生』と書かれた表札の前に立つと、右手の人差指でそれをなぞってみた。明かりが窓からもれる家の中からは、2人の子供達の声が外にまで響いていた。・・・

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「 snow letter 」

13/10/01 コメント:14件 青海野 灰

引っ越しの準備の最中、懐かしい本から、はらりと一枚の栞が落ちた。

月が、綺麗ですね

それは何の柄もないただの厚紙で、その言葉だけがそっと囁くように書かれている。印刷ではないから、ユキの手書きなのだろう。
暫く眺めた後、ふと窓のカーテンを開けたが、あの日のような雪が暗闇の中を静かに降っているだけだった。
白い、白い夜。しんしんと、想いばかりが募るのに、私はまだ・・・

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ネジ巻き少年と森の精

13/10/01 コメント:1件 アミノウォッシュ

 僕の背中にはネジがある。
生まれつき体が弱いらしく、一緒に暮らすロペ爺に毎朝ネジを回してもらわないと立ち上あることすらできない。
 いっぱい本を読んで勉強したけど背中にネジがあるのは僕だけみたいだ。
ロペ爺にも付いていない。この山の向こうには大きな街があってたくさん人が住んでいるらしい。そこに行けば何かわかるかもしれない。
 だけど、この山から出てはいけないとロペ爺に何度・・・

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僕らはまだ始まっていない

13/09/30 コメント:3件 川村 誠

 アスファルトとコンクリートのビル群がギラギラした真夏の太陽の熱を照り返している。どこかのオフィスから出てくる熱。車が走る熱。そして歩く人の熱。僕はとろけてしまうかもしれない。そう思うほどの気怠い暑さの中、就職活動なのか、リクルートスーツを着た若い女性が随分と焦った様子で駅前の案内板を見ている。僕が職場に近い駅前に停めておいたバイクにエンジンをかけた時、その女性は泣きそうな顔で僕に話掛けてきた。こ・・・

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とある猫のお話

13/09/29 コメント:2件 しーぷ

 僕は猫である。

 飼い猫なので名前はもちろんある。茶色い体に黒い毛が混ざった、昼寝が好きなごく普通の猫。

 ご主人様は、怒るとちょっと恐いけど、優しくて、僕をいつも大切にしてくれる。
 そんなご主人様と過ごす毎日は、とても楽しかった



 ある日、ご主人様は袋いっぱいのお酒なるものを買って帰ってきた。玄関に向かい、ご主人を見上げて鳴いた・・・

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貴船神社のお守り

13/09/29 コメント:2件 つるばた

 なんであんな所で寝てたかって――一杯飲み屋で生2杯とハイボール1杯、それから焼酎のロック飲んで……それからどうしたっけ? え? 僕に聞かれてもわからないって? そんなの知らないわよ。
 あぁ気持ちわる……なんか膝擦りむいてるしスーツは泥だらけだしプラダのポーチは無くすし、ほんと最悪。ポーチ探してよね、白いポーチ、え? 無理かもしれないって?それを探すのがあんた達の仕事でしょうが。高い税金払・・・

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名前の無い星

13/09/29 コメント:1件 W・アーム・スープレックス

 なにもない惑星だった。
 ここからでも、地平線の丸みがみえるほどちっぽけで、ひとまわりしたところで、時間はしれたものだろう。
 サタケは、その場に腰をおろして、墜落のショックから回復するのをまった。
 眼前には、さっきまで彼が乗っていた一人乗り探査艇の、半分地中に埋没した機体が突き立っていた。安全無比な艇のはずが、宇宙塵の衝突によって、あっけなくこの惑星への不時着を余儀なくさせ・・・

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食糞

13/09/28 コメント:3件 るうね

 21××年。
 異星間交流も盛んになった地球では、地球人と宇宙人のカップルも珍しくなくなった。とはいえ、やはり宇宙人との恋路には、いろいろと問題も多い。なにしろ、文化どころか、身体の作りそのものが違うことが多々あるのだ。一度などは、地球人の口にあたる位置に生殖器があるという相談を受けたこともある。その時は、オーラルセックスと考えれば良いでしょう、というアドバイスで相談者は納得してくれたが…・・・

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ヒカリネットワーク

13/09/28 コメント:1件 アミノウォッシュ

 光がさす。夕焼け色に染まる。
アスファルトに赤い影を残し、次第に当たりは暗くなった。

    *

 部屋の明かりを付けるのも忘れ、モニタからの光を眺めていた。
口元を手で覆い、指の臭いを嗅ぎ興奮が増していく。
 自身も利用している無料ブログの紹介で彼女を知り、彼女の笑顔に心を奪われた。
彼女の全てが知りたくて、彼女のブログを何度も読み返した。<・・・

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かわいい約束

13/09/28 コメント:4件 川村 誠

 君といつも待ち合わせしていたのは、車が何台も置けるようなとても大きな公園で、その中央には人工的に作られた大きな山があった。その頂上には展望台もあり、階段で登れるようになっていた。遊具は、丸太で作られれたブランコや大きなジャングルジム、そして小さな子供が喜ぶような動物の乗り物まで色々あった。その大きな山の周りには芝生の広場となっており、その外周は遊歩道となっていた。

 僕は君の気配を・・・

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粘土

13/09/28 コメント:2件 AIR田

【独白】
こんな物があったらいいのになと、粘土を捏ねる子供のようで、明確な形を思い浮かべられない。
「なんか、うまくいかないね」
だから、目の前の男性が、簡単にそんなことを言っているのに、私は何も反論が出来ず、言葉にならない相槌を打つ。
粘土の形をした恋は簡単に潰れてしまう。また捏ねればいいかって、やっぱり子供みたい。

【客観】
恋は不思議なものだと、末・・・

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ラズベリーポップコーン

13/09/27 コメント:0件 tokotoko

なんで…こうなっちゃったんだろう…。

真伊は唇が白くなるくらいきつくかみしめた。

出会いは一年前の入学式だった。

父親の転勤と重なって初めての土地で地元組が早くつるんでる輪の中には入れず尻込みした真伊にとって
ニッコリして声をかけてくれた咲姫はまさに救いの女神だった。

さらに咲姫はすでにクラスの中心人物になったから。

真伊・・・

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恋愛アナグラム

13/09/27 コメント:3件 アミノウォッシュ

 停留所の屋根を叩く雨粒は、ますます大きくなっていた。
午後の快晴が嘘のように突然降り出した雨に黒岩望は逃げるようにしてここに駆け込んだ。
少し勇気が要ったが立ち続けているのにも疲れ、備え付けのベンチに腰を下ろすことにした。
 しばらくして目の前にバスが止まる。白いワンピース姿の女性が降車すると彼女も傘の用意が無いようで足早に屋根に入った。不意の来客に黒岩は悪い気がしなかった。<・・・

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あの時いえなかった

13/09/26 コメント:0件 古屋 彰


あの時わたしも好きよと言っていたら何かかわったのかな?

あなたが泣けなしの勇気を振り絞って言ってくれたのに幼かった私は酷く気づつけたね。

あなたは皆の前で好きだよって言ってくれたのにまだ幼かった私は逃げる事しかできなかった。

今頃気づいたってもう遅いのにね。

あなたが遠のいてから気づくなんて皮肉なことね。

今更だけど好き・・・

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かげをうつして

13/09/26 コメント:3件 かめかめ

美術室のドアを開けると、部長が窓から外を見てスケッチしていた。
アタシは邪魔しないように音がしないように、そっとドアを閉め、部長の後ろをすり抜けて自分のスケッチブックを取りに行った。

美術部員は名簿上だけは20人以上いるのだけれど、ほとんどが幽霊部員で、毎日まいにち活動しているのは部長とアタシ、二人だけだった。
それはとっても好都合で。
今日もアタシは部長の背中をス・・・

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運命の使者

13/09/25 コメント:5件 yoshiki

 美沙はソファに座って煙草をふかしていたが、ロビーに男の姿が見えるとすぐにもみ消して灰皿の中に押し込み、素知らぬ顔を決め込んだ。シティホテルのラウンジである。大きな窓に陽光を受けてラウンジが輝いている。男はスーツ姿で最初は様々な人がいるので中々美沙に気づかなかったが、ふと美沙の前に立ち止って彼女に視線を落とした。でも美沙の方は表情も変えず、外の街路樹を眺めているばかりなので、なんとなく躊躇したよう・・・

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コイナリ異聞

13/09/25 コメント:9件 光石七

 田舎の小さな神社だというのに、小石川御崎稲荷神社を訪れる女性は後を絶たない。恋愛成就、縁結びにご利益があると言われているからだ。実際、この神社に参拝して恋人ができた、結婚できたという話は昔から数多くあり、近年では略称と“恋が成る”を掛けて「コイナリ神社」と呼ばれている。奉納されているたくさんの絵馬からは、乙女たちの必死な祈りが伝わってくる。
「……“ジョニーズの星瀬快斗と結婚できますように・・・

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闇にひらく

13/09/25 コメント:3件 かめかめ

たそがれのどことなく物憂げな通りに、彼女は見台を立てる。台の上には黒いクロス、彼女の頭には黒いフード、黒い蝋燭に火をともすと白い肌が際立った。
複雑な紋章が背に入ったタロットカードを見台に置く。
しばらく座っていると街は宵闇に沈んで、蝋燭の灯りだけが生き物のように踊っていた。
彼女がふと顔をあげる。通りの向こうから人影が近づいてきて、見台の前で立ち止まった。
細身で背の高い・・・

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機械仕掛けの恋心

13/09/24 コメント:1件 山田えみる(*´∀`*)

 人形工房の朝は早い。
 お日様が昇るより早くに目覚め、鶏が鳴く頃には家事に取り掛かかる。マスターが目覚める時間を逆算して朝ごはんを作り、仕事に専念できるようにいまのうちに工房の掃除も進めておく。
 それがわたしの日課。
 マスターの最初の作品にして、作業の助手を務める自律人形。
 ここで造られた自律人形は数多く、いまでは街のいたるところで見ることができる。店番に、農作業を・・・

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名前のある椅子 ―アナ・メルフトの記述―

13/09/24 コメント:10件 クナリ

月夜の石畳の上で、一匹の野犬を前に、私は微動だに出来ずにいた。
十四歳の夏。大陸でも有名な水上都市、『歌と水の町』の劇場の歌い子として稽古に明け暮れていた私は、密かに月光浴をするのが唯一の楽しみだった。
けれど、路地裏になど立ち入るんじゃなかった。泣き出しかけたその時、私の後ろから人影が飛び出して、野犬に踊りかかった。
「逃げろ!」
けれどそう言う人影は小柄で、すぐに野犬に・・・

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白と黒

13/09/24 コメント:0件 空扉 かぷり

例えば僕が黒だったとする。
黒である僕は、黒である何かしか愛せない。

例えば僕が白だったとする。
白である僕は、白である何かしか愛せない。


そういう風に決められているこの世界では。
恋愛ひとつだって自分の思う通りに出来やしない。




僕は悪魔だ。
生まれた時からそうだ。
悪魔の父と、悪魔の母の間に生・・・

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実のある話

13/09/23 コメント:5件 W・アーム・スープレックス

 秋晴れの日曜日だった。
 昨夜はジムで筋トレのはずだったから、むりかとおもいながらはん子に電話したところ、午後ならということで、ぼくたちはいつものカフェで会うことにした。
 彼女は、5分おくれてカフェにやってきた。ぼくとテーブルをはさんですわった彼女の顔は、トレーニングの成果か、つやつやと輝いていた。
「なに、にやにやしてるの」
 注文したオレンジジュースを、ストローでか・・・

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恋は百均から

13/09/23 コメント:3件 W・アーム・スープレックス

 こんどばかりは、はん子もお呼びでなかった。
『恋愛』このテーマと彼女を結びつけることは、むずかしい。会社がひけると、総合格闘技のジムにでかけ、汗にまみれてハードな練習に励む彼女に、恋愛なんかしている時間が第一ないだろう。もちろん、彼女のすべてをしっているわけではないので案外、はん子にも愛とか恋とかいった浮いた話があるかもしれないが、ぼくはやはり、今回だけははん子に相談することはやめにした。・・・

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