1. トップページ
  2. 第三十七回 時空モノガタリ文学賞【 神 】 

第三十七回 時空モノガタリ文学賞【 神 】 

今回のテーマは【神】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2013/09/17

※注意!R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ ヒト・モノ・イキモノ
投稿期日 2013/07/29〜2013/08/26
投稿数 48 件
賞金 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

3

ある橋の下で

13/08/19 コメント:3件 佐川恭一

 まったくねえ、神様なんてものがいるはずないんですよ、もしいたなら、私がこんな目に遭ってる理由がわかりません。私はね、昔ちゃあんと働いてたんです、女房と一人娘がいて、慎ましくも幸せな生活を送っていたんですよ。それなのに、私が証券会社に騙されて借金背負わされると、女房は娘と逃げちまいました。私は借金がばれて会社もクビになって、まったくの無一文。毎日借金取りに来られてどうしようもなくなって、強盗に入っ・・・

8

神は……

13/07/31 コメント:9件 光石七

「ありがとうございます。先生は神様です」
患者の家族が涙ながらに感謝してくる。難度の高い手術を次々とこなす私を「神の手だ」ともてはやす輩もいる。私はそのように言われるのが好きではない。もちろん心臓外科医としての矜持も、それなりに鍛錬を重ねてきた自負もある。担当した患者が元気な姿で退院していくのはうれしい。しかし、どこかやりきれない思いが残る。
 患者全員を助けられるわけではない。手術の・・・

最終選考作品

8

13/08/24 コメント:3件 石蕗亮

 私は魔法使いの弟子である。
師匠は夢に関する生業をしながら喫茶店もやっている。
店員には珈琲好きの悪魔もいる。
今日も今日とで幽霊に飲ませる珈琲を作る修行をしている。

 ある日、私はふと唐突に素朴な疑問を師匠に投げかけた。
「あの、師匠。」
「なんだい?」
「神様ってどんなのですか?」
問いかけられ少し困った顔をする師匠と、聞き耳を立ててニ・・・

6

神様はいる。

13/08/20 コメント:12件 そらの珊瑚

「神様、どうか諒を助けてください」
 集中治療室のベッドで眠る息子のそばで私は必死に祈った。元気になったらまた公園で遊ぼうよ。アサギマダラだっけ? また見つけようよ……。
    ◇
「ここらへんで見つかるのは珍しいんだよ、ママ。マヨイチョウなんだ」迷い蝶。薄紫色の美しい羽を持つそれは、草むらのアザミの花の上でじっと息を潜めていた。
「なんで迷っちゃったの?」
「それ・・・

6

神様ごっこ

13/08/15 コメント:6件 メラ

「じゃあ、次は私が神様ね」
 マユが声高く言った。私はまだ神様になれない。いつもそう。神様はマユとチヒロばかり。
「じゃあ、人間達は松ぼっくりを十個集めること。一分以内」
 私とチヒロは慌てて雑木林の中に駆け込んだ。
 神様ごっこ。誰が名付けたのかは知らないけど、私の学校では一時期、『鬼ごっこ』とか『刑ドロ」なんかと同じくらいの頻度で行われた遊びだったが、皆飽きてしまい、未・・・

13

野兎

13/08/09 コメント:20件 泡沫恋歌

「おばちゃん、おばちゃん、聴こえますか?」
「……どうやら、昏睡状態で意識がないようだ」


 ――いいえ、ちゃんと聴こえてるよ。
 お嫁さんと息子の声が……だけど、身体が動かないし、返事もできないんだよ。子、孫、曾孫まで、私の最後を見届けに病院に集まってくれたんだね。皆の声が聴けて嬉しいよ。
 人は死ぬ時、過去の出来事が走馬灯のように頭の中を巡ると聞いたが、浮・・・

8

CROSS SAVIOR

13/08/07 コメント:11件 青海野 灰

穏やかな温もりを持った唇が、そっと離れた。彼が塞いでいた私の口元に、教会の静謐な空気が触れた。
たったこれだけのことで、あれだけ溢れていた涙も叫びも、呆気なく止まる。
全身が雷に打たれたように硬直し、やがて思い出したように熱が胸元から溢れ出し体中を駆け巡る。

「……ごめん」

愕然とする私から目を背けるように、彼はその長い睫毛を伏せて、消え入りそうな声で言った・・・

2

神々の整形

13/07/29 コメント:3件 W・アーム・スープレックス

 のれんをくぐって、ひとりの男性客がはいってきた。昼食時、ランチ目当ての客たちで食堂はごったがえしていた。にもかかわらず澄花は、その客の特異な風貌に、ふと目をうばわれた。
「どうしたの?」
 会社の同僚の美歌が、怪訝そうにたずねた。
「ほら、あの男の人―――」
「あら、あなたがそんなことをいうなんて………」
 めったに異性の話を口にしない澄花だったので、美歌も興味にか・・・

投稿済みの記事一覧

1

神様なんていない

13/08/26 コメント:0件 汐月夜空

 自分に近寄ってきた人すべてが神様、か。
 初めて慧からそれを聞いたとき、私は笑顔をそのままに内心そんな馬鹿な話があるかと思った。
 私は無神論者だ。信仰しているものも特にない。強いて言うなら信じているのは自分だけだ。
 そのことについて今更特に何かを思うようなこともない。今の時代そんなことは珍しくないからだ。周りに溢れる同主義者たちによって、疑問を感じることもない日々を送ってい・・・

8

緊急神お告げ

13/08/26 コメント:12件 草愛やし美

 二千某年、その年の夏の暑さは酷いものだった。酷暑、猛暑、炎暑、激暑、暑さの形容詞を全て羅列しても足らないほどの気温が連日連夜続いた。少し動くだけでも、汗がダラダラと流れ、人々は辟易としていた。連日、熱中症で死者が出たとニュースが報じられた。地球温暖化が原因なのか、誰も正確な解明はできないまま、日々、一人二人と、熱中症で倒れる者が増え続けていた。ついには、神の怒りかもしれないと言い出す者まで現れた・・・

0

ヴェールを上げて

13/08/26 コメント:0件 汐月夜空

「君を僕の友人にしよう。君はこれから神の友だ」
 昔、地元の青の洞窟の中で、藍色の甚平を着た神様がそう言った。
 私は、幼い頃から友達なんてものを見たことがなかった。居たことが、無かったから。
 私にとって友達はある意味神様よりも遠い存在で、それこそ幻のような言葉だった。
 だけど、私はその日、その両方を『見た』ことになる。
 神様はその後、こう言った。
「人の・・・

3

とある神様と自称天使

13/08/26 コメント:0件 来良夢

 ――では、貴様は自分が天使だというのだな。

 文字通り、上から目線。さすが神様。威圧的な視線を頭上から浴びながら、悪魔は背筋を伸ばした。
「そうです、私が地獄の自称天使です!」

 ――ほう。その背中の黒い羽根は何だ。

 蝙蝠のようなそれをよく見えるよう広げる。白い柱と雲に囲まれたまばゆいその場所で、それだけが光を吸収していた。
「ご覧のとおり・・・

0

二度目の最初

13/08/25 コメント:1件 AIR田

「神様っていると思いますか?」
お喋りから声が聞こえる。私は四角い箱のことをそう呼んでいる。
太陽が一番高い位置に来ると、お喋りから声が聞こえてくるのは、当たり前のことで不思議ではない。
私は窓の外を見る。
「……」
誰もいない。私のような生き物は、地球上にはいない。でも、いるかもしれない。やっぱりいないかもしれない。そんなことはどっちだっていい。考えることが・・・

8

神の子

13/08/25 コメント:17件 そらの珊瑚

 天草の海が光っとっと。

こん島の山のなかほどにあるイエズス会の家から見る海が、おいは一番好いとう。もしかすっとパライゾ(天国)ってゆうやつもあげに美しかもんかもしれん。
「ミゲルさまぁ、今日はこがんに牛の乳ばぁとれたばい」
「オオ。カミニ カンシャシテ イタダキマショ」
 ミゲル神父はおいたちと同じ木綿の着物を着ている。アマクサは私の故郷に似ている、姿形は違うけ・・・

2

偶然トリッパー

13/08/24 コメント:3件 名無

ジワジワジワジワ
 焼け付きそうな日差しと、アスファルトから立ち上る陽炎に朦朧としながら、自販機の前に立った。
ジワジワジワジワ
 あとこれから得意先を二件回らなくてはならない。襟元を弛めると、ネクタイまで汗でじっとりしていてうんざりする。つくづく、営業なんて職に就くものではない。
ジワジワジワジワ
 まったく蝉の声が煩いな。体に染み込んでくるような気がする。代わりに・・・

6

弟子との問答

13/08/24 コメント:1件 石蕗亮

私の作品に納得いかない弟子が電話ごしに突っ込む。
「神って何だ?」
「人間が求め、心の寄る辺とするものだろう。」
「いないのか?」
「居ることはいるよ。」
「ここにはいない?」
「居場所が問題か?」
「そうだよな、認識できればそこに居ることになるものな。次元の問題?」
「じゃぁ何を以って神とする?」
「奇跡かなぁ。人では成し得ないことをできるも・・・

2

神童たちの夜

13/08/23 コメント:4件 四島トイ

 彼女は両手を広げて縁石を渡る。月に照らされて。しなやかに伸びる腕の先にヒールを揺らして。
「ほらほら見て。月がまあんまる。きれいねえ」
「危ないよ。ガラスでも踏んだら」
 白っぽく浮かび上がった縁石のせいで、夜道はいっそう暗くみえる。素足の彼女はそんなことを気にする様子もなく、酒気を帯びた笑いを吹く。
「平気よ。落ちないもの」
「そう思ってるときに落ちるものなんだ」・・・

1

氷山の一角

13/08/23 コメント:2件 堀田実

 思い返せば神様を探していた。小さい頃は神様なんているとも思っていなかったし、いないとも思っていなかった。別に考える必要なんてなかったんだから。だからいつもふざけたギャグと下品な言葉だって使うテレビが、天皇皇后に対してだけは最高敬語って言われるものを使ってることに僕ら兄弟は不満だった。
「なんで天皇の時だけ様をつけたりするの?」
と、若干苛立って尋ねると母はすかさずこう言った。
・・・

0

目標

13/08/23 コメント:0件 ハル

ある日
神さま養成所の応募に
一人の悪魔がきた

どのような動機で志願されましたか
はあ、ふとやりなおしてみようと思ったもので

採用担当の会議は紛糾した
悪魔が改心するわけがない
いや罪を憎んで人を憎まず
未来永劫の宿敵ですぞ
神とは寛容なり


結局採用することになった


二年後
脇の・・・

8

荒漠の地

13/08/22 コメント:17件 草愛やし美


──人には、記憶という技を習得する技が備わっている。覚えていることが楽しいと思う時ほど、人にとって、幸せな時はないだろう。だが、時に、忘れるという所作が、その人をより幸せにすることもある。神が、この二つの技を人間に与えたのは、生きるための最高の贈り物ではないだろうか──

  ☆     ☆

 神様、私はどうなってしまったのでしょう。気が狂ってしまったのでしょうか・・・

4

決して読んではいけない物語

13/08/21 コメント:7件 yoshiki

  Danger  危険 読むのは危険 警告いたします!!


 ――昨日から降り続いた雪は医療センターの中庭を埋め尽くして、陽光にひどく眩しく輝いていた。青年の横顔はとても悲しそうで見るに忍びないものがあった。
 里奈が白血病で医師から死の宣告を受けたとき和也は泣き崩れた。目の前の美しい寝顔にはもはや生気は感じられず、瑞々しかった肌は紫色に変色していた。やりきれない思い。・・・

1

みかんの神様

13/08/21 コメント:1件 久一

机の上には夕食の準備が整っている。内容は焼き魚、お新香、里芋の煮っ転がし、ご飯、味噌汁。
「いただきます」
高志が焼き魚に箸を付けようとすると、ちょっと待ったとばかりに奴が焼き魚の前に立ちふさがった。
「……何でしょうか?」
 そいつはまるで、某目玉の妖怪の顔だけみかんに挿げ替えたような風体をしている。つまり、みかんから小さな体が生えているのだ。
「焼き魚には柑橘系の・・・

2

神と神官と輝戒

13/08/19 コメント:3件 tenn

神官は回廊を歩いて祭殿へ向かった。そこには偉大なる力を持つ無邪気な子供のような神が待っている。
「神よ。」
神官はいつものように呼びかけたが、神は返事をせず、首を傾げていた。
「難しい顔をされて、どうされたのですか。先日の大雨の被害について気に病んでいるのですか」
数日前の雨を降らせたとき、神は調子に乗りすぎて雨を降らせすぎてしまった。それにより川は氾濫し、多くの人間が家や・・・

1

神が消えた日。

13/08/19 コメント:2件 


「天界も、じき滅びるであろうな」

穢れの無い、白の空間。そこに鎮座する玉座に腰を掛ける青年は、この神々が住まう天界を統べる最高神・アゼル。長い金糸のような髪はさらりと風に揺れ、透き通る蒼い瞳は憂いを帯びていた。

「アゼル様、何を…」

「メルトス。お前も感じていただろう。我らの力が失われてきていることに」

メルトスと呼ばれた少年は、アゼ・・・

2

貧しさと幸福のユーフォニー

13/08/18 コメント:2件 alone

「はい、どうぞっ」
少女は私にひと欠片のパンを差し出した。その手は貧しい生活のために細くやつれてしまっている。
「ありがとう」
私は礼を言い、彼女の細い腕から小さなパンの欠片を受け取った。
食にありつけるかも分からない日々の中で、少女がやっとの思いで手に入れたパン。そんなにも大切なパンを、手に入れる度に少女は私に分け与えてくれた。
だが、私は食べなくても死ぬことはない・・・

0

ナイフ

13/08/16 コメント:0件 田太浪

 ずっと使い続けている古い道具には神様が宿るという。ほら、今だって私が原稿を書きながら船を漕いでいると、万年筆が掛け算九九をペン先から小声で唱えて私を起こしてくれた。使い始めてまだ二十年もたたないが大切に使ってきたからか成長が早い。人間でいうと十歳くらいだろうか。
 私の祖父は小説家だった。子供の頃に遊びに行くといつも廊下の突き当たりにある書斎の中で何か書いていて、私に気づくと中に入れてくれ・・・

0

いたずらな神

13/08/15 コメント:0件 ハチミツ

目が覚めた。窓から入る太陽の光。心地よく聞こえる小鳥の鳴き声。
ある日、ふと私は思った。一体私は何をしている?
考えてみればそう。それはもう繰り返される日々。
2時間の電車。10時間の勤務。帰宅しても寝るだけの毎日。
一体何をしにこの世界に生まれ、何を果たすために生き続けている?
私は何度こんな事を思い、それでも繰り返しているのだろうか。
とある仕事帰りの日・・・

3

神様になりたかった神

13/08/14 コメント:3件 キリカ

 私の名前は神。
 名前が神なだけであって、別に神なわけではない。

 私はいわゆる個人事業主なので、経費で物を買ったときは、領収書をもらうことになる。
 その瞬間が、何よりもおっくうなのだ。

「宛名はどうなさいますか?」
「神で」
「神、さま……って、あの神様でよろしいですか?」
「はい、神様でお願いします」
「か、神様、ですね。承知・・・

6

トイレの女神様

13/08/13 コメント:5件 草愛やし美

 トイレに行った、すると、そこに人影が!
「ヒイ〜、誰?」
 女の子が便器に座っている。私は、一人暮らしのはず……。
「キャアーおばけぇー」
 再び叫ぶ私。それには驚かないでその子はにこりと笑って花子と名乗った。
「げっ! トイレの花子、ギャー、何で女神じゃなくておばけの花子が出るのよぉ」

私は掃除が大嫌い。俗に言う片付けられない女。汚部屋になってもゴミ・・・

1

神様ゲーム

13/08/11 コメント:0件 るうね

>神様だーれだ?

 ネット上のルーレットが回り、神様が決まった。
 皆が、次々に『願い事』を書き込む。

>お金ちょうだい!
>パンとジュース買って来いよ(笑
>この宿題やっといて

 この神様ゲームは王様ゲームとは真逆で、クジで選ばれた『神様』が皆の願い事を一つずつ叶えなければならない。どんな理不尽な『願い事』にも逆らうことは許されないのだ・・・

2

愛妻は…自己中の女神さま?

13/08/10 コメント:4件 鮎風 遊


「あと一時間くれない?」
 大輝の愛妻、美月がねだってきた。
 たまの休日、二人でゆっくりと美術館巡りをするつもりだった。それが朝起きてみると、美月が急にデパートに行きたいと言う。
 こんな予定変更はいつものこと、大輝は慣れている。それにしても、デパート滞在一時間のつもりがさらに一時間追加、そしてプラス一時間、なんと三時間目に突入しつつある。
 最初美月のショッピン・・・

0

成り代わり

13/08/10 コメント:0件 汐月夜空

 僕の家は、海に面した小高い丘の上にある。
 窓の外には青い海と白い波、海鳥の鳴く声と潮風の香りが広がる、正に絶好の立地。
 にもかかわらず、悩みはやはり尽きぬもので。
 その一つが、これ。庭にある井戸のような覗き穴。
 この穴の先は神様が居るという洞穴に繋がっていて、その洞穴というのが月明かりによって青色に水が光るという珍しい特徴を持っている。
 そんな夢のような光・・・

1

神のみぞ知る

13/08/06 コメント:1件 黄色い恋人

神様なんてきっといない。いたら僕はもっと幸せな人生を送れていたから。

かつて妹にこう呟いた。ひどく雨が窓に打ち付けていた日だと覚えている。彼女は、じゃあ私がお兄ちゃんの神になる。そういって僕の頭をくしゃくしゃとした。それをやるのは兄である僕がやることだと思うんだけど。


こんな回想が浮かんだのは、実に突然な話なんだけど、僕の死に際だ。やっぱり神なんてものは存在しな・・・

0

神の仕事とは?

13/08/04 コメント:0件 ヨリヌクバ

神様の仕事…それは、多くの人々の人生
を見守ることである。
だがある日、神のもとに一人の青年が現れ…
神の新たな能力が発見されるのだった。・・・

5

あるバーにて

13/08/03 コメント:8件 光石七

 『バー・レイム』に一人の男が入ってきた。黙ってカウンターの隅の席に腰掛ける。
(見慣れない顔だな)
マスターはその男に注意を向けた。もちろん新規の客が来ても不思議ではないが、その男が纏う空気は明らかに異質だった。気高さと慈愛、厳格さと温厚さ、相反するものが絶妙に共存している。近寄り難いような、近づきたいような、そんな気持ちにさせられる男だ。
「何になさいますか?」
「適当・・・

4

にげられないかみさま

13/08/02 コメント:5件 梅子

私はまだ高校3年生。陽介さんは大学4年生。
私たちのはじまりはそんな昔だった

陽介さんは私の家庭教師
優しくて大人で何でも知ってる陽介さんは
私のヒーローだった

私は陽介先生が大好きで
先生を想って必死になって勉強した

先生のおかげでどんどん成績は伸びて
もう先生は私の中でかみさまのような存在になった


な・・・

0

神様の言うとおり

13/08/02 コメント:0件 てんとう虫

さて君は何か迷うと使うものはあるのかな。あみだくじ?検索?それとも恋人や家族や友人に決めて貰うのかな?。小さめで触れるものならこれはどうかな。ただし文句はいいっこなしに。 1月のこづかい日に欲しいものだらけになり我慢してきた美樹ちゃんはうんうん唸っていた。「決めた?・・。」隣にはあきれ顔の友子が疲れ顔ダレていた。「ごめんね。でも決まらないしどうしよかな・・。」頼みこみ増やして貰えたんだから友達に嫌・・・

4

神を呼び出した男

13/08/01 コメント:5件 yoshiki

 そこに現れた人物は卑弥呼の時代にでも流行していたような、白装束を身に纏ってはいたが、頭は禿げていた。白い無精ひげを伸ばし、目はとろんとして眠そうであった。が、山田博士はその人物をとても愛おしそうに、或いは敬虔に仰ぎ見て、その前に跪いた。
「神様、ようこそ御出で下さいました」
 熟年の山田博士は目を輝かせ、そう言う。博士は長年の研究の末、ついに神と呼べるものをこの世に復活せしめた。常に・・・

3

神様砕き

13/08/01 コメント:5件 クナリ

転校ばかりの、少女時代だった。
父の仕事が何だったのかは今も知らないが、廃屋のような家ばかり転々として来た。
母は熱心なクリスチャンで、薄暗い部屋の中、よくロザリオを拝んでいた。
艱難辛苦は神様の試練だから耐えなくちゃいけないのよ、と母はよく私と弟に諭した。そんなばかなと思いながら、私達はうなずいた。

私にとって、思いが共有出来るのは同じ境遇の弟だけだった。
・・・

0

神の声

13/07/30 コメント:0件 masahiro

 思い切って、飛び降りた。


 遥か下は駐車場だった。見事なネズミ色をしたコンクリの地面だ。なんの感情もない、
 いかにも固くて冷たそう。
 直前に自分自身に言い聞かせた。
 「結局、誰も止めに来たわけでもないのだから、これが正しい選択なのだ。すべてを終
 わらせるのが償いなのだ。」


 どんどんコンクリの地面に向かっていくのが分かっ・・・

3

ありがとう神様(コメディ)

13/07/30 コメント:5件 yoshiki

 あるとき何の前触れもなく、北海道ほどもある巨大隕石が地球に降ってきた。アブラハムの宗教におけるハルマゲドンであろうか。やはり最終戦争と意味の予言が的中したのか人類は絶滅した。残念な事だが自然の驚異の前に人類はあまりにも非力であった。黒雲が延々を大気に棚引き、有毒ガスが見る間に地表を覆ってしまうと、陽光は遮断され極寒地獄が続き、人類だけでなく、ほとんどの生命は死に絶えてしまった。
 その劣悪・・・

0

会議

13/07/30 コメント:0件 日暮 遥

「眠い」
「同意」
「やめちゃおうよぉ、どうせ今度は座敷童の伝説化でしょぉ?」
「いえ、今年こそは消滅生物を決めましょう」
 とある会議室で四つの物体がうごめいていた。極度に落とされた照明の中で四つの物体がもそもそと動いている。
「でもよぉ、消滅生物っつっても度の生物を消すんだよ?」
「地上」
「地上は分かってるのよぉ、その中の生物でしょぉ? もういつも通・・・

2

神へ怒りをぶつける男

13/07/29 コメント:2件 ポテトチップス

 村の真田神社の境内で、白い装束を身にまとった神主による五穀豊穣祈願祭が村人の見つめる中、終わろうとしていた。
「皆様、御祭神であります大神様に今年の豊作を祈念させて頂きました。今年もきっと、大神様が豊作を皆様にお与えくれるでしょう」そう神主は言って、集まった村人に一礼した。
 村に建つ普段はひっそりと佇む真田神社の境内の片隅では、村の主婦方が作った豚汁が大きな鍋で煮だって、湯気ととも・・・

5

神様みたいな人

13/07/29 コメント:7件 こぐまじゅんこ

 私は、小学三年生の娘をもつ主婦。
 毎日、パートから帰って、急いで晩ご飯の支度をして、娘の塾や習い事の送り迎えをして、お風呂に入り、午前零時にベッドにもぐりこむという生活をしている。
 
 ただでさえ忙しいのに、その上、今年はPTAの役員まで、引き受けてしまった。
 PTAだけは、断ろうと思っていたのに、他の人にうまいこと言いくるめられて、結局断り切れず、引き受けてしまっ・・・

2

幸福

13/07/29 コメント:4件 yoshiki

 ――至極普通の中年男だった。

 特に裕福でも貧乏でもなかったが、男は人生に何か物足りなさを抱えていた。

 個人の幸福の追求の為に俺の人生はあるんじゃなかったっけ? 
 ある時彼は取り止めもなくそう思った。今の俺ときたら会社の為、家族の為に一生懸命好きでもない仕事をし、超混みの電車に毎日揺られ、職場では上司からいつも小言を言われ、遅くまで残業をし、しかも残業手当な・・・

0

 搏  動

13/07/29 コメント:0件 かめかめ

目が覚めた。
暗い。
ただ、暗い場所にいることだけはわかった。
男は右脛に、風が吹きつけるような冷たさを感じていた。
首が胸につくほど、がっくりとこうべを垂れた状態で目覚めたため、首と肩が凝って容易に身動きもできない。

「けーけーけーのーおーまーけーつーき」

愛らしい少女の声が途切れると同時に、左腿に熱いものが触れた。
反射的に左足を動かし・・・

0

月の消えた夜

13/07/29 コメント:0件 涼風豊

 深夜2時、月の光がわずかに差し込む蒸した暗い部屋の中で携帯の光を顔面に浴びて出ない声を必死で探している男がいた。
携帯には「さようなら。」の文字。
そう、この男フラれたのだ。

 男女の別れは付き合っていれば存在するものだ。しかしこの斎藤という男はそれを受け入れることができずにいた。
「なぜなんだ…」声にならない声でようやく振り絞った台詞だった。
彼を振った女・・・

1

気まぐれな

13/07/29 コメント:1件 しーぷ

「俺さー、思うんだわ」

 私の前に座る男が、唐突にそう言った。

「どうした急に」

「アフロんはさ――」
「その呼び方やめてくれない」
「いいじゃん、別に。アフロディーテなんだから、アフロんで」

「はぁ……まあ、いいか。で、あなたは突然何を思ったの?」

 男は腕組みをしてからこう言った。

「斎藤はさ、こう・・・

ログイン