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第十七回 時空モノガタリ文学賞【 エレベーター 】

今回のテーマは【エレベーター】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2012/12/03

※注意!R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ 空間
投稿期日 2012/10/15〜2012/11/12
投稿数 25 件
賞金 時空モノガタリ賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評

入賞した作品

8

アゲインエレベーター

12/11/10 コメント:11件 草愛やし美

 男はベッドに横たわっている妻を車椅子に乗せると、そっと病院を出た。誰にも見られなかったことは、男にとってラッキーだった。医師の許可なしに、意識不明の妻を外へ連れ出すなんて許されるはずがないだろう。追いかけて来る者がいないかと、何度も後ろを振り返りながら、男は駐車場へと急いだ。車を走り出させ男は、ほっと安堵した。ハンドルを握る男の手は、冷や汗でじっとりと濡れている。
「安全運転だね、綾子、も・・・

3

エレベーター・ガール

12/10/25 コメント:4件 メラ

 地下二階の駐車場から十一階の屋上まで、エレベーターは、僕の指先一つでどこにでも運んでくれる。人もまばらな火曜日の、午前十時四十五分。僕の好きな時間帯だ。でも両開きのドアが開くと、そこのは早くもエレベーター・ガールが乗っていた。
 僕は子供の頃からエレベーターが好きだった。エレベーターが上昇する時のあの感覚。重力を感じ、大きな力でちっぽけな自分が、無機質に運ばれて行くあの安心感。そしてまた下・・・

最終選考作品

4

ヴィルトゥス

12/11/12 コメント:2件 高橋螢参郎

奴隷メムノンはその日も大型闘技場の地下で、歯車を回していた。
彼らの回す歯車は昇降機を動かし、剣闘士や猛獣といった、ありとあらゆる暴力をコロッセオの舞台へと送り出すのだ。
学や富こそないにしろ、それでも奴隷としては幸せな部類だ。命のやり取りに晒されはしないし、日に何度かの試合のあるまでは、待機させられている事の方が多かった。
呑気に談笑する他の奴隷を尻目に、メムノンは独り悩んでい・・・

9

夢の案内人

12/11/09 コメント:4件 石蕗亮

 「こんにちは。」
男が声をかけると女も「こんにちは。」と明るく応えた。
「良い天気ですね。風も気持ち良い。」
男がにこやかに話しかけると「本当にね。」と女もにこやかに返した。
最上階のテラスからは遠くの景色が霞んで見えていた。
「日が翳る前に下に降りませんか?」
男が促すが女は首を縦には振らなかった。
「降りるのが怖いんです。」
女は少し憂いた顔で・・・

1

エレベーターの恋

12/10/30 コメント:7件 そらの珊瑚

 あの時エレベーターを待ちながら私は何を考えていたのだろう。
 しばらく待ってようやく来たエレベーターに、最後に押し入るようにして乗り込む。ブザーが鳴る。重量オーバーの知らせだ。私は中肉中背だったが、太っていますと言われたようで奇妙に恥ずかしい。すぐさま降りたのだが、なぜかもう一度ブザーが鳴った。手前の一人が降りた。ブザーはやっと止んで扉が閉まる。
 次のエレベーターを待つ間、乗車拒否・・・

4

時空エレベーター

12/10/24 コメント:9件 泡沫恋歌

 38階建てのビルの最上階へ行かなければならない用事があった。
 ビルを見上げるとクラクラするような高さだ。あのてっぺんに上るのかと思うだけで冷汗がでた。私は高所恐怖症で飛行機も怖くて乗れない男なのだ。
 エレベーターに乗ると38階のボタンを押す。展望用の大きな窓が付いているが、私は怖くて外の風景を観れないのでドアの方を向いて立っている。
 突然、13階でエレベーターが止まって動・・・

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裕福な少年

12/10/20 コメント:1件 ポテトチップス

マンション管理人室の電話が鳴った。
コーヒーを飲もうと薬缶に火をかけていた黒津庄治は、3回目の呼び出し音で受話器をとった。
もうすぐ11月に入ろうとしている今の時期は、寒さが身にしみる。
長年、九州で暮らしていた黒津にとって、この時期の東京の寒さはどうにも体が適応できない。
おかげて先週から体調を崩し、今も微熱がある。
54歳の黒津は、3ヶ月前の8月の半ばに東京に上京・・・

1

下へまいります

12/10/15 コメント:2件 荒木成生

「下へまいります」
 エレベーターガールのお姉さんがそう告げた。
 上ではなく下……、下へ行くということは地獄行きだ。
 このエレベーターは天国とも地獄とも繋がっており、上にあがったら天国行き、下に落ちたら地獄行き……、三途の川を渡ってすぐの案内所でそのような説明を受けた。
 閻魔様に申し開きをする間も無く、エレベーターに閉じ込められる……、すでに結果は出ているということに・・・

投稿済みの記事一覧

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エレベーターガール

12/11/12 コメント:1件 高橋螢参郎

「6階でよろしかったですか?」
若い女の声。
確かに職場はこのビルの6階だ。だから僕より先に6階のボタンを押してくれたのは助かる。けれど全然よろしくない。だって今エレベーターに乗っている人間は僕一人の筈なのだ。
「え、幽霊?」
「エレベーターガールです! ……幽霊兼、ですけど」
残念ながら幽霊だというのは嫌でも信じざるを得なかった。事実やり取りを続けている間、エレベー・・・

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スペース・エレベーター・ガール

12/11/12 コメント:1件 野村レトリクス

 西暦二〇六一年。

 百年前、ガガーリンが大気圏外を旅行した。
 九十八年前にはテレシコワも続いた。
 アルツターノフが天のケーブルカーという概念を新聞で発表したのは百一年前だ。

 スタンバイ。

 彼女は自分の制服をチェックしながらインカムで乗船ブリッジに連絡する。壁のパネルに触れる。目の前のハッチが開く。
 彼女はハッチをくぐって外に出・・・

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夢をのせて

12/11/08 コメント:0件 kou

 官房長官である牧村は急いでいた。内閣が発足し官房長官に就任したはいいが外食が増え体重は増加の一途を辿る。スーツは一年間で三回新調しその度にお抱えのスタイリストに、「無駄が多い」と一喝されムッとするが事実なので何も言えない。だから牧村は走った。総理がいるイタリアンなレストラン、へ。
 カランと扉の鈴が鳴り牧村は店に入る。洗練された身のこなしの店員に総理がいる個室に案内され中へ入る。既に総理は・・・

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箱庭の紳士

12/11/08 コメント:3件 こう

 私の住んでいるマンションのエレベーターには、向かい合わせに開閉扉が二箇所ある。でも、その片方は開くことはない。乗り降りする方向が階によって変わったりするような、そんな建物ではないからだ。では何故……?
 住民が苦笑を交えてうわさするところでは、建築費を安くするため、別の廃屋から移設したのだろう、というのが専らの説だ。「きっと異界へ通じる入り口だー!」とは、マンションの子供たちの推理だが…あ・・・

2

前世エレベーター

12/11/06 コメント:8件 草愛やし美

「早く乗ってくださらんか」
「左右、どちらに乗ればいいんですか?」
「どちらでも、お好きなほうへ」
「本当に大丈夫? 何だか怖いわ。あの人も乗るって言ったの?」
「後程、案内することになっておる。時間をずらしているのは、顔を合わせるのは気まずいじゃろうという配慮じゃよ」
「配慮なんて余計なお世話よ、もうあの人のことは他人と思ってますから平気よ」
「そうかいのぉ、・・・

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油断したぁ

12/11/02 コメント:0件 泥舟

取引先のオフィスがある26F建てのオフィスビルのエレベータホールに僕はいた。
僕の近くのエレベータが降りてきて、空になった空間に一番に乗り込んだ。奥の角に陣取り壁に取り付けられた22と書かれたボタンを押した。次々と人が乗り込んでくる。僕を入れて7人だ。最後に乗り込んできた人は、これから僕が向うお客さんだ。正確には、直接の担当者の上司に当たる人だ。エレベータを降りた時に挨拶しよう。
他に・・・

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会社のエレベーター

12/10/30 コメント:0件 はるなつ

 この会社は、作業の効率がいい。だから、週5日の9時から15時までしか働かなくていい。神田ちひろがこの会社を選んだ理由がそれだった。
 入社試験を見事合格し、働きだしてから半年で、この会社が少しおかしいな、と思うことが何回かあった。みんな私を無視する。だが、私だけでなく、みんな何もしゃべらずに淡々と仕事をこなすのだ。だが、気にすることなく事務に努めていた。
 ちひろはエリート大学の出だ・・・

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逃亡的エレベーター

12/10/30 コメント:0件 湯だまり

 祐一はその朝、昨夜の深酒が祟ったらしく不快な目覚めをした。
「あー」
 祐一は布団に仰向けのまま、体を起こそうといった意思もなく、とりあえず唸った。
「あー」
 また、祐一は唸った。アルコールの残存した重苦しい体が、じわじわと不快感の中へと沈んでいく心地がした。不快感の泥沼は祐一を離さない。だが不快感は昨日の深酒のせいだけだと決め付けるのはまだ早い。というのも、昨日祐一に・・・

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えれべぇたぁ

12/10/29 コメント:0件 mikki

 毎朝同じ時間に起きて、同じ電車に乗り、会社に行って、帰り道弁当を買って、家で食べて寝る。
 彼女とは別れて一年。
 楽しみなんて何もない。
 平凡といえば平凡。皆こんなもんなのか。
 子供の頃描いていた自分はこんなんじゃなかった、なんて思ってしまう今日この頃。
 会社の寮からも追い出される年齢になり、半年前に借りたのは山沿いの傾斜地に階段状に建つ十階建てのマンション・・・

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新エレ幹線 (遠距離恋愛)

12/10/27 コメント:6件 鮎風 遊

「拓馬、どうするのよ?」
 佳奈が煮え切らない拓馬にせっついた。そして拓馬は、それにいよいよ結論を出すべきだと覚悟を決めた。
「僕は佳奈と一緒に暮らしたいんだ。だから、天上界から僕が住む地底都市に移って来て欲しいのだけど……、佳奈はどうしたいの?」
 反対にこんな言葉で訊かれた佳奈は下を俯いたままでいる。そしてしばらくの沈黙の後、決意を込めて口を開いた。
「そうだわね、拓馬・・・

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ヘヴンorヘル

12/10/26 コメント:1件 翡白翠

 目を開けると、そこは小さな個室だった。縦に長い直方体の部屋。僕を支配している浮遊感。それに、閉められた扉の横と部屋の壁についている四角いボタン。ここは所謂、エレベーターというやつだろう。
「おはようございます」
 声をかけられた。そちらを向くと、銀色の綺麗な髪の毛をロングに流していて、微笑をまったく崩さない二十歳ほどの女の人が一人。美人だ。だが、妙なことに頭の上には白い輪っかが浮かん・・・

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屋根裏へ恋を放る

12/10/23 コメント:0件 isoco

 そろそろ現実と向きあわないとやばいよね。友人がビールのジョッキをかかげながら言った。きたばかりの枝豆をいくつかつまみながらニヤけている。変だ。まだ乾杯したばかりなのに、もう酔っているのだろうか。
 現実と向きあわないと何がやばいの。居酒屋特有の喧騒が鬱陶しいので、顔を寄せて聞いてみた。後ろではネクタイを緩めた男衆が大きな笑い声をあげている。友人の言葉を静かに待っていると、わたしたちのテーブ・・・

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エレベーター

12/10/23 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 デパートに友だちのゆりとショッピングに来た。
私は、エレベーターよりエスカレーターの方が好きなのだが、ゆりは、なにかと
エレベーターを使いたがる。
 エレベーターに乗る前、私はいつも、ちょっぴり不安になるのだ。
(もしかして閉じ込められたら、どうするの?)

 そんな私の不安をちっとも感じないゆりは、とっとと乗りこみ、4階の婦人服売り場の
ボタンを押す。・・・

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マイケル in the エレベーター

12/10/22 コメント:0件 老蜜柑

「どーも。エレベーターのマイケルです。いつもご贔屓アリガトネー」
 これがうちのビルのエレベーターが最初に話した言葉だった。
「あ、これはご丁寧に。私、こうこうこういうものです。エレベーターさんにはいつもお世話になっております。ありがとうこざいます」
 なんて言えるわけもなく、私はただただ呆然とし、扉が開くや否や素っ頓狂な悲鳴を上げて逃げたことを覚えている。
 当時の私は、・・・

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ゆりかごエレベーター

12/10/21 コメント:2件 朱緒

 閉じ込められたと気がついたのは、もう本当に間抜けすぎるけれど、四階になってチーンと間の抜けた音がしたときだった。この扉ひとつ開け、ちょっと歩いてもうひとつ扉を開ければあったかい我が家が待っている状態なのに、扉は無表情にわたしの前に立ちはだかっている。
「ふむ」
 こういうときの対処法は、何も考えずに連絡用のボタンを押すことだった。管理人さんがいる時間だとかそういうことも一切考えずに、・・・

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ある日、暗闇がおとずれ

12/10/16 コメント:0件 かめかめ

ガクン!

と大きく揺れた。
一瞬、地震がきたかと身構えたが、揺れたのはこのエレベータだけだったようで、揺れは一回だけで収まった。
安堵したとたん、ふ、と真っ暗になった。


静寂。

日々とぎれることない耳をつんざくような、工場の喧騒も聞こえない。

真っ暗な中、何が起きたのか理解できず、張り詰めた五感のうち、聴覚だけが生きていて・・・

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用意周到な女

12/10/15 コメント:4件 W・アーム・スープレックス

 最上階のレストランに上っているとき、エレベーターが階の途中で停止してしまった。丸岡ハンナは、しめたとおもった。5階から6階にあがるときのことだった。
 その寸前にエレベーター内がぐらぐらと揺れたので、地震かしらと彼女が思った矢先のできごとだった。
 エレベーターの中には、彼が一人いるきりだった。過去に3度、おなじエレベーターでであっている。日本人ばなれした彫の深いその顔立ちは、ひと目・・・

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