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笹岡 拓也さん

文章で笹岡 拓也の世界を伝えられたらいいなと考えてます。 キャラクターたちがイキイキとした物語を書いて、読んだあと何か残れるような作品にしていきます。

性別 男性
将来の夢 自分の作品を多くの人に読んでもらうこと
座右の銘 生きているだけで幸せ

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新宿で私は恋をした

17/01/26 コンテスト(テーマ):第127回 時空モノガタリ文学賞 【 新宿 】 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:750

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私は恋をした。新宿にある会社に向かって歩いていると、ある男性が私に
「落としましたよ」
とハンカチを拾ってくれた。その男性は目元がキリリとしていて鼻はスッと通っている。極め付けは品の良い口もと。私はその男性に一目惚れした。
「ありがとうございます」
私がその言葉を伝えると男性はニコリと笑顔で
「どういたしまして」
と優しいトーンで言って去っていく。名前すら聞き出せなかった私は会社に着いてからも後悔の海に飲み込まれていた。
私は帰り道もうその男性とは会えないだろうとひどく落ち込んでいた。しかし意外にも男性があっさりと私の目の前に現れる。こんな奇跡あるの?なんて驚いたが早く声を掛けなきゃと我に返る。
子供の頃から控え目だった私がこうまで行動するというのは稀なこと。どうしてもあの男性の名前を聞き出して次に発展させたかった。
昔お母さんに言われたことがある。
「世の中本当に好みの人なんて見つからないものよ?もし見つけたなら必ず落としてみせなさい」
私のお母さんは私が小さかった頃に離婚していた。何度も何度もお父さんが変わっていたけど、とうとう本当に好みの人は現れなかったようだ。
私はお母さんの分も幸せになってやる!そう意気込んで追いかけたものの男性の足は軽く弾むように人混みを掻き分けていくため中々追いつかない。走って追いかけるのはさすがにためらってしまう。
男性は歩いても歩いても目的地には着かないようで歩き続ける。その後を私は追いかける。何だか探偵をしているような気分で楽しかった。しかしその楽しいひと時は一瞬にして消え去ってしまう。
私は歩いてるうちに見慣れない街並みになっていることに気がついた。必死で追いかけてきたから周りを見ていなかったが、ここは明らかに新宿二丁目だった。
私はこの街並みには足を踏み入れたことがなかった。なんて言ったってこの街は日本有数のゲイタウンとして有名なところだからだ。まだまだ私みたいな人間がこんなところに来れるような人ではない。そう私は落ち込みながら新宿二丁目から立ち去ろうとする。そんな時である。落ち込む私の肩をトントンと叩いてくる人物が現れる。
「あれ?今日朝のハンカチの方じゃない?」
私は一目惚れした男性からまた声を掛けられた。今度は朝会った時のような話し方ではなくオネエ口調だった。やっぱりこの男性は新宿二丁目の人なんだ。
「やっぱり朝会った時から感じてたの!あなたも同じ人種の匂いがしたのよー!ちょっとこれからウチの店来ない?」
私は一目惚れした男性にお店に誘われた。新宿で仕事を始めてまだ1カ月も経っていない。そんな私はいつか新宿二丁目に行きたいと思っていたけど、予想より早く新宿二丁目デビューが訪れた。お店に向かう途中、男性が私にテンション高く言ってくれる。
「あなた結構可愛い顔してるわね!私結構好みよ?」
男性の言葉に私の心臓は破裂するほどドキドキした。今までそんなことを男性から言われたことがなかった私は嬉しくてたまらなかった。私は間違ってなかった。新宿という街に田舎から出向いて来たことを。


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