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りんご◯さん

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304号室

17/01/20 コンテスト(テーマ):第126回 時空モノガタリ文学賞 【 304号室 】 コメント:0件 りんご◯ 閲覧数:720

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304号室。
それはあの子の部屋。
今日も僕はその部屋に足を運ぶ。

「調子どう?」
「…いつも通りです」
「それなら良かった」
今日の会話終了。
僕は今、この子を監禁している。
泣き叫ぶ様子も、逃げ出そうとする様子もない。
監禁して2日目には、手枷は全て外した。
鍵も開いている。
それなのに、この子は逃げようとしない。

「何か欲しいものある?」
監禁して10日目、僕はいつもより少し長く話してみた。
「…紙とペン」
この10日間、この子はソファーからほとんど動いていない。
ようやく、なにかしようという気になったようだ。
「はい」
差し出した紙とペンを無言で受け取り、会話終了。

そして、そこから1週間経った時。
あの子はいなくなった。

机の上に置かれた紙とペン。
紙には何行か文字が並んでいる。

“施設に入れるような歳じゃない。
頼れる親戚もいない。
でも、あの家から出ることが出来ただ
けでいい。
監禁してくれてありがとう。
304号室は他の誰かに譲ってあげて”

僕は今日も、他の誰かを監禁する。


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