蹴沢缶九郎さん

どうもはじめまして、蹴沢缶九郎と申します。暇つぶしに読んで頂ければ幸いです。「小説家になろう」でも同ニックネームで掌編小説を書いてます。http://mypage.syosetu.com/707565/ よろしくお願いします!!

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将来の夢
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木目

17/01/03 コンテスト(テーマ):第126回 時空モノガタリ文学賞 【 304号室 】 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:770

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天井の木目が人の顔に見えて仕方がない。たまに建物の窓や、ちょっとした家具のネジ等の組み合わせが顔に見えるのと同じだ。
布団に入り、約十分程、電球のぼんやりとしたオレンジ色に照らされた木目を見ながら、「あの木目ははたして男なのか、女なのか…」と、割とどうでもいい事を考える。あの力強さを放つ目は男の様な気もするが、あの口の色っぽさは女である。
自分でも呆れる事に頭を使っていると、いつしか眠気が襲い、うとうとする頭で、

「君はどっちなんだい?」

と尋ねる私に、木目は、

「女よ」

と答えた。木目は女だったのだ。

「そうか…君は女だったのか…」

答えのわかった私は、気持ちよく夢の世界へと旅立った。





「しかし、一体どこへ行ったんですかねぇ…」

304号室の住人である男が行方を絶って五日、男の部屋を、男の勤める会社の上司とアパートの大家が訪れていた。

「急に行方をくらますとは…。真面目な奴だったんですけどね…」

全く訳がわからないと、上司は頭を掻く。そんな上司を他所に、大家は天井の一点を見つめていた。

「どうかしたんですか?」

「いや、ほら、あそこの木目、いなくなったこの部屋の男に似てるなあと…。まるで誰かが寄り添ってる様な…」


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