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浅月庵さん

笑えるでも泣けるでも考えさせられるでも何でもいいから、面白い小説を書きたい。

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パリピポパーティー

16/11/13 コンテスト(テーマ):第121回 時空モノガタリ文学賞 【 捨てゼリフ 】 コメント:0件 浅月庵 閲覧数:763

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 “おまえら⬜︎⬜︎! 全員もれなく⬜︎⬜︎からな!!”

 ◇
 午後十一時。バイト終わり、俺はスクーターに乗って自宅へと向かっている。

 信号待ちの際に歩道へ目をやると、様々なモンスターたちが入り交じり、交流を深めている最中だった。
 今日は盛大なパーティーの日だ。
 
 信号が青に切り替わる。
 だけど俺には無関係なイベントだ。俺は奴らの姿から視線を逸らし、ただ幽霊のように通り過ぎる。
 明日になればこんな非日常も終わる。馬鹿どもの面は当たり前の日常へと溶けて紛れるだろう。

 肌寒い風を受けながら、考えごとをする。
 俺はノリだけで生きてる奴らを見ると、無性に見下したくなる人間だ。どうせお前らなんて、会社では上司にペコペコ頭下げて、安月給でヒーヒー言ってんだろ。くだらない。クラブ行って、EDMでノッてキモい動きして、お持ち帰りした女相手に腰振るだけの脳みそ空っぽ野郎ばっかりだ。

 俺だって一流企業に勤めているわけでもない。漫画家を目指しているただのフリーターだ。
 それなのになぜ、俺は彼ら彼女らより自分のことを無条件に高尚な人間だと思っているのだろう。

 いつものように答えの出ないクイズに頭を悩ませていると、前方から走る車の動きがなんだか怪しい。車体がまるで荒波に揉まれているかのように揺れていて、フロントライトの光が変な軌道を描いている。あ、まずい。

 ーーと思った瞬間に俺は見事に車と衝突し、宙を舞う。死んだな、こりゃ。

 ーーあれ、それにしても走馬灯こないな。なんて飛び散るオンボロスクーターの破片に紛れて意外と冷静な俺は、頭からアスファルトに落ちる。
 うっ。ちゃんと痛い。死を意識した瞬間に激痛で現実に引き戻されるとは、なんて神様は意地悪なんだろうと思う。

「あ、やべっ」
 ピザにタバスコをかけすぎた程度のリアクションの後に、車が走り去っていくエンジン音。おいおい、嘘だろう。居眠り運転で人をぶっ飛ばして、それを助けずに放置かよ。
 
 グツグツ煮えたぎるマグマに頭を突っ込んでるみたいだ。俺は痺れて言うことのきかない右手をなんとか動かし、自分の後頭部を触ってみる。粘着質な血液がねっとりと指に絡まった。

 ……助けを求めなくては。携帯電話は事故で使い物にならなくなっていた。
 俺は震えながらもゆっくり立ち上がり、力の入らない両脚を引き摺るようにして歩く。何度も転びそうになり、地に手をつく。交差点の方まで出れば、人通りも増えるだろう。

 俺は来たくもないパーティー会場へ足を踏み入れる。こんな馬鹿たちに助けを請うなんて屈辱的だが、背に腹は変えられない。

「あー! ヤバイ!! もしかしてなんちゃらデッド?」
 突然、口から血を流した女性の悪魔が笑顔で俺に近づいてくる。
「えっ、待って。ハンパなっ!」
 今度は顔色の悪いナースが俺の顔をまじまじと見つめる。
 なんだこいつら、俺は死への階段を今にも着実に登ってるほどに重症なんだぞ。
「うぉっ! ビビったぁ〜! お兄さん、気合の入れ方ヤバくね。それ、ホンモンの血にしか見えないよ」
 今度は肌の浅黒い筋骨隆々の男が近づいてくる。いやいや、これ本物の血だから。俺、死にかけだから。
「あ、あ」
 痛みと口に広がる血で声が出せない。救急車を呼んでほしい、俺はその一言すら伝えることができないでいた。
「喋らないとこもリアルだね〜!」
 俺は筋肉馬鹿に肩を叩かれて、思わず膝から崩れ落ちる。自分の体を支えることで精一杯だったので、少しの衝撃にも耐えられなかった。
「あはははは! 今の倒れ方見た? 足ぐにゃぐにゃだったよね。キモ〜」
 金髪の女が手を叩く。

 ……意識が遠のく。命の灯火がもう少しで消える。

 やっぱりこんな奴らに助けてもらおうなんて、俺が間違ってた。
 こいつらは異形の者、俺とは種族が違うのだ。わかりあえるはずがない。

 そんなとき、ひとりの女性が倒れる俺の元で屈み、笑顔を向けてくる。肌は白く、髪の色も銀で、背中からは羽が生えていた。
 あぁ、きっとこの人は天使なのだろう。俺のことを救ってくれるのだろう。
 こんなクズどもとは違い、この子は……。

 ◇
マイコたん @maikodayopi-pi 1分

ハロウィンでゾンビくんと!
一緒に写真撮ってもらっちゃった☆
こんなコラボ、なかなかないよね〜☝ ՞ਊ ՞☝

 ◇
 お前ら全員、殺してやると絶叫したかったけど。
 もうその口も体もこの世にはないので、俺はここからお前らの死を願う。
 パリピ全員絶滅しろ。
 俺はあの世で願っている。


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