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B.Dさん

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田舎のファミレス

12/10/20 コンテスト(テーマ):【 ファミレス 】 コメント:0件 B.D 閲覧数:1537

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 ある田舎町の一本道沿いにファミレスが一軒ありました。周りにはスーパーが二軒(一方は品がよく価格も手ごろで、もう一方は品が悪く価格も高い)とホームセンターが一軒とマンションが数棟とアパートが数十軒と駅が一つありました。
 この周辺は、一昔前は駅だけで周りはすべて田んぼでした。十二、三年位前に大開発が始まって風景が一変しました。このファミレスはそんな中出来ました。
 このファミレスの今の状況を一言でいうならば「ぬるま湯」です。大手のチェーンでライバルがいないのでいろいろなところが緩んでいます。店員には愛想がなく、客の気分はすぐに損なわれます。サービスも最低です。料理を持ってくるのも遅いし、店長がケチ体質でエアコンをロクにかけないので、夏は蒸しぶろ状態で冬は凍りそうになるくらい寒いです。お客が怒って冷房を強くしろと要望してもアリバイ程度にしかかけない有様です。
 私の友達は「自分の家から一番近いファミレスだけど、あんな店二度と行かない!!」と怒りを交えて話してくれました。

 ある日、このファミレスに衝撃を与える噂が持ち込まれました。
「店長、ライバルが道を挟んで真向かいに店を出すそうです」
「何!?それは本当か?」
「え!?店長、知らなかったんですか?」
 店長は泡を吹いてバタンと倒れてしまいました。店長は救急車で運ばれていきました。そして、最悪なことにその日店で食中毒が出てしまい、店は一週間の営業停止になってしまいました。
店長は一週間入院することになりました。そして本社から社員が派遣されることになりました。その社員はダメな店の立て直しに定評があり仕事にとても厳しいとうわさがある人です。そうなれば、この店のぬるま湯状態は一気に解消されるでしょう。しかし、店員たちには迷いがありました。そこで、営業停止が明けたら店で話し合いを持とうということになりました。

営業停止が明け、店員たちが店に集まりました。
「もう、社員さんに叩き直してもらおうよ」
「でも、叩き直してもらったって、ライバルが来たらどうなることやら・・・」
「まあ、仕方ないな」
「ちょっと、トイレに行ってきます」
 一人の女性店員が席を立ちました。十分位経っても戻ってこないのでトイレに様子を見に行くと火の手が上がっていました。女性店員はもういませんでした。
 ほかの店員は皆無事でしたが、店は全焼してしまいました。
 警察に捕まった女性店員の供述によると、本社に店長との愛人関係がばれるのを恐れての犯行だったそうです。ちなみに店員はだれ一人この関係に気が付いていませんでした。

 のちにこのファミレスが全焼する発端となった噂は店長に面接で落とされた男が流したものと発覚し、しかもデマであることもわかりました。
 本社は撤退を決断し、今のところこの田舎町に新たなファミレスが立つ予定はありません。


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