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宮守 遥綺さん

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ある日常の風景

12/10/14 コンテスト(テーマ):第十六回 時空モノガタリ文学賞【 テレビ 】 コメント:0件 宮守 遥綺 閲覧数:1335

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テレビゲームに夢中だった俺の集中力を途切れさせたのは、テレビの画面の黒さだった。


「…何しやがる」


何も知らないという顔をして俺のベッドに寝転がる彼女を見て、俺は手を伸ばす。
リモコン、返せ。
言葉に出さなくても伝わっているはずなのに、彼女はわざとにリモコンを抱えて丸くなってしまう。
…くそっ。


「おい、」
「…ヤダ。返さないから」
「何で」
「だってさ…折角一緒にいんのに。
なのにさ、達也、ずーっとゲームばっか。テレビと仲よし。
私の事なんて知らないみたく。私が、空気みたく。
何も話してくれないし。
……テレビなんて嫌い。だから返さない」


より一層ガードを固めてしまう彼女に溜息をついて、一つ。


「あと1フロアでラスボスだから。ソッコーで終わらすから、そしたら何か一緒にしよう」


不貞腐れたように唇を尖らせた彼女が、しぶしぶと言った様子でリモコンを差し出してきた。
俺は、テレビを再起動。
再びゲームに夢中になった。


「……やっぱり、テレビ嫌い…」


ぼそり、と呟かれたひと言は、テレビの中の剣士の声にかき消された。



(……っしゃーっ!!ラスボス倒し…)
(……すぅ…)
(寝てるし…)












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