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荒木成生さん

はじめまして、こんにちは、荒木成生です。 二千字をオーバーした時の推敲作業に苦労しています。 説明不足になりがちですが、そこは想像力で補ってください。 二千字よりも長いものは小説投稿サイト『アットノベルス』に置いてありますので、興味があればこちらもよろしくお願いします。 ペンネームは同じです。

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北海道国事始

12/10/08 コンテスト(テーマ):第十五回 時空モノガタリ文学賞【 北海道 】 コメント:0件 荒木成生 閲覧数:1593

時空モノガタリからの選評

最終選考

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 本日、国連で北海道国の独立が正式に承認された。
 これは友好国ロシアの後押しによる。
 というのも、日本の同盟国であるアメリカが凋落の一途を辿ったからである。
 その一因として、対中東諸国との戦費の増大が挙げられる。
 テロとの戦いを推し進めたはずのアメリカが、ある事件によってテロリストだけでなくイスラム教徒すべてを敵に回すという愚を犯すことにより泥沼化したことが大きい。
 さらに混迷を深めたのがアメリカの究極の格差社会である。
 極一部の富裕層がアメリカのほとんどの富を所有し、それ以外の国民が低所得者層となっていた……、それだけだったらまだ何とかなっていた。
 だが、国民の三割以上がフードスタンプを利用しなければ生きていくことができなくなってからの暴動に次ぐ暴動が、アメリカの経済に大きな影を落とした。
 奇しくもアメリカの独立記念日に最大の暴動が起き、株価も史上最大の暴落を記録した……、後に暗黒の独立記念日、ダーク・インデペンデンス・デイと呼ばれることになる。
 この日を境に、日本は見るも無残な現状となったアメリカを同盟国として手助けしなければならないと主張する者と見捨てて新たな道を行く者とに二分されることとなった。
 もちろん、北海道は後者の立場である。
 日本に見切りをつけたものの、資金が乏しく、北海道単独では思い切った施策を打てずにいた。
 そこに援助の手を差し伸べてくれたのが、かの悪名高きロシアであった。
 何か裏があるのではないかと思いながら、この十年ロシアと手を取り合ってきたのだが、これまでのところ特に問題は見受けられない。
 ロシアとしてはシベリアの資源開発に着手したくても技術的に立ち遅れていた。そのため、北海道への協力要請が行われた。
 当初はロシアに北海道側の技術を盗用されるのではないかとの懸念があったのだが、あろうことか採掘された資源を低価格で供与してくれたのである。
 これにより、エネルギーが安定して供給され、北海道の産業の発展に大きく貢献した。
 ロシアもまた新たな天然ガス田と大規模なダイヤモンド鉱山の発掘により大きな経済的発展を遂げたのは言うまでもない。
 ロシアが何故ここまでしてくれたのか……、なんのことはない、シベリア開発のビジネスパートナーとして中国や韓国は信用できず、アメリカの息がかかっている日本とは手を組めないという、ただの消去法で北海道が選ばれただけであった。
 そして、北海道国として独立が認められた今、新たなロシアとの友好政策が立ち上がる。
 一つは、領土……、独立を機に北方領土のみならず千島全島が北海道へと返還されるというロシアの大盤振る舞いが目を引く……、それだけ北海道との結び付きを強固にしたいという考えの現れであろう。
 さらに、南樺太も返還という形ではないが、北海道とロシアとの共同管理による経済特区として生まれ変わることとなった。
 一つは、国防……、道ロ安全保障条約の確立である。
 これは北海道が他国に攻撃、宣戦布告された際に発動するもので、主に北朝鮮と中国を警戒してのものである。
 例えば、北朝鮮が北海道を攻撃してきた場合、北朝鮮国境沿いに配備されたロシア軍が南下し平壌を制圧、その間北海道軍はひたすら自国を守るというものである。
 一つは、交通……、札幌−モスクワ間の高速鉄道の開通とモスクワ近郊ハブ空港の建設を開始する。
 札幌−モスクワ間は樺太経由で海底トンネルを掘ることが必須となるが、これには莫大な費用と長い時間がかかることが予想され、態勢が整うまでは保留とした。
 その代わり、ハブ空港の建設は今日からスタートされる。
 北海道からヨーロッパに行くにはアラスカを経由するしか道はないが、モスクワにハブ空港を造ることで二つのルートを確保することができる。
 それから、モスクワからヨーロッパのみならず、中東や北アフリカへも一回の乗換えで行くことができ、地続きのヨーロッパなら飛行機ではなく電車でも移動が可能だ。また、ヨーロッパから北海道への観光客はモスクワまで車で旅行しながら来ることもできる。
 両国にとっての経済効果もそれなりに……、と、ここで、
「北海道大統領、北野大地くん!」
 おっと、議長に呼ばれたようだ。
「はい!」
 大きな声で返事をし、壇上へ向かう。
 ここは政治の首都、富良野にある北海道国国会議事堂だ。
 そう、今日は国連での独立と同時に北海道国の運営もスタートする運命の日なのだ。
 領土、国防、交通、それ以外にも、経済、教育、医療、福祉などなど、国会の場で話し合わなければならないことがたくさんあるが、続きはまたの機会に。


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