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白沢二背さん

白沢二背と申します。現在、月に一度もペースで執筆中。

性別 男性
将来の夢 恐竜になる事
座右の銘 石の上にも三年

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三重人格

16/08/16 コンテスト(テーマ):第116回 時空モノガタリ文学賞 【 裏切り 】 コメント:0件 白沢二背 閲覧数:642

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 君は、多重人格者である。だから、他人が赦せない。君にはAからCの人格が有る。他人と接する時はB。御飯を食べる時はA、御風呂に入る時はC。以上、君の打ち分けである。冬にはCが多く成る。夏にはAの出番と成る。季節に拠っても役割は変わる。君の名前は遠山幸子。君の日課は絵を描く事である。今日は親友の新山さんと海外に行く。此処で思わぬ事態と成った。AとCが、君に「出番を譲ってくれ」と、泣き付いて来たのである。君は困った。思わぬ事態と謂うのは重なる物で、新山さんと一緒だった狭山さんが、公立入試で欠席と成った。だからではないが、君は、Bとしての人格を捨てざるを得なくなった。CかAかで悩んでいると、だが、徐に、Cがしゃしゃった。「Aは何、時も遊んでいるじゃない」「偶には私に遷させてよ」「中身」。――斯うしてみると非常に厄介なのだが、君は全部纏めて君であるからして、一人にずっこは、させないのだ。無論、狭山さんには申し訳、だけど。

 コーヒーを飲む=A、バターを塗る=B、新山さんと話をする=C、と、割り振る事に成った。輪番制と謂えば聞こえは好いが、ややこしい事此の上無い。故に君は三者を並べ、一様に一回ずつ、当番制を敷いた。而して其の実態は、かなり此の上無い横転振りである。君は、チョコレート・パフェを注文し、一口毎に交換する事に成った。佐山さんは今頃、試験の真っ最中だと謂おうに。君は、人格者の意義に付いて考え黙考思慮の裡に悟るのだ。此のBとCは、要らないのでは、と。

 と、新山さんが話を振った。曰く幸子ちゃんは時々、人が変わるねえとの事で、言得て妙だがまんま其の通りなのである。今日はBの当番で昨日、不必要に暴れ回ったCは居無い。そりゃそうである。だってパフェを二杯も食べたんだものと、君は、AとCで、廻す事にした。と、「御元気ですかあ」と、狭山さんが合流し、君は五人分の食事を済ませねばならなく成った。実際、一人分しか入らないとは謂え、ちゃっかりC迄復活してるから、面倒だ。

 Bはちょっと、食い気が足りない。女の子とは謂え、此れでは何時倒れても、の、勢いである。

 Aは御転婆だけども御人好し過ぎる。何時だって、引っ込み思案なAなのだ。君は、改めて海外に来て、好かったな。と、思った。

 処で、先日奇妙な出来事が、起きた。高熱で君が倒れていると、Bが急に変わりたくないとゴネた。斯う謂う時も当番制は、健在で、無慈悲な迄に当直は遣って、来る。鼻水も三分の一、うだる暑さも三分の一、体温計も、三分の一。今度紅茶当番は誰がで揉めなきゃ好いけどね。

 君は、三分の一が、好きだ。偶には苦しい思いも三分の一。偶には美味しい思いも三分の一。今度、誰かに裏切られたい。其の時は、他の二人が、きっと。

 我々の間にルールは無いのだ! !」と、君は嘯いた。此の前当番をサボった、二人に今日は掃除と洗濯を任せっ切り。Aとしての君は此れで何もかもを休んでて、好い。今日は、飛びっ切りの記念日に、しなきゃ。自然、君にも力が入り、君は、君である事を、止めたく成った。だって楽なんだもん。一人だと。さ。洗濯も無し、御料理も無し。TVでも点けて寝転がって居ようか。だがしかし、事態は其んなに簡単では、なかった。御料理当番Cが途中で分からない、と、嘆き、代わってBが舵を切る。すると、普段料理をしない二人は、全部おじゃんにして投げ出したので、ある。やっぱ、三人収まらなきゃ、かあ。君は、悲し気に空を掻き、リモコンを捨てて、加勢に応ずるのであった。

 Aはちょっと御転婆過ぎる。Bは少々食い気が足りない。Cは引っ込み思案だけど、破茶滅茶で、そして、四人の生活は、続いて行くのだった。多分。











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