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AIR田さん

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めいきんぐざろーど

12/10/01 コンテスト(テーマ):第十四回 時空モノガタリ文学賞【 駅 】 コメント:0件 AIR田 閲覧数:1518

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    駅を作ったことがある。路線も作った。そして、運行前日に彼女はいなくなり、めでたく廃線に。
    その名は、「ちょうべんりいえからうちゅうまで線」だった。
    小学生三年生の夏休み、田舎であった少女と、自分達だけの駅を作ろうと意気投合し、花火の中でキスをされ、手を繋いで廃線を歩き、
「自分たちの道は、自分たちで作ろう」
  そう約束して、僕達は駅を作り、路線を作った。
   彼女は突然いなくなったけど。     

    28歳になって初めて社会人になった僕は、些か苦労をしていた。といっても、それまでずっとアルバイトをしていたので、ある程度の予測は出来ていた。何に対しての予測か?それは「つまらなさ」だった。
   初めての就職。初めてのスーツ。正直僕はドキドキしていた。会社に入って、「仕事」をすることに、ドキドキしていた。でも、その期待は凄い勢いで崩れ去った。
   入社が決まり、僕は彼女、友達、家族に報告した。そして酒を飲んだ。さぁこれで準備は万端だ。会社に行こう。
   ところがビックリ驚愕。仕事の内容は恐ろしい程のルーティンワーク。社員の皆そんな感じ。改善点が山ほどあるのに、さも偉そうな理由を並べて後回し。かといって業務に精を出す訳でもなく、文句を言っているだけ。
  そんな中で僕は取り合えず与えられた業務、自主的に見つけた業務をこなした。
  時間が流れる。
  ある時、その会社に和んでしまっている自分を見付けた。誰かの愚痴をツマミにして酒を飲んでしまった自分を見付けた。
  クソくらえだった。本当にクソくらえだった。
  僕は酔っ払い、最終電車に乗り、運良く座れ、そのまま寝た。
「終点ですよ」
   気が付くと、僕は終点にいた。早くも痛む頭を抑え、降りたホームで嘔吐して、僕は虫同然の足取りで改札を出た。
「初野瀬くん?」
  終点で僕を呼ぶ女性の声がする。おいおい、これは夢の世界かい?
「やっぱり初野瀬くんだ」
  声の方に振り返り、僕は酔っ払いだったけど、直ぐに気が付いた。
「めいきんぐざろーど……」
  呂律が回らない僕の言葉に、彼女は声を上げて笑った。
   そんな彼女の笑顔を見て、明日も、働こうと思った。
    その前に、色々話を聞こうかな。


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