白沢二背さん

白沢二背と申します。現在、月に一度もペースで執筆中。

性別 男性
将来の夢 恐竜になる事
座右の銘 石の上にも三年

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16/08/07 コンテスト(テーマ):第115回 時空モノガタリ文学賞 【幽霊 】 コメント:0件 白沢二背 閲覧数:648

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 君は死んだ。内臓迄飛び散る程の凄惨な死に様だった。17:59.時計の電池を修理に行った。帰り際の出来事であった。「は」。と、君は目が覚めた。鉄骨の下敷きにされた筈だった。のにも拘らずに、君は自宅で目を覚ました。今後の予定は、19:30、愛の告白。20:00帰宅、21:30、就寝、で、あった。筈だ。此の後間一乃衣への愛の告白の間際であった。運命は残酷だ。君は死んだ事に拠って間一乃君への告白を逃したのであった。序でに壊れた時計を修理も。時計の針は19:35を指している。好かれ悪しかれ、もう充分な時間であったが、「はあ」。と君は吐息を漏らした。だってそうだろう。もし死んでしまっていては、告白なんか、出来よう筈も無い。だってそうだろう。もし生きていたのなら、ひょっとしたら何よりの仲に成れていたのかもなんだ。間一乃君とは。君は『細川妙子』と、銘打たれた時計を臨んだ。19:40、と、分針も示す。着替えてヤケに生々しい夜風を入れる。可笑しいな、とは君の言。君の『細川妙子』の謂う緘黙。続くと、君は街へと繰り出す。時刻は19:55と成っていて、君は、ひょっとしたら、と通学鞄で。ひょっとするとひょっとするかも。間一乃君は俟っていて、くれるかも。なんて淡い期待で、時計もちゃっかり用意して来ていた。時刻は20:05と成っていた。と、危ない! 横転して来たトラックに轢かれ、君は間一髪だが、転んで逃れた。やった、もう一度、死ぬかと思った。と、時計の針は19:50迄戻っていた。今度こそ御陀仏に、との、冷や汗物の錯覚であった。が、君は奇妙な事に、戻った時計に感謝するのだった。20:00ジャスト。二度目の故障で、『細川妙子』の、君のクロックは、修理に出された。筈だったが、如何も可笑しい。気分が優れない。時計は、返してもらう事にした。続くと。と――……唐突にだが、荒天に成った。君は大事に仕舞った『銘入り』の、時計で、……――少し遊んでみる事に、した。気分が悪く成ったのは、先程、すっ転んで以降であったが、――……ひょっとすると……――。20:10迄針を進めてみる。すると『銘入り』だった時計は、云ともスンとも言わなくなってしまった。分針もが完全にイカれてしまった様で、君は後ろ暗い気持ちになって来た。もし、もしもだが。もしも、『此の時計が偶然にも永らえさせた』要因だとすると――……君は、厭な予感がして来た……――。荒天を仰ぎ、そして。「きゃあ!」と、此れ又偶然の迅雷に遭った。根こそぎ、意識を刈り取られる様な凄まじさだった。――……だが、今度は意外にも此れを機会に、時計が、動き出した……――君は、今度こそ、と思ったが、当然の如くに生き永らえ、そしてコチカッチと時計も元気なのであった。続くと。と――……急に君は核心を、得た……――。生き永らえたのは『時計の時刻と『死の時刻が、ズレたから』で、あって、君は未だ生々しい現実の虜に過ぎないのだ』。と、するとだが、同時に告白もすっぽかした事に成ってしまった。やった! 生きてたんだ!! 私、と、君は、死んだ。死んでしまったのだとばかり思ってしまった。違った。次にする事は、勿論だが、君は、時計の針を、戻し――……。……――。





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