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葵 ひとみさん

「フーコー「短編小説」傑作選8」にて、 「聖女の微笑み」が出版社採用で、出版経験があります。 第114回 時空モノガタリ文学賞 【 パピプペポ 】最終選考を頂きました。 第116回 時空モノガタリ文学賞 【 裏切り 】最終選考を頂きました。 心からありがとうございます。 感想、心からお待ちしています^▽^ Twitter @Aoy_Hitomi

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将来の夢 毎日を明るく楽しく穏やかにおくります。
座右の銘 白鳥の湖、努力ゆえの優雅さ――。

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Les Baux-de-Provence―死者の街――

16/08/01 コンテスト(テーマ):第115回 時空モノガタリ文学賞 【幽霊 】 コメント:2件 葵 ひとみ 閲覧数:2005

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 ここは南フランスのレ・ボー=ド=プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)、

ダンテの地獄編のような景観(けいかん)が広がっている別名「死者の街」です――


ここにはエリザベス女王をはじめとするヨーロッパの貴族から、

成功したハリウッドの俳優まで人生の一生に一度は訪れるという伝説の5つ星のホテル

があるのですが、数年前にこの街で怪奇な幽霊事件がありました――



ルゥクレーァ(Leclercq)さんというその高級ホテルの秘書の女性が自分の部屋で刺し殺されていたのです。

その現場にはスペツナズ・ナイフが残されていました……

彼女にはスリランカにジュエリーの採掘場をもつメフシィ(Mercier)という

貿易商の友達がいて、

オパール・リングをはじめとする稀覯(きこう)なジュエリーを沢山もっていたので、

殺人の動機は、それらのジュエリーがほとんどなくなっていたのでそれを狙ったものだろうと推測されていました。



その事件の三週間後、彼女が勤務していたホテルの懇意(こんい)にしていた

フロントの女性ミィシェーレ(Michel)さんがロッカールームへいったとき、

ふいに目の前にルゥクレーァさんがあらわれました。


ミィシェーレさんは驚いてそこから外にでて同僚にその話をしました。

それからというもの、ミィシェーレさんは凄惨(せいさん)な殺人の悪夢を頻繁(ひんぱん)にみるようになり、

夜中に何度も魘(うな)されるようになりました。

その悪夢にはルゥクレーァさんとある男の顔があらわれましたが、

シュバリィー(Chevalier)というミィシェーレとはまったく面識のない男でした。

夜中にミィシェーレさんは自宅で突然またもやルゥクレーァさんの幽霊があらわれ、

シュバリィーがルゥクレーァさんから盗んだオパール・リングを

シュバリィーの彼女である、ホゥソゥ(Rousseau)にプレゼントしたことと、

自分のオパール・リングを確認できる人の携帯の電話番号などを切実に話しました。

そしてついにミィシェーレさんは悪夢に耐えきれずに警察官のデビーッド(David)にその話をしました。

デビーッドは最初は幽霊なんてまるで本気にしなかったのですが、

あくまで念のためにこの辺鄙(へんぴ)な街に一人しかいない

名前の女性のホゥソゥにききこみをすると、

彼女はデビーッドに彼氏のシュバリィーからプレゼントされたオパール・リングをみせたのです。

「ま、まさか!?」デビーッドが、

すぐにルゥクレーァさんの幽霊が教えてくれた携帯の電話番号に電話してみると、

なんと一週間前に携帯番号を変えたばかりの貿易商メフシィに電話がつながり、

後日、メフシィはそのオパール・リングは間違いなくルゥクレーァさんのものだと証言しました。

これが決定的な証拠になりシュバリィーは逮捕されました。

ミィシェーレさんはデビーッドにそのオパール・リングをルゥクレーァさんに返したい

と懇願(こんがん)して、ルゥクレーァさんのお墓のある墓地の

教会のヌーウェィル(Noel)司祭に頼んでミサの時に聖水をふりかけてもらい、

翌日の朝に、ローズマリーと一緒にルゥクレーァさんのお墓のよこに

誰にも秘密で埋めていただきました。

それからというもの

ミィシェーレさんの前にルゥクレーァさんの幽霊が現れることはなかったということです




参考

登場人物のフランス人の名前の由来です。

Leclercq(ルゥクレーァ)*職業由来

 由来:「clerk」書記官などその職能にあった人がつけた名前です。

Mercier(メフシィ)*職業由来

 由来:フランス語から「貿易商」です。

Michel(ミィシェーレ)*聖書由来

 由来:大天使ミカエルです。

Chevalier(シュバリィー)*職業由来

 由来:フランス語から「chevalier」(騎士)です。

David(デビーッド)*ヘブライ語由来

 由来:「David」から、もとヘブライ人名です。

ちなみにイスラエル王国のダビデ王が有名です。

Rousseau(ホゥソゥ)*容姿由来

 由来:古フランス語から「rous」赤です。赤毛の人に対するニックネームからです。

Noel(ヌーウェィル)*誕生日由来

 由来:フランス語「クリスマス」です。

祭日・クリスマスに生まれた人につけられた名前です。

クリスマスのビュッシュ・ド・ノエル(bûche de Noël)というケーキも有名です。


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このストーリーに関するコメント

16/08/07 あずみの白馬

拝読させていただきました。
なるほど、指輪に込められた思いが悪夢を見せていたのですね。
ラストも綺麗に締められていてよかったと思います。

16/08/07 葵 ひとみ

あずみの白馬さま、

コメント心からありがとうございます(^^*)

>なるほど、指輪に込められた思いが悪夢を見せていたのですね。

はい(^^*)

オパールはちなみに、

両極端な評価「幸福を呼ぶ石」「恐ろしい不幸の石」中世では「泥棒の石」なんです。
ヨーロッパの多くの王室では オパールは「不吉な宝石」とされ使われません
この迷信の元は イギリスの作家スコットの小説『いまいましい宝石のアンナ』 
ヒロインがオパールを所有して呪いをかけられた…という内容この影響で美しいオパールは嫌われてしまいました(>_<)
石は「意思」というぐらい人の念が入りやすいのです……。

>ラストも綺麗に締められていてよかったと思います。

ローズマリーは魔除けに使われます。
ちなみに占星術師さまたちが使い終えたタロットカードなどはセージと一緒に火で燃やして土に還します(^^*)

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